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Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.09.24
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カテゴリ: 文芸

 話にブレがないし、「?」もない。
 一番近そうなのは 『ノルウェイの森』 だろうが、
 主人公やそれに絡む女性たちの設定が違う。

 何が違うかといえば、登場人物もお話しも
 最後までとってもノーマルなのである。
 「ちょっと変わってる?」っていうところがほとんどない。
 最後の落とし所も、とっても安心のノーマル結末(のはず……)。

『プリテンド』 を歌っていた。
  英語の歌詞の意味はもちろん僕らにはまったく理解できなかった。
  それらは僕らにとってただの呪文のようなものだった。
  でも僕らはその歌が好きだったし、あまりにも何度も繰り返して聴いたので、
  始めの部分を口真似で歌うことができた。
  プリテンニュアハピーウェニャブルウ
  イティイズンベリハートゥドゥー(p.17)

私もナット・キング・コールは好き。
別のページ(p.242)で、彼は 『国境の南』 も歌っている。

  ピアノ・トリオがいつものように 『スタークロスト・ラヴァーズ』
  僕と島本さんはしばらく黙ってその曲を聴いていた。(p.232)

とってもお洒落な曲。
主人公の経営するバーの雰囲気が伝わってくる。

  「『砂漠は生きている』、ディズニーのやつだよ。砂漠についての記録映画だよ。
   小さい頃に見なかった?」(p.288)


今度見てみたい。 

  昔の知り合いとの再会は、結果的にはあまり楽しいものとは言えなかった。
  彼らと会って話をするのが嫌だったわけではない。
  僕だってもちろん昔の友達に会うのは懐かしかった。
  彼らの方も僕に会えたことを喜んでくれた。
  でも、結局、彼らが口にする話題は、今の僕にとってはみんなどうでもいいことだった。
  故郷の町がどうなろうと、他の同級生たちが今どのような道を歩んでいようと、
  もうそんなことにはまったく興味が持てなかった。
  僕はかつて自分がいた場所や時間からあまりにも遠く離れてしまったのだ。(p.113)

これも分かるなぁ。
でも、そう思わない人が多いのも確かだ。

  「たぶん世界が我々に近づいているんだろう。
   でも子どもたちがいつも家の中で二人で遊んでいるのを見ていると、
   ときどきなんだか不思議な気持ちになることがある。
   こういう育ち方というのがあるんだなと感心しちゃうんだよ。
   僕は小さい頃からいつも一人で遊んでいたからね、
   子供というのはみんな一人で遊んでいるものだと思っていた」(p.122)

一人っ子と兄弟姉妹がいる子供では、やはり違いがありそうだ。
世代によって子供の育ちが違う原因の一つであることは間違いないだろう。

  誰かがやってきて、背中にそっと手を置くまで、僕はずっとそんな海のことを考えていた。(p.299)

さて、私にとっては大問題の最後の一文(ここで急に終わってしまいビックリした)。
こんな文章を最後にキッチリ持って来るところが、さすがに村上さん。
でも、「誰か」って誰なの?
その「誰か」が誰なのかによって、
このお話は全然ノーマルなお話しではなくなってしまうんだけど……。

そんなことを考えてしまうのは、お話しの終盤で
このお話の中で唯一の「ちょっと違う」人物イズミを、主人公が目撃しているから(p.282)
でも、ミステリー小説じゃないんだから、
ここは普通に「誰か」は、有紀子ということにしておいて欲しい。





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Last updated  2009.09.24 17:31:12 コメントを書く


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