全2件 (2件中 1-2件目)
1
![]()
心の問題について脳科学の視点から考えていく一冊。 著者はお茶の水女子大学基幹研究院自然科学系助教の毛内拡さん。 *** 第1章「心ってどんなもの?」では、心や脳の研究史を概説、 第2章「脳ってどんなもの?」では、脳についてこれまで得られている知見を確認し、 第3章「心を生み出す脳のはたらき」では、脳の「広範囲調節系」について説明します。第4章「心が病むってどういう状態?」と、第5章「心を守る心のはたらき」では、現在では疑問視されていたり、評価の定まっていない最新の見解も含め、これまで心がどのようにとらえられてきたかを紹介。第6章「『心の持ちよう』と考えてしまうワケ」では、脳に備わった少し困った性質を確認し、第7章「『心の持ちよう』をうまく利用する」では、その方法をいくつか提案、第8章「『わたし』ってなんだろう」では、「自分とは何か」について考えていきます。本書は、専門家の手によるものだけあって、ハイレベルなことも書かれていますが、丁寧な語り口で書かれた文章はとても読みやすく、スイスイ読み進めることが出来ます。さらに、第8章を除く各章末に「その章のまとめ」が掲載されており、しっかりと知識を確認しながら、理解を深めていくことが出来ます。
2025.04.20
コメント(0)
![]()
文庫版で600頁超の大ボリュームに、思わず身構えてしまいましたが、 いざ読み始めるとドンドンお話に引き込まれ、2日で読了。 TVドラマ化に続いて映画化されたのも頷けます。 著者による「あとがき」もイイですね。 ***プロローグ 脱獄から1日茨城県牛久市に住む酒井舞(18)は、2週間後に高校の卒業式を控え、4月からは大手美容専門学校に通うため、東京で一人暮らしを始めることに。その頃、埼玉県熊谷市に住む一家3人を1年半前に殺害した少年死刑囚・鏑木慶一が、神戸拘置所から脱走して日本中が大騒ぎ、マスメディアはその話題で持ちきりだった。1章 脱獄から455日千葉県我孫子市にある住宅型有料老人グループホーム・アオバに勤務する四方田保(29)は、先輩社員が昨年末に辞めたため、唯一の正社員として日々過酷な業務をこなしていた。アルツハイマーの入居者・井尾由子(55)は、刃物を持つ男に息子夫婦と孫が襲われる夢に悩み、パート職員の桜井翔司(21)は、TVで少年死刑囚脱獄の話が始まると素早くチャンネルを替えた。2章 脱獄から33日東京有明のテニスコート施設改修工事を行う牛久保土木のアルバイト・野々村和也(22)は、平田(66)が仕事中に怪我をした補償を経理に求め、現場リーダーの稲戸興行・金子に殴られる。この件を上手く収めた遠藤(20)が、鏑木慶一に似ていると気付いた和也は、その正体を探り、迷った末に警察への通報を思いとどまるが、遠藤はそのことを知ると姿を消してしまう。3章 脱獄から117日東京宮益坂にあるメディアトレンダーズのマーケティング部CD・安藤沙耶香(35)は、妻子ある矢川(45)との8年間の不倫を終え、在宅ライターの那須隆士(23)と同居を始める。沙耶香に復縁を迫る矢川は、隆士が鏑木慶一に似ているのではないかと電話で伝えてくる。やがて二人の刑事が現れ、沙耶香に庇われた隆士は、4階のベランダから飛び出していった。4章 脱獄から283日渡辺淳二(53)は、痴漢冤罪被害で法律事務所を退職後、菅平高原の旅館で仲間と共にバイト中。玉代亜美(23)がスノボ中に遭難した際は、袴田勲(22)が真っ先に警察への救助要請を提案。また、一連の冤罪騒ぎを仲間たちに知られ、自死を決意した渡辺も袴田が引き留める。そして、事務室で渡辺の給料袋が盗まれると、袴田は姿を消すが、盗難は大旦那の虚言だった。5章 脱獄から365日山形県のミノリ製菓パン工場のパート・近野節枝(55)は、同僚の大久保信代(56)に誘われ、笹原浩子(50)と3人で、新興宗教・救心会の説教会に参加、そこには久間道慧(21)もいた。説教会からの帰途、信代が運転する車が人身事故を起し、さらに節枝は詐欺被害に遭う。後日、節枝は浩子と車で説教会に向かう途上、久間から救心会の闇をまとめた資料を手渡される。6章 脱獄から488日酒井舞(19)は、東京の美容専門学校を辞めて地元のグループホーム・アオバで働き始める。舞は、桜井の井尾由子に対する行動から彼が鏑木慶一ではないかと疑い、四方田に相談する。そして、警察が施設を取り囲むと、桜井は舞を人質に井尾由子との電話をTV放送することを要求。しかし、警察は強行突破し舞を救出、そして闇の中で”パンッ”という乾いた音が鳴り響いた。7章 正体舞が四方田から手渡されたメモに記されたソエダ珈琲を訪ねると、そこには数人の男女の姿が。それは、四方田と元弁護士の渡辺、ニッカポッカ姿の和也、小太りで化粧っ気のない節枝、コンサバ系の服を纏う沙耶香で、彼らは鏑木慶一を救うために集まった人たちだった。舞は山形に住む笹原浩子を訪ね、姉の井尾由子から直接話を聞くと、四方田に協力承諾を伝える。エピローグ全国民が注目する裁判の傍聴席から、舞は、四方田、沙耶香、和也、節枝と共に弁護人席の渡辺に目をやった。誰もいない被告人席を前に、裁判官が判決文を読み上げると、法廷には割れんばかりの絶叫、咆哮が轟いた。
2025.04.13
コメント(0)
全2件 (2件中 1-2件目)
1