ラッコの映画生活

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2008.06.09
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カテゴリ: 日本映画
地下鉄(メトロ)に乗って

122min
(DISCASにてレンタル)

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同じブログの Nさん が、「なんともな~?!」という映画で、 しかも悪い後味が後をひく とおっしゃるので、物好きな自分は見てみました。こういう、なんと言うか、非常に単純な大衆娯楽的日本映画を自分から見ることはないので、良いキッカケになります。浅田次郎の吉川英治文学新人賞受賞の原作小説は読んだことはないし、これからも読むことはないと思うので、原作と映画の関係については勝手な想像で書かせていただきます。

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まず映画を見始めて、正直面喰らいました。なぜって、東京地下鉄の協力はあるにしても、それなりにお金のかかっている映画だと思うのですが、1964年の商店街といい、敗戦直後の闇市の場面といい、そして何よりも演技の質自体がテレビドラマであって、映画のものではないんですね。大したこともない 『ゆれる』 が「映画」としてもてはやされる理由がわかりました。まあそんな悪口はやめて、ドラマの内容に入りましょうね。

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主人公の真次が続いて過去にタイムスリップして、終戦直後に闇商売をしながら飢えたガキの面倒を見る父、赤紙で満州に出征する父、満州の地での勇敢な父、そういう父の過去の姿に接し、また父が持っていた希望や夢がどのように実現され、また失われたか、そんな父の人生を知る。そして父という人を理解し、許せるようになるという、まあそんな物語だ。でもね、全然これが感動的でもなんでもないんですよ。あまりにもありきたりの人生観とか発想なんですね。原作は知らないけれど、少なくとも映画が描いて範囲では、そうなんです。森有正は、戦争体験を書いたエッセーや小説の著者の多くにとって、戦争が「体験」でしかなく深く「経験」になっていないと批判している。ただ「こういう本が書けるような変わった体験をさせてくれてありがとう」と言っているようだと。浅田次郎っていう人は、戦争体験者でもなんでもなくって、戦後1951年の生まれなのだけれど、これもその延長線上にあると言ってもよい。実は非常に甘っちょろい人生観を、戦争を使って偉そうに見せているだけに過ぎない。散文的事実としてはともかく、人間としては父の実存的苦悩なんて全く描かれていない。これでは映画を見せられている自分は、なんらこの父・小沼佐吉に共感が出来ない。だからタイムスリップで知って父を理解し許すという主人公・真次自体が更に薄っぺらになってしまう。

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(以下ややネタバレ含む)
真次が妻子ありながら愛人がいるということ自体は別に良いのだけれど、それが原作の浅田のものか、脚本家や監督のものかは知らないけれど、男のみに許されるような古い男女観が基礎にある感じなのはちょっと気分が悪かった。まあそれはそれとして、この真次が実に愚鈍に描かれている。最初の方に愛人・みち子から母のオムライスのこと聞かされているのに、最後の方のみち子の母との対面のシーンで、オムライスが出てきても(ケチャップも)真次は何も気付かない。佐吉が生まれてくる娘の名前は「みち子」にしようって言って始めて気付く。これってba-kaなんじゃないかと思う。そんな真次だから増々もって映画全体が安っぽくなる。

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思うに映画として脚本が駄目駄目なのかも知れない。原作は恐らく長い小説だろうから、何に重点を置いて「一つの映画」にするかという感覚が欠如しているんでしょう。岡本綾って人ははじめて見たけれど、彼女だけがなかなか良い演技してましたね。みち子のタイムスリップは原作にはないらしいけれど、あの自分をお腹の中に妊娠した母との対面を軸に、この映画では常盤貴子がイモ演技していたこの母「お時」の生き方(アムールへの愛)、みち子の真次への愛、この辺を中心にドラマにしていたら面白かったかも知れません。というかそういう映画なら見てみたいです。

それにしてもあの場面でのビールとオムライス代はどうやって払ったんでしょうね?。

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Last updated  2008.06.21 03:03:46
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