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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2025.06.08
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カテゴリ: 文芸

 その店を閉め、元ライバル店だった『パスカル』でバイトを始めた白井は、
 料理研究家・佐渡谷真奈美に、閉店した店の厨房を貸すことを了承。
 そして、その厨房を使って、一人の生徒を相手にした料理教室が始まります。

 病気休暇をとって会社休んでいた順子は、フルーツタルトとタルトタタンを、
 中学3年生の結杏はマカロン、さらに母親や明日香と一緒にイートン・メスを作り、
 なかなかいい曲が作れなくなった金髪の秋山静は、結杏と一緒にザッハトルテを作ります。
 生徒は皆、佐渡谷の姪・明日香が営む『あすか心のクリニック』のクライアントたちでした。

カーキ色の上下の作業服に厚底のブーツ姿の優美は、

優美が好きなチーズケーキをマリアージュした『謙虚で自由なモンブラン』を作ります。
それがきっかけとなって、白井は2つ目のバイト先から開発部員としてスカウトされることに。

そして、料理教室の最後の生徒は白井自身、佐渡谷と一緒にパウンドケーキを作ります。
その際、佐渡谷がかつて働いていたフランスの『パティストリー・フェデリック』が、
今でも営業を続けており、『マ・ナミ』というフィナンシェが売られていることが分かります。
再びハートに火が点いた佐渡谷は、店主・ヴィクトーに会うべくフランスへと飛んだのでした。

一方、白井は『パティストリー・ブランシュ』を再オープンすることを決意。
準備の合間には、試作のパウンドケーキを持って予告なく母親を訪ね、
小学4年生の時に、白井がひとりで分厚いホットケーキを焼いたことを語り合ったのでした。
開店当日、結杏が手伝いに来てくれた店の前には、女の子たちがずらりと並んでいました。

   ***

TVドラマ
読書開始時には、蓮佛美沙子さんや永作博美さんのイメージが強く残っていましたが、
読み進めるにつれ、次第に原作が描き出す世界へと書き換えられていきました。
全体として、お話も各キャラクターもTVドラマよりライトでスッキリした感じです。

ドラマでは、秋山静が重要な役どころを果たしていましたが、原作では他のキャラと同列です。
また、ドラマでは各キャラが背負う重たいものにしっかりと焦点を当てると共に、

でも、原作は原作で、全体を通して良い雰囲気が漂っていて、私はとても好きです。

   ***

それでは、最後に私が原作の中で心に深く残った箇所を紹介します。
それは、明日香さんが結杏ママに言った次の言葉。

  「探すのは悪いことじゃないと思うけれど、探すというのはフォーカスすることで、
   ペンを探していれば、ペンしか見えなくなるでしょ?
   でも退いた目線で、広角レンズでぼんやりしてると、色々なものが見えて、
   ペンの後ろにある意外なものが目に飛び込んでくるんじゃないかしら」(p.102)

とってもイイな、と思いませんか?





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Last updated  2025.06.08 09:53:10 コメントを書く


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