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Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2015.07.20
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カテゴリ: 経済・ビジネス

 まだ手にしていなかった『ビジョナリーカンパニー』。
 そして、やっと手にしたのは「3」。
 しかも扱っているテーマは「衰退」。

 まぁ、このご時世ですから、
 「成功」より「失敗」に学ぼうとする意識が強くなっても、その方が自然体かも……
 ということで、不朽の名著を読まずして、いきなり本著を読み始めました。
 でも、「1」「2」を読んでいないことで、不都合なことは全くなかったです。

第一段階 成功から生まれる傲慢

第三段階 リスクと問題の否認
第四段階 一発逆転の追求
第五段階 屈服と凡庸な企業への転落か消滅

これが、衰退の五段階。
本著では、それぞれの段階について、一つの章を費やして解説し、
章末に、要約を掲載してくれているので、とても分かりやすいです。
例えば、第二段階については、次のような記述がなされています。

  偉大な企業が成長を担う適切な人材を集められるよりも
  速いペースで売上高を増やし続けた場合、
  停滞に陥るだけではない。衰退していくのである。
  異例なほど偉大な企業はいずれも、何よりも、

  これが規律の文化で第一の構成要素になる点である。(p.101)

やはり、「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」なんですね。
次に、第四段階に掲載されている図表には、次のようにあります。

  第四段階の典型であり、一層の衰退をもたらす行動
   救世主になる指導者を求め、外部から乗り込んでビジョンを示し、


  第四段階の悪循環を反転させうる行動
   規律ある経営幹部を求め、
   社内で実績をあげてきた人材を選ぼうとする(p.154)

「餅は餅屋」ということでしょうか。
でも、最近は専門家をないがいしろにする傾向が、あちこちで……。
それが、一層の衰退をもたらすことにならないと良いのですが……
心配です。

  衰退への道を歩む企業をみていくと、わたしはこの教訓をあらためて痛感する。
  第四段階の企業は恐怖にかられて必死に動き、転落を早めている。
  もちろん、指導者は後にこう主張できる。
  「われわれがとった行動の全体をみてほしい。われわれはすべてを変えた。
  考えられるかぎりのことはすべて行った。
  もっている弾は撃ちつくしたが、会社を救うことはできなかった。
  だから、必要なことをしなかったと非難されるいわれはない」。
  こう語るのは、IBMのガースナーとは違って、
  衰退の後期段階にある企業の指導者には冷静で、明晰で、
  焦点を絞った方法に戻る必要があることを理解していないからだ。
  転落を食い止め、反転させたいのなら、すべきでないことは行わないよう、
  厳格な姿勢をとるべきだ。(中略)
  深呼吸をする。冷静になる。考える。的を絞る。狙いを定める。弾は一発ずつ撃つ。
  そうしなければ、かつてオフィス用の宛名印刷機と複写機で最大手だった
  アドレソグラフが陥ったのと同じ惨状を、違う形で繰り返すことになる。(p.163)

そう、どの段階でも、その状況を反転させうる行動はある。
たとえ、それが第四段階まで来ていたとしても、「回復と再生」はありうるのです。
上記のような言い訳を聞きたくないのなら、
私たちも「変化」ばかりを求める態度を改める必要があるのでは?

  真に偉大な組織がそこそこ成功をおさめているにすぎない組織と違う点は、
  困難にぶつからないことではない。
  一時は後退しても、壊滅的な破局にぶつかったときですら、
  回復して以前より強くなる能力をもっていることである。
  偉大な国は後退しても回復しうる。
  偉大な企業は後退しても回復しうる。
  社会セクターの偉大な組織は後退しても回復しうる。
  そして偉大な人物は後退しても回復しうる。
  完全に打ちのめされて退場するのでないかぎり、つねに希望がある。(p.200)

著者にとって、人生や仕事で避けがたい後退に陥って苦闘しているとき、
指針になる光は、ウィンストン・チャーチルであることが多いといいます。
機会があれば、チャーチル伝も読んでみようと思いました。
そうそう、本著は「付録」とされている部分も重要、必読です。





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Last updated  2015.07.20 17:26:08 コメントを書く


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