【不眠症カフェ】 Insomnia Cafe

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2018.04.07
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カテゴリ: M【映画】 女優
映画カサブランカ その2
ここからは、複刻記事
​​

​  ーーー 複刻記事 ーーー​


映画カサブランカ 
バーグマンの夫は青山栄次郎と言う日本人

2004.02.07


「カサブランカ」といえばイングリット・バーグマンとハンフリー・ボガート共演の名作だが、陰に隠れたような役柄ながら、このバーグマンには夫がいて、この夫婦の逃避行の途中で、バーグマンは、かってパリで恋人だったボガートと、再開する
つまり、この映画の人間関係は三角関係である。​​


ここで「あの映画では目立たない(笑)バーグマンの夫、ラズロには実在のモデルがあって、そのモデルは日本人で青山栄次郎」と書くと、ウソだろう!と言われそうですがこれは本当。

バーグマンの役柄とその夫役には本当に実在のモデルがいたのである。

今日、BBSへのviafmさんの書き込みの中に「ハプスブルグ家のエリザベート」という部分があったので、それに触発されてこの話を思い出し書くことにした。

       ―――― ◇ ――――

まずちょっと長い話になるので、先ずあの映画の登場人物を説明しよう。

「カサブランカ」の主題は、下記の人物の三角関係。

1) ナチスに追われる抵抗運動の指導者・ヴィクター・ラズロ
2) その妻、イルサ・ルンド (イングリット・バーグマン)
3) モロッコのカサブランカのカスバで、ナイトクラブを経営するアメリカ人リック (ハンフリー・ボガート)

物語を説明するにしても実は私は一回しかこの映画を観ていないのでちょっとあやふやながら、ストーリーをはしょって紹介してみることにする。

物語の始まりはパリ。
このパリのシーンは、この映画の途中場面として、フラッシュ・バックで表現される。
それまでは、このボガートとバーグマンの以前の関係は伏せられている

バーグマンの前の夫、ヴィクター・ラズロは、対ナチス抵抗運動の活動家で、ナチスに逮捕され死亡したらしくある日、消息が途絶え
その心の隙間を(よく使われる言葉だが・・・)埋めるように、バーグマンはボガートとの逢瀬を重ねる。

ところがいよいよトイツ軍がパリに侵攻してきたので二人は手に手を取って逃げる予定だったが、その直前突然思いがけず夫のヴィクター・ラズロが帰って来た。
バーグマンは「逢えない」というメモだけを残してボガートのもとを去ってしまう。

つまりボガートはあっさり振られてしまったわけになる。
しかもその理由も知らされずに。

かなりの歳月が経った後、夫妻が、ナチスの手を逃れて、亡命途上、カサブランカに立ち寄ったところ、そこにはなんと、ボガートが経営しているバー
そこに偶然に入って来たバーグマンとボガートは複雑な気持ちで再会をする。

彼らは地下人脈にも通じるボガートに、モロッコを出国するために偽パスポートの手配を懇願する。
しかし同時にバーグマン自身は、この異境で再会したボガートと夫ヴィクターとの二人の男性の間で、どちらを選ぶべきか?苦悩する。
ボガートも同様に夫ある身として現れたバーグマンへの思慕を断ち切れず、苦悩する。

色々あって結局は夫婦がボガートにパスポートをもらい飛行機に乗って亡命先へ逃れる。
この霧の中で飛行機に乗り込むシーンはウディー・アレンの「ボギー・・・」でも再現されている名場面だろう。

       ーーーー ◇ ーーーー

あの双発機はダグラスDC-3だと思う。
ボガートのあのトレンチはバーバリーでは無く、ライバルのアクアスキュータムだそうで、何かの本にそう書いてあった。

私はコートはアクアスキュータムが洗練されていていいと思うが、トレンチコートはバーバリーの方が軍用の面影を残していていいと思う。

       ーーーー ◇ ーーーー

これはラブ・ロマンスの比重の大きいハード・ボイルド。

ハード・ボイルドというジャンルを一言で言えば、やせ我慢男の義理人情ロマン?
または武士は喰わねど高楊枝というところかな?


この映画で観るかぎり、バーグマンの心はボガートの方に惹かれている。
このめくるめく強烈にエキゾティックなアラブ(モロッコ)の土地に住み、なおかつ有力者として生活していて、通行証をやみ手配できる(裏社会とは言え)力を持つボガートの男らしさに、あらためて惹かれるのは、状況上女性として当然かも知れない。

       ーーーー ◇ ーーーー

舞台は変わって以下は史実である



 明治25年(1892)、東京牛込の、青山骨董商の店先で、当時駐日オーストリア代理公使であったハインリッヒ・クーデンホーフ・カレルギー伯爵が馬で通りかかった。
折悪しく、店の前の打ち水が凍っていて、伯爵の馬がすべって転んだ。
そのカレルギー伯を素早く介抱したのが、その骨董商の娘、青山光子(1874~1941)。
知り合った二人は、それから二週間もするとこれも素早く(笑)、領事館で同棲を始める。

そうして光子はカレルギー伯と18才で国際結婚
親に勘当される。

日本で二人の男の子(光太郎・栄次郎)が生まれる。

この次男の日本名は「栄次郎」
オーストリー名はリヒァルト・ニコラウス・クーデンホーフ・カレルギー。

1896年、ミツコの夫のカレルギー伯爵に本国より帰国命令が出る。
ミツコは、夫と二人の子供と一緒にオーストリアに渡る。

彼女は、生涯に、合計7人の子供を出産
ボヘミヤの領地の城で暮らす。

夫ハインリッヒは1906年に急逝、遺言により全財産を受け継ぐ。
光子は文化の壁を乗り越え伯爵夫人としてウィーンの社交界の花形となった
と言われている
ただ、実際に、日本人のミツコが、どの程度、ウィーンの社交界で活躍したのか?
諸説が分かれるところでもあるのだが

それにしても、とにかく、
 今から約100年も前の欧州で貴族夫人として日本女性がいたと言う事自体、すごいことだが

これが、旧姓青山光子、結婚してからオーストリーでの名前はミツコ・クーデンホーフ、の略歴でである。


20年近く前に吉永小百合さんが、このミツコの娘を訪ね、ミツコの生涯を検証するというテレビ番組があったのをご覧になった方も多いと思う。

       ―――― ◇ ――――

ゲランの有名な香水に「ミツコ」というのがある。
私は未だ香りを嗅いだことがないのだが、昔から最も有名な香水の一つである
この「ミツコ」という香水の名前、実はミツコ・クーデンホフにちなんで命名されたという説が強い。
ゲラン社は公式には、これを否定しているが、当時の欧州に知られていたミツコという日本風の名前は、ミツコ・クーデンホフその人からきたものである、というのが常識だと思う。

もう一つミツコという名前が知られていて、これはフランスの小説「ラ・バタイユ」のヒロインの日本女性の名前。
ラ・バタイユ』(フランス語: La Bataille)は、1909年に出版されたクロード・ファレールの小説。
1905年における日露戦争を題材にしている、そうである。

このミツコもミツコ・クーデンホフに名前を拝借したのではないかと思うが、時系列を詳しく調べてはいない。

まあ、どちらでもいいのだが、とにかくミツコは当時のフランス人にとって日本女性を代表する、イメージする名前であったということだけは確かであろうと思う。



このように、「カサブランカ」のイングリット・バーグマンが演じた女性の夫の役柄は、このミツコの日本人の血を引く次男、がモデルだと言われていて
 「カサブランカ」の映画デ言えば
ナチスに追われ、モロッコに逃げ込んできた抵抗運動の指導者、チェコスロヴァキアの外交官でもあるヴィクター・ラズロ Victor Laszlo。

彼こそ、青山光子(ミツコ・クーデンホフ)の次男の栄次郎であり、栄次郎オーストリー名はリヒァルト・ニコラウス・クーデンホーフ・カレルギーなのである。

 ーーーー


実はこのバーグマンが扮したイルサ(Ilsa Lund)ラズロも、栄次郎の実在の妻、ウィーンの美人舞台女優イダ・ローランがモデルである。
美男でもあった栄次郎はこのイダと恋に落ち、母ミツコの反対をおして駆け落ち結婚をして、このため栄次郎はミツコから勘当される。
母子とも、親から勘当(笑)というのも縁なのかも知れない

 ーーーー

栄次郎は成人して、欧州統合を目的とする「汎ヨーロッパ運動」の創始者となる。
この思想が
EEC(ヨーロッパ経済共同体)を生み、さらにEC(ヨーロッパ共同体)
さらには、ついに、 EU(ヨーロッパ連合)となって今日に至る。

はるか東洋から嫁いできて異文化の中で苦闘した母をもった栄次郎は、文化や国の統合という思想を、この自身の数奇な運命の環境と言う条件下で、はぐくんだのではなかろうか?
私は、そんな気がする

 ーーーー


栄次郎は後に第一回鹿島平和賞を授賞し
母の国であり、自分が生まれた国でもある日本を再訪を果たすのだが

・・・しかし、この映画の中では、まだその思想性からナチスに追われ亡命途上(笑)


なお、長男の光太郎もハンガリー・オーストリー二重帝国初の女性パイロット(飛行機乗り)だった女性とミツコの反対をおして結婚。
この女性はユダヤ系だったこともミツコの反対の原因となったのであろうと思われる。
自分が東洋からの異邦人であったミツコにもやはり人種偏見があったということか?

       ―――― ◇ ――――

この映画は、原則、フィクションだが
史実の上でも、栄次郎とイダは実際にオーストリーから逃れる際に、モロッコ経由亡命するという予定もあり、そこから「カサブランカ」のアイディアが生まれたらしい。


「エリザベート・ハプスブルグ帝国最後の皇女」(塚本哲也氏著)「文藝春秋社」という本を持っているのだが、例によって未だほとんど読んでいない。

しかし、この本の中に栄次郎の亡命の経緯が書かれている部分だけは読んでいるので、ちょっと抜粋して紹介したいが、これは明日にゆずることとする。 ​​





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最終更新日  2018.04.07 17:02:51
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