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Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
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Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2015.01.07
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カテゴリ: 教育・子育て

 「世界史をわかりやすく学べる教科書」の叩き台を何項目か作ったとき、
 出版社の人が、それを懇意にしている先生たちに見てもらったところ、
 「わかりやすすぎる」という反応だったとのこと。(p.129)

 何とも、冗談みたいな話ですが、
 現在の教育における重要トピックスを上手く拾い上げ、
 とても平易に、しかも明解に説明してくれていることからすれば、
 本著も、「わかりやすすぎる」一冊と言えるかもしれません。

しかし、本著に書かれているような、戦後の教育の大きな流れや、

学習指導要領、評価、偏差値、教員採用、いじめ、PTA、給食、教育費、
そして、新しい学校制度等々については、現職の教員でも全て知っているとは限りません。

そういう点で、一般の方々は勿論のこと、
ぜひ、現職の先生方にこそ、読んでもらいたい一冊だと思いました。

   ***

  もちろん、1980年以前にも同じような問題は多々ありました。
  私が小学校の頃にもクラスに一人や二人は授業中に教室を歩きまわる生徒がいましたし、
  先生をからかったり、先生に逆らったりする生徒もいました。
  番長を中心とした不良グループもいれば、程度の差こそあれ、いじめもあったのです。
  なかったのは名前です。
  「校内暴力」「新しい荒れ」「学級崩壊」といったネーミングによって社会問題化します。

  学校現場では常にそうした問題があることを前提に、
  それらに適切に取り組み続ける姿勢なのではないでしょうか。
  私たちもマスコミ報道があると「いじめが急激に増えた」と思いがちですが、
  いじめは常に起こっているものという認識を持つことが大切です。(p.220)

  ただ一つたしかにいえることは、

  現場の教員のがんばりに期待する、という内容がこれまでは多すぎたということです。
  大切なのは、精神論で「みんながんばれ」というだけでなく、
  人員を増やしたり、使い勝手のいい制度に柔軟に変更したりすることで
  現場の充実をはかることです。(p.224)

これまでにも、多くの方々が指摘されていたところのことですが、
世間の人々は、学校や先生に非難の言葉を投げかけることが、その解決に繋がると信じて、
こういった冷静な判断を、なかなか受け入れようとはしませんでした。
そんな中、池上さんが発してくれたこの言葉は、その流れを変えてくれるかもしれません。

  元気で健康に働く意欲もあるのに働けないことは絶望につながります。
  自分が社会から否定されているように感じ、
  仕事の知識や技術を身につけられず将来不安も高まるからです。
  これが、若者が過激な行動や思想に走っていく一つの理由にもなっています。(p.343)

本著の中でも、「深いなぁ」と感心させられた一文。
世の中を動かしていく源泉について、その核心を見事に指摘されています。





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Last updated  2015.01.07 14:46:44 コメントを書く
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