>フィクションだとどんなに過酷な話であっても許せるし(現実じゃないから)どこかに救いがあると思います。だから安心して読めるのではないかな。

人間は恐いものみたさというところありますよね、でも現実だと過酷、過激。精神が病みそうとブレーキをかけて、夢なら覚めるという安心を求めてしまうんですよね。私もそう。

>現実逃避と言ってしまえばそれまでなんですが。。私の場合はほとんどそれでした(汗)

逃避でいいではありませんか。世の中おぞましいことばかり、せめて文学の世界は作り物なんだと安心してそこに何かを見つける楽しみだけでいいです。まあ、この歳になると現実は嫌って言うほど実感していますけど…(苦笑) (2004年12月09日 10時38分29秒)

やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

2004年12月08日
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カテゴリ: 本の話題
この頃、手にとって読む本はいわゆる等身大のいかにもありそうな会話と筋の小説が大半になってきた。ほとんどが女性の作家で1950年代以降に生まれた人のものである。しかし、こう続けると少々、食傷気味。その反省から考えてみる。ちょっと文学論。

私はノンフィクションよりフィクションが好き、というかしか食指が動かないみたい。ノンフィクションはたいしたものを読んでいないから詳しくない、違いを論ずる以前であるので、置いといて。

なぜフィクションか。答えは簡単、そこに作家の想像力と自身の想像力がミックスされてえもいわれぬ雰囲気が醸される世界だから。

つまり、かたちのないもの、形而上のもの、頭で考えて作る言葉の世界、否、言葉というものでは語れない何かを求めているのである、楽しんでいるのである。

勿論思想、哲学も欲しいのではあるが、難しいものだけを求めているのではない。
そこに心地よさがなければ楽しくない。心地いいとは想像力が自由自在に羽ばたくのでないといけない。

「ああそうだよね」「そういう考え方もあるのだなー」ぐらいの思想、哲学でいい。

先取りの世界を描いて見せるとか、先見の明がある文章とか芸術的な文学が好もしい。

ところで、余り現実に近い小説を読み続けると、奇想天外な物語の世界が恋しくなる。ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」のような物語と思想、哲学とが渾然一体となっている本が懐かしくなる。日本文学で言えば高橋和己の作品などが読み応えがある。



単に取り混ぜて本を選べばいいのだろうが、といってしまえば身もふたもない。






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最終更新日  2004年12月08日 20時20分12秒
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Re:なぜフィクションを読むのか(12/08)  
alex99  さん
私もノンフィクションを中心に読んでいるのですが、このごろ、やはりフィクションの世界、特に詩歌の世界の、読者の想像力をバネ・テコにした広がりというものは無限に大きいな~と感じ出しました。

(2004年12月08日 20時47分39秒)

alex99さんへRe[1]:なぜフィクションを読むのか(12/08)  
ばあチャル  さん
>このごろ、やはりフィクションの世界、特に詩歌の世界の、読者の想像力をバネ・テコにした広がりというものは無限に大きいな~と感じ出しました。

若い頃は気持ちに詩情があふれているらしく、もうそれでいっぱいになり、詩歌が読めなかったというか、鑑賞できませんでした。今、ようやく落ち着いて味わっています。これからです(笑) (2004年12月08日 21時41分26秒)

Re:なぜフィクションを読むのか(12/08)  
alex99  さん
そうですね。
若い頃は、鑑賞より、ヒントを得て自分で詩作する方でした。
今は詩は鑑賞、俳句は鑑賞とごく最近は少々の試作、というところでしょうか?

(2004年12月09日 00時01分48秒)

俳句はいくつになっても  
ばあチャル  さん
いつまでも楽しむ事が出来るとよく言われます。

趣味の変遷の末、たどりついたのが俳句となった義姉は、歳時記を読み、その奥の深さに目を見開かされたそうです。パソコンがにがてな義姉ですが、ネット上にいいのがあるんだそうで、PCに一生懸命取り組んでいます。私より10歳上のひとです。私も俳句作りを勧められていますよ。 (2004年12月09日 08時28分46秒)

Re:なぜフィクションを読むのか(12/08)  
>かたちのないもの、形而上のもの、頭で考えて作る言葉の世界、否、言葉というものでは語れない何かを求めているのである、楽しんでいるのである。

同感です。私もほとんどフィクションしか読まないので・・^^;
難しい哲学的なものを求めるより、心地よい、言葉で言い尽くせない雰囲気を楽しむっていうのがいちばんかな・・。その点SFはいいですよー。間違いなく、現実を忘れさせてくれますし、更に命とか、宇宙とかについて結構深く考えさせてくれますし。。(って自分の趣味を押し付けてしまってスミマセン^^;)
フィクションだとどんなに過酷な話であっても許せるし(現実じゃないから)どこかに救いがあると思います。だから安心して読めるのではないかな。現実逃避と言ってしまえばそれまでなんですが。。私の場合はほとんどそれでした(汗) (2004年12月09日 09時50分56秒)

猫のゆりかごさんへRe[1]:なぜフィクションを読むのか(12/08)  
ばあチャル  さん

Re:なぜフィクションを読むのか(12/08)  
はなびら  さん
こんにちわ。すごい本をお読みになってるんですね。わたしは昔からサスペンスばかり。それでも最近は女流作家も多いですね。中学生のころ「罪と罰」が推理小説だと思って買ったばか者(*^^*ゞ (2004年12月09日 16時03分12秒)

はなびらさんへRe[1]:なぜフィクションを読むのか(12/08)  
ばあチャル  さん
>こんにちわ。すごい本をお読みになってるんですね。

こんにちわ!はなびらさんのところへ行って来て、読書に逃避ばかりはしていられないと思いましたよ。
現実の世界は苦しんでいらっしゃる方も沢山いらっしゃる。北朝鮮に拉致された方のご家族の苦しみはいかばかりかという事実がありますよね。目をそむけてはいけないです。
(2004年12月09日 16時35分19秒)

Re:はなびらさんへRe[1]:なぜフィクションを読むのか(12/08)  
はなびら  さん
とんでもない!!逃避ではなく旅です(^^)。前日の日記で書いたように。
首が痛くなるのでほんとに読書があまり出来なくなってしまいました。今はゆっくり読んでいます。 (2004年12月09日 16時55分03秒)

はなびらさんへRe[1]:はなびらさんへRe[1]:なぜフィクションを読むのか(12/08)  
ばあチャル  さん
>とんでもない!!逃避ではなく旅です(^^)。前日の日記で書いたように。

そうですね。現実は忘れられませんし、読書の没頭していても確実に変化しているものですものね。
はなびらさんがよく日記に時の問題を真摯に書いていらっしゃるのに、私はボンヤリしていたとの反省でした(汗) (2004年12月09日 19時17分28秒)

Re:なぜフィクションを読むのか(12/08)  
志穂音  さん
こんにちは。お久しぶりです。壁紙変わったのですね
クリスマスらしさが出ていていいですね。
わたしも新年になったら変えようっと!本ってその時の自分の気持ちに正直に選んだら、失敗しないような気がしています。わたしはこれから今まであまりトライしたことがない歴史ものを読みたいのです。
もしお勧めの本がありましたら、教えてくださいね。
まあこれは実益を兼ねた読書なんですけどね。 (2004年12月10日 20時32分02秒)

志穂音さんへRe[1]:なぜフィクションを読むのか(12/08)  
ばあチャル  さん
>クリスマスらしさが出ていていいですね。

ちょっと浮かれすぎましたが...(笑)

>本ってその時の自分の気持ちに正直に選んだら、失敗しないような気がしています。わたしはこれから今まであまりトライしたことがない歴史ものを読みたいのです。
>もしお勧めの本がありましたら、教えてくださいね。
>まあこれは実益を兼ねた読書なんですけどね。

ああ、私も少し歴史小説読みたいなーと思っていました!今まではさりげなく歴史がわかるような小説が多かったのです。

読むとしたら宮城谷昌光でしょうか。またやはり、ちょっと前の大作家司馬遼太郎がいいかしらねと思っています。欧米の歴史も小説で知りたいのですが、すごく手を広げないといけない、きりがないから楽しみですね。来年の課題になりますねー(笑) (2004年12月11日 10時56分16秒)

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