突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2012.01.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類

鬼の棲む街2





 ルドゥアは、すでに、この美貌の客に対する熱い好奇心のかたまりと化していたので、そんなジラートにはかまわず、カウンターに身を乗り出すようにして、客に質問を投げかけ始めた。
 「お客さん、この港町は初めてね? どこから来たの?」

 客は、ポケットの中をあちこち探りながら、うわのそらで答えた。
 「グルナの港」

 嘘だわ、とルドゥアは思った。
 グルナの港は、南北に極端に細長いこのイルプシマの国の、ほぼ南端に位置する大きな港だ。
 この居住区のある “たそがれの港” から、船ならせいぜい2日、陸路でも数日で行ける。
 そこは別名、 “花の都” と呼ばれるほどにぎやかな港町として知られ、皆、都会人らしく歯切れのよい早口で、流れるようにしゃべるものだ。 こんな妙なアクセントでしゃべるグルナっ子なんて、聞いたこともない。

 客が、ポケットの中から煙草の箱を取り出して、その美しい形の眉をひそめた。

 それはこの街でもありふれた銘柄の煙草だったので、それを見るなりルドゥアは、煙草の買い置きがしまってある戸棚へと飛んで行った。

 その間にジラートが、客の前に火酒の入ったグラスを置き、探るような目つきで言った。
 「あんた、 『雑種』 だよね」

 すると客は、きょとんとした顔つきになってジラートを見た。
 「・・・ 『雑種』 ?」

 ジラートの目が、急に意地の悪い光を含む。
 「とぼけることはないじゃないですか。 あたしゃ別に、あんたが 『雑種』 だからってどうこういってるわけじゃない。 ただ、あんたの風体はどこから見ても 『雑種』 にしか見えない、きっとあんたのお父さんはバルドーラ族で、お母さんはパピト族なんでしょ、って、そういう他愛ない世間話ですよ」

 そのときルドゥアには、この客の白い端正な横顔が、一瞬、ふっと寂しげに翳ったように見えた。

 が、客はすぐに、小さく肩をすくめ、そっけなく答えた。
 「両親のことは知らない。 が、俺はまじりっけなしのパピトの兄に、パピト族として育てられた。 だから、自分もまじりっけなしのパピト族だと思っている」

 ジラートの顔に、かすかな安堵の色が浮かぶと、ルドゥアはまた、黙っていられなくなって、2人の間に割り込み、客の前に煙草の箱を突き出しながらたずねた。


 ルドゥアの手から煙草を受け取った客が、面倒くさそうに短く答えた。
 「リュキア」

 そのとたん、カウンターの中でジラートが、はっと息を飲んだ。






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最終更新日  2012.01.29 19:45:49
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うわ~☆:゜*  
風とケーナ  さん
もしや、もしや、もしや――
続編が拝読できるのでしょうか?!

もし彼だとしたら、大人の雰囲気が高まって、
さらに魅惑的になっているような!!

(2012.01.29 21:54:21)

うっふっふ♪ さすがはケーナさま!  
御明察です!
雨の夜、うらぶれた酒場にふらりと現われたのは、
いまやすっかり大人になって
憂愁の翳濃い、彼なんです!

ううう
わかってもらえて、嬉しい!! (T_T)ジーン…
>さらに魅惑的
なんて、感激!! 。゚(゚´Д`●゚)゚。

さてこの“彼”
ルドゥアの目線から、
当分は謎の人物として描こうと思っているのですが、
おきゃんなルドゥアとどう絡ませようか、
思案中です・・・
(2012.01.30 01:07:10)

タイムリミットです(汗)。  
四草めぐる  さん
|電柱|・ω・`)ノ ヤァ

ふろぷしーさん、おつありw(※注、バクられたのでニュー技w)
幸運の女神の呼び方をしっている四草めぐるですw

そうですね。
後は出会いと運だなと私は思っていますw
↑ちょいと傲慢かなww

で、幸運の女神の呼び方ですが、続けていれば、いつか来ますw

ただそれだけw
でも、本当にそれだけだと思っているんですw
前の編集さんと出会ったのだって、続けていたから出会えたのです。
※注、私がケンカした人ですw

それに師匠と出会ったのも続けていたからですw
ま、半年、お世話になっただけなので、相手は弟子だとは思ってないかも。
ただし、私は師匠だと思っています。

技量の方は、まだまだ研鑽できる余地があると思っています!

もっと凄いの描いて書いてやるっと思っています!
情熱の方は、どうだろう……自分では、冷めている人間だと思っていますw
いや、そういう風に仕組まれたw

その昔は、実は激熱人間だったんですよ。

でも東京の荒波にもまれ、病気を通して冷静になりましたw
今は、基本、どうとでもしてちょと思っておりますw
で、こちょこちょと軌道修正が基本ですw

本題、本題w
リュキアとグルナの港、どう繋がっていくんでしょう。
とりあえず、リュキアの方が重要なようなw、そんな気がします!

……というか。
ふろぷしーさんと世間話をする方が楽しくて、済みません。こんなコメント。
次からは、真面目に書きますw

では、では。

草々。 (2013.01.11 17:26:59)

四草めぐるさま、コメントありがとうございます!  
>もっと凄いの描いて書いてやるっと思っています!

おおっ! 力強いお言葉!
応援するほうもし甲斐があります! q(^-^)p

今はいい具合に冷静で情熱的、とお見受けいたします(^_^) 
熱くなりすぎると空回りしちゃうし、
冷め過ぎたらかけなくなっちゃう、
このバランス、大事ですよね。

そして、幸運の女神の呼び方 (`・д´・ ;))))ナニナニ?!

続けること>ただそれだけw
本当に、これは大切な、だけど大変なことだと思います。

>本題、本題w

いやこれは、(;´Д`)´´
どうかあまり気になさらないでください。
私も、『悪魔ちゃんと天使くん』
読み逃げしちゃってます m(_ _)m ゴメンナサイ…

清冽な星空の下の情景、
サドクと銀杏が交わす言葉の、
下に隠された、それぞれの信念の熱さ、
びんびん伝わってくるんですけど、

・・・(+_+; )うう

銀杏の頭の中にある摂理、
サドクの言わんとしていること、その狙い、
アカシックレコードの不思議、
私にはまだ難解な部分があって、
ついコメント控えてしまっているのです。

でも読んでますから (^O^)

パクってごめんね
『お疲れさまでやし』あんまりかわいかったんだもーん

(2013.01.11 19:46:47)

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