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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2011.11.13
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カテゴリ: 文芸

 どうして今まで、この作品やこの著者を知らなかったのだろう。
 偶然、本屋さんで平積みされているものを手にしなければ、
 未だに、この優れた作品の存在も、才気溢れる著者の存在も知らなかったのだ。

 考えただけでも、ある意味恐ろしい状況。
 でも、これは私にとって、偶然ではなく必然であったのだろう。
 今年も、残すところあと1か月半となったところで出会った一冊は、
 私の今年読んだ作品の中で、間違いなく最上位ランクである。

では、何がそこまで素晴らしいのかと言うと、まずは、音楽の表現である。
『のだめカンタービレ』 『ピアノの森』 といった作品において、
私は、頭の中で音楽が鳴り響く体験を何度もさせてもらってきた。
それ故、絵と文字を組み合わせにより、音を奏でることが可能なことは十分承知していた。

そして、それと同じことが、本著を読んでいて起こったのである。
文字だけで、これほど音楽を表現することが出来るとは、まさに驚き!
主人公がVivaceやPrestoで演奏し始めると、
こちらの読むスピードもシンクロして、ガンガン読み進めてしまうのである。

もちろん、頭の中ではショパンやドビュッシーが鳴り響いている。
主人公のピアノのタッチ一つ一つはもちろん、その身振りや息づかい、
さらには、それを聞く聴衆の視線やホール全体の緊張感も鮮明にイメージできる。


もう一つの素晴らしさは、それぞれのキャラが絶妙に立っていることと、
ミステリー作品としての完成度の高さである。
最後の最後まで、読者の予想を裏切り続けるトリックは実に巧妙であり、
思わず元に戻って、キーとなる部分はどのように描かれていたか、読み直してしまった。

そして、本著は単なるミステリー作品としてだけでは終わっていない。

青春スポ根ものの要素を、実にうまく取り入れている。
それが、読む者の心を熱くさせ、本作により一層のめり込ませる、大きな要因となっている。

まぁ、とにかく素晴らしい。
『おやすみラフマニノフ』や他の作品も、必ず読みます。





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Last updated  2011.11.13 11:49:35 コメントを書く


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