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『珈琲店タレーランの事件簿』でお馴染みの岡崎さん。 私も、このシリーズ以外の作品を読むのは、今回が初めてです。 しかし、冒頭から『タレーラン』とは趣が違います。 珈琲店と雑貨店の違いだけではなさそう…… ***北川巴瑠は、ターナー症候群の女性であり、自然妊娠は不可能であると、自身は認識している。そのため、恋人の桜田一誠からの突然のプロポーズに躊躇。しかし、その一誠も、無精子症の男性だった。巴瑠は、京都御苑を囲む通りから脇道に入って徒歩3分の場所で、ハンドメイドアクセサリーを扱う店を営み、その作家としても活動している。 親戚の老夫婦が住む家のガレージを改装した、小ぢんまりしたお店には、安藤奈苗や小高未久、名倉友則、百田理香子ら、様々な客が訪れる。 ***まぁ、こんな感じの設定の中で、様々な事件が発生し、ミステリー小説的な謎解き要素も織り交ぜながら、各キャラクターの人生模様が展開していくわけですが、今一つ、どのキャラクターにも共感しきれない……作者は、シリーズ化する意欲が満々のようにも思われましたが、さて、どうでしょう……
2021.12.31
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これまで『妻のトリセツ』、『夫のトリセツ』、 そして、『娘のトリセツ』と読んできて、今回がシリーズ4冊目の読書。 もちろん、既に刊行済みで未読のものがあることは承知の上で、 今回は、本著をチョイスしてみました。 ***本著で、これまでなかった目新し観点としてクローズアップされているのが、「手のひらタイプ」と「指先タイプ」。 人間には、指先に力と意識が集中するタイプと、 手のひらに力と意識が集中するタイプがいる。 驚いたとき、あなたは、上体を上げる (ぴょんと跳び上がる、または、肩を上げてすくめる)のだろうか、 上体を低くする (肩を低くして身構える、または、のけぞりながら後ずさる)だろうか。 実は、前者が指先に力と意識が集中するタイプ、 後者が手のひらに力と意識が集中するタイプなのである。(p.44)さらに、「手のひらタイプ」にも「指先タイプ」にも、「まっすぐ派」と「斜め派」が存在すると言います。 つまり、対象に対して、身体をまっすぐにしたほうが力が出せる人と、 斜めにしたほうが力が出せる人。 壁を全身で押してみてほしい。 壁に対して、肩がまっすぐ(平行)な人はまっすぐ派、 肩を斜めに構えて押す人は斜め派である。(p.55)そして、このボディコントロールの違いが、個々の得手不得手を生じさせ、その違いを理解しないまま、不得手なことを相手に押しつけた場合、多大なストレスを生じさせることになると言います。なるほど……そして、身体の癖は、意識の癖にも反映すると言います。 指先に意識が集中するタイプは、 「先へ先へと意識が行くタイプ」でもある。 思いついたら、やらずにはいられない。(中略) 一方で不測の事態に弱く、思いどおりにならない事態に、 そう長くは耐えられない。(中略) 手のひら全体を意識するタイプは、 「ふんわり意識が広がるタイプ」である。(中略) 段取りなしで、ぎりぎりに開始する。 しかし、事前に妄想してた分、想像力と展開力がある。 このため、不測の事態にも強く(中略)、 一度決めたことは、ちょっとやそっとのことでは投げ出さない。(p.78)以上は、「第1章 母の機嫌にビビらない人生を手に入れる」と「第2章 母の愛は『毒』であると知る」に記されている事柄。タイプ別に分類して見たり考えたりしていくので、とても理解しやすいのですが、「血液型による性格分類」的な臭いも、うっすら感じてしまいました。以降、「第3章 母親に巻き込まれないためのノウハウ」と「第4章 母親をつき放しつつ喜ばす方法」でも、母親とうまく付き合うためのノウハウを、分かりやすく示してくれています。何よりも、著者が自身の家族を決して悪く言わない姿勢が、とても素晴らしいです。
2021.12.31
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副題は『プロ野球名選手「最後の1年」』。 かつてプロ野球選手として大活躍した24人の名選手の現役時代と、 そのラストイヤーに焦点を当てた一冊。 王貞治から始まって、落合博満、長嶋一茂、古田敦也、水野雄二、原辰徳、 石毛宏典、中畑清、掛布雅之、江川卓、田淵幸一、清原和博、桑田真澄、 村田兆治、駒田徳広、定岡正二、西本聖、山本浩二、渡辺久信、ランディ・バース、 ウォーレン・クロマティ、秋山幸二、門田博光、長嶋茂雄という豪華な顔ぶれ。まだ現役を退くにはもったいないような成績を残しながら引退した選手もいれば、誰の目にも、もう限界だと思われるまで頑張り抜いた選手もいました。また、本当に理不尽な引退の仕方を迫られた選手もいれば、こうしてその記録を振り返ることで、改めてその凄さに気付かされる選手もいました。 ***さて、私が本著の中で最もハッとさせられたのは、次の文章。 過去とは美化された嘘である。(p.3)なるほど……と頷くしかない、見事なフレーズですね。そして、最も心に引っかかったのは、門田選手について記された箇所に出てきた次の文章。 JR東海のCM”ホームタウン・エクスプレス”では、 山下達郎の『クリスマス・イブ』が流れる中、 当時15歳の深津絵里が遠距離恋愛中の彼氏を待つ女の子を瑞々しく演じきり、 これ以降クリスマスはカップルで過ごすイメージが定着する。山下達郎さんの『クリスマス・イブ』は、つい先日、「週間シングルTOP100入り連続年数」記録を35年連続に更新したばかり。そして、深津絵里さんは、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』の主役として先週から登場、18歳の少女を違和感なく演じているところです。さらに、門田選手が社会人野球時代に在籍していたクラレ岡山は、『カムカムエヴリバディ』で村上虹郎さん演じる雉真勇が、岡山で立ち上げた社会人野球チームのモデルになったとも言われています。この現在進行形の共通項が、今年5月に発行された書籍に一気に登場し、驚愕です。
2021.12.30
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ゼウスの魂が押し込まれ、パワーアップした天候棒(クリマ・タクト)。 ナミが放ったその一撃は、飛び六胞のうるティを粉砕。 そして、ナミ、ウソップと共にライブフロアステージに到着したお玉が、 遂に城内全体に号令を発する。 きびだんごを食べたお友達~ お願いでやんす!!! ルフィのアニキ達とモモの助君達の!!! 味方をしてけろ~!!! 一緒にカイドウを!!! やっつけてけろォー!!!あちこちで「真打ち」やギフターズが侍軍に寝返り始め、鬼ヶ島中が大パニックに。そして、ジンベエが「鬼瓦正拳」で飛び六胞のフーズ・フーを倒すと、フランキーが「ラディカルビーム」で飛び六胞のササキを、ロビンが「大渦潮クラッチ」で飛び六胞のブラックマリアを次々に撃破。最後の仕上げは、ブルックの「フラーズダルム管弦楽」による残党狩り。しかし、まだ城内では、霧の雷ぞうが福ロクジュと、キラーが「真打ち」のホーキンスと、ローとキッドがビッグ・マムと対峙中。そして、ライブフロアでは、大暴れする百獣海賊団の大看板・キングとクイーンに、ゾロとサンジが、「三刀流煉獄鬼斬り」と「悪魔風ムートンショット」で戦闘開始。一方、屋上では、カイドウとヤマトが父子の死闘を繰り広げていた。そこへ、龍と化したモモの助に乗ってルフィが颯爽と登場する。 ***いやぁ、久しぶりにスカッとする充実の一冊でした。中でも心に響いたのが、ゾロとサンジの次のやり取り。 おい ぐるぐる この戦を制したらよ あぁ 見えてくるなァ… ルフィが「海賊王」になる姿!!!いよいよ、クライマックス突入です。
2021.12.30
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今では、本当に身近な存在になったドラッグストア。 『医薬分業の光と影』でも、その影響力の拡大について触れられていました。 それにしても、こんなにたくさん見かけるようになったのは、いつ頃から? そんなことを知るために、本著を手にしました。 *** Dg.S(ドラッグストア)は、平成後期になって大成長しましたが、 企業の前身である「薬局・薬店」の歴史は、実は結構古いものです。 そして現在、Dg.Sは全国で2万店舗を突破しましたが、 これは、全国5万8000店舗のコンビニに次いでその数が多い業態です。 さらに、同じDg.Sを名乗っていても、 化粧品、インバウンド(海外旅行者の買物)の構成比が高い「都市型」と、 食品強化型とバランス型に分かれる「郊外型」、 調剤薬局を併設している「調剤併設型」の3タイプに分類できます。 *** こうした「便利性」と、調剤の「専門性」を強調したウォルグリーン型Dg.Sは、 コンビネーションストアに駆逐されかけていたアメリカDg.Sの 生き残りの成功例となった。 そして、このウォルグリーン型Dg.Sは、 1990年代の流通視察の際に、日本のDg.Sの教科書になった。 現在、日本のDg.Sの売場面積は300坪前後が主流であり、 近隣型ショッピングセンター出店よりも単独出店のほうが多いのは、 ウォルグリーンの影響が大きいと思われる。(p.055)ここにあるように、「便利性」と「専門性」は、Dg.Sの大きな特徴となっていますが、アメリカのDg.Sでは「調剤」の売り上げ構成比が70%を超えているのに対し、日本では、それが最も高いスギHDでも22.0%、2位のウエルシアHDが17.9%、3位のココカラファインが17.7%と、大きな隔たりがあるのが現状です。 「スーパーバイザーは、店内作業のスペシャリストでなければならないと思います。 たとえば、窓ガラスの掃除やレジ打ちなどの作業が、 誰よりも上手でなければなりません。 パートさんの掃除のやり方が間違っていたら、 その場でスーパーバイザーがお手本を示して、 OJT教育(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)ができなければならないからです。 だから、店長やスーパーバイザーは、 常にアップデートされていく最新の店内作業を習得し続けなければなりません。 店舗を回って、店長や部下に『頑張っているか』と言うだけの激励屋のような スーパーバイザーは必要ないと考えています」(p.111)これは、本著の中で私の心に最も深く突き刺さってきたところ。確かに、そうでなければならないと思いました。「激励屋」に留まっていては、何も改善されませんよね。具体的に行動で示し、見せてあげることが大切で、そのための備えが求められます。 しかし、Dg.Sの来店客の大半は、 「レジ対応が良かった」「探している商品の場所まで案内してくれた」といった 基本接客の良し悪しで、その店に対する満足度を決める。 基本接客のレベルを、店や人によるバラツキを少なくして標準化することが、 チェーンストアにおける最大の顧客満足度対策である。(中略) つまり、競争が高度化している現代は、「安さ」だけでは顧客満足度は高まらない。 「安さ」「便利さ」「接客の良さ」の すべてのレベルアップが求められているといえよう。(p.166)これも、大いに頷くしかありませんでした。危機管理については、初期対応の重要性が常に言われますが、これについては、ここに示された「接客の良さ」に繋がるもののような気がします。これがちゃんと出来ていなかったことが、躓きの第一歩になることが何と多いことか。
2021.12.19
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ホンジュラスにおける慧修学院高校の悲劇以後、 宮村内閣は抜本的改革に取り組み、下落した支持率を急激に回復。 その要となったのが緊急事態庁設置で、国家断捨離政策や刑事罰の厳格化、 嘘つき放校の見直しや、排他的経済水域内5か所の油田開発にも成功していた。 一方、墨田区の葉瀬中学校では、 優莉結衣の弟・健斗が在籍していた元2年C組のメンバーらに夏休みの補習が行われていた。 しかし、そこに結衣らしき少女が現れ、教師や生徒たちを次々に惨殺。 少女が智沙子だと気付いた枝沢美佳は、優莉架禱斗から弟の復讐だと知らされる。美佳の証言を受け、捜査一課警部・坂東は、警視庁公安部・笹塚と共に智沙子の行動を確認。その後、坂東が帰宅すると、韓国系武装半グレ・パグェと共に優莉凜香が現れ、母・市村凜を刺した紗崎玲奈の居場所を教えろと脅迫する。そして、凜香は仲間と共に、坂東と妻、娘の三人を沈めるべく印旛沼へと向かった。 その後、凜香は玲奈の後を追うが、そこに結衣が現れる。ホンジュラスでの死闘を通じて自身の能力を向上させた結衣は、北朝鮮経由で日本に帰還すると、印旛沼で坂東一家を救出した後、玲奈と市村凜に関わる情報を入手し、その事実を凜香に伝えに来たのだった。一方、緊急事態庁を通じて政府を牛耳る架禱斗は、宮村首相に原油自給の実態を暴露、次は、全国民にオメガウイルスワクチン接種が義務だと公示するよう強要する。さらに、架禱斗は国際指名手配犯のウェイ五兄弟を刺客として結衣に差し向けると共に、彼らに国内五大都市に原爆を持ち込ませたうえ、自爆させることを計画していた。その頃、結衣は、智沙子のいる児童養護施設で、双子の姉と対峙していたが、激闘の最中、姉妹が優莉匡太と友里佐知子の間に生まれた子であることを知ることに。そして、そこに乗り込んできたウェイ五兄弟に捕らえられてしまう。市村凜にその場に連れてこられた凜香は、そこで結衣の最期を見届けることに……緊急事態庁が犯行を特定した、五大都市での原爆爆発予定の8月15日の正午が迫る。架禱斗は奥多摩町の廃校で、凜香、篤志、智沙子と共にその様子を見守っていたが、核爆発が起こったのは、排他的経済水域内に開発された油田があるはずの場所だった。そして……「歴史に終止符を打つとかいってなかった? 笑わせんなカス」。 ***紗崎玲奈は、随分大人しめのキャラになっていましたが、今後、市村凜との再会により覚醒していくのでしょうか?それにしても、「YURI」繋がりとは……迂闊でした。岬美由紀も、名前の登場だけでなく、今後このお話に絡んでくる?
2021.12.19
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曹国良は、廣瀬に人口問題の改善について語る。 そして、その一環として人体実験や人身売買、臓器移植があり、 それは、先進国の連中が我々の大陸で散々やってきたことだとも。 さらに、愛怜が両性具有であることや、「人ならざる人」の存在についても語る。 その頃、琢磨は、環と愛怜の心臓を除く臓器全交換手術に臨もうとしていた。 しかし、梨世が天廻功のメンバーを使って秋光家を制圧したことで手術は中断。 手術台の上で目覚めた愛怜の前には、多江が押す車椅子に乗って崇が現れる。 そして、愛怜は自らの陰謀が曹国良に露見し、見捨てられたことを知らされる。やがて、環による愛怜の解体が始まった。しかし、解体を終えた環は血圧と体温が急激に上がり、心拍も乱れていた。そして、その場へ現れた琢磨の表情に、環はさらに心を乱されることに。一方、桜田と合流した廣瀬は、秋光家へと向かっていた。その頃、曹国良のもとには、弟・浩然が独房内で死んだとの知らせが届いていた。一部高官を除き、国賊・曹国良の死は秘匿されることになったという。曹国良は、自分の身代わりにこれで2人の弟を失うこととなったが、これからは、人知れず自由に行動できる状況を作り上げたのだった。 ***今巻は、予想もしていなかった展開でした。特に、愛怜は呆気なかったです。 あんたが逮捕された理由は何だ!? 汚職なんて嘘だろう!? クーデターでも企てたか それとも - あんた本当は トップの連中とは違う考えを持っているのか!?取材の中で廣瀬が曹国良に投げかけたこの言葉が、今後、焦点になっていきそうです。
2021.12.12
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ガリレオシリーズを読むのは『真夏の方程式』以来で久しぶり。 『容疑者Xの献身』と並ぶ最高傑作とも言われるこの作品ですが、 確かに完成度の高いお話で、いつも通り一気に読み進めることが出来ました。 タイトルはトリックの一部を暗示するものですね。 事件の真相は、最後の最後まで二転三転を繰り返し、 読者は翻弄されながらも、興味を削がれることなく楽しめます。 優奈ちゃんに繋がっていた人たちと、佐織に繋がっていた人たちが、 こんな風にして結び付いていくのかと、感心させられてしまいます。しかし、この作品の優れているところは、ミステリー的面白さに留まらず、人間模様の機微をしっかりと描き出しているところ。もちろん、湯川教授はいつも通りカッコ良く、警視庁の草薙・内海ペアは、今回も大活躍でした。
2021.12.12
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