『ゴメスの名はゴメス』結城昌治
ミステリアスなタイトルに惹かれ、今年はベトナム旅行も計画しているのでベトナムに舞台をとった小説シリーズ第一弾 として読んだ
けれども
舞台となるベトナムサイゴンの街がくっきりと浮かんでこないスパイが登場するミステリー部分も今となっては凡庸だし
いまひとつ不満であった
ところがこの文庫本(光文社文庫)
結城さん自身のあとがきが5文章もついているではないか
そのあとがきや「ノート」として補足してある文を読んでびっくりした
作者は現地(ベトナム)に行ってもいないのに書いていらっしゃる
ま、そういうこともあろうか
天国にいってもいないのに行ったような物語もあるので…
当時(1962年)サイゴンの街の地図もなかなか手に入らない時代だったという
やっと手に入れた情報で自分が作った街の地図を見ながら雰囲気などは現地特派員なった新聞記者に聞いて想像で描いた
すごい想像力(創造力?)なのではあるのである
当時まだベトナム がそれほど問題化していなかった
それが本が出版されてからベトナム戦争のニュースが出始め
だんだん注目されるようになってきた
多くの読者は当時ベトナムなんて詳しくは知らなかったのだ
うーむベトナムとはこんなところかと当時新聞のニュースや記者もの(?例えば『南ベトナム戦争従軍記』など)読んで
想像力のふりかけとして多くの人に読まれたのではないかしらん
ともかくもこの21世紀2008年にこの文庫本は出版されている
ずいぶん何回も再版されて加筆訂正されている本なのである
「筆者愛着の作品」と「日本スパイ・ミステリーのハシリ」らしいのである
タイトルが秀逸と思うのはわたしだけ?それがネタではあるんだが
よみがえり 2023年12月21日
こういうエンタメが好き 2023年12月19日
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