全2件 (2件中 1-2件目)
1
ひびきが不登校になってから、丸1年が過ぎ。最近不登校になる頃のことを思い出す。不登校になった頃には、全く気がつかなかったことだった。なぜか今頃になって思い出す。あ~、あれが、ひびきからのサインだったんだな。どうしてサインを見逃してしまったのだろう。一生懸命サインを出してくれていたのに、その本質を見れなかったのだろう。それを見逃さなかったら、こんなにひびきを苦しませなくてよかったろうに。そう思うと、涙があふれてとまらなくなる。自分を責める気持ちと、ひびきに申し訳ないという気持ちと。そして、今後も同じ過ちを繰り返すのではないかという恐怖と。いぶきにも同じことをしてしまうかもしれない。最近は思い出しながら、そう感じてしまう。子どもたちが実家へ戻り、私はまさきと久しぶりに会い、ドライブに出かけた。車の中でとめどなく、涙があふれ、ずっと泣いていた。まさきは、何も聞かずずっと手を握っていてくれた。どんなに後悔しても、過ぎ去ったこと。時を戻すことなんてできない。どんなに悔んでも、仕方ないこと。泣いたって、仕方ない…わかっている、わかっているけど、泣かずにはいられなかった。泣く場所がなかった。「どうしてわかってあげられなかったんだろう。どうしてどうして」そう言いながら泣いた。初めて、部活に遅刻をしたひびき。遅刻したから部活に行けないというひびきを無理やりつれていった。そんな遅刻くらいで・・・と私は感じていた。遅刻という事実にしか目を向けていなかった。どうして、遅刻ごときでそこまで思いつめるひびきの気持ちに気付けなかったのか。遅刻したことが問題だったんじゃない。「お母さん、俺、休みたいんだよ。今日は家でゆっくり休ませてくれよ。」ひびきはそう叫んでいたに違いない。「何かあったの? 今日は休んだら?」なぜそう言ってあげられなかったのか。思えば、これがひびきが態度に出したサインの最初だった。その前にもたわいもない話を私に話しかけてきた。どうしてそんな話を私にわざわざするのかしらと感じていた。ひびきが話したい内容は違っていたんだろう。「本当はこんな話を母さんにしたいんじゃない。母さん、気付いてくれよ。どうしたの?何か母さんに聞いてほしいことあるんじゃないの?って、言ってくれよ。俺に話しやすくしてくれよ。」きっとそう叫んでいたんだろう。気がついてくれない私に態度で示したはずなのに、それでも私はひびきのサインに気がつかなかった。気付いてやれなかった。私はひびきの何を見ていたのだろう。母親失格だよ。気がつくの遅すぎ。1年も経って、気付くなんて。だから、ひびきは今も苦しんでいるんじゃないのか。ひびきの問題ではなく、私の問題。私は本当にひびきを待っているのか。ひびきを信じて待っているのか。一人焦っているのは、実は私なんではないか。また、ひびきを苦しめているんじゃないか。子どもたちがいない、一人だけの家。いろんな思いがあふれる。私はひびきといぶきを信じているのか。彼らには彼らの考えがあり、失敗しながらも生きる力を持とうとしている。いや、持っているはずだ。それを私は信じているのか。信じて、本当に私が必要な時に手を貸せるよう見守っているのか。いざ、必要だと言われても、私がビビって、子どもの本当に手を貸してほしいことに気付いてあげていないのではないか。何があってもお母さんが守ってあげるから…そう口では言っていても、心では思っていても、いざとなると、文句ばかり子どもに言っているのは私じゃないか。ふぅ~、来年の私の大きな課題。私が知らず知らずのうちに逃げてきた課題なのかもしれない。やっと、向き合うことができるようになったのかもしれない。だから、今頃だけど、気付くことができたのかもしれない。泣いている場合じゃない。私なりに前に進もう。子どもたちがあきらめて、私にサインを送ってくれなくても。サインをキャッチできるかもしれないと子どもたちにもう一度感じてもらえるよう、子どもたちを信じる気持ちを持とう。今母さんなら、俺のサインを見逃さないかもしれないと感じてもらおう。子どもたちにもう一度見直してもらおう。来年の私の課題。子どもの力を信じること。
2009.12.29
コメント(8)
クリスマスも終わり、いよいよ年末。12月に入り、ひびきと長期欠席者対象の高校入試説明会に行ってきました。内申が付かない不登校生徒にとってこの入試は本当にありがたい制度です。内申書はなく、自己申告書を提出します。それ以外は他の入試と同じ。5教科と面接試験です。その高校は公立高校の普通科、単位制ではなく、全日制通学です。定員も少なく規模の小さい学校で、自宅から電車とバスで1時間半くらいで通えるところでした。ひびきと一緒に説明会に参加でき、そういう制度があることがわかってとても良い経験でした。でもひびきにとっては、まだ早かったのかもしれません。勉強もやるではなく、口数が減ってしまいました期限のあることに焦りがでたのでしょうか。プレッシャーとなっていたのかもしれません高校へ行ったほうがいいと思っている。外に出たほうがいいと思っている。行きたいとも思っている。外に出たいとも思っている。そんなひびきの思いを私は、何かきっかけを求めていると思っていました。でもどうやら違っていたようです良いのはわかっているけど、そう簡単にはいかなくて、困ってたと言った方が適切かもしれません。冬休み前面談の前の日、ひびきに話しました。ひびき、お母さんも高校へは行った方がいいと思っているし、行ってほしい。それはひびきも同じ思いだということもわかってる。でもね、いいんだよ、行かなくても。外へ出なくちゃいけないと感じているんじゃないの?いいんだよ、外に出なくても。もしかしたら、今中学校へ行くことができないけど、果たして高校にいけるのか不安なんじゃない?勉強に対してもやる気が起きないんじゃない?高校行かないって選択もあるんじゃない?ひびきは静かに言った。今は行きたいと思えないんだ。行ってみたいと思ってはいるんだけど。外にも出かけた方がいいと思ってる。でも怖いんだ、友達が何を考えているか。優しく話しかけられても、心の中では違うこと思ってるんじゃないかって考えちゃうんだ。面談で担任の先生にこのことを話した。担任の先生はだまって聞いてくれた。ひびきも正直に自分の気持ちを話してくれた。担任の先生は「ひびき、よくわかったよ。焦らなくていい。今日は本当によく来てくれた。顔が見れてよかったよ。」そのとき初めて知ったことがあった。11月の終わりころ、ひびきのクラスメートが住所を頼りにアパートまで5、6人が来てくれ、みんなでカラオケに行ったらしい。私はびっくりしてしまったそして、卒業アルバムの個人写真について話が及んだ。掲載するかどうかをそろそろ決めなくてはいけない。すると、ひびきが言った。「先生、もう少し時間をください。形だけで写真を掲載するのいやなんです。このクラスに写真を掲載するなら、ちゃんとクラスメートとして載りたいです。これから学校へどのくらい通えるかわからないけど、載せるならちゃんとクラスの一員として載りたいです」これまた、びっくり。そういうことを感じていたんだ。こっちの友達はいいやつだと思うよ。そう言っていたひびき。だからこそ、形式だけでクラスに個人写真を残すのはいやだったのかな。そして、この日個人写真の撮影は済ませた。載せることになったとき写真が間に合わないと困るから。担任の先生がひびきに学校でのクラスのみんなのことをいろいろ話してくれた。ひびきもいろんなことを質問していた温かい担任の先生だった。考えてみれば、この日初対面だった。毎日ひびきにFAXを送ってくれる。今日はこんなことがあったよ。明日の時間割はこーだよ。風邪引いてないか?たまには出かけてるか?教務主任といい、生徒指導の先生といい、担任の先生といい、心が通った教育的指導をしてくれる方ばかりだ。その後、ひびきは相変わらずの生活をしているけど、高校行かない選択肢もあるということで楽になったのか、面談でホッとしたのか、とても元気今は、家事手伝いをお願いしている。家にいて何もしないよりは、家族の一員として何かできることを見つけようというわけ。洗濯物を取り込むとか、掃除をするとか、洗い上げをするとか、料理をするとか、手伝うとか。気づいてやってもらえたら嬉しい。12月でちょうど不登校丸一年。外へ出なくても、家の中で意欲的に、自分で気づいて行動できるといいなと感じる。明日から1泊だけど、前にいたところの友達2人が電車に乗って、泊まりにくる。引越しのとき、最後まで見送ってくれたひびきの親友たち。明日はにぎやかになりそう。いぶきも嬉しそう。私もとても楽しみにしている
2009.12.26
コメント(2)
全2件 (2件中 1-2件目)
1