乱読・積んどく・お買い得!?

乱読・積んどく・お買い得!?

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2013.02.09
XML
カテゴリ: 社会・政治・時事
『ゲーテの警告』 発行から8か月後の2012年4月20日、本著は発行された。
 前半は、『ゲーテの警告』より哲学的色彩が濃く、どうなることかと心配したが、
 暫くすると、そういった感覚は次第に薄れ、最後まで読み切ることができた。
 それにしても、著者の主張は、本著においてもかなり過激なものである。

 第2章に見られる「キリスト教は邪教です!」「人権思想が地獄を生み出す」や
 「民主主義の本質は反知性主義」等のタイトルに、著者の姿勢が反映され、
 さらに、第4章の「フロイト、ユングはオカルト」や
 第5章の「選挙には行きません」にも、著者の態度が表れている。



  政治家の仕事と居酒屋の経営は違うということに気づかない人間が、
  そのまま社会の前面に躍り出てしまった。
  「素人が世の中を動かしてはいけない」と注意する人間も周囲にはなかった。(p.19)

現在「何か引っかかる」「どうも胡散臭い」と思う出来事や人が、確かに多く存在する。
そういった出来事や人を、ズバッと一刀両断してくれる記述には、胸がすく思い。
だが、本著における記述は、そんな感覚で読み進められるものばかりではない。
例えば、

  民主主義は、「一人一人が完全に平等である」という妄想で成り立っています。
  社会に貢献する人も社会に害を与える人も同じ権利をもちます。
  これは絶対存在である《神》を想定しないと出てこない発想です。
  民主主義や社会主義の根本にある平等主義は、《神》との距離における平等なのです。

  要するに、キリスト教の《神》は、民主主義や平等主義といったイデオロギーに姿を変えて、
  世界を支配しているわけです。(p.68)

こうなると「なるほど、そうも言えるか」と思う反面、
「でも、本当にそこまで言ってしまって良いものなのか?」と、一抹の不安を感じてしまう。
バランス的に、危うさを覚えずにはいられない。


  ニーチェは言います。
  「私が憎悪するのは、そのルソー的道徳性である-(中略)平等の教え!
   ……しかしこれ以上の有毒な毒は全然ない。
   平等の教えは正義について説いたかにみえるのに、それは正義の終末だからである。
   ……『等しき者には等しきものを、等しからざる者には等しからざるものを』
   -これこそが正義の真の言葉であるべきだろう」(『偶像の黄昏』)
  等しくないものが等しくなること。
  これが近代大衆社会およびB層社会の最大の特徴です。(p.72)

「違いを認めること」と「格差を認めること」。
これは似ているようで、全くの別物である。
「格差」、これを社会としてどう受け止め、どう扱うべきか。
本著は、そのことを私たちに問いかけている。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.02.10 10:49:54 コメントを書く
[社会・政治・時事] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: