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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2025.09.15
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カテゴリ: 文芸
碧流篇 に続くシリーズ第8巻。
 富五郎のお練りで江戸紫の小紋染めは話題を呼び、五鈴屋は大盛況。
 しかし、出る杭は打たれる、様々な店が小紋染めに参入してきますが、
 幸はその状況に全く動じる様子を見せず、逆に楽しんでいるかのようでした。

   ***

幸が大坂を発つ際、本店常客医師・修徳から餞別にもらった達筆すぎる掛軸。
そこに書かれた文字を、暑気あたりのため五鈴屋で休んでいた初老の男が解読。
「衰颯的景象 就在盛満中(衰えていく兆しは最も盛りの時に在る)」


そんな中、5人ほどの女たちが訪れ、江戸紫の小紋染めを4寸ほど切り売りして欲しいと言う。
それは、熱や痛みを取る江戸紫に、魔除の鈴の紋様で、麻疹から我が子を守りたいという一心。
幸は、女たちの思いに気付き、子供用の鉢巻きのために反物を切り売りする。
一方、店に立ち寄った 茂作 は、賢輔に跡目を継がせる件について次の言葉を残し江戸を去る。

  「前に大工の棟梁に教えてもろた話です。
   柔こい(柔らかい)土地に家を建てたら、いずれ必ず傾く、て。
   家建てたあと、どない支えを増やしたところで、傾くのは止められへんそうな」(p.97)

老舗薬種商・小西屋が催す恵比寿講への手土産にと、菊次郎が江戸紫の小紋染め10反を発注。
それを届けに結と共に小西屋を訪れた幸は、そこで蛸に似た両替商・音羽屋の店主に遭遇。
その後、小西屋から結に縁談、40半ばの音羽屋店主・忠兵衛の後添えにという話が舞い込む。


賢輔に五鈴屋の8代目を継がせようと目論み、さら結が賢輔に心を寄せていることを知る幸は、
いずれの話にも断りを入れ、賢輔に跡目の件を告げるが、思うような返事は返ってこなかった。
音羽屋から結への求婚がなおも続く中、鉄助から孫六が跡目について待ったをかけたと聞かされ、
さらに、幕府から上納金1500両を要求された幸は、本両替商・蔵前屋を訪ねることに。

そこで出会ったのは思いもかけない人物……駿河町の本両替、井筒屋3代目・保晴となった惣次。


   上納金なんぞ、本両替に借りてまで用意するもんやない」
  「あんさん、五鈴屋の暖簾を守りたいのやろ。ほな、もう少し頭を使うたらどないだす。
   せや、あんさんの得意な知恵を絞りなはれ」
  「悪い奴ほど、阿呆な振りが上手いよって、気ぃつけなはれ」
  「私は井筒屋3代目保晴ですよ。五鈴屋だの8代目だの、まるで関りのないことだ。
   妙な言いがかりをつけるのは、金輪際、止めていただきましょうか」

幸は、鉄助を大坂に戻らせ、替わりに周助を白子の梅松と一緒に江戸に呼び寄せると、
賢輔には9代目を継いでもらいたい、結には自分は賢輔の伴侶選びに口出ししないと告げる。
ところが、結は上納金のことを音羽屋に一人で相談、店の大事を漏らしたことを幸に咎められる。
幸は、上納金を年500両ずつ3年で分納、貰うはずの利の倍を献金すると願い出て了承される。

賢輔は男女問わず好まれ、飽きが来ない小紋の新しい図案について、梅松と力造に相談。
そこで周助が文字を散らした柄について述べると、時を経て賢輔は干支の漢字に思い至る。
その後、紙問屋・千代友屋の末娘が賢輔に会いに五鈴屋に来るという騒動が起こるも無事解決。
周助は浅草寺で8代目襲名を引き受け、賢輔に然るべき時に9代目を考えるよう促すのだった。

この後、音羽屋忠兵衛の件で小西屋が店に訪れるが、結は心に決めた人がいると断る。
そして、賢輔と二人で年の市に出かけ気持ちを伝えたものの、良い返事は貰えなかった。
さらに、賢輔の図案を梅松が完成させた型紙を、幸と賢輔が受取りに行くのに同行するが、
その際、年寄りの青竹売りがよろめいて、手から離れた青竹が幸と結の方にめがけて……

  「危ない」
   賢輔は叫んで、咄嗟に、結ではなく幸に覆いかぶさった。(中略)
   結は姉と手代を交互に眺めて、暫く虚脱したような表情を見せていたが、
   何かを口の中で呟いた。幸には聞き取れなかった。(p.326)

怪我は無かったものの、座り込んでしまった結を、賢輔は負ぶって店に戻り、
幸は一人で梅松のいる力造の家へと向かう。
その夜、完成した干支の型紙は、幸の手で店の神棚に供えられるが、
翌朝、「かんにん」という書置きを残した結と共に、姿を消したのだった。

***

読書の方は、ようやく TVドラマのシーズン2 の部分を通り過ぎました。
シーズン3 は、嵐の真只中の状況からのスタートということになりますね。

惣次の言葉、振る舞いには、かつての妻に対する深い想いが感じられるように思うのですが、
今後もポイントポイントで登場し、五鈴屋と関わり合ってきそうな感じです。
そして、気になるのは、田所屋の陰のオーナー・音羽屋忠兵衛の存在。
姉に対し強い劣等感を抱く結の失踪にも、きっと大きく関わっているのでしょう。





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Last updated  2025.09.15 10:32:40 コメントを書く


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