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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2008.11.03
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カテゴリ: 教育・子育て

 「大学生ともなれば、もう一人前、親なんか出てきたら嫌だろうに……
  最近の親は、どこまで子離れできないのだろう」と驚いていたが、
 アメリカでは、もはや、そんなレベルを遙かに超えていた。

 ヘリコプターペアレントと呼ばれる親たちは、平然とキャンパスに乗り込む。
 そこで、新入生のためのオリエンテーションに堂々と出席すると、
 履修科目選択や登録手続に口を出し、その後も、成績や規則に苦情を申し立て。
 さらには、学友とのケンカにまで割って入るのだとか。

そして、親たちは「ヘロパット(ヘリ親の略)」から、戦闘機「ブラックホーク」へと進化。

しかも、そんな親の行動を、子どもは歓迎していると言うから、呆れるしかない。
調子づいた親たちは、子どもの結婚まで手配してしまうのだ。

   ***

一方、イギリスでは、教師に対し暴力に訴える、フーリガンペアレントが横行。
イギリスでは、1986年に体罰が禁止されたが、
その後、1995年の校長刺殺事件以後、生徒から教師に対する暴力が問題となり、
さらに、20世紀末あたりから、保護者の教師に対する暴力が激増している。

  教師を20年続けているが、かつては入念に準備された授業こそがすべてだと信じていた。
  面白く興味深い授業なら、生徒は十分についてきた。
  しかしいまや、授業はじめの10分から15分は、生徒を席に座らせ
  机の上に載せたものをおろさせ、おしゃべりを止めさせるのにかかる。

  授業らしい授業は行えず、教師として給料をもらっているのが恥ずかしい。
  私は先だって転職した。
  そこは苦労が多い職場と心配してくれた人もいるが、
  30人の子どもを1つの部屋に閉じ込める苦労に比べたら、ものの数ではない。
  私の娘も教師になりたいと言う。

  かつて教師は最高の仕事だったが、今は最悪の職業になってしまった。(p.160)

これは、イギリスの中学校に勤めていた40代女性のコメントだ。
ここに至った社会的背景の中には、現在の日本とも共通する部分が多々ある。
イギリスやアメリカを手本に進めている日本の教育改革の、辿り着くところはこれなのか?
いや、もう既に、その兆候は、かなりハッキリとした形で現れてきている気がする。

イギリスにおいては、時代の変化にともない、公立学校の役割が変わってきたという。
学校は単に子どもたちが学ぶ場ではなく、地域の人の心を癒すといった
社会的サービス提供の場としての役割を求められるようになったのだと。
教師って、一体何なんだ?

   ***

著者の「日英米のモンスターペアレント」問題に対する姿勢は、
本著の締めくくりとなる「第5章 『モンスターペアレント』と呼ばせないために」で
見事に示されており、冷静かつ公平な分析・指針が光っている。
p.74に掲載されている「運動会の玉入れ競技」のエピソードもたいへん興味深かった。





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Last updated  2008.11.03 18:02:53 コメントを書く
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