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2008.08.17

靖国神社公式参拝

(21)

テーマ：考えたこと　想い出したこと　読んだ本(436)

カテゴリ： W【戦争】　原爆・戦争責任・戦争犯罪

小泉元首相、安倍前首相と数人の閣僚が靖国神社参拝をしたようである

私は、以前にも書いたように閣僚の靖国神社公式参拝には反対である
私の嫌いなものはいっぱいあるのだが（笑）、『宗教』と『天皇制』と『右翼』と『左翼』がきらいである
靖国神社は､この内の、『宗教』と『天皇制』と『右翼』がからんでいるから嫌いなのである

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靖国神社は、明治2年明治天皇によって「天皇のため」に戦った戦死者を弔う､天皇の神社であた
対象戦死者はペリー来航以降の「天皇のため」に､「朝廷側」「政府側」で戦った戦死者に限るのである
また明治以降に新設？された『国家神道』の神社でもあった
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『ウィキペディア（Wikipedia）』
戦前においては神社行政を総括した内務省が職員の人事権を有し、陸軍省および海軍省によって共同管理される特殊な存在であり、国家神道の象徴として捉えられていた。運営の主導権は財政をになった陸軍省が有していた。祭主は陸・海軍武官が勤めた。
戦後は政教分離政策の推進により宗教法人となり、日本政府との直接的な関係はないとされている。
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このように靖国神社は天皇の神社であった
それなりに国のためを思って戦った､たとえば西南戦争、戊辰戦争の戦死者は、「天皇に背いた逆賊」とされて、合祀されることがない
天皇の国体維持のために戦死したもの『のみ』が合祀されるのである
これが私には気に入らない
『ウィキペディア（Wikipedia）』によれば『合祀対象者』は下記のようなものである
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● 軍人・軍属
戦地、事変地、および終戦後の各外地において、戦死、戦傷死、戦病死した者。
戦地、事変地、および終戦後の各外地において、公務中に受傷罹病し、内地に帰還後、療養中にその受傷罹病が原因で死亡した者。
満州事変以降、内地勤務において、公務中の受傷罹病が原因で死亡した者。
サンフランシスコ講和条約の第11条にある裁判・判決によって死亡した者など[14]（極東国際軍事裁判などの軍事裁判によりA級戦犯・BC級戦犯であるかないかに関わらず死刑になった者など。政府では「法務死者」、靖国神社では「昭和殉難者」と呼称している）。
「未帰還者に関する特別措置法」による戦時死亡宣告により、公務中の受傷罹病が原因で死亡した、とみなされた者。
● 準軍属およびその他
軍の要請に基づいて戦闘に参加し、当該戦闘に基づく負傷または疾病により死亡した者。（満州開拓団員・満州開拓青年義勇隊員・沖縄県一般邦人・南方および満州開発要員・洋上魚漁監視員）
特別未帰還者の死没者。（ソビエト連邦・樺太・満州・中国に抑留中、死亡した者・戦時死亡宣告により死亡とみなされた者）
国家総動員法に基づく徴用または協力者中の死没者。（学徒・徴用工・女子挺身隊員・報国隊員・日本赤十字社救護看護婦）
船舶運営会の運航する船舶の乗務員で死亡した者。
国民義勇隊員で、その業務に従事中に死亡した者。（学域組織隊・地域組織隊・職域組織隊）
旧防空法により防空従事中の警防団員。
交換船沈没により死亡した乗員。（つまり、「阿波丸事件」のことを指す。）
沖縄の疎開学童死没者。（つまり、「対馬丸」のことを指す。）
外務省等職員。（関東局職員・朝鮮総督府職員・台湾総督府職員・樺太庁職員。）
●祭神の内訳
祭神は、以下のようになっている。（2004年10月17日現在）
戊辰戦争・明治維新：7751柱
新政府軍側のみ。遊就館の靖国の神々の一覧表では「明治維新」のみ。（彰義隊や新撰組を含む）旧幕府軍や奥羽越列藩同盟軍の戦死者は対象外となる。
西南戦争：6971柱
政府軍側のみ、西郷隆盛ら薩摩軍は対象外。
台湾出兵（別名「征台の役」）：1130柱
遊就館の靖国の神々の一覧表では、「台湾討伐」とある。
壬午事変：14柱[17]
江華島事件：2柱[18]
京城事変：6柱[19]
遊就館の「靖国の神々の一覧表」では、壬午事変、江華島事件、京城事変はなぜか一覧表にない。
日清戦争：1万3619柱
義和団事件：1256柱
遊就館の「靖国の神々」の一覧表では、「北清事変」とある。
日露戦争：8万8429柱
第一次世界大戦：4850柱
済南事件：185柱
霧社事件
中村大尉事件外19柱[20]
満州事変：1万7176柱
支那事変：19万1250柱
大東亜戦争：213万3915柱
計：246万6532柱
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これを読めばわかるが「軍人」・「軍属」・「準軍属」しか合祀される資格が無いのである
つまり国家命令（天皇のご命令）で戦争状態に入って戦死したものしか祀られないのである
軍人以外にやかましく強いられた『銃後のまもり』をつとめて、無念の、非業の最期を遂げた幾十万の「民間人」の死亡者は祀られないのである
国家が､天皇が責任を持たないのである
天皇から「朕のため」､「国体の護持のため」に「死ね！」と命令されたもののみが合祀の「誉れ」を得るのである
民間人はそれぞれ自分の家の代々の墓で家族の死亡者を祀るのである
不公平ではないか

　　　　　　　――――　◇　――――

靖国神社は神社である
神社であるからには宗教施設である
私は宗教が「原則」嫌いだから靖国神社も嫌いである
まあ、本当のところはそれほど単純なものではないのだが、とりあえず・・・である

靖国神社は神社ではあるが、新設の神社である
普通の神社のような普通の歴史が無い
明治天皇によって設立された､明治2年に新設された天皇家のための神社であった
一応祭神は､祀られる側は戦死者であるが､祀る側は天皇家であった
神社と言っても､国家神道というまやかしの神道のしろものである
欧米諸国のようにキリスト教という国家のバックボーンが無いために、日本版国家バックボーンとして明治になって拙速でつくりあげた天皇教というものから発想されたものである
これは日本の歴史上の天皇制とは異なるものである

それに宗教上は本来なら、神社へは神道の信徒が参拝し、御霊を祀るものである
日本人はほとんどが仏教の檀家であるにもかかわらず、仏教徒が神社に御霊を祀るとはおかしいではないか？
私のような無神論者でさえ、これは神仏混淆・神仏習合ではすまされないポイントである

また靖国神社側は、キリスト教徒、イスラム教徒、いろんな邪教の（笑）教徒、それに無宗教主義者も、日本人も外国人も､当時日本国籍を持つとされた者はすべて、ひとからげで勝手に合祀してしまっている
厚生省の戦死者名簿などがその原史料になるらしいが

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靖国神社に反対ならどうすればいいのか？

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『ウィキペディア（Wikipedia）』
諸外国の国立墓地・戦没者慰霊施設
多くは日本と違い、無宗教の墓苑とされているが、国教やそれに相当するものが存在し、事実上国教による墓苑となっているケースもある。

大韓民国：国立顕忠院、5・18墓地（光州市）
中華民国：忠烈祠
中華人民共和国：八宝山革命公墓
朝鮮民主主義人民共和国：革命烈士陵（平壌市大城山）、愛国烈士陵（平壌市兄弟山）
インドネシア：カリバタ英雄墓地
アメリカ合衆国：アーリントン国立墓地
ドイツ：ビットブルク墓地（コルメス丘顕彰墓地）、ノイエ・ヴァッヘ（戦没者国立中央追悼施設）、ボン北墓地追悼所、「白バラ」抵抗運動記念碑
フランス：凱旋門（ただし、一人の無名戦士をたたえるという扱いになっている。）
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「千鳥ヶ淵」を拡充して無宗教の戦没者慰霊施設としようという考えもあるようである
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『ウィキペディア（Wikipedia）』
千鳥ケ淵戦没者墓苑は、東京都千代田区三番町にある「無名戦没者の墓」である。
第二次世界大戦の折に海外で死亡した日本の軍人・一般人のうち、身元が不明の遺骨を安置するため、1959年（昭和34年）につくられた。
「千鳥ヶ淵」とも表記される。
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私としては、靖国神社の様に個々の御霊を祀るのではなく､千鳥ヶ淵のように単に遺骨を埋葬するのでも無く、欧州のように抽象的な「無名戦士の墓」と言う施設を作ればどうかと思う

ただ、無宗教といえども、墓を作ること､およびその墓に参拝して鎮魂を祈ることも、宗教と言えば宗教である
少なくとも、一種の宗教的「心」である
難しいものである

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追記
この急造ながらも「国教」となった国家神道は意外に強固だった
太平洋戦争の戦況から、どうしてソフトランディングするかを協議した御前会議などでも、「国民の生命・財産」よりも「国体護持」「天皇制の維持」をどうして米国側にのませるか？
それが会議のテーマであった
二度とこのようなものを許してはならないと思う