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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2013.08.31
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カテゴリ: 文芸
『オレたちバブル入行組』 と2冊まとめて購入。
 そして、こちらの方から読み始める。
 スタートから身につまされるとても重たい展開。
 どろどろに溶けたコールタールが、脳裏にこぼれ、這い出してくる。

 どうなってしまうんだ、近藤?
 しかし、彼は「鉄のカーテン」を自らの意志で解き放つ。
 ただひたすら辛いだけの環境、耐えるだけの関係に、
 新たな地平が出現し、コールタールがほんのわずかばかり後退した。


お話しの展開もテンポ良く、読み心地がすこぶる良い。
そして、第4章に突入すると、金融庁検査官・黒崎駿一が登場。
しかし、何かおかしい……

この記述からすると、黒崎は、ここで初めて、この物語に登場した様子。
だが、待てよ……
「原作では東京編から登場する黒崎を、ドラマでは大阪編から登場させた」と、
何かの記事で見たぞ……、

それなのに、何故、一冊目の途中から、早々に登場するんだ?
そこで、二冊の第1刷発行日を見比べると、
本著が2010年12月10日で、『オレたちバブル入行組』が2007年12月10日。
ありゃりゃ……読む順番、間違えた!!


そして、本著の読書を再開、無事読了。
それから、TVドラマの第6話を視聴した。
原作にかなり忠実に沿っている作りだが、それでも色々変えているところもある。

例えば、ドラマでは近藤が立ち直る切っ掛けを、半沢が作ったことになっている。
まぁ、それはそれで、納得できる演出で、良かったけれど。



さて、私が本著の中で、特に印象に残った記述は、次の二つである。

  仕事は二の次で余暇を楽しめればいい。
  そう考えたこともある。
  しかし、一日の半分以上も時間を費やしているものに見切りをつけることは、
  人生の半分を諦めるのに等しい。
  誰だって、できればそんなことはしたくないはずだ。
  いい加減に流すだけの仕事ほどつまらないものはない。
  そのつまらない仕事に人生を費やすだけの意味があるのか?(p.217)

これは、本著の影の主役・近藤の心情を描いた一場面であるが、
サラリーマンなら、誰もが同じようなことを考えたことがあるに違いない。
もう一つは、半沢の心情を描いた一場面。

  銀行だけが全てではない。
  眼の前の人事一つ全てが決まるわけでは決してなく、
  人生というものは結局のところ自分で切り開くものである。
  肝心なことは、その時々に自分が全力を尽くし、
  納得できるようにふるまうことだ。(p.344)

これは、終始一貫した半沢直樹の生き方である。
こんな生き方を、誰もがしたいと望んでいるが、なかなか出来るものではない。
それを、半沢はやってのける。それも、かなり強引に。
そんな姿に、世間は驚嘆し、拍手喝采を送っているのである。

しかし、そんな半沢を待ち受けていたのは、
組織の論理、「異動」の二文字だった。





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Last updated  2013.08.31 10:04:29 コメントを書く


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