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ホクサイと飯さえあれば(1) (ヤンマガKCスペシャル) [ 鈴木小波 ]価格:662円(税込、送料無料) (2020/8/26時点) ヒロインは山田文子(あやこ)という少女。通称「山田ブン」父親がくれた表札にもブンと書かれている。 ブンは、大学に入るために、千葉県の田舎から東京は北千住に引っ越してきた。彼女が入ったのは美術関係の学部。北千住には東京芸術大学の千住キャンパスがあるが、そこがモデルなのだろうか。ただし、東京芸術大学で千住キャンパスにあるのは音楽関係の院や学部のようだ。 彼女の友達になったのが、同じ大学に通うために東北から出てきた有川絢子。ブンと同じあやこである。ただし通称はジュンちゃん。彼女は教育学部のようだ。ちなみに、成人しているらしい。もし東京芸術大学がモデルなら、教育学部はないので、違うのかな。そして、謎の少年凪。彼は塀を越えて隣の寺の墓場から出入りしている。 そしてホクサイだが、彼女がいつも抱いているぬいぐるみのようだ。ホクサイがしゃべっている場面があるが、きっと脳内で自分だけが聞こえているのだろう。ちなみに、普通のホクサイの他に、携帯用でバックにぶら下げる小さいホクサイもある。このホクサイ、正体をいろいろ調べてみるとどうも忍者のようだ。 ブンは、食べることへの情熱が凄い。なにしろ引っ越しのときに最初にやる事の予定が、ご飯を炊くこと。しかし、渋滞のために、引っ越しの車が遅れてしまう。しかし、そこはブンちゃん、なんとコーラの空き缶で飯を炊いてしまうのだ。 この作品は、ブンがいろいろなものを作る話で構成されている。身近な材料でできるものばかりだから、レシピもついているので、試してみてはどうかな? 最後にブンの科白で気に入ったものをひとつ紹介しよう。「ご飯は1人で食べた方が絶対に美味しい!!!」(1巻p104) 最近のかたまらないと飯も食えない連中に聞かせたい言葉だ。特に、ボッチ飯とか便所飯とか言っている連中に。☆☆☆☆※初出は、「風竜胆の書評」です
August 26, 2020
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じごくゆきっ (集英社文庫(日本)) [ 桜庭 一樹 ]価格:759円(税込、送料無料) (2020/8/22時点) 本書は、桜庭一樹さんの短編7編を収めた短編集である。収められているのは、「暴君」、「ビザール」、「A]、「ロボトミー」、「じごくゆきっ」「ゴッドレス」、「脂肪遊戯」の七つ。簡単にそれぞれを紹介してみよう。〇暴君 主人公の金堂翡翠は、益田市から松江市にあるミッション系の女子中学校に通っている中学一年生。ある日、帰る途中で小学校の時同級だった三雲陸のお腹に出刃包丁が突き刺さっており、彼の妹や弟が殺されていた。〇ビザール 主人公の近田カノは25歳のOL。転職先の隣の課のおじさん更田と恋仲になる。二人は、7年前土砂崩れで壊滅した同じ町の出身だった。このままうまくいくと思われた二人だが事件が起こる。〇A Aは50年前のアイドル。彼女は、事故で目覚めることのない15歳の少女と接続することにより、再びセンセーションを巻き起こす。〇ロボトミーこの話は、僕(鷹野)と優埜(ユーノ)の結婚式の場面から始まる。ユーノの母親はとんでもない毒親で、まったく娘離れしていない。僕たちは半年で離婚になる。その後再開したユーノは病に侵されていた。〇じごくゆきっ 主人公の女子高生金城は、副担任の中村由美子先生と2人で、なぜか鳥取砂丘へ行くことになってしまう。〇ゴッドレス 主人公のニノは父の香(かおる)から呼び出される。香は同性愛者で、彼の女友達が体外受精でニノをつくった。香はニノに勉という男と結婚しろという。勉は香の恋人で、ニノと結婚すれば家族になれるというのだ。ニノは香からDVを受けて、支配されていた。〇脂肪遊戯 第1話の「暴君」と続く話で、そちらにも出てくる田中紗沙羅の物語。彼女は小学校では美少女だったが、思春期を迎えると美少女のままぶくぶくと太りだした。その理由が明らかになる。 桜庭さんの作品は好きなのだが、ツッコミどころも多い。名前や設定が変なのが多いのである。もうひとつ地理的な感覚も変だ。あの名作「砂糖菓子の弾丸は打ち抜けない」には海野藻屑というトンでもない名前が出てきたし、七竈という美少女もいる。この短編集では田中紗沙羅が変と言えば変なのだが、トンでもない名前は見当たらない。ただし紗沙羅の設定が、「整った目鼻立ち。横幅は少女二人分。巨漢の美少女。」(p13)と、やっぱり変なのである。 地理的な感覚に関しては、例えば主人公は、益田市から松江のミッション系の女子中学校に入っている。本文にも松江は益田の「近くの都会」(p8)と書かれているが、益田市は島根県の西のはずれ。殆ど山口県である。一方松江市は島根県の東の端、隣はもう鳥取県だ。両者の距離は160㎞以上もある(注:益田駅~松江駅)。決して近くはない。他の作品には、下関にサンゴ礁の島があったり、中国一の大都会だったり・・・。伯備線の近くに余部鉄橋があると言ったり。 帯やカバーの後ろ側には「「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」の後日談を含む」と書かれており、期待していたのだが、結論を言うとどの話が該当する作品かよく分からなかった。おそらく隣の県の益田市の話である「暴君」と「脂肪遊戯」がそうなのかなと思う。しかし、「砂糖菓子の弾丸」の舞台は鳥取県境港市だ。地理的に離れすぎている。 ミッション系の女子中というのは2005年までは松江にあった(現在は共学)。当時の時刻表は分からないが、今だったら特急に乗らないと始業時間に間に合わない。各駅に乗れば片道4時間程度かかるので、山陰線の便利の悪さを考えると、益田から松江に通学というのは、まずありえないと思う。☆☆☆☆※初出は、「風竜胆の書評」です。
August 22, 2020
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潮騒のアニマ 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫) [ 川瀬 七緒 ]価格:990円(税込、送料無料) (2020/8/20時点) 本書は、法医昆虫学捜査官シリーズの5作目だ。舞台は伊豆諸島の神ノ出島。色々調べてみたが、この島は架空の島のようで、伊豆諸島には、神津島という島があるので、ここがモデルだと思われる。 このシリーズは法医昆虫学者の赤堀先生と、警視庁の岩楯警部補そして所轄から一人参加するというスタイルで行っている。今回は新島南署の兵藤晃平巡査部長。ちなみに新島署というのはあるようだが、新島南署はないようだ。新島署は、神津島も所管地区になり、駐在所もある。 大体所轄から参加する警官は、死体に湧いた蛆ボールの洗礼を受けるのだが、今回、見つかった死体は一部を蛆に食われた跡はあるものの、割ときれいなミイラ。西峰果歩という若い女性だ。この死体の謎に挑戦するのが、我らが赤堀先生という訳だ。 今回の主役は蛆ではなく、アリ。それもアカカミアリという特定外来生物である。あのヒアリの近縁種で、毒針を持っており、刺されると重篤なアナフィラキシーショックを起こすことがある。蠅はあまり登場しない代わりに、蠅のようなマスコミは登場し、この作品は、マスコミに対する皮肉にもなっているように思う。 この事件が大量のミイラ死体の発見に繋がったり、別の殺人事件に繋がったりと以外な展開を見せる。そして犯人も。 赤堀先生が犯人に殺されかけるというのもお約束。もちろんこの作品でもそういった場面がある。「毎度のことだが、赤堀ほど体を張っている者はいない。しかし、このままでは駄目だと岩楯は思っていた。彼女の仕事の性質上、いつかは取り返しのつかない場面が訪れる。(以下略)」(p481)☆☆☆☆※初出は、「風竜胆の書評」です。
August 20, 2020
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アクティブ・ラーニングとは何か (岩波新書) [ 渡部 淳 ]価格:880円(税込、送料無料) (2020/8/16時点) アクティブラーニングとは何か。本書にはこう書かれている。ひと言でまとめると、プレゼンテーションやディスカッションのような様々なアクティビティ(学習技法)を介して、学習者が能動的に学びに取り組んでいくことを指す言葉である。(pi) 一時流行ったディベートなどもその一つであり、企業の研修にはつきもののグループワークもそうだと言えるだろう。 アクティブラーニングの事例として、アテネのアメリカ系インターナショナルスクール(国際学校)での取り組み例が紹介されている。もちろんプラスの評価事例としてだ。(pp27-30) しかし、本当にそうだろうか。インターナショナルスクールといっても、本書を読む限り、通っていたのはギリシア人が多いように取れる。もしアクティブラーニングが優れているのなら、ギリシアは人材を輩出しているはずだ。しかし実際は、ギリシアから人材が多く出ているという話は聞かない。経済はご存じの通りだし、ノーベル賞受賞者も文学賞以外は出していないし、フィールズ賞受賞者も出していない。ギリシアの人口が日本の10分の1以下ということを考慮しても、少し寂しい数字だ。 教育が有用なのは、おそらく普通の人々なんだろう。普通の人々を平均レベルに引き上げるのは教育が有効だと思う。ただしその手法に優劣があるという根拠はないことを指摘したい。一方、天才クラスになるとどんな教育を受けても、たとえ自学自習でも頭角を現すのではないだろうか。教師側に天才を教えられる人がそれほど多くいるとは思えない。実際天才と呼ばれた人の伝記を読むと、教師から何かを教わったというのは少ない。それどころか、学校時代の評価は決して高くはない。学校から教育を受けたというよりは、自分で才能を切り開いたのだろう。 教育の有効性を測るには、例えば、能力が同じような人を別々の教育法で教育し、ある期間の後に成果を比べるというようなことが考えられるが、実際には色々な問題があり、やることはできない。だから教育の世界では、フィーリングで「これ良さそう」だと思われれば、他に何の根拠もなく取り入れられる。ゆとり教育しかり、総合的学習の時間しかりである。それに付き合わされる子供たちにとっては、教育内容がころころ変わり、大迷惑なのだ。アクティブラーニングもこの流れの上にないことを願いたい。☆☆☆※初出は、「風竜胆の書評」です。
August 16, 2020
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雨の降る日は学校に行かない (集英社文庫(日本)) [ 相沢 沙呼 ]価格:638円(税込、送料無料) (2020/8/14時点) 相沢沙呼さんは、私が好きな作家の一人だ。本書は短編集で、6篇の短編を収めている。最初の「ねぇ、卵の殻がついている」と最後の表題作、「雨が降る日は学校に行かない」は後者が前者の前日譚になっている。保健室登校をするナツとサエの物語である。 本書には、この他に、「好きな人のいない教室」、「死にたいノート」、「プリーツ・カースト」「放課後のピント合わせ」の4編が収録されている。登場人物はどれも女子中学生。女子はそれでなくとも同調圧力が強い傾向があるのに、この年代は特にそうなのだろうか。そして描かれるのはこの同調圧力になじめない女の子たち。 保健室の長谷川先生がサエに言った言葉が胸を打つ。「小町さんは、学校に行けないんじゃないよ。学校に行かないだけ。先生は、そんな生き方があってもいいと思う。本当は勉強するのに、教室に閉じこもる必要なんてないはずなんだ。学校が世界のすべてじゃあないんだよ。(以下略)」(雨が降る日は学校に行かない p248) 解説で声優・タレントの春名風香さんは長谷川先生にも否定的だが、こういう先生が一人でもいればだいぶ雰囲気は変わると思う。 それにひきかえこいつはだめだね。担任の教師・川島だ。「小町はさ、そんなふうに自分の主張を通さないでいるから、男子にちょっかいかけられるんだよ。もっと飯島みたいに明るい子を見習ってさ、教室の雰囲気を盛り上げて、みんなと仲良くなれるようにしようよ。なあ?」(雨が降る日は学校に行かない p230)ちなみに飯島というのは、サエをいじめていた女子である。最悪なのはこんな教師ばかりいるとき。解説で春名さんが「ぶんなぐりたい」(p267)と書いていたが、その気持ちはよく分かる。 ところで、相沢さんは男性である。それも1983年の生まれというから、もうアラフォーのおじさんだ。それなのに、どうして多感な時期の女子中学生の心理をこのように鮮やかに描けるのだろう。☆☆☆☆☆※初出は、「風竜胆の書評」です。
August 14, 2020
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今昔百鬼拾遺 河童/京極夏彦【1000円以上送料無料】価格:836円(税込、送料別) (2020/8/10時点) この作品は、昨年、出版社3社を横断する形で刊行されたもののうち、2番目に当たる。話の中心となるのは、前巻と同じく京極堂の妹で科学雑誌稀譚月報の記者である中禅寺敦子と「絡新婦の理(じょろうぐものことわり)」に出てきた女子高生の呉美由紀。 物語は、美由紀とその友人たちが、河童談義、尻談義を行っている場面から始まる。尻談義は、河童が尻子玉を抜くという話から来ている。女三人寄ると姦しいというが、彼女たちの話がなんともいえず面白いのだ。それにしても、河童に対していろいろな呼び方があるものだ。 この作品でも、ヘンな人が出てくる。ヘンな人と言うと、榎木津や、敦子の兄の京極堂などがその最たるものだ。関口もかなりヘンな人に分類されるだろう。この作品に出てくるのは、多々良勝五郎という在野の妖怪研究家。この先生、主役を務める「今昔続百鬼」という作品があるので、こちらでもレギュラーになるのかと思いきや、次の巻の天狗には名前しか出てこなかった。 夷隅川水系で相次いで死体が見つかる。その共通項は、尻が丸出しになっていたということ。果たして河童の仕業なのか? この作品で扱われているのは、戦後の物資横流しや迷信に基づいた差別など。しかしやっぱり、京極堂の付き物落としや榎木津のハチャメチャぶりが懐かしい。☆☆☆※初出は、「風竜胆の書評」です。
August 10, 2020
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小夜子先生の美尻 (イースト・プレス悦文庫) [ 睦月影郎 ]価格:814円(税込、送料無料) (2020/8/8時点) 主人公の秋場慎一は高校2年生。銀行員の父親の転勤に伴い、東京から月見ヶ丘市に引っ越してきた。転校した月見ヶ丘学園は、元伝統ある女子高で、前年度から共学になっている。ただし、この2年はテストケースで男子は1割しかいない。だから生徒はあまり男子に慣れていないようだ。 慎一君、さっそく3年生の女子にいたずらされる。そういえば共学になったのが2年前なので3年生には男子がいない。だから女子は男子に興味深々。慎一君、ちょうどよいターゲットになったみたいだ。それを助けてくれたのが音楽教師の藤木小夜子先生。美人でスタイルの良い小夜子先生に年上趣味の慎一君の欲望がムクムクっと・・・。ブツを引き出して先生に出血しているといけないと、先生に見せたり、触ってみてといったり、最後はもちろんドッキング。ちなみにタイトルは、小夜子先生のお尻の形がとても綺麗なことから。綺麗なお尻に萌える人をビジリアンというそうな。 これを皮切りに慎一君のモテモテ人生が始まる。学園長の豪徳寺友里恵。3年生のいたずら女子のリーダー美貴子。小夜子先生の姉でバツイチの美佐子など。もう次から次に慎一君は頑張る(何を?)。特に小夜子先生にはものすごく頑張る。 これ確か、雑誌に連載されていたような記憶があるんだが、調べてみても分からなかった。昔の記憶は当てにならないことは、時々実感するので、もしかすると気のせいだろうか。誰ですか、慎一くんのような高校生活を送りたかったという人は。そりゃ男子の夢だけど。まあ、夢は夢で終わるよ(笑)。☆☆☆※初出は、「風竜胆の書評」です。
August 8, 2020
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バッタを倒しにアフリカへ [ 前野ウルド浩太郎 ]価格:1012円(税込、送料無料) (2020/8/7時点) 著者はミドルネームを名乗っているが、別に外国の出身という訳ではない。純粋の日本人だ。これは、著者がサバクトビバッタの研究で滞在したモーリタニアの国立サバクトビバッタ研究所のババ所長が、著者を称えて与えたものだ。但し、どこかが公式に認めた名称という訳ではなく、本書を読む限りは、あくまで研究所の所長が言っただけのようだ。 「ウルド」の意味は「~の子孫」という意味で、例えばババ所長の正式な名前は、モハメッド・アブダライ・ウルド・ババと言って、つまりはババの子孫だという。著者は、ババ所長に誠意を示すために改名した。 ここで、ツッコミをひとつ、その使い方なら、ウルド浩太郎とつけると浩太郎の子孫ということになり、著者の次の世代以降のことになる。「ウルド」を使いたければ、浩太郎ウルド前野とする必要があると思う。実際にババ所長から言われたのは、「コータロー・ウルド・マエノ」というものらしい。 ただし、この「ウルド」というのはモーリタニアでは法律が改正され廃止されたという。理由はみな誰かの子孫であるということらしい。だから、前述のババ所長は、「モハメッド・アブダライ・エッペ」に改名したという。「エッペ」はどこから来たんだと思うのだが、ババが無くなったので、かなり混乱を招いたようだ。 本書には、バッタとイナゴの違いが書いてある。群生相のような相変異を示すものがバッタで、示さないものがイナゴだという。だからオンブバッタやショウリョウバッタなどは、名前にバッタとついているが、厳密にはイナゴの仲間だという。 面白いのが、著者が京大の白眉プロジェクトに応募した際のエピソード。なんと、面接のときに、本当に眉を白く塗ったらしい。これが果たして、合格に役立ったかどうかは分からない。しかし、あの大学は、こういった茶目っ気は好きな人が結構いる(全員という訳ではないが)。 もう一つ面白かったのが、著者がサソリに刺されたときのエピソード。なんとババ所長も、著者のドライバーも、お祈りを唱えて、「これで大丈夫」。結局日本大使館で軟膏と鎮痛剤を処方してもらって、大事にはならなかったようだが。 本書は、ユーモラスな書きぶりで書かれており、著者のバッタ愛が至るところからあふれ出してくるようだ。どのくらいバッタ好きかというと、夢はバッタに食べられること。バッタを触りすぎて、バッタアレルギーになってしまったくらいである。また、ユーモアあふれる文章の中にも職業として研究者を続けることの厳しさが伺え、研究者を目指す人には一読することを勧めたい。 ちなみに、表紙のいかにも怪しげな写真が著者で、本書中にも、全身緑タイツでバッタの大群に向かっているというヘンなおじさん丸出しの写真がある。☆☆☆☆※初出は、「風竜胆の書評」です。
August 7, 2020
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【中古】 東雲侑子は短編小説をあいしている ファミ通文庫/森橋ビンゴ【著】 【中古】afb価格:110円(税込、送料別) (2020/8/4時点) 主人公は三並英太という私立央生高校の生徒。この作品は「東雲侑子シリーズ」三部作の最初の巻となる。巻が進むにつれ、学年が一つづつ進むというのがこのシリーズの特徴だろう。 英太の入った高校では、全員が部活に入らなければならないというおかしな校則がある。しかし、図書委員になれば、部活に入っているとみなされ、拘束時間も短い。 という訳で、帰宅部希望の英太は図書委員になったのだが、彼と同じ日にカウンターに座っているのが同級生の東雲侑子。 彼女は、いつも無表情で、不愛想で、いつも何かを読んでいる。何を読んでいるのかと聞きだすと、読んでいるのは、短編小説らしい。 ところが、ひょんなことから、彼女が西園幽子と言う名前で作家活動をしていることを知る。彼女は短編しか書かない。「人間ってとてもちっぽけで、小説にしてみればせいぜい原稿用紙50枚とか60枚とかの短編小説みたいな人生しか送れないんじゃないかって」(p78)担当編集者からも長編を書いてみたらと勧められていたこともあり、長編小説を書いてみようとした東雲に、英太は、長編を書くために彼氏役をして欲しいと頼まれる。東雲は恋をしたことがないというのだ。これをきっかけに、二人の距離は次第に近づいていくという1種の恋愛小説というところか。 つまりは、男女が恋人同士になるきっかけは、ひょんなことからだということか。「俺、彼女できたかも」(p302) さて、二人の関係はどう進展するのか。☆☆☆☆※初出は、「風竜胆の書評」です。
August 4, 2020
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完全マスター 電験三種受験テキスト 理論(改訂3版) [ 塩沢孝則 ]価格:2970円(税込、送料無料) (2020/8/3時点) 本書は、タイトルの通り、電験三種の理論のテキストである。著者の塩沢さんは、ネットで調べると、東大の大学院を修了して、中部電力の送配電部門に勤め、2018年には、同社の執行役員になっているようだ。要するに、理論面と実務面の両方を知っているということだろう。 本書の特徴を一口で言えば、電磁気、電気回路、電子理論、電気・電子計測など、電験3種の理論科目に必要な項目を網羅しており、例題や練習問題が豊富なことだろう。だから、電験3種受験者のみならず、高校、高専、大学などで電気工学を学んでいる人も、本書に書かれていることを理解すれば、その後の学びが楽になるものと思う。だから、ただ漠然と読むのではなく、手を動かして、自分で計算を追いながら、書かれていることを理解するようにすればいいと思う。 もちろん、電気工学のレンジはかなり広い。だからこそ基礎をしっかりつける必要がある。本書の内容を十分に理解すれば、電験のみならず、学校で単位を取るためにも有効だろう。電気工学を学ぶ人は、その第一歩として勉強するのもいいのではないだろうか。☆☆☆☆※初出は、「風竜胆の書評」です。
August 3, 2020
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