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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2008.11.16
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カテゴリ: 教育・子育て

 なぜ親は、誰が見ても叶えられない要求を学校にぶつけるのか?
 なぜ教師は、「できないものはできない」と言わないのか?
 教育現場に蔓延る「怪物」の正体を見極めようとする。

 そのキーワードは、「親と話が通じない。
 それが今、現場の教師を最も悩ませていることのひとつだ。」(p.22)の一文。 
 決して謝らず、開き直り、教師に「私はあなたより上の人間」と言い放つ親。
 担任なんていつでも辞めさせることができると思う親。

そんな親に対し、萎縮するばかりの教師たち。

学校をサービス業としてとらえ、学校との関わりを、どれだけメリットがあるかで判断する親。
あたかも商品がずらりと並べられたコンビニで、好きなものだけを買い求める客のように。

ところが、学校選びの段階では熱心な親も、入学後は丸投げ状態。
その言動は、大人の判断が伴わない、幼児的発想によるものであることもしばしば。
一方、子どもへの過剰な期待が、親同士の摩擦を生むことも。
そして、そんな親のニーズに応えられない教師や学校に対しては、過剰な攻撃を加える。

多くの親は、自分の子どもを『勝ち組』にしようとまでは思わなくとも、
『負け組』にだけは、絶対させたくないと願う。
結果、塾・習い事での前倒しが始まり、学校は学ぶ場ではなく、既習成果を『見せる場』となる。
そして、クラブチームや塾での人間関係は、学校でも消え去ることはない。

   ***



  1.成果主義がはびこる中、親自身が競争主義に巻き込まれ、
    特に子どもが「負け組」になることを恐れる。
    親同士がバラバラにされ、不安をあおられた親が個々に学校へ要求をぶつける。
  2.学校は「サービス業」として振る舞うことが求められており、
    「顧客」である親の無軌道な要求に対し、理にかなった態度を貫けない。

    親のクレームを恐れ、業績評価を下げないために「隠蔽主義」「事なかれ主義」に走る。
  4.そのような学校に対し、親は疑心を抱くようになり、
    ますます要求やクレームを先鋭化させる。

そして、その後に続く記述は、納得できるものだ。

  人々は実は「モンスターペアレンツ」を欲しているのではないか。
  人間であるはずの親を「怪物」と呼び、
  自分と区別することで安心したがっているのではないか。
  モンスターペアレンツはあくまでも「現象」だ。
  そこに目を向けさせることで、教育のかたちをゆがめる「原因」を覆い隠す意図が、
  どこかに存在するのではないか、と私は疑う。

最近、この種の書物は多数発行されているが、
中でも、本著は極めて優れた現状分析が示されていると感じた。





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Last updated  2008.11.16 16:59:30 コメントを書く
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