鎌倉日記(極上生活のすすめ)

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アトムおじさん

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2008年11月11日
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テーマ: たわごと(26935)
カテゴリ: カテゴリ未分類
遺体になった父のそばで、娘が泣いていた。
娘が作った千羽鶴は、動くことなく、そこにあった。

「葬儀社は、決めていらっしゃいますか。」
「いや、決めていません。」
「もしよろしければ紹介しますけど・・」
「お願いします。」

看護士の女性と、そんな会話をしたあと、遺体の父の口を開けた。
入れ歯を、そこにはめ込むと、かつての元気だった顔に、少しもどった。
私は、弟と父の髪に櫛をいれた。


父の遺体は病院の霊安室に運ばれることなく、車に乗せられた。
その運ばれるあいだ、看護士は、通り過ぎていく病室の部屋のドアを、素早く閉じていった。

父がひさしぶりに、家に帰ってきたが、今度は、遺体となっている。
父は奥の部屋に寝かされた。
その姿を見ると、とても死んだ姿とは思えなかった。
声をかければ、今にも、起きてきそうだった。

やがて、ころあいを見計らったように、葬儀社の人が声をかけてきた。
テーブルを囲み、話がはじまった。
葬儀への列席者はどのくらいの人数になるのか。いくつかの質問がされた。
そして、葬儀場の場所は、こことここなら、いついつが空いているけれど、友引や、火葬簿の都合なども素早く教えてくれた。
地方からの列席者が多いのなら、ホテルは、何部屋までなら、押さえてあるとも言われた。

通夜の日取りが決まった。
今晩ではなく、一夜、ずれることになった。

宗派は、どこの宗派なのか。お坊さんは、どのようにするのか。
私は、自分の家が檀家になっている寺に電話をかけた。
まえまえから、交通費や宿代を出しても、葬式には呼ぶつもりでいたのだ。

葬儀社も手馴れたもので、仏教の宗派さえわかれば、近所の寺で、その宗派の僧侶を呼ぶことができる仕組みになっているようだった。
田舎の僧侶からも、それに従うのに依存はないようで、戒名は、そのあとファックスで送られ、通夜の晩には、同じ宗派の僧侶が、それを読むことになった。

葬儀社との打ち合わせはつづいた。
ほかにも、斎場の花、骨壷、霊柩車の種類、香典返しの品もの選択など、矢継ぎ早に、その場で、決めていくこととなった。
声をかける親戚や職場、近所の人間関係について、頭がよぎった。

葬儀とは、結局、そういうものなのだということがわかった。
現代の都心では、葬儀が地域社会の儀式、儀礼とは切り離されたものになっている。
地域社会で葬儀を手伝いあうことはない。
しかし、式としての葬儀は、存在する。
火葬場、葬儀場、宿泊ホテル、僧侶の日程調整、車、贈答品、花、棺桶などの手配など、
ふいに発生したこと物理的状況に対しては、可及的すみやかに対応して、処理することが求められるということなのだろう。

「あとで、ご遺体のドライアイスの交換に参ります。」
葬儀社の青年は、礼儀正しく、頭をさげた。

父の亡骸に、人が集まっている。
葬儀の、この多忙さは、悪いものではないのだろう。










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Last updated  2008年11月12日 01時41分54秒
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毎度  
以前、飛騨の山の中の30件ほどの集落に1年半くらい住んでいた事があるのですが、そこではどなたかが亡くなられると、集落の方の大半が集まってお手伝いをしていました。
私は道の駅ではたらいていたのですが、仕事が忙しかろうと関係なくみんな休んでしまいます。
それもこまったものですが・・・
都会と田舎、生まれてから死ぬまで、同じ国とは思えない生活がそこにはあります。


(2008年11月12日 05時34分20秒)

no title  
与乃91 さん
今から25年前のこと思い出してしまいます。
憔悴しきっているところへ、現実的な葬儀社との
打ち合わせ。涙も止まっていないとき、葬儀屋さんが
それとなく私たちの顔色をうかがいながら、同情的な
顔をしながら、その隙に現実的な話をすっと挟んでくる。
顔だけは同情的な表情を終始変えず、葬儀の契約は
着々と進んでいった記憶が蘇ってきます。
すっと、祭壇のサンプルと価格のついたアルバム
を出されて、それを葬儀屋さんと一緒に捲って
いる姿を客観的に思うと、悲しみの中 なんだか
変な姿だったなぁと。
愛する人が逝ってしまい、つい先日までは訪問者として
客観視していた葬儀が、主催者の立場になり、悲哀
緊張、回顧・・・・どうか、疲れを出されませんよう。
気候が冬に向かっています。暖をしっかりとって
風邪をこじらせないようお気をつけください。
私は、母の葬儀の後酷い風邪を引いてしまい
大変でしたから。
絶望が悲しみに変わり、時間が経って諦めに変わり
でも、それからの想いが長く続くように思います。
私の母は56歳でなくなり、私は母の逝った
年にすぐそこまで近づいています。 (2008年11月12日 06時38分07秒)

Re:■葬儀の準備■(11/11)  
昨年の父の時のことを思い出します。家内、息子達は父と2人の時涙していたが、一番涙もろかった私はその後のことの方に頭が行っていて不思議と涙はありませんでした。
日頃強そうな母はとんちんかんなことを言ってるし、ここは長男の私がきちんと仕切らないと我が家の威信に響くと落ち着いて事を運びました。いい体験でした。
アトムさんもそんな感じですね。

(2008年11月12日 09時53分44秒)

葬儀  
そうなると思います。

みんな、故人をしのんで集まられますし。

ドライアイスで思い出しました。

私の祖母は年末になくなり、火葬場が正月休みに
入るので、通夜の前(出棺の前に)焼くか、
ドライアイスで1月4日まで待つかを選ぶ必要が
ありました。

祖母は通夜も、葬式も遺体は、だから、ありませんでした。

死はこよみとは、関係がありませんが、葬式は
こよみとかの、現実に影響されてしまいます。

最後になりましたが、ご愁傷様でした。 (2008年11月16日 02時07分51秒)

Re:毎度(11/11)  
鎌倉★情報館 館長さん こんにちは

>以前、飛騨の山の中の30件ほどの集落に1年半くらい住んでいた事があるのですが、そこではどなたかが亡くなられると、集落の方の大半が集まってお手伝いをしていました。
>私は道の駅ではたらいていたのですが、仕事が忙しかろうと関係なくみんな休んでしまいます。
>それもこまったものですが・・・
>都会と田舎、生まれてから死ぬまで、同じ国とは思えない生活がそこにはあります。
-----

冠婚葬祭に、祭り、これらは、ほんとうに都会と地方で、ぜんぜん違いますね。濃密な人間関係は、良い場合もあれば、悪い場合もある。
どちらも一長一短ですね・・・。
生まれてから死ぬまで、そんな関係のなかで生きていくのでしょうね・・・。(笑)

(2008年12月09日 01時37分43秒)

Re:no title(11/11)  
与乃91さん こんにちは

>今から25年前のこと思い出してしまいます。
>憔悴しきっているところへ、現実的な葬儀社との
>打ち合わせ。涙も止まっていないとき、葬儀屋さんが
>それとなく私たちの顔色をうかがいながら、同情的な
>顔をしながら、その隙に現実的な話をすっと挟んでくる。
>顔だけは同情的な表情を終始変えず、葬儀の契約は
>着々と進んでいった記憶が蘇ってきます。
>すっと、祭壇のサンプルと価格のついたアルバム
>を出されて、それを葬儀屋さんと一緒に捲って
>いる姿を客観的に思うと、悲しみの中 なんだか
>変な姿だったなぁと。
>愛する人が逝ってしまい、つい先日までは訪問者として
>客観視していた葬儀が、主催者の立場になり、悲哀
>緊張、回顧・・・・どうか、疲れを出されませんよう。
>気候が冬に向かっています。暖をしっかりとって
>風邪をこじらせないようお気をつけください。
>私は、母の葬儀の後酷い風邪を引いてしまい
>大変でしたから。
>絶望が悲しみに変わり、時間が経って諦めに変わり
>でも、それからの想いが長く続くように思います。
>私の母は56歳でなくなり、私は母の逝った
>年にすぐそこまで近づいています。
-----

死体というのが、恐ろしいものではなく、身近な存在であるということをはじめて感じました。
死体が、そばで寝ていても、いとおしいのです。これが不思議な感覚でした。
現実と非現実が、まざりあいながら進んでいく、それが葬儀というものだったのですね・・。
35日の法要も終え、いまは落ち着きをとりもどしはじめています。(笑)
(2008年12月09日 01時41分57秒)

Re[1]:■葬儀の準備■(11/11)  
のりまきターボさん こんにちは

>昨年の父の時のことを思い出します。家内、息子達は父と2人の時涙していたが、一番涙もろかった私はその後のことの方に頭が行っていて不思議と涙はありませんでした。
>日頃強そうな母はとんちんかんなことを言ってるし、ここは長男の私がきちんと仕切らないと我が家の威信に響くと落ち着いて事を運びました。いい体験でした。
>アトムさんもそんな感じですね。
-----

やっと、一段落したというところです。
葬儀での話も、皆さんから、印象に残るものだったと言われました。
たしかに、家の威信をかけて、取り仕切るという面がありましたね。(笑)

(2008年12月09日 01時44分19秒)

Re:葬儀(11/11)  
田中およよNo2さん こんにちは

>そうなると思います。
>みんな、故人をしのんで集まられますし。
>ドライアイスで思い出しました。
>私の祖母は年末になくなり、火葬場が正月休みに
>入るので、通夜の前(出棺の前に)焼くか、
>ドライアイスで1月4日まで待つかを選ぶ必要が
>ありました。
>祖母は通夜も、葬式も遺体は、だから、ありませんでした。
>死はこよみとは、関係がありませんが、葬式は
>こよみとかの、現実に影響されてしまいます。
>最後になりましたが、ご愁傷様でした。
-----

まったく、おっしゃるとおりですね。
「死はこよみとは、関係がありませんが、葬式は
こよみとかの、現実に影響されている。」
また、葬儀と経済についても、考えてしましました。
このあたりも、いつか、まとめて書きたいと思います。(笑)



(2008年12月09日 01時46分44秒)

Re:■葬儀の準備■(11/11)  
heren’s  さん
アトムおじさん こんにちは。ご無沙汰しております。

久し振りにこちらへ伺って、お父様のこと...。何て言葉をかけて差し上げてよいのか、その言葉が見つかりません。

私は大切な人が亡くなった時、遺体のそばにいると、その遺体の少し上から私たちのことを見ている、そんな気が致しました。そしてこれからも何も変わらないよ、いつもそばにいるよ、そう伝えようとしているように思えました。

お父様、アトムおじさんにとても感謝していらっしゃると思います。そしていつもいつまでも見守っていてくださると思います。

心からご冥福をお祈りいたします。 (2008年12月24日 00時48分27秒)

Re[1]:■葬儀の準備■(11/11)  
heren’sさん こんにちは

>アトムおじさん こんにちは。ご無沙汰しております。

>久し振りにこちらへ伺って、お父様のこと...。何て言葉をかけて差し上げてよいのか、その言葉が見つかりません。

>私は大切な人が亡くなった時、遺体のそばにいると、その遺体の少し上から私たちのことを見ている、そんな気が致しました。そしてこれからも何も変わらないよ、いつもそばにいるよ、そう伝えようとしているように思えました。

>お父様、アトムおじさんにとても感謝していらっしゃると思います。そしていつもいつまでも見守っていてくださると思います。

>心からご冥福をお祈りいたします。
-----


どうも、どうも、おひさしぶりです。
2月に入って、やっと、ブログを書きましたが、とにかく、いろいろと続けて、いろいろなことがありました。
どこまで、書いていいのか、難しいところなのですが・・・・・。

また、少しずつ、ブログを再開したいとは思っています。
(2009年02月02日 01時32分15秒)

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