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Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.01.31
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カテゴリ: 社会・政治・時事

 第1章のタイトル『動物の世界に「いじめ」はない』が、まず衝撃的。
 今、目の前にある水槽の中では、熱帯魚が泳いでるんだけど、
 いつも、同じヤツが、他の連中を追っかけ回し、エサを独り占めしてるけど……。

 こういうのは、「いじめ」じゃないらしい。
 縄張りやメスをめぐる同種間の争いは、「いじめ」じゃないらしい。
 より強い個体が弱い個体を排除し、集団の規律を保つのは動物の本能。
 こうした本能、「攻撃性」は、あらゆる動物に見られる。

じゃあ、「いじめ」って何なんだ?


  「いじめ」は本能的なものではない。(p.48)

  ところが相手を攻撃することが、自分の思いどおりにさせるためではなくなって、
  第三者に自分はこんなに強いんだとか、
  自分が攻撃したのはこういう理由があるから当然なのだと
  正当性をアピールする状況になったときから、次のステージに入る。
  これが、第二段階となるヒト固有の「いじめ」である。
  その状況を周囲に見せつけるために敢えていじめの関係を固定化して、
  特定の人物を攻撃し続ける。(p.52)

なるほど!
こうやって改めて定義し直してもらえると、スッと腑に落ちます。
次は、ケータイ、メールに関する「いじめ」についてのコメント。


  日本の社会は、顔の見えるところでは周囲の目をひたすら気にするのに、
  ひとたび顔を見せずに匿名でいいとなると、
  とんでもない攻撃を仕掛けられる罠があることを肝に銘じておくべきだろう。(p.127)

全く同感。
次は、父親が子どもの将来に何を期待しているかという質問に対し、

50~60%台と抜きんでていたことに対するコメント。

  社会的成功より対人関係を円滑にするための人間性を重視するのは、まさに日本的と言える。
  しかも、「友人を大切にする人」がトップを占めたのは、核家族の影響だろう。(p.151)

ここで、先を読み進めることに急ブレーキがかかり、少し考え込んでしまいました。
戦後、核家族化が急速に進んだことで、祖父や祖母と一緒に暮らすことが少なくなり、
他の親族や血縁者とは、物理的にも精神的にも距離ができてしまったため、
それよりも、実際に付き合ってく「友人」を大切にしようという意識が、
高まってきたのだいうことを、言わんとしているのでしょうか?

  同じアジアでも、日本にくらべていまだに伝統を重んじて血縁を大切にする中国では、
  友人よりも家族が大切な位置を占めている。
  日本の戦前のような状況かもしれない。
  世間付き合いというと、若い世代の親たちは「古臭い」、
  自分たちはもっとスマートな付き合いをしていると思っているかもしれない。
  が、『他人を許せないサル』で指摘したように、
  ケータイで密かに連絡を取り合わなければ落ちつかない彼らの日常生活も
  世間の域を少しも出ていない。

その後の文章は、こんな感じで続いていますから、
この解釈で、正しいのですよね?

さて、最後は「あとがき」にある、マスコミの時事報道についてのコメント。

  これらの報道に共通しているのは、「スクープ」だといいながら
  相手を「攻撃」しているとしか解釈できない様相である。
  そして、テレビを前にした視聴者、雑誌を手にした読者を傍観者として巻き込み、
  「いじめ」の構造が作られていく。(p.167)

本著の中で、最も共感した部分。
まさに、こうして、マスコミにより「いじめ」の構造が、日々生産され、
視聴者・読者は、その行動パターンを、しっかりと身に付けていき、
各々の生活空間で、それを真似、実践しているのです。





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Last updated  2009.01.31 12:51:29 コメントを書く
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