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円熟のイタリア歌姫、グラミー受賞カバー作 ラウラ・パウジーニ(Laura Pausini)は、1990年代にイタリア国内の音楽祭で優勝し、その後コンスタントにアルバムを発表してきたイタリア人女性ヴォーカリスト。イタリア語のほかスペイン語と英語でも歌っているが、なかでもスペイン語での活躍が目立つ。 考えてみれば、これが彼女にとっていちばん取り易い選択肢なのだろう。母語はイタリア語だが、イタリア語を母語とする人は決して多くはないので、世界的には売れにくい。かといって英語は言語として別物に過ぎる。イタリア語からみてスペイン語ならそうかけ離れていないし(単語も似ているし、同じ詞を歌ってもほぼ逐語訳)、隣国スペインだけでなく中南米や米国ヒスパニックなど世界的なマーケットがある。確かに、世界進出が本格化したのも、デビューから間もなく、同じアルバムをイタリア語版とスペイン語版で発表し、スペインとラテンアメリカで大ヒットを記録したところから始まった。 実際、彼女は2004年の『エスクーチャ(Escucha)』そして2006年の本作『ヨ・カント(Yo Canto)』と、スペイン語で歌った作品で立て続けにラテン・グラミーを受賞している。この『ヨ・カント』は通算9作目(スペイン語アルバムとしては7作目)に当たるが、通常のアルバムとは少し違い、カバー曲集というコンセプトで作られたものである。 でもってどのような曲をカバーしているのかというと、そのリリース当時、イタリアではオールディーズ・リヴァイヴァルみたいな動きがあったようで、大物の男性ポップ・シンガー、クラウディオ・バリオーニ(Claudio Baglioni)も1960年代前後のイタリアン・シンガーソングライターの曲をアルバムにしたりしていた。ラウラの本盤も同様に今度は70年代末以降のより新しい曲(中には90年代の曲も多く含まれる)を取り上げて歌っている。 各曲のオリジナルを知らないので、元の楽曲とどういう風に違うアレンジがなされているのかはいま一つよくわからないのだけれど、どの曲も現代的に響く。おそらくはリヴァイヴァルの流れにただのってみました、というのではなく、ラウラらしさをどう生かすかが相応に練られた成果なのだろうと想像する。 さらには4.「ミ・リブレ・カンシオン」のように、リスナー受けする企画も組み込まれていて、この曲は当時人気を博していた南米の人気シンガー、フアネスとのデュエットとなっている。同じく12.「ノ・メ・ロ・プエド・エスプリカール」は、オリジナルの作者ティツィアーノ・フェッロ(Tiziano Ferro)とのデュエットという企画で、本盤収録中では年代的に最も新しい曲(原曲は2003年)。 デビュー当時の若さを武器に押していたのとは違い、少し落ち着いて歌を聴かせることを意識したような作りが感じられる。キャリアを積み重ねてきて、いい意味でそれなりの余裕ができたがゆえということなのだろう。少女時代からシンガーとしての成長期まで、いわば聴いて育った音楽を見事に歌いこなしている。イタリア国内市場では80万枚だったが、全世界では300万枚も売れ、上述の通り、2007年にラテン・グラミー賞に輝いている。[収録曲]1. Yo canto2. Dos3. Escríbeme4. Mi libre canción5. Destino paraíso6. Estrella gemela7. Como el sol inesperado8. Cinco días9. Y mi banda toca el rock10. Dispárame, dispara11. Corazón frágil12. No me lo puedo explicar13. En los jardines donde nadie va14. En un cuarto casi rosa15. Cuando16. Por el camino2006年リリース。 【送料無料】【輸入盤】Yo Canto [ Laura Pausini ]下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.05.31
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気まぐれ80s,セカンド・シーズン(その2)~個人的にはベストに近いバングルスのシングル曲 前回シリーズでは、バングルス(The Bangles)の曲としては、「エジプシャン(Walk Like An Egyptian)」を取り上げましたが、今回は、同じ2nd作の『シルバースクリーンの妖精』からの別のシングル曲、「マニック・マンデー」をお届けします。 チャート上は後からシングルになった「エジプシャン」が1位、こちらの「マニック・マンデー」の方は2位どまりなのですが、個人的には、実はこっちの方が好みなのです。インパクトという意味では「エジプシャン」にかないません。けれども、バングルスらしさ、彼女たちの魅力という点では、この曲の印象の方が断然強いといったところです。 ちなみにこの曲の作者として、“クリストファー”なる人物がクレジットされています。その実、何を隠そうあのプリンスの変名で、スザンナ・ホフスをいたく気に入って曲を提供したとのこと。“Just another manic…”というサビに入るところのフレーズは、当時のスザンナの可愛さが抜群に表現されていると思うのですが、プリンスがそれをイメージして作った曲ならなお納得、とうい感じがします。 でもって、その後の彼女たちなのですが、再結成後のアコースティック(というのだろうか…)・ヴァージョンでの「マニック・マンデー」もついでにご覧ください。 惰性でやっている感もないではないですが、皆さんいい感じにお歳をお召しになったというか、最初のビデオのキャピキャピ感(?!)と比べれば、すっかり大人の女性たちになりました。特にスザンナ・ホフスは、上述の通りその当時も可愛らしかったのですが、大人の女性という感じにすっかり変わっています。[収録アルバム]The Bangles / Different Light(シルバースクリーンの妖精) (1986年) 【送料無料】シルヴァー・スクリーンの妖精 [ ザ・バングルス ]下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.05.29
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2013.05.28
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長尺でじっくり聴かせるライヴ演奏 ホレス・シルヴァー(Horace Silver)は1928年生まれの米国のジャズ・ピアノ奏者。“ファンキー”な奏者として知られるが、本盤は人気絶頂の中での1961年のライヴ録音(ヴィレッジ・ゲートでの録音)盤。ホレス・シルヴァーは、もともとアート・ブレーキ―のもと(ジャズ・メッセンジャーズ)で頭角を現し、『バードランドの夜』のような有名盤を残したほか、1954年にはマイルス・デイヴィスの『ウォーキン』にも参加している。 まもなく彼はアート・ブレーキ―のところを離れ、独自のクインテット(ザ・ホレス・シルヴァー・クインテット)で活動を展開していく。そのメンバーは時とともに入れ替わっていったものの、『6ピーシズ・オブ・シルヴァー』、『ザ・スタイリングス・オブ・シルヴァー』、『フィンガー・ポッピン』、『ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ』、など次々と吹き込みを行い、高い評価を得ていった。 そんな中で企画されたと思しきライヴ演奏盤がこの『ドゥーイン・ザ・シング』というアルバム。原題の『Doin’ The Thing, The Horace Silver Quintet At The Village Gate』を見ればわかるように、ヴィレッジ・ゲート(1958年にオープンし、ジャズ界の大物たちが多く出演したNYのクラブ)でのライヴ演奏である。 元来のLP盤に収録されたのは、9~12分程度とわりにまとまったボリュームの4曲で、ノリはいいのだが、じっくり時間をかけて聴かせるタイプの演奏だと言える(下記収録曲中の3.と4.はCDでの追加曲で、各曲の演奏時間自体は他に比べて短めである)。ライヴならではなのは、曲の冒頭にMCが入っていて、ホレス自身が曲の紹介をしているところ。例えば、1.では“架空のいかがわしい人物”のことを書いた曲との紹介で聴衆の笑いを誘ったりしているが、MCの内容以前に、この部分まで収録したのは“ライヴ感”という点で非常にいい効果が出ている。 実際の演奏内容を見ても、ライヴならではの荒い部分(必ずしも悪い意味ではなく)をそのまま含んでいるのが本盤の大きな魅力になっているように思う。上述の1.では、特にトランペットのブルー・ミッチェルがいい勢いで飛ばしていて、その勢いが続く他の楽器のソロにもいい影響を及ぼし、最後のリフまで観客の心をとらえている感じが印象的。勢いという点では、6.(表題の「グリンゴ」というのは、“アメ公”とでも訳せば適当な感じの、中南米人が米国人を指す時の表現)も引けを取らない。この勢い―それはそのまま“グルーヴ”と言い換えてもよい―こそが本ライヴ盤の大きな魅力だと思う。 上記以外でお気に入りは表題曲の2.「ドゥーイン・ザ・シング」。マイナー・ブルースの曲だが、アップテンポに進んでいき、ここでもやはり“勢いのよさ”が発揮されている。そもそもジュニア・クック(テナーサックス)のソロは個人的にいい感じに思えるのだけれど、そのソロを刺激して勢いを増させる周りのメンバーとの絡みが、聴いていて非常に気持ちいい。パーソネル間のやり取りが音楽を作り上げていく、それもライヴ演奏というのがジャズの本質を突いているとも言える演奏で、グル―ヴィーなままひた走る本盤のハイライトになっているように感じる。[収録曲]1. Filthy McNasty2. Doin' the Thing3. It Ain't S'posed to Be Like That (CD追加曲)4. Cool Eyes (CD追加曲)5. Kiss Me Right6. The Gringo/The Theme: Cool Eyes [パーソネル・録音]Horace Silver (p)Blue Mitchell (tp)Junior Cook (ts)Gene Taylor (b)Roy Brooks (ds)1961年5月19日・20日録音(ニューヨーク、ヴィレッジ・ゲートでのライヴ録音)。 【送料無料】ドゥーイン・ザ・シング+2 [ ホレス・シルヴァー ]下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.05.26
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濃くとも品位を失わず… キング・カーティス(King Curtis)といえば、R&B、ファンク、ソウル・ジャズの巨匠。ジミー・フォレスト(Jimmy Forrest)もR&B色の強い、ソウルフルなテナーマン。これら二人に加えてオリヴァー・ネルソン(Oliver Nelson)がテナー3管で共演しているのが、本盤『ソウル・バトル(Soul Battle)』という作品である。 テナー3管という時点で、既にこの盤に拒否感を示す人もいるかもしれない。実際、このアルバムは、タイトルが示すように、いわゆる同一楽器(テナー・サックス)による“バトルもの”である。バトルものの難点は、時に“濃くなり過ぎる”ことにある。いや、それはそれで筆者は嫌いじゃないのだけれど、名の知れた盤で言うと『テナー・コンクレイヴ』(ハンク・モブレー、アル・コーン、ジョン・コルトレーン、ズート・シムズの共演盤)みたいにしかめっ面で聴かなきゃいけないみたいな印象を与えるのは事実だろう。あと、バトルものは一つ間違えば、各々が吹き散らかし放題の、聴き手が疲れるばかりの演奏になりがちというのも、傾向としては確かにそうだと思う。おまけに、本盤に参加のキング・カーティスとジミー・フォレストはソウルフルな演奏を得意とするミュージシャンである。つまり、楽器編成からしても、演奏者の面子からしても、“濃い盤”になるようにしか思えない組み合わせのセッションだったと言える。 ところが不思議なことに、本盤は“濃過ぎない”。程よい濃さにとどまっていると言った方が正確かもしれない。コーヒーに喩えれば、苦味がしっかり感じられるが苦過ぎない、ラーメンに喩えれば、こってりしているが後で胃にもたれないスープではない、といったところか。コーヒーのつぼを押さえた苦味も、こってりもたれないラーメンも、ある種の職人芸で、その道を極めた人のみが編みだすものである。そして、それを見事に仕上げた職人とは、このアルバムでは、オリヴァー・ネルソンに他ならないと思う。 オリヴァー・ネルソンは、別の機会(過去記事『ミート・オリヴァー・ネルソン』)にも書いたように、サックス奏者としてのみならず編曲家としての才能も存分に発揮した人物である。言い換えると、個の演奏を紡ぎだす以外に、演奏されて出来上がってくる音楽全体に目配りのできるミュージシャンだった。本盤の演奏に関して言えば、オリヴァー・ネルソンも“黒っぽく”演奏しようとしている。けれども、全体の“濃さ”を調節し、ソウルフルさが過ぎる出来にしなかったのもまた彼であった。 いちばんバトルっぽいのは、4.「パーディド」であろう。この曲の演奏を聴く限り、確かに盛り上がり抜群のバトルが展開されている。けれども、他の曲の演奏を聴いていると、ふっと緩む瞬間というのが随所に見られる。その時にカギとなっているのが、柔らかに吹かれるネルソンのテナーなのである。それゆえ、本盤に収録されている演奏の中では有名な4.が一般には注目されがちだが、実は筆者はもう少し別の曲の方がより好みだったりする。もっと言えば、本盤の真髄は上記の曲ではなく、他のところにあるのではないかとすら考えてみたりする。具体的には、1.「ブルース・アット・ザ・ファイヴ・スポット」、2.「ブルース・フォー・M・T」、5.「イン・パッシング」といったところがお勧め。アレンジもよく、テナーの競演がスリリングさを見せながらも、どこかに和やかさが残されている。[収録曲]1. Blues At The Five Spot2. Blues For M.F. (Mort Fega)3. Anacruses4. Perdido5. In Passing 6. Soul Street (CD追加曲)[パーソネル・録音]Oliver Nelson (ts)King Curtis (ts)Jimmy Forrest (ts)Gene Casey (p)George Duvivier (b)Roy Haynes (ds)1960年9月9日録音。 Oliver Nelson / King Curtis / Jimmy Forrest / Soul Battle 輸入盤 【CD】下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.05.25
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リラックス・ムードが伝わる、陰をたたえつつもどこか爽やかさの残る好盤 エリック・クラプトン(Eric Clapton)という天才は、何ともお騒がせな人でもある。人生の迷いや悩みがそのまま音楽人生にも通ずるという、幸か不幸かわからない生き方をしてきた。大雑把に挙げても、70年代はドラッグ依存症とそこからの復帰。その後はジョージ・ハリスン(元ビートルズ)の妻との恋やら、アルコール依存症やら、さらには交通事故まで。90年代には息子の転落死など、人生の波乱が続いた。 こうした彼の人生の歩みはしばしば楽曲や作品に反映され、ファンもそれとリンクさせて聴いてきた人が多い。つまるところ、クラプトンの特徴の一つは、人生の歩みがそのまま曲やアルバムに反映される度合いが強い点にあるとすら言っても過言ではないのかもしれない。元ジョージの妻へ捧げた「愛しのレイラ」(デレク・アンド・ザ・ドミノス)や、不慮の事故で亡くなった息子に捧げた「ティアーズ・イン・へヴン」などの彼の有名曲は、その典型例と言うわけだ。 さて、本盤『安息の地を求めて(There’s One In Every Crowd)』は、名作として知られる『461オーシャン・ブルヴァード』に続く本格復帰後のソロ第二弾アルバム。上のようなクラプトンの波乱の人生を考えると、ある意味安定していた時期ということになるだろうか。だからといって他に埋もれていいアルバムというわけではない。原題を直訳すると“どんな群れにもそんな奴はいる”と言ったように意味になるけれど、まさしく他に埋もれるのではなく、“群れの中で存在感を示す個”というタイトルにふさわしい内容ではないかと感じている。 楽曲のよさ、アレンジのよさに加え、何よりもいい感じに肩の力が抜けたリラックスぶりが、聴き終えた後にほのかな爽やかさを残す、そんな好盤と言えるように思う。クリーム時代のようにハードなクラプトンもいいし、もっとポップな路線に走った後年のクラプトンも悪くないのだが、どれか一つ選べと言われると、筆者は本盤や『461オーシャン・ブルヴァード』の前後のレイドバックしたクラプトンも捨て難く思ってしまう。本盤の収録曲の中で個人的にベストなナンバーは、1.「ジーザス・カミング・スーン」と2.「揺れるチャリオット」、8.「可愛いブルー・アイズ」。他には、エルモア・ジェームズの5.「ザ・スカイ・イズ・クライング」、メアリ・マックリアリーの6.「ブルースを唄って」も外せない。 ファンからはいろいろ期待され、型にはまったものを求められるのがこの人はいやだったのだろうか。そしてまた多様なことができる器用さ(いい意味でも、悪い意味でも、どちらとも)も、この人には備わっていた。そんなことを考え出すと、一歩引いたクラプトンも捨てがたく思えてくるのである。[収録曲]1. We've Been Told (Jesus Is Coming Soon)2. Swing Low, Sweet Chariot3. Little Rachel4. Don't Blame Me5. The Sky Is Crying6. Singin' the Blues7. Better Make It Through Today8. Pretty Blue Eyes9. High10. Opposites1975年リリース。 【送料無料】安息の地を求めて/エリック・クラプトン[SHM-CD]【返品種別A】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2013.05.23
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気まぐれ80s,セカンド・シーズン(その1)~若々しく元気溌剌に 前回のシリーズに気をよくして、早くも“気まぐれ80s”の第二弾(セカンド・シーズン)を始めたいと思います。思い付きで始めた前回は、まさしくそのまま思い付きといきおいで10曲選んでみたわけです。ところが、終わってみればというか、終わる前の途中辺りから、“そう言えばあの曲も”、“でもやっぱりその曲も”などと次々に往時が思い出されてきて、心残りのまま残ってしまった曲がたくさんありました。 そんなわけで、このセカンド・シーズンという話です。続く10曲だけで心残りな気分が収まるのかどうかはわかりません。とはいえ、ひとまずはもう10曲、不定期更新で(間に通常の更新も挟みながら)行きますので、ぜひともお付き合いください。 でもって、第二弾の1曲目は、ヴァン・ヘイレン(Van Halen)の有名曲、「ジャンプ(Jump)」です。アルバムに先行して1983年末に発売され、全米(他国ではイタリア、カナダでも)No. 1ヒットとなりました。 実は、個人的には、このバンドのヴォーカルは、一人選べと言われればサミー・ヘイガー派なのですが、別にその前任ヴォーカリストだったデヴィッド・リー・ロスが嫌いというわけではありません。ヘイガーが好きな理由は、純粋にカッコいいハードロック系ヴォーカルだから、ということになるのですが、デイヴのヴォーカルはもう少しおふざけが入ったというか、ユーモアが効いた感じです。この「ジャンプ」の雰囲気には、やはりデイヴじゃないとしっくりきませんね。[収録アルバム]Van Halen / 1984 (1984年)ほか、ベスト盤類にも収録。 【送料無料】【輸入盤】 1984 [ ヴァン・ヘイレン ] ↓こちらはベスト盤↓ 【送料無料選択可!】ベスト・オブ・ヴァン・ヘイレン VOL.1 [輸入盤] / ヴァン・ヘイレン下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.05.22
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LRB美曲選(その5・最終回) オーストラリアが生んだ70年代のトップグループ、リトル・リバー・バンド(Little River Band)の美曲選、今回で最終回です。彼らの美しい曲と言えば、80年代後半に発表されたバラード曲「ラヴ・イズ・ア・ブリッジ」も捨てがたかったのですが、この曲はすでに動画つきで取り上げたということで、今回は見送ることにします。 ところが、よく考えてみると、70年代の大ヒット曲(そして彼らの代名詞になっている代表曲)である「リミニッシング(追憶の甘い日々)」については、過去記事にしたものの、動画紹介はしていませんでした。そこで、今回、“LRB美曲選”の締めくくりとして、動画つきで紹介したいと思います。 それにしても、今からちょうど35年前のヒット曲ということで、メンバーは皆さん若いですね。でもって、最近はどうなっているのかというと、グレン・シャロック(Glenn Sharrock)が“懐メロ的” に(?)この曲を歌い続けています。 既に70歳手前という年齢ですから、往時の声の伸びは望むべくもありません。とはいえ、年齢のことを考えれば元気に活動しておられるようです。 さらに、バンドそのものはと言うと、メンバー変更を繰り返しつつ、現在も活動を継続しています。オリジナル・メンバーはもう残っていませんが、1980年に途中加入したウェイン・ネルソン(Wayne Nelson)を中心に、21世紀に入ってからも頑張っています(関連過去記事)。 最後に、こちらのウェイン・ネルソン率いるLRBの現在のライヴの模様もどうぞ。 [収録アルバム]Little River Band / Sleeper Catcher(夢追人)(1978年)その他、各種ベスト盤類にも収録。[過去記事リンク]LRB美曲選(1):「遥かなる道(It’s A Long Way There)」LRB美曲選(2):「レディ(Lady)」LRB美曲選(3):「クール・チェンジ(Cool Change)」LRB美曲選(4):「ラヴ・レターズ(Love Letters)」 【輸入盤CD】Little River Band / Best Of (リトル・リヴァー・バンド) ★CD/SLEEPER CATCHER/FIRST UNDER THE WIRE (輸入盤国内仕様)/リトル・リヴァー・バンド/OTCD-6399下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.05.19
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LRB美曲選(その4) 第4回目の今回は、少し変わった選曲で行きたいと思います。とはいっても、リトル・リバー・バンド(LRB)の美曲という括りでは1、2を争うと言えるかもしれないと、個人的にはひそかに思っているナンバーです。 1945年作曲の古い歌を、得意のコーラスワークを生かしながら、美しく仕上げた「ラヴ・レターズ(Love Letters)」という曲です。正式リリースのアルバムには収録されず、ライヴでの音源がひっそりとコンピレーション盤類に収録されているとういものなのですが、隠れた名唱ということで、ご紹介します。 1983年、地元メルボルンでのライヴのもようですが、生演奏でこの完成度は大したものです。バンドの売りであるコーラスワークが、即席であったり、レコーディング技術に助けられてようやく形になるという類のものではない、というのがよくわかります。その重要性はしっかりとメンバーで共有され、実力を伴って実践されていたわけですね。ただただ、お見事しか言いようがありません。[収録アルバム]Little River Band / Too Late To Load (レア音源コンピ盤、1988年)Little River Band / The Most of Little River Band, Vol. 2 (ベスト盤、1992年)↓ベスト盤はいろいろあるのですが、今回の曲はなかなか入っていません(未収録ですのであしからず、参考までの商品リンクです)。↓ 【送料無料】【輸入盤】Definitive Collection [ Little River Band ]下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.05.17
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2013.05.16
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英ブルースロックの必聴盤 フリートウッド・マック(Fleetwood Mac)は、1967年に結成された英国のバンド。ジョン・メイオール率いるブルースブレイカーズでクラプトンの後釜に入ったのがピーター・グリーン(Peter Green)というギタリストであったが、その彼も『ア・ハード・ロード』の1作のみでバンドを脱退する。その際、一緒にプレイしていたミック・フリートウッド(ドラム)とジョン・マクヴィー(ベース)の二人、さらにはギタリストのジェレミー・スペンサーを加えて形成されたのが、このフリートウッド・マックというバンドだった(厳密には、ベーシストは当初はボブ・ブランニングで、ブルースブレイカーズの活動をもう少し続けてから一歩遅れて、ジョン・マクヴィーが加入している)。 ともあれ、バンド名からも分かるように、フリートウッド(ミック・フリートウッド)とマック(ジョン・マクヴィー)がバンドの屋台骨で、ピーター・グリーンがその真ん中にいて、もう一人フロントにジェレミー・スペンサーがいる(曲やヴォーカルはしばしば両者が入れ替わって担当する)という構図で出来上がっていたバンドだった。ブルースブレイカーズが方向性を変えていく中、このデビュー当時のフリートウッドは、これぞと言ってよいブルースロック路線を突っ走っていく。 全12曲の中には、9.「アイ・ラヴド・アナザー・ウーマン」のように後の「ブラック・マジック・ウーマン」につながるナンバーや、ピーター・グリーンの弾き語りソロという11.「ザ・ワールド・キープ・オン・ターニング」があるものの、全体としては、ブルースロック全開といった風情である。特に一言で言い表すなら、“音の塊”が飛んでくる感じとでもいえるだろうか。 “ブルースの模倣”というブルースロックのスタートからすれば、どんなカヴァーを披露しているかも興味深いところ。本作では、ロバート・ジョンソンの4.「ヘルハウンド・オン・マイ・トレイル」、エルモア・ジェイムスの5.「シェイク・ユア・マネーメイカー」(筆者はこの演奏の勢いのよさが特にお気に入り)および12.「ガット・トゥ・ムーヴ」、ハウリン・ウルフの7.「ノー・プレイス・トゥ・ゴー」の4曲が収められている。 ちなみに、本盤は『ピーター・グリーンズ・フリートウッド・マック(Peter Green’s Fleetwood Mac)』と呼ばれているが、元々のタイトルは単に『フリートウッド・マック(Fleetwood Mac)』。1975年にこのバンドの同名のアルバムが出たことから、これと区別すべく便宜上『ピーター・グリーンズ~』の名で呼ばれている。[収録曲]1. My Heart Beat Like a Hammer2. Merry-Go-Round3. Long Grey Mare4. Hellhound on My Merry-Go-Round5. Shake Your Moneymaker6. Looking for Somebody7. No Place to Go8. My Baby's Good to Me9. I Loved Another Woman10. Cold Black Night11. The World Keep On Turning12. Got to Move~以下、再発時のボーナス曲~13. My Heart Beat Like a Hammer(別テイク)14. Merry-Go-Round(別テイク)15. I Loved Another Woman(別テイク)16. I Loved Another Woman(別テイク)17. Cold Black Night(別テイク)18. You're So Evil19. I'm Coming Home To Stay1968年リリース。 ↓こちらはベスト盤↓ 【輸入盤】FLEETWOOD MAC フリートウッド・マック/BEST OF PETER GREEN’S FLEETWOOD MAC(CD) ↓参考までに、本盤のジャケットイメージ(商品はLP盤です)↓ Fleetwood Mac フリートウッドマック / Peter Green's Fleetwood Mac (180g) 【LP】下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.05.15
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LRB美曲選(その3) オーストラリア出身で、70年代後半に登場したリトル・リバー・バンド。彼らの美しい曲を取り上げるシリーズ第3回目です。今回の曲はこちら。まずはオリジナルのスタジオ録音のもの(絵は動きませんのであしからず)をお聴きください。 前回の「レディ」に続き、次作となるアルバム『栄光のロング・ラン(原題:First Under The Wire )』からのシングル曲で、やはり全米でトップ10入りのヒットとなりました。ちなみになぜか邦題は「クールな変革」(この詞の“チェンジ”は“変革”?)。ともあれ、上のを聴くだけで十分美曲ぶりはご理解いただけると思うのですが、今回は、つづいてもう1本。1980年代前半、地元メルボルンのライヴからの映像もご覧ください。 普通だったら、ジョン・ファーナム(この映像の頃にはグレン・シャロックからジョン・ファーナムへとメンバーが入れ替わっていました)の“単なる熱唱”に仕上がってしまいそうなところです。しかし、ライヴの見せ場としての熱唱ヴァージョンでありながら、やっぱりLRBのお家芸であるコーラスワークがばっちり決まっていてます。熱唱部分だけでも観衆を惹きつけることができる上に、このコーラスというのは、まさに“1粒で2度おいしい”と形容してもいいかもしれません。[収録アルバム]Little River Band / First Under The Wire (1979年) 【Aポイント+メール便送料無料】リトル・リヴァー・バンド Little River Band / Sleepcatcher/First Under The Wire (輸入盤CD)【I2013/3/26発売】下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.05.12
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独特のスウィングするピアノを楽しむ ウィントン・ケリー(Winton Kelly)は、一世を風靡するも早くに亡くなったジャズ・ピアニスト。1931年ジャマイカ出身で、1950年代~60年代のジャズ界を駆け抜け、1971年、39歳の時にてんかん性発作でこの世を去っている。 彼のピアノ演奏のスウィング感は抜群とされ、専門家や愛好家の間でもその定評が高い。1959~63年にはマイルス・デイヴィスのクインテットに属したが、リーダーだったマイルスいわく、ウィントン・ケリーは“レッド・ガーランドとビル・エヴァンスのハイブリッド”とのこと。なるほど、彼のピアノ演奏は、レッド・ガーランドほどに勢いで押して聴き手を楽しませる感じというにはあまりに繊細。けれども、ビル・エヴァンスのように知的で繊細な感じかと言われれば、そこまでおとなしく控えめな感じはない。 もちろん上の評は、ケリーのことを悪く言っているのではない。どちらにも比べられないほど個性的で、独自性がある、けれどもある程度の統一感を持ったグループの一員を要していたという観点から、リーダーのマイルスに言わせると、そういう評価だったのだろう。その演奏がグループの中に埋もれてしまうプレイというわけではないことをはっきり示す代表盤の一つのが、自身がリーダーとなった3枚目である本作『ケリー・ブルー(Kelly Blue)』である。 シングルトーンをしっかり聴かせるところと、リズム感よく押していくスウィングの具合。その双方がケリーの特徴とである。そんなことを踏まえながら聴くと、このアルバムは楽しみどころが多い。収録曲のうち、1.「ケリー・ブルー」、5.「キープ・イット・ムーヴィング」、6.「オールド・クローズ」が自作曲。そのうちの2曲(1.と5.、追加曲に5.の別テイクもあり)は、コルネット(ナット・アダレイ)、テナー(ベニー・ゴルソン)、さらにはフルート(ボビー・ジャスパー)が含まれる。 これらに対し、残りの曲(2.、3.、4.、6.および追加曲の7.)の演奏では、シンプルなピアノ・トリオの編成。本盤の楽しみどころは、どちらかと言えばこれらの方にある気がする。筆者のお気に入りは、2.「朝日のようにさわやかに」および 4.「柳よ泣いておくれ」。また、3.「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」なんかは、レッド・ガーランド(『ブライト・アンド・ブリージー』所収、曲自体はこちらでも聴けます)やビル・エヴァンス(『グリーン・ドルフィン・ストリート』)と聴き比べてみるのも面白い。冒頭のマイルスの評はなかなかうまく言い当てているというように思えてくる。[収録曲]1. Kelly Blue2. Softly, As In A Morning Sunrise3. On Green Dolphin Street4. Willow Weep For Me5. Keep It Moving6. Old Clothes以下、CDボーナス・トラック7. Do Nothin' Till You Hear From Me8. Keep It Moving (別テイク)[パーソネル、録音]1.、5.、8.: Wynton Kelly (p), Nat Adderley (cor), Benny Golson (ts), Bobby Jasper (fl), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds) 1959年2月19日録音。2.、3.、4.、6.、7.: Wynton Kelly (p), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds) 1959年3月10日録音。 【送料無料】JAZZ THE BEST 17::ケリー・ブルー +2 [ ウィントン・ケリー ]下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.05.11
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LRB美曲選(その2) オーストラリア出身バンド、リトル・リバー・バンド(LRB)の“美曲”を取り上げようという企画の第2回めです。“名曲”ではなく、“美曲”(美しい曲)という括りを思いついたのは、ほかでもない、LRBの大きな特徴が、そのコーラスワークにあるからという理由からです。 コーラスを美しく聴かせてくれるロック・バンドというと、西海岸(ウエスト・コースト)ロックの雄、イーグルス(参考過去記事(1) ・(2) )を最初に思い浮かべるという方も多いかもしれません。実際、LRBが70年代後半に世界進出を果たした頃は、イーグルスに代表されるウェスト・コーストのサウンドとだぶるイメージでした。とはいえ、コーラスだけに着目すれば、イーグルスに負けず劣らずと言いますか、いやはやそれを凌駕するほどの美しさを誇っていました。 そんなLRBの有名ヒット曲の中でも、特にコーラスでばっちり聴かせる曲と言えば、この曲ではないかと思うのが、「レディ(Lady)」です。 バンドの代表曲としてあまりに有名な「追憶の甘い日々(リミニッシング)」と同じ、1978年の第4作『夢追い人(スリーパー・キャッチャー)』に収録。実は「追憶の~」の陰にかくれてしまいがちなのですが、同アルバムからのもう1つのシングルカット曲として、USチャートでは10位の記録を残しています。上の映像はいかにも70年代臭が漂っていて、凝ったところも何もないものですが、やはり美曲は美曲ですね。[収録アルバム]Little River Band / Sleeper Catcher (1978年) ↓下記の商品リンクは、ベスト盤です。↓ 【Aポイント+メール便送料無料】リトル・リヴァー・バンド Little River Band / Best Of (輸入盤CD)【YDKG-u】 【送料無料】【輸入盤】 Best Of - Centenary Collectionbest [ Little River Band ] ↓こちらは、当該盤を含む廉価復刻盤。↓ 【Aポイント+メール便送料無料】リトル・リヴァー・バンド Little River Band / Sleepcatcher/First Under The Wire (輸入盤CD)【I2013/3/26発売】下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.05.10
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LRB美曲選(その1) リトル・リバー・バンド(Little River Band)は、70年代後半から長年にわたって活動しているオーストラリア人のバンド(メンバーの入れ替わりを経て現在も活動中)。その当時、英米以外からのトップに躍り出るという道筋がまだ存在しなかったころ、オーストラリア出身グループとしてアメリカに売り込み、成功した先駆的バンドでもありました。 今回は、そんなリトル・リバー・バンド(略してLRB)の曲から、“美曲選”と題して5回ほどのシリーズをお届けします。念のため、“名曲選”ではなく“美曲選”という表題ですので、あくまで曲やメロディ、あるいは、このグループの持ち味であるコーラスワークの美しさといった“美曲”的な要素に主眼を置いた選曲です。 さて、最初の曲は、こちら。1976年のアメリカ・デビュー曲、「遥かなる道(It’s A Long Way There)」です。 ところで、この邦題の付け方もいかにも70年代的な臭いがしますが、私個人としては、この頃の曲やアルバムの日本語タイトルをつけていたセンスは全体としては好きです。今のカタカナだらけはどうも読みづらく、工夫が少なすぎるというか、レコード会社が手を抜いている気がしてしまうのです(だったらいっそ原語ままの方がいいだろうに…)。[収録アルバム]Little River Band / Little River Band (1975年) ↓下記商品リンクはいずれもベスト盤(上記オリジナル・アルバムとは別ですのであしからず)。↓ 【送料無料】【輸入盤】Greatest Hits [ Little River Band ] Little River Band / Best Of - Centenary Collectionbest 輸入盤 【CD】 【Aポイント+メール便送料無料】リトル・リバー・バンド Little River Band / Definitive Collection (輸入盤CD) 下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.05.09
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2種のアルトを楽しめる企画盤 ジャズ界では 別々のレコーディングを組み合わせたりカップリングしたりという、よくよく考えてみれば、無茶な技が使われることがある。本盤『トゥー・アルトス(トゥ・アルト)』もその一例と言えるだろう。早い話、共演しているわけでもなんでもなく、アート・ペッパー(Art Pepper)とソニー・レッド(Sonny Redd)というアルト・サックス奏者である2人を組み合わせてアルバム作品らしきものに仕上げた風情。こんな身もふたもない言い方をすると熱心なファンの顰蹙を買ってしまうだろうか。 とはいえ、そのような“無理な組み合わせ”が駄盤に仕上がるとは限らないことを本盤は証明してもいる。個々の演奏が素晴らしく、偶然(あるいは意図的)にうまく組み合わされた時には、好盤になることもあり得るのだ。このアルバムはそういう例の一つとも言えるんじゃないだろうか、と思ったりしている。内容的には1950年代前半の演奏が4曲(いずれもスタンダード曲)、1957年の演奏が2曲(いずれもオリジナル曲)という構成で、1.、3.、5.、6.がアート・ペッパー、2.と4.がソニー・レッドの吹き込み。6曲(総時間にして30分ちょっと)で、4種類の異なるメンバーでの吹き込みということだから、事実関係だけからすれば、確かにバラバラの寄せ集めではある。 でも通して聴いた時には、癖がなく聴きやすい。それは何も特徴がないと言っているわけではなく、他のセッションと組み合わされてもちぐはぐにならなさそうな演奏が並んでいると表現してもよいかもしれない。以下、セッションごとに概要をざっと見渡してみたい。 いちばん音源として古いのが5.で、1952年3月のアート・ペッパーの初リーダーセッションの吹き込み。『サーフ・ライド』の残り物の音源ということだが、同盤所収の3曲にこの曲を加えた4曲がその時の吹き込みとのこと。ピアノのハンプトン・ホーズにドラムのラリー・バンカーという面々はこの直前にクラブ出演もしていたとのことなので、演奏にこなれている部分があるように思う。 次に3.も上記と同様にアート・ペッパーのワンホーンで、上記『サーフ・ライド』の冒頭3曲と同じときのセッション。上の5.にせよ、この3.にせよ、しっとりした部分があるために(疾走感のあるアルバムのイメージにそぐわなかった?)、上記の盤から外されてしまたのではないかという気がするが、本盤でじっくり安らぎながら聴くには、決して悪い演奏ではない。 冒頭の1.および末尾の6.は、アルトにアート・ペッパー、テナーにジャック・モンテローズという二管での演奏で、同じく『サーフ・ライド』に収録されたセッションの残りから収録されたもの。モンテローズはこの2年ほど後に初リーダー作をブルーノートに吹き込むことになるが、彼独特の節回しはまだそんなに強烈には発揮されていない印象。何よりも1.のアート・ペッパーのアルトの舞い方が、筆者は個人的にお気に入り。 そして最後に2.と4.がソニー・レッドの初リーダー・セッションの音源。いずれもバリトン・サックスでペッパー・アダムスが参加している。リズム隊はウィントン・ケリーはじめ定評のある3人で、安定感は抜群。水を得た魚の如く生き生きした演奏が気持ちよい。なお、この初リーダー・セッションは3曲吹き込まれたそうだが、もう1曲は別のアルバム(オムニバス盤『Jazz is Busting Out All Over』)に収められているとのこと(いつか機会があれば、こちらの盤も聴いてみたいと思いつつまだ実現していないけれど)。[収録曲]1. Deep Purple2. Watkins Production3. Everything Happpens To Me4. Redd's Head5. These Foolish Things6. What's New[パーソネル、録音]1.と6.:Art Pepper (as), Jack Montrose (ts), Claude Williamson (p), Monty Budwig (b), Larry Bunker (ds)(1954年8月25日)2.と4.:Sonny Redd (as), Pepper Adams (bs), Wynton Kelly (p), Doug Watkins (b), Elvin Jones (ds)(1957年11月12日録音)3.:Art Pepper (as), Russ Freeman (p), Bob Whitlock (b), Bobby White (ds)(1953年3月29日録音)5.:Art Pepper (as), Hampton Hawes (p), Joe Mondragon (b), Larry Bunker (ds)(1952年3月4日録音) 【RCP】【marathon201305_media】トゥー・アルトス/アート・ペッパー,ソニー・レッド[CD]【返品種別A】 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2013.05.08
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モンク最初のソロ演奏盤 セロニアス・モンク(Thelonious Monk)は、“自分色”を出すのことのできる、希有なミュージシャンだったと思う。誰と演奏しようが、気がついたら演奏全体が“彼の色”に染まっている。モンクに指揮者をつけることなどできない、という人もいるが、言いえて妙というか、どう考えても彼自身が“兼指揮者”としか思えない、自由な演奏をしばしば繰り広げる。 こうした影響はきっと多くのジャズメンに知ってか知らぬか強い影響を与えたことだろう。もしかすると、かのマイルス・デイヴィスもその影響を受けた一人なのかもしれない。というのも、セロニアス・モンクの存在感は、演奏している時だけでなく、演奏の手を止めている瞬間にも、なぜか不思議とその存在感が感じられるからである。マイルスがトランペットを吹いていなくても、その存在感を発揮している様というのは、物理的に音が埋まっていない時にもその存在感を発揮しているモンクとだぶって見えるように思えて仕方がない。 本盤『ソロ・オン・ヴォーグ(Solo on Vogue)』は、1954年の録音で、文句にとって初の独演盤である。ジャズに詳しい方はタイトルからもお分かりのように、ヨーロッパ(フランスはパリ)での録音盤である。ちょうどこの頃の彼は、いろんな事情からニューヨークでのキャバレーカードを失い、経済的にも苦しい時期を過ごしていた頃の一枚で、オリジナルで固めたソロ集という、ある種、実験的な作品に仕上がっている。 オリジナル曲が並んでいるせいか、曲名にけっこうややこしい部分がある。3.の「リフレクションズ(Reflections)」は、もともと「Portrait of an Ermite」、以下同様に、4.「ウィ・シー(We See)」は「Maganese」、6.「ハッケンサック(Hackensack)」は「Well You Needn’t, take 2」、7.「エヴィデンス(Evidence)」は「Reflections」といった具合である。ジャズ曲は、通常、歌詞を伴わないため、製作過程で曲名がよく変わったり、全く別のタイトルになったりすることもある。本盤のモンクのオリジナル作も、完成・定着までの途上にありながらの試行錯誤の具合を反映しているということなのかもしれないが、1.の「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」(歌詞がつけられた時のタイトル「ラウンド・ミッドナイト」と呼ばれることもある)をはじめジャズのスタンダードと化したオリジナルも多いというのは、作曲家としての才能も優れていたわけだ。 ところで、そもそもジャズというジャンルで独演が受け入れられるかどうかは、聴き手の考え方次第だろうと思う。筆者自身は、本盤を聴くにつけ、ソロ演奏という形態も、何が起こるかわからないスリリングさを出し得ると、少なくとも本盤を聴く限りにおいてはあり得ると感じる。 なお、本盤は長らく『ソロ・オン・ヴォーグ』のタイトルで親しまれてきたものの、近年は『ソロ1954(Solo 1954)』というタイトルの輸入盤等が増えてきているので、これから外盤を探す方は、このタイトルでもチェックいただきたい。[収録曲]1. Round About Midnight2. Eronel3 Reflections4 We See5 Well, You Needn't6. Hackensack7. Evidence8. Smoke Gets in Your Eyes9. Off Minor[パーソネル、録音]Thelonious Monk (p)1954年6月7日録音。 【中古】ソロ・オン・ヴォーグ/セロニアス・モンクCDアルバム/ジャズ/フュージョン下記のブログランキングに参加しています。応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2013.05.06
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当ブログの累計アクセス数が350000を超えました。この機会を借りて、ご覧の皆さまにあらためて御礼申し上げます。 早いもので、このブログをスタートさせてから、再来月には丸4年になります。当初は細々と独り言的につぶやいていようと軽い気持ちでしたが、近頃は安定してたくさんのアクセスもいただき、単発でのご訪問はもちろんのこと、定期的にご覧くださっている方々に感謝でいっぱいです。 新年の抱負でも同じようなことを書いたような気がしますが、無理しないペースで末永くやっていきたいと思っていますので、ぜひとも応援とご愛顧のほど、あらためてお願いします。 よろしければ、以下の過去記事一覧からも、お気に入りのアーティストや曲などを探しつつ、お楽しみください。 アーティスト別INDEX~ジャズ編(A-J)へ → つづき(K-Z) アーティスト別INDEX~ロック・ポップス編(A-E)へ → つづき(F-N)・つづき(O-Z) アーティスト別INDEX~ラテン系(ロック・ポップス)編へ アーティスト別INDEX~邦ロック・ポップス編へ 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2013.05.06
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気まぐれ80s(その10)~80年代を代表する名バラード&名歌唱 “気まぐれ80s”と題して、ここのところ(とかいってもう1か月以上にわたってしまっていますが)、80年代の印象深い曲を取り上げるという企画を続けてきました。ひとまずこの10回目で一区切りにしたいと思います。 もちろん、まだまだ取り上げたい曲は他にもあるのですが、それらはまたそのうちに、このシリーズの第二弾でもやれそうな時に置いておこうと思います。そこで、今回の、いったんの締めくくりは、この時代を代表すると言ってもいい名バラードです。 80年代前半に遅咲きのデビューを果たしたシンディ・ローパー(Cyndi Lauper)。1983年の1st作『シーズ・ソー・アンユージュアル』に収録され、1984年に大ヒットとなったバラード「タイム・アフター・タイム」です。 いかがでしょうか。当時のビデオクリップの映像ですが、シンディも若いですね(既に当時アラサーではあったわけですけれど)。以前に動画紹介もした「トゥルー・カラーズ」と今回の「タイム・アフター・タイム」、どちらが好きかという愚問はやめておきましょう。どちらも忘れることができない80年代の名バラードです。 ちなみに、これほどの名曲というだけあって、これをカバーしたアーティストはたくさんいます。ついでながら、その中でも忘れがたい個性の強さの「タイム・アフター・タイム」のカバーをご紹介しておきます。90年代に脚光を浴び、女性ジャズ・シンガーとして不動の名声を確立したカサンドラ・ウィルソン(Cassandra Wilson)による「タイム・アフター・タイム」です。 別途、該当アルバムを取り上げた際にも述べましたが、一度聴いたら忘れ難いこの声です。1999年のアルバム『トラヴェリング・マイルス』に収録されています。[収録アルバム]Cyndi Lauper / She’s So Unusual (1983年) 【楽天ブックスならいつでも送料無料】シーズ・ソー・アンユージュアル [ シンディ・ローパー ] 下記のランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、ひとつでも“ぽちっと”応援いただけると嬉しいです! ↓ ↓
2013.05.05
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INDEXページ(ジャンル別、アーティストのアルファベット順)を更新しました。ここ最近の記事を追加しています。INDEXページへは、下のリンク、もしくは本ブログの右欄(フリーページ欄)からお入りください。アーティスト別INDEX~ジャズ編(A-J)へ → つづき(K-Z)アーティスト別INDEX~ロック・ポップス編(A-E)へ → つづき(F-N)・つづき(O-Z)アーティスト別INDEX~ラテン系(ロック・ポップス)編へアーティスト別INDEX~邦ロック・ポップス編へ下記ランキングに参加しています。応援くださる方は、各バナー(1つでもありがたいです)をクリックお願いします! ↓ ↓ にほんブログ村 : 人気ブログランキング:
2013.05.04
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全盛期を代表するスティットらしい一枚 ソニー・スティット(Sonny Stitt, 1924年生、1984年没)は、ビバップ~ハードバップで活躍したジャズ・サックス奏者。チャーリー・パーカーに似た演奏をすることから“バードのコピー”みたいな言われ方をされてしまうことが多いが、実際のところは、パーカーを模倣したわけではなく、偶然同じような演奏スタイルにたどり着いただけで、スティット自身が述べているところでは、パーカーとの間でも互いにそれを認め合っていたとのこと。とはいえ、パーカー存命中はアルト・サックスの演奏を意図的に避け、しばしばテナー・サックスに持ち替えた。 本作『ナウ!(Now!)』は、1963年、インパルスへ録音のワンホーン(カルテット編成)盤。スティット自身、40歳手前という年齢の頃で、ここでもアルトとテナーを持ち替えながらの演奏が繰り広げられている。まさに脂の乗り切ったころのワンホーンがしっかり堪能できる盤といった作品である。 冒頭の1.「サーフィン」からして、その軽妙さに思わず乗せられてしまう。3.「エストラリータ」の軽やかさも、6.「ネヴァー・シ!」や7.「マイ・マザーズ・アイズ」のベタベタな感じのサックスの加減も、全編を通じてスティットのサックスはストレートで正直だ。ついでにもう一つ個人的お気に入りも挙げておくと、8.「アイム・ゲティング・センチメンタル・オーヴァー・ユー」の軽妙さなんかは非常に気持ちいい。 でもって、この作品の演奏を聴いていると思い浮かんでくる感想なのだけれど、“スティットを聴く”ということを馬鹿にするジャズ・ファンがいるのも分からないではないという気がしてくる。小難しくジャズを聴きたい人には、スティットの演奏はしばしばストレートで正直すぎる(悪く言えば、“わかりやすすぎる”)部分もあるのだろう、という意味でにおいて、そう思ったりする。けれども、ビバップ的な演奏の醍醐味は、わかりやすく楽しく聴かせる部分にあるとういのも一理あるんじゃないだろうか。 新しいことや革新的なこと(それは時に小難しい聴き方を聴き手に要求することにもなる)を追い求めつつ、演奏を楽しむのもいいだろう。けれども、その一方で、こういう素直な演奏を素直に楽しむという発想もあってもいいように個人的には思う。シンプルに楽しく軽妙なスティットのワンホーンに乾杯![収録曲]1 Surfin'2 Lester Leaps In3 Estralita4 Please Don't Talk About Me When I'm Gone5 Touchy6 Never -Sh!7 My Mother's Eyes8 I'm Getting Sentimental Over You[パーソネル、録音]Sonny Stitt (ts, as)Hank Jones (p)Al Lucas (b)Osie Johnson (ds)1963年6月10日録音。 Sonny Stitt ソニースティット / Now & Salt & Pepper 輸入盤 【CD】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2013.05.03
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