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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2008.10.12
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カテゴリ: 文芸

 単行本化や文庫化に際し、加筆訂正が施されたらしいが 
 その後の作品に比べれば、洗練度はやや劣るといった印象。
 しかし、それはあくまでも、後に本人自身が書いた作品に比しての評価。

 五十嵐さんについて、何も知らずに本作を読めば、十分すぎるほど素晴らしい。
 デビュー作で、このレベルは本当に恐れ入る。
 そして、その作品ですら、洗練度が落ちると感じるのは、
 五十嵐さん自身が、着実に進化を遂げている証拠でもある。



170ページから始まる、原田が本間に語るインターネット論は、なかなかの説得力。

  「インターネットてのはね、お前、あれは実体は誰にもわかっちゃいないんだ。
   今や誰もがインターネット、インターネットってお題目みたいに口にしてるがね、
   あれは悪魔の住処だってことに気がついていないのかな」

21世紀が始まった頃、本作の原型が書かれた時点で、
すでにこの部分が書かれていたとしたら(後に加筆されたのではなかったとしたら)、
相当の慧眼と言えるのではないだろうか?

  「それとも、わかっててわざと言わないようにしているのかな。
   確かに便利なものかもしれないが、悪意が介在したら、
   すぐにとんでもないものに変わってしまってしまう代物なんだぜ。」

この指摘は見事に的中し、今やネットが絡むトラブルや事件は後を絶たない。

ネットの有り様が、真剣に問われるようになってきている。

  「インターネットっていうのはな、有史以来人間が初めて持つ、
   個人から全世界へ向かってのメディアなんだ。
   そう言うと聞こえはいいが、実はお寒い限りでね」

そして、極めつけの一言。


   その部分がまったく欠如しているメディア、それがインターネットの本質なんだぜ。」

   ***

それにしても、リカとは、一体何者だったんだろうか?
普通の人間でないことだけは確かだが、怨念の塊みたいなものなのだろうか?
そして、エピローグ後のリカは、どうしているんだろうか?
不明確な結末にケリをつけるための行動を、五十嵐さんは予定しているのだろうか?





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Last updated  2008.10.12 17:44:19 コメントを書く


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