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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2025.10.04
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カテゴリ: 文芸
瀑布篇 に続くシリーズ第9巻。
 TVドラマのシーズン2を通り過ぎ、シーズン3で放映予定のお話の始まり。
 これまでと違って既視感のあるお話ではなく、初めて目にするお話になるので、
 ちょっとくどくなるかも知れませんが、少々丁寧に記録していきます。

   ***

結が型紙と共に姿を消した大晦日、夜になって音羽屋から結は無事との遣いが。
そして元旦、佐助と共に音羽屋を訪ねるも、忠兵衛に追い返されてしまった幸は、
小正月に薬種商・小西屋五兵衛が現れた際、結と二人で会えるよう頼む。

結は自分の感情を幸に激しくぶつけるばかりで、全く聞く耳を持たず、
以後、姉妹は二度と交わることのない道をそれぞれに歩むことになってしまう。

後日、本両替商・蔵前屋からは、本両替仲間の寄合で音羽屋が後添えを迎えた報告をし、
手土産として十二支の漢字を柄にした小紋染の反物を、仲間全員に渡したと聞かされる。
その際、井筒屋3代目保晴が、柄の中に『金・令・五』の文字が混じっていると指摘、
忠兵衛は顔を朱色に染めると、後添えが、自分は五鈴屋7代目の妹で、
型紙は姉が「嫁資」として持たせてくれたものだと述べたという。

梅松の尽力で『十二支の文字ちらし』の中に『金・令・五』を潜ませた型紙が無事再現され、
音羽屋日本橋店開店の日に、五鈴屋でも十二支の文字散らしの小紋染めを売り出せるように。
引き札と口上で江戸中の耳目を集める豪勢な宣伝を大々的に行う音羽屋に対し、
十二支の漢字に各干支の絵を添えた刷り物に、小紋染めの端切れを貼り付けるという工夫で対抗。


心配してくれた女将に、幸は感謝を伝えると共に開店3年祝いに贈られた樽酒への感謝も述べる。
また、菊次郎からは、音羽屋は店のつくりから鐘木に至るまで五鈴屋そっくりで、
「帯結び指南」や着物にどんな帯を合わせるかの助言をしているとも聞かされたのだった。

そんな時、小金井宿で呉服小商いを始める男が縮緬の反物十反を買い付けに訪れる。
さらに、菊菱の紋様の裃姿の侍が現れ、縮緬の白生地を百反も購入して行った。

五鈴屋は黒松屋から顧客を奪い取ったということで、呉服仲間から外されてしまうことに。
そして富久の祥月命日、幸がお竹と共に松福寺に参った際、井筒屋3代目保晴と出会い、
保晴から、70年程前に同じ目に遭ったものの、却って商いを広げた越後屋を例に挙げながら、

  「あんたの言う通り、仲間を外れるんは、商道をはずれることや。
   五鈴屋の暖簾を守って真っ当な小売であり続けるためには、
   呉服太物問屋を作るのが一番やろ。
   ただ、五鈴屋のほかは、駒形町の丸屋一件しかないさかい、何軒か揃うまで刻はかかる」
  「それまでは、呉服の商いは控えるしかない。
   あの越後屋でさえ、店を移したり、おかみの御用達になったり、とえらい苦労してはった。
   五鈴屋がいずれ自ら仲間を作るまでは、ほかの者に付け入る隙を与えんよう、
   暫くは呉服商いを諦めることや」
  「上納金のことも、今回の仲間外れのことも、偶然と違いますで。
   早う気ぃついた方がええ」(p.142)

宝暦6年元日、京坂に旅立つ富五郎が、江戸紫の十二支の文字チラシ小紋染めを求めたが、
呉服商いを控える幸は選別として差し出すも、富五郎はそれは貸してもらうことにすると言う。
睦月十五日未明、中村座と市村座が焼失するが、音羽屋が尽力し市村座は1カ月半で再建する。
客足遠のく五鈴屋に、3年前修徳の掛け軸の文字を読み解いた今津村の儒学者・弥右衛門が訪れ、
彼が幸の兄・雅由の学友だったと分かり、掛軸に書かれていない続きについても教えてくれる。
それは「新たな盛運の芽生えは何もかも失った時、既に在る」というもので、幸らを元気づける。

葉月二十日に江戸を発った幸、梅松、茂作は、19日で大坂に到着、本店の面々に再会する。
10日程の滞在期間に、幸は治兵衛と賢輔の将来について、文次郎とは木綿について語り合い、
8代目となった周助については、道善の持ち込んだ見合い相手との結婚話が進められることに。
さらに、菊栄が訪ねて来て、兄夫婦から紅屋を追い出されようとしていると聞かされるが、
菊栄は飾りが揺れる簪を縁に紅屋を出て独り立ちし、江戸に出ようと考えていたのだった。

江戸にもどった幸に、菊次郎は二代目菊瀬吉之丞を襲名する吉次が楽屋で寛ぐ浴衣を発注する。
幸が、工夫と検討を重ねながら出来上がった2枚の浴衣を市村座に届けるが、
その際、そこで日本橋音羽屋店主・結とすれ違うことに。
そして師走十四日、音羽屋から祝い酒が届くが、幸は稲荷神社に寄進するよう人足に依頼する。

一方、力造は幸の言葉を切っ掛けに、裏にも表のように糊を置いて染めることに挑戦。
賢輔が「木綿さえ綺麗に染める藍を用いるのなら、小紋では勿体ない」と言葉を発すると、
幸は、藍染の美しさが際立つ反物で、湯帷子でも単衣でもないものを仕立てることを思いつく。
そして、梅松の手による中紋とでも呼ぶべき大きさの鈴が尾で結ばれた型紙が掘り上がり、
力造が生地に糊を置いていくことになる。

   ***

ドラマのシーズン1では、結が幸に対し妬みを露わにする様が何度か描かれていました。
原作ではそういう場面が見受けられなかったので「何故かな?」と思っていたのですが、
今巻の展開を読んで、なるほどそういうことかと合点がいきました。
また、こちらは予想通りに、今巻でも要所要所で惣次が登場し、幸を救ってくれる展開に。
しかし、まだ何か秘められたものがありそうな気もします。





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Last updated  2025.10.04 17:50:12 コメントを書く


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