『ふぉん・しいほるとの娘』吉村昭
シーボルトの娘「いね」の波乱の生涯
あるいは女性自立ものがたり&教養小説
とみてもいいのであるが
事実上スパイだった医師シーボルトと遊女の間に生まれ
江戸時代末期、女でありハーフがゆえに辛酸刻苦して女医第一号になったという
それはそう強調してなくて淡々
吉村さんの筆は
末と維新後の歴史事実にものすごく詳細に詳細に
書かれてあったので、その雰囲気にのまれた
つまり、その裏打ちがあるからこそ
おいねさんがぴかりと光った女性だったのね
との読後感なのである
なるほどね、思うには思うが
すっかり維新前夜維新後の歴史事実に目を覚まされた
そりゃそうでしょ、港にゃ、外国軍艦押し寄せ
大砲ガンガン、略奪や乱暴狼藉もあった
つまり侵略
対して日本の中は喧々諤々、まとまりゃしない
長い鎖国の平和ボケ、陰謀あり、暗殺あり
時代の急激な波に右往左往する人々
(まったく、今もってしてないか)
吉村氏の調べて書くという魅力にはまってしまい
ちょうど教科書のようにも読めたわたしだった
今後この辺のものを読むのが楽しいかもしれない
よみがえり 2023年12月21日
こういうエンタメが好き 2023年12月19日
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