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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2021.02.28
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​ 先日読んだ 『看護のための精神医学』 は教科書でしたが、
 こちらは教科書とは言い難いもの。
 しかし、「援助者必携」のネーミングに偽りはなし。
 まさに、援助者必読の「軽くて、深い、アドバイス集」です。

   ***

  一般論として、余裕を失うと個別性重視モードでしか思考が働かなくなってしまう。
  すると相手のペースに引きずり回されたまま、

  こんなことを言ったら裏目に出るのだろうかとか、
  とにかく目先のことしか考えられなくなってしまう。(p.015)

ここから脱却するには、相手をパターンにあてはめてとらえてみること。
そして、精神の逸脱の仕方は、そんなにたくさんはなく、
著者が臨床現場でカルテに記す病名は、次の7種類程度だと言います。

  (1)統合失調症
  (2)(躁)うつ病
  (3)神経症圏
  (4)パーソナリティ障害
  (5)外因性ないしは器質性精神病(認知症も含む)
   それに加えて、

  (7)依存症(これは神経症圏やパーソナリティ障害と重なるところが多いが、
     治療からは別立てとしたほうが現実的)(p.020)

また、病名以外のパターンを用いてケースを把握する方法論もあり、
本著は、援助者のためのそういったパターンを考察し、論ずる一冊となっています。

  優秀な営業マンやサービス業従事者を観察していますと、

  彼らは、「無理です」なんて却下しません。
  その代わり、できるとも言わない。
  とにかくこちらの希望にきちんと耳を傾け、
  ストレートにそれを解決するのが難しそうだったら、
  まずは「一緒に困ってみる」といった振る舞いをするようです。(p.100)

精神科で働く看護師、保健師、ホームヘルパー、ケアマネージャーだけでなく、
どんな職種のどんな職場で働く人たちにとっても有益なアドバイス。
そう、本著に記されている内容は、色んな人たちに読んでもらいたいものばかり。
BPDの人たちの「見捨てられ不安」を増強させないための対策も、その一つ。

  ①相手に期待され過ぎないようにする
  ②「枠を設ける」「限界設定」
  ③事実と感情との区別を、折に触れてきちんと説明する
  ④こちらから積極的にアプローチを図って安心感へつなげる
  ⑤援助者側の心の安定(こちらが不安だと、相手の不安をかき立てやすい)
   a 相手をパターンで把握する
   b ケース検討会によって対応法を吟味し、また責任の分散を図る(p.198)

そして次の一文には、大いに励まされる人たちも多いのではないでしょうか。

  パズルであったら「どうにもならない」ものはどうにもなりません。
  今現在であろうと将来であろうと解決策はない。
  だが病んだ人や病んだ家族関係、病んだ行為や病んだ生き方は流動的であり
  決して固定したものではありません。
  刻一刻と人は老いていき、考え方感じ方に変化が訪れる可能性もつねに潜在し、
  おまけにいつ予期せぬエピソードや突発的な事態が生じるかもしれない。
  いずれにせよ数十年のうちに被援助者やその家族の誰かは必ず死ぬのですから、
  未来永劫このままなんてことはあり得ない。(p.294)





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Last updated  2021.02.28 20:46:33コメント(0) | コメントを書く


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