乱読・積んどく・お買い得!?

乱読・積んどく・お買い得!?

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2015.01.21
XML
カテゴリ: 教育・子育て

 それについて、本著の「はじめに」には、次のように記されている。

  つまり、その子にとって、不可欠だという瞬間は、
  子どもが受精卵として誕生する前にほぼ終わっている。
  それから以降は、いわば、いてもいなくてもいい存在なのだ。(p.4)

 母と子の関係が、社会や時代を超えた普遍性を持つのに対し、
 父と子の関係は、社会や時代、心理的、社会的状況により左右される。

また、父親の存在感が希薄な時代となり、
父権の崩壊と共に、母系社会への回帰が起きていると、著者は言う。

子どもの成長に多大なる影響を与えるとも。

  うつ病などの精神疾患で父親が働けないという場合にも、
  子どもは父親に対して複雑な想いを抱えやすい。
  父親に愛着をもつ場合でも、
  父親が社会的に無力で、役割を果たしていないということを感じると、
  子どもは父親を手本として尊敬し、自我理想とすることが困難になる。
  愛着する対象が立派な大人であり、
  自分を守り、導いてほしいという期待は裏切られ、失望を味わう。
  そこには悲しさとともに怒りが伴う。
  愛着する父親に、そうした感情を向けまいとすればするほど、
  心の中にやり場のない思いが蔓延するようになる。

  母親が病気になって仕事ができない父親のことを否定的に見て、
  不満や嘆きを漏らしていると、
  子どもは、父親のことを、母親を苦しめる存在とみなし、
  父親を肯定的に受け入れることがますます困難になる。
  しかし、母親が父親のことを心から愛していて、

  子どもたちも父親に対する敬意を保ち続け、
  今は病気のために働けないが、精神的に自分たちを支えてくれているのだとか、
  父親も病気と闘っているのだと受け止めて、
  逆境にあってもくじけない手本として、尊敬の対象としての父親を失わないで済む。
  それは、子どもたちにもっと豊かな価値やもっと大きな愛を手に入れさせる。(p.167)

「父親のイマーゴから開放される」(p.296)、「作られたイメージを疑う」(p.298)
「肯定的な父親像を取り戻す」(p.300)、「楽園にいた頃」(p.303)、
「子どもは父親を愛したい」(p.306)が、本著のクライマックスである。
心に響く、読み応えがある一冊だった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015.01.21 13:57:26 コメントを書く
[教育・子育て] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: