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2016.05.21
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カテゴリ: 文芸

 今日の昼、 『私結婚できないんじゃなくて、しないんです』 の録画を見て、
 18:00には、兵庫県立芸術文化センターの阪急中ホールにいました。
 もちろん、中谷さんの 『猟銃』 を見るためです。

 この作品を、どんな感じで演じられるのか興味津々で足を運びましたが、
 開演直後のナレーションを聞いただけで、「おっ」と思いました。
 「ひょっとして、これ、原作に忠実にやるつもりですか?」


本著「解説」によると、この作品は、『文学界』の昭和24年10月号に掲載されたもので、
井上靖氏の処女作とのこと。
それ故、そこで用いられている言葉や言い回しは、かなり古めかしく感じられるものであり、
文字を見れば何とか理解できるけれど、音として聞いた時にはピンと来ないものも結構あります。

それを敢えて、現代語・現代文に変換することなく、そのまま用いるということは、
観る者の度量が問われるのはもちろんのこと、
演じる者の度量が、より問われることになります。
そう、原作を読んでいない観客にも、その古めかしい言葉の音だけで伝えなくてはなりません。

なので、ナレーションが始まったとき、
私は、大急ぎで昨夜原作を読んでおいて、本当に良かったと思いました。
取り敢えず、スタートから話の筋が掴めず、置いてけぼりになることはないはずですから。


まずは、薔子の手紙から始まります。
ドラマで聞く中谷さんの声とは随分違った感じ。
まるで別人とも思える声で、かなり早口で語りかけてきます。
それも、ほぼほぼ原作に忠実な感じで。

手紙部分は、本著で言うと、

そして、彩子のものがp.49~p.67に掲載されており、
1ページは、43文字×18行で構成されています。

もちろん、上演に当たっては原作のままではなく、それ用に書き改められているものの、
最初から最後まで、約100分間を中谷さんが一人で語りきらねばならないのです。
これは本当にスゴイとしか言いようがありません。
始まった時点で、その事実を思うだけで、もう圧倒されてしまいました。

そして、みどりの手紙部分になると、衣装も声も動作も大きく変化し、
その溢れんばかりの熱情が、ビシビシと観客席まで伝わって来ました。
さらに彩子になると、一転して静かで落ち着いた調子へと変化。
ここで、聞きなれた中谷さんの声に一番近くなった気がしました。

薄暗い中で、気付かぬ間にイリュージョンのように変化していった大道具や
音響、照明もなかなか凝ったものでした。
そして何よりも、上演中、客席に物音ひとつ立てさせない緊張感を保たせたまま、
最後まで、三人の女性を見事に演じきった中谷さんは、やっぱりすごかったです。

そして、帰ってきてから、
ホールで購入したプログラムに、じっくりと目を通しました。
なかなか立派で、よく出来た、CPの高いものでした。
でも、中谷さんの一番のはまり役は 柴田純 だと、今でも思っています。





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Last updated  2016.05.22 02:00:31 コメントを書く


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