宮木京子の さらさら散文

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カテゴリ: 読み物
私は小学生の頃から本が好きな子供だったので、「本にまつわる記憶・思い出」というのがいくつかあります。

「本がらみエッセイ」といことで、不定期に書いていきたいと思って、今日はタイトルに「1」と入っています。

今日は、夏休みの思い出です。

私が通っていた小学校では、夏休みの間にクラスで本を回覧する「読書リレー」がありました。
夏休み限定の行事で、1クラスあたり3冊を数人でリレーしていきます。

Aさんが終わったらBさん、BさんからCさんへーと順番に本をまわします。

夏休み中なので、本はそれぞれの家に届けに行きます。
同じクラスでも家まで行ったことのない友達もいますし、当然男女混合の順番です。

当時、私は同じクラスに好きな男の子がいました。


そんな状況でのこの行事。利用しない手はない!(笑

結果として、私はその男の子の前の順番を確保しました。
そこに姑息な策略があったか、偶然の産物かはよく覚えていません。
「策略」をするほどの知恵もなかったので、まぁ運が良かったんでしょうね。

一人の生徒が本を手元において置ける日数はあらかじめ決まっています。
大体いつ頃に自分のところ日本が届くか、判っています。

指折り数えてその日を待ちました。
当然、相手の男の子の家は既に調査済みです。

そして、待望の本が届きました。
果たして、本の中身をちゃんと読んだのか?よく覚えていません。
本がきてから、意中の彼に渡すことばかりを考えて、ドキドキの毎日を過ごしていました。


まわってきたものの、読みもせずに次の相手に回す可能性、大。

そんな事になれば、2学期が始まってから大いに冷やかしとからかいにネタにされてしまいます。
あっさり、却下。

じゃあ、手渡す時に少しでも会話に繋がるような話題でも考えてーと考えているうちに、当日が来ました。

家から、その男のこの家までは精々5分の距離。


家の前まで来て、息を止めて、インターホンを押します。
ドキドキも最高潮です。
本人が出てくることしか、頭にありません。
出てきた瞬間笑顔で微笑むことができるように、必死で顔を作ろうとする私。

ところが、待てども反応はありません。
何度かインターホンを押しますが、家の中は静まったまま。

「あれ?」疑問が浮びます。
その家は、留守の雰囲気ではないのです。
窓は開いています。

さてどうしようか、としばらく家の前をウロウロしました。
門から玄関まではほんの少し距離があります。
敷地の中に入って、玄関先で声をかけるかどうか迷いました。

その時。
お隣の家で大工仕事をしていたおじさんが声を掛けてきました。

「どないしたんや?そのうちになんか用か?」

本を届けに来たことを打ち明けると、おじさんは
「ほな、ちょっとそこの窓から中を覗いたげよ」と言って、お隣の2階部分にひょいと上って行きました。

しばらくして戻ってくると
「なかに男の子がおるけど、よぉ寝てんで。こんだけビンポン鳴っても起きへんのやから、熟睡やな」

・・・・・・がっくり。その「爆睡中の男の子」が愛しの彼なのは間違いありません。
諦めて、帰宅です。勢い込んできた分だけ、すっかり疲れて(笑

夕方、再度届けに行った時にはお母さんが出てきて「変わりに受け取っとくね」と言われておしまい。
本人には会えず、です。

あんなに楽しみにして、ドキドキしたのに、何だったんやー!
と、当時の私は思いましたが、今になっては愉しい思い出です。

「夏休み」「本」というと、このことが今も思い出されます。

こういう「夏休みの本リレー」って行事は珍しいように思うのですが、どうでしょう?
他の学校でもあるものなのでしょうか。

私は、小学6年生の時にこの行事のある小学校に転校しました。
同じ市内の学校でしたが、前の学校にはこの行事はありませんでした。

単に1冊の本をリレーするだけのことですが、当人達の間には、ちょっとしたドラマがあったりする、という話です。

これは私の小学6年生の時の夏の思い出です。





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Last updated  2005年07月22日 13時39分56秒
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