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我らが迷(名?)医・ドクター伊良部が、またまた大活躍だ。「空中ブランコ」(奥田英朗:文芸春秋)である。当ブログでもだいぶ前に、シリーズ前作の「イン・ザ・プール」の記事を書いたが、2作目に当たる本作もやっと文庫化されたので、さっそく買ってきた。ちなみに、私は、小説の場合は、原則文庫版しか買わないことにしている。ハードカバーは高いし、嵩張るということもあるが、あまりにもたくさん出版される本を、ある程度選別すると言う意味もある。文庫化されるような小説は、一応厳しい生存競争を勝ち抜いてきているはずだからだ。 さて、今回の伊良部センセの被害者、もとい患者は、うまく跳べなくなった空中ブランコのフライヤー、尖端恐怖症のやくざ、義父の大学医学部長のヅラをとってみたくてしかたがない大学医学部講師、うまくボールが投げられなくなった野球選手、嘔吐症で強迫症の女性作家の面々である。 なにしろ5歳の子供のように、何事にも好奇心一杯で、自分が興味を持ったことは、少しの迷いもなく、やりたい放題、好き勝手にやってしまう伊良部センセである。どのケースも、患者たちは伊良部センセに散々振り回されてしまっている。しかし、振り回されたはずの患者たちは、気づいてみれば、いつのまにか自分の抱えたいた問題が解決しているのである。やっぱり、名医か?(そんなはずないな。) この無邪気な伊良部と、とても無愛想な看護婦のマユミの取り合わせも面白い。でもこのマユミ、意外にもイラストの才能があるようだ。いつも無愛想に注射をうつだけかと思っていたら、最後の女性作家のケースでは、このマユミが患者の治療の最後の仕上げになっていた。案外いいコンビなのだろう。○「イン・ザ・プール」の記事はこちらこちら○応援クリックお願いします。 「空中ブランコ」(奥田英朗:文芸春秋)
January 31, 2008
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久しぶりに、群ようこの作品を紹介する。「いいわけ劇場」(群ようこ:講談社)だ。実は、この本、かなり以前に買って読んでいたのだが、ついブログに感想を書きそびれていた。結構多くの本を読むのだが、読むそばから内容を忘れてしまう。それでも、ブログに記事を書いておけば、後で読んだときに、なんとなく思い出すのである。やはり、アウトプットということは大事である。 それでも、その時の忙しさや体調、内容への興味度合いや理解度の深さなどで、感想を書きそびれることも結構ある。この本も、そんな中の一冊である。実は、私は、買った本は、すぐ取れる場所に箱などに入れて積んでおく。この文字通り積読状態の本を、読んでブログに感想を書いたものから、本棚などに仕舞い込むことにしている。つまり、読んだ本は、さっさとブログに感想をアップしないと、部屋がいつまでも片付かないということだ。 と言う訳で、読んだ本はさっさと片付けようと、感想を書こうとしたら、案の定、内容をすっかり忘れてしまっている。結局、最初から読み直してしまった。 さて、話を元に戻すと、この本は、なにかにこだわりを持っている、ちょっとトホホな人たちの人間模様を描いた短編小説集である。出てくるのは、厚化粧がやめられない女性、食うことに、至上の喜びを見出す一家、動物への餌やリが生きがいの老人など、案外身の回りに居そうな人ばかりである。作者は、このトホホな人たちを、ユーモアたっぷりに描いており、読んでいると思わず笑いがこみ上げてくる。しかし、その後に、人間の哀しさのようなものが漂ってくるのであるが。○応援クリックお願いします。 「いいわけ劇場」(群ようこ:講談社) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 30, 2008
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以前、当ブログで、浅見光彦シリーズで、光彦が初めて海外で活躍した作品、「イタリア幻想曲」に関する記事を書いた。今回紹介する「上海迷宮」(内田康夫:徳間書店)は、「イタリア幻想曲」に続いて、光彦が海外で活躍する作品である。舞台はもちろん、題名の通り中国上海。 舞台が上海と言うことで、今回のヒロインも中国美女・曾亦依。日本で中国語学校の教師と法廷通訳の仕事をしている。光彦は、義理のあるT女子大学の林教授から、亦依に会って欲しいと頼まれる。光彦が、てっきり見合い話だと勘違いして、亦依と頓珍漢な会話をしているところがなんとも微笑ましい。 実は、亦依の用件というのは、父親が上海で殺人容疑で逮捕されたことに対する相談であった。おまけに彼女の同郷の友人・賀暁芳が新宿で殺されており、彼女はその第一発見者でもあったのだ。ということで、光彦は事件を調べるため、亦依と共に、上海に行くことになる。 ところで、浅見光彦といえば、旅情ミステリーである。残念なことに、今回の上海行きでは、それほど旅情を感じさせるようなところはなかった。やはり、光彦の行き先は、風光明媚な日本の風景がよく似合うような気がする。 亦依は、学生のころに見た「赤いトカゲ」の夢が忘れられないと言う。林教授も、亦依の父の維健もフロイトやユングの研究者といった設定なので、これは、何か深い心理学的な意味が隠されているのかと思ったのだが、案外単純な理由だったのは、少々期待はずれであった。これは内田センセらしいフェイントなのか?それとも、あまり、ココにはまり込むと、それこそ迷宮に迷ってしまうことになりかねないので、深く立ち入らなかったのか? 最後に、危険な連中に拉致された亦依が助かったエピソードは、いかにもご都合主義で、ありえないだろうと思うのだが。 ○応援クリックお願いします。 「上海迷宮」(内田康夫:徳間書店) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 29, 2008
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今日紹介する「スカイ・クロラ」(森博嗣:中央公論新社)というのは、ちょっと変わった小説のようである。このシリーズは、全五巻であり、本作品は、その第一作目だ。しかし、時間的な流れから言えば、この作品は、最終章に当たるとのことである。すなわち、しょっぱなに、いきなり、完結編をやってしまっているのだ。もっとも、他の作品も、それぞれが独立した話のようで、一応、どの巻から読んでもよい構成にはなっているとのことではあるのだが。ちなみに、このシリーズの他の作品の題名は、「ナ・バ・テア」、「ダウン・ツ・ヘヴン」、「フラッタ・リンツ・ライフ」、「クレィドゥ・ザ・スカイ」というものだ。残念ながら、他の作品についてはまだ読んでいないのだが。 この「スカイ・クロラ」は、戦闘機乗りのカンナミを主人公とした物語である。彼に絡んでくるのは、彼の上司で元戦闘気乗りの草薙水素という女性。シリーズ全巻を通して登場するキャラだとのことである、この世界では、戦争は、戦闘会社が行っているようだ。カンナミも戦闘会社に所属するパイロットのようである。 物語の方は、カンナミたちが、戦闘機に乗って出撃し、敵機を撃墜する日常を描いたもので、特にヤマのようなものはなく、淡々と話が続いていく。しかし、最後は、意外な急展開を迎える。 この小説に「キルドレ」という言葉が出てくる。遺伝子制御剤の開発の途中で突然生まれ、歳をとらずに永遠に行き続ける人間のことである。カンナミも草薙も「キルドレ」であるらしい。彼らが戦うのは、戦死という死と隣り合わせに生きることによって、自らが人間であることを実感したいのだろうか。それにしても、遺伝子の制御が出来るのに、戦闘機はプロペラ機だというのも、不思議な世界設定である。 2008年夏に映画化されるようだが、果たして、どんな映画になるのだろうか。○映画「スカイ・クロラ」の公式HPはこちら○応援クリックお願いします。 「スカイ・クロラ」(森博嗣:中央公論新社) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 28, 2008
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奈良県の天河といえば、私などがまず思い浮かべるのが弁財天、すなわち弁天様である。天河大弁財天社に奉られている弁財天は、厳島、竹生島と並ぶ、日本三大弁財天のひとつであり、芸能の神様としても有名である。飛鳥時代に、役行者によって弥山(みせん)の鎮守として祀られたのがその始まりと伝えられている。また、天河も含まれる吉野は、後醍醐天皇が南朝を開いた地として有名であり、役行者が開いたと言われる金峯山寺を中心に修験道の聖地としても知られている。 26日の金曜日に、フジテレビ系列で放映された、金曜プレステージ特別企画として、浅見伝説三部作の最終章『天河伝説殺人事件』は、この吉野地方を舞台とした内田康夫原作による旅情ミステリーである浅見光彦シリーズのひとつである。 天河大弁財天社は、芸能の神様だけあり、今回のモチーフは能。水上流という、伝統ある能の流派に起きた、悲しい物語が展開される。 新宿の街中で、男が突然転落死し、体内から毒物が検出される。その男・川島は、水上流宗家が天河大弁財天社から下された五十鈴を持っていた。一方水上家宗家の長男・和鷹が「水上和春七回忌追善能」で、宗家のみ被る事を許された「雨降らしの面」を被って、「道成寺」を演じているときに急死する。こちらも体内から毒物が検出される。当時、水上家内部には次の宗家を巡って反目があった。長男・和鷹と女性ながらも才能に溢れた妹の秀美のどちらが次の宗家か。しかし古き伝統は、前例のない女性の宗家への拒否反応があった。しかし、和鷹の方にも、出生に関わる大きな秘密があったのである。それにも関わらず、二人は仲の良い兄妹であった。そして、和鷹の仮通夜に現れた、謎の女性。光彦は、お見合い相手になる予定だった妹秀美を支えて、事件の謎を調べ始める。そこには、古き伝統を巡る悲しいドラマが・・・ 吉野は一度だけ行ったことがある。美しい吉野の風景は、なんとも懐かしい。それにしても、今回の話は、伝統を巡って、多くの人が不幸になった。伝統とは、そこまでして守る価値があるものであろうか。(原作)・内田康夫:「天河伝説殺人事件」(出演)・中村俊介(浅見光彦) ・松本莉緒(池宮果奈)・野際陽子(浅見雪江)・田中美里(水上秀美)・神山繁(水上和憲:水上流宗家)・伊東四朗(内田康夫) ほか ○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 27, 2008
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うちの子に、何か面白い漫画を持っていないかと聞いたところ、差し出されたのがこの「天元突破グレンラガン1」(森小太郎/Gainax:メディアワークス/角川GPメディアワー)である。 そんなに最近のアニメや漫画に詳しい訳ではないが、それでも初めて聞く題名なので、ちょっと調べてみた。どうも元は、昨年テレビ東京系列で放映されたアニメらしい。こちらの方では、テレビ東京系の局が無いので、よけい眼に入りにくい訳である。2007年文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞作品ということである。漫画の方も昨年から「月刊電撃コミックガオ!」と言う雑誌に連載中であるが、私の読書範囲がいかに広くても、さすがに、このあたりになると守備範囲ではない。 表紙をぱっと見た感じでは、どうも私のあまり好きな感じの絵柄ではない。しかし、帯になんと「しょこたん絶賛!!」との文字がある。「ゾンビ屋れい子」で図らずも、しょこたんと精神構造が似ていることを暴露してしまったこの風竜胆、それでは一応読んで見なければなるまい。 さて、お話の方であるが、一言で言えばロボットものである。この作品の世界では、人間は地下に住んでいる。地上には獣人が住んでいて人間と敵対しており、地上に出た主人公たちが、手に入れたロボットを操縦して、獣人たちの操るロボットと戦うというものだ。 お話は確かに面白かったが、出てくるロボットが気になる。なんと顔がそのまま胴体になって、それに手足がついているようなロボットばかりなのだ。ちょっと美しくないな。でも、うちの子に言わせると、これが良いらしい。不思議なものだ。○応援クリックお願いします。 「天元突破グレンラガン 1」(森小太郎/Gainax:メディアワークス/角川GPメディアワー)風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 26, 2008
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内田康夫氏による浅見光彦シリーズのひとつである「遺骨」(角川書店)を読んだ。ちょっと変わった題名である。 今回のメインの舞台となるのは、またまた、山口県長門市である。プロローグは、長門市の湯本温泉に、行方知れずになっていた森喜美恵が舞い戻っていることを、松村尚美が、クラスメートだった古川麻里から電話で聞かされるところから始まる。この辺りは、以前「はぐれ刑事純情派・20周年記念スペシャル」などの記事でも触れたように、私の庭のような場所である。内田センセ、赤崎神社の南条踊りを真っ先に出すとは、長門市の取材をしっかりやったようだ。話は変わるが、森喜美恵の通っていたと言う設定の小中学と高校が、私の連れ合いと同じだったのにはちょっと驚いた。 さて、内容の方であるが、光彦が、淡路島の常降寺へ早良親王の取材にいく途中で出会った男・龍満が殺害された。彼は常降寺に、父の遺骨が入っているという骨壷を預けていた。それを謎の女性がその遺骨を、龍満の従妹と名乗る謎の女性が引き取っていく。さらに、龍満の部下の田口を名乗る男も、遺骨を引き取りに現れた。しかし、本物の田口は、足尾銅山で殺されていた。光彦は、すべての出発点である、龍満の父の遺骨が元々あった長門市へ向かう。 ところで、長門市といえば、湯本温泉だけでなく、童謡詩人金子みすずでも有名である。この作品には、金子みすずもしっかりとモチーフとして織り込まれ、旅情を増している。 実は、この作品で問われているのは医療倫理についてである。薬害エイズ事件から戦時中の731部隊の話まで取り入れられてスケールの大きなミステリーとなっている。○応援クリックお願いします。 「遺骨」(内田康夫:角川書店) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 25, 2008
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2007年10月20日付けの記事で「灼眼のシャナ2」の紹介をしたが、しばらくぶりで、その続きを読んだ。「灼眼のシャナ3」(高橋弥七郎:メディアワークス/角川GPメディアワー )である。あまり、難しいことを考えたくないような時には、やはりライトノベルズが手ごろで良い。 今回出てくる敵は。紅世の徒である愛染自ソラトと愛染他ティリエルの兄妹。どうもシャナの持っている大剣・贄殿遮那(にえとのしゃな)を狙っているようだ。そして、紅世の王・千変シュドナイも彼らと行動を共にしている。このソラトとティリエルの兄妹、ソラトは欲望のままに行動し、ティリエルは、そんなソラトを異常なまでに溺愛しているという、ちょっと危ない二人である。 前回シャナと戦って負けたマージョリー・ドーも引き続き出てくるが、まだ、立ち直る途上のようである。それでも、シュドナイと戦うことになってしまう。一方シャナにもソラトとティリエルの襲撃が・・・。さて、戦いはどうなるのかと思ったら、ここで次の巻に続くとは、そりゃないぜ。まあ、4巻も手元にあるからいいか。 ところで、主人公の坂井悠二とシャナの仲も微妙に進展しているようだ。とうとう、悠二を好きな吉田一美とシャナの恋の対決が・・・こちらの方も、ちょっと気になるね。○「灼眼のシャナ2」の記事はこちら○応援クリックお願いします。 「灼眼のシャナ3」(高橋弥七郎:メディアワークス/角川GPメディアワー )風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 24, 2008
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列車に乗るなら、絶対にローカル線の方が楽しい。風光明媚なところを走っているものも多く、車窓から見える四季折々の風景は見飽きることがない。思えば、昔は青春18切符が発売になる時期を心待ちにしていた。最近は、色々忙しいのと、JRのローカル線のダイヤがどんどん不便になっているため、あまり乗る機会はないが、たまにはローカル線ののんびりとした旅を楽しみたいと思うこともある。 そんな折、書店で「朝湯、昼酒。ローカル線」(勝谷誠彦:文春文庫)という本を見つけた。著者の勝谷氏は、コラムニスト兼写真家と言うことだ。この本は、雑誌「旅」の筋鉄(筋金入りの鉄っちゃんという意味らしい)編集者であるIさんから受け取った指令書に従って、鉄道素人の作者が鉄っちゃん修行のため、全国のローカル私鉄を乗り歩くという企画から生まれたものである。 Iさんの鬼のような?指令に従って、熱があっても、炎天下でも、ひたすらローカル線を乗り歩く。そんな旅の様子が、過酷な指令を出すIさんへの悪口も交えながら、ユーモア溢れる文章で書かれている。この悪口に対しては、Iさんが、各章の末尾にある「筋鉄注」で、ちくりと一言言い返しているのだが、これがなかなか面白い。(もちろんこの欄には、本来の注も書かれているのだが。)しかし、それでも、行く先々で、うまいものを飲み食いし、温泉を楽しむといううらやましいたびである。 帯には、北海道ちほく鉄道から高千穂鉄道まで、全国42路線を大爆走とあるが、掲載されている線路は、これより少ない。書籍化する際に、いくつか割愛されたようだ。わが中国地方からは、井原鉄道と若桜鉄道が取り上げられている。しかし、超ローカル路線でがんばっている一畑電鉄や風光明媚な錦川鉄道なども、個人的には取り上げて欲しかったと思う。 また、乗った路線の地図が、各章の初めに載っているのだが、文庫本ということもあり、小さくて見づらいのも惜しまれるところである。○応援クリックお願いします。 「朝湯、昼酒。ローカル線」(勝谷誠彦:文春文庫)と「旅」2008年3月号 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 23, 2008
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日曜日の夜は、テレビ朝日系列の日曜洋画劇場で「エイリアンVSプレデター」を観ていた。2004年のアメリカ映画である。題名から分かるように、エイリアンとプレデターという最近の2大宇宙モンスターが出てくる映画だ。そういえば、続編も昨年末に封切られていたが、まだやっているのかな? 内容の方を大雑把に紹介しよう。南極の地下にピラミッドが発見され、大富豪のウェイランドは、女性登山家レックスなど専門家のチームを調査に送り込む。ところが、エイリアンは出てくるわ、プレデターは出てくるわ、ピラミッドにはいろいろな仕掛けがしてあるわで、仲間は次々にやられていく。 でも、2大モンスターの戦いだと言うのに、日本の怪獣映画で育った世代にとっては、なんとなく戦いがちまちまして物足らない。熱戦を吐いたりとか、超音波を出したりといったような、派手な戦いをして欲しかった。もっとも、両方とも、既にキャラ設定が出来上がっているので無理か。 ところで、大富豪という設定のウェイランド、絶対アンドロイドに違いないと思ったんだが、違っていた。(監督)・ポール・W・S・アンダーソン (出演)・サナ・レイサン(レックス)・ランス・ヘンリクセン(チャールズ・ビショップ・ウェイランド)ほか○応援クリックお願いします。 DVD「エイリアンVSプレデター 特別編」風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 22, 2008
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土曜日の夜は、テレビ朝日系列の土曜ワイド劇場で、「温泉マル秘大作戦5」を観ていた。このドラマは、これまで観た事がなかったが、山口県で自分の故郷近辺が出てくるということで観てみようと思ったわけだ。これまでにも色々なところを舞台にして過去4回放映されているようだが、まったく気がつかなかった。 それにしても、昨年末から、テレビ朝日は、この辺りを舞台にした話が続く。年末に放映された「はぐれ刑事純情派・20周年記念スペシャル」でも舞台が完全に重なっていた。「はぐれ刑事」で安浦刑事が泊まったのが長門湯本温泉にある「湯本観光ホテル 西京」であるが、今回のドラマは、なんとこのホテル自体が舞台になっている。もちろん実在のホテルである。○安浦刑事たちが泊まり、今回のドラマの舞台ともなった「長門湯本温泉 湯本観光ホテル 西京」 簡単に内容を紹介しよう。それぞれ旅館経営、創作料理、館内装飾・おもてなしのスペシャリストであるさつき、慎之介、梢の3人が、「西京」の経営を立て直しに長門湯本温泉にやってくる。そこには、かってのさつきの上司である真田の姿が。「西京」は死んだ真田の妻の実家であった。真田と彼の妻の姉である西京の女将とは、真田の妻の死を巡って何か因縁があるようだ。更に板長の神田が弟子殺しの容疑で警察に連行される。そこには、観光ホテルを次々に乗っ取っているAK観光の不穏な動きが。もちろんすべて架空のお話なので念のため。 長門市の長門湯本温泉郷、青海島、金子みすず記念館、大寧寺、萩焼深川窯、仙崎漁港、そして秋芳町の秋吉台、秋芳洞といった観光名所がふんだんに織り込まれ、旅情を誘う。 それにしても、「湯本観光ホテル西京」、昨年末からテレビ朝日のおかげで、ものすごい宣伝効果である。さつきたちが発案したという設定のサービスや料理も、実在のもののようだ。これをきっかけに、長門市や秋芳町への観光客が増えて欲しいものである。 しかし、出演者の科白の中に出てくる「長門」のアクセントが変なのはちょっと気になった。 (出演)・森口瑤子(さつき)・東幹久(慎之介)・高樹マリア(梢)・なべおさみ(神田)・京本政樹(真田) ほか○応援クリックお願いします。 ○長門湯本温泉のホテル 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 21, 2008
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19日の金曜日は、フジテレビ系列の金曜プレステージ特別企画として、浅見伝説三部作の第二段である「熊野古道殺人事件」を観ていた。これも、だいぶ前に当ブログでも紹介した、内田康夫の同名小説が原作である。 熊野について知らない人は少ないと思うが、念のために、2006年09月29日付けの当ブログの記事を引用しておこう。 「熊野は、古来より信仰の対象であり、その中心となるのが、熊野本宮大社、熊野那智大社、熊野速玉大社の熊野三山である。2004年には、「紀伊山地の霊場と参詣道」として、ユネスコの世界遺産に登録されている。宇多上皇をはじめとする歴代の上皇や法王が行幸し、街道は栄えたという。 熊野那智大社は、有名な那智の滝のあるところである。熊野速玉大社は新宮市の街中にある。すぐ側には、「佐藤春夫記念館」もある。佐藤春夫は新宮市出身であり、この記念館は、彼の東京の自宅を移設したものだ。」(2006年09月29日付け当ブログの記事より引用) このドラマのモチーフとなっているのは、補陀落渡海。補陀落とは、西方にあると信じられた観音菩薩の浄土である。かって、熊野では、この浄土を目指して、棺桶のような小船で、太平洋をあてもなく流れる者がいたという。もちろん最後は、海の藻屑となるしかないのであるが。 今回、光彦は、内田センセからの依頼を受ける。内田センセの親友で大学教授の松岡が、彼の助手の丘野という男が、補陀落渡海を再現しようとしているが、危険だからとめて欲しいとセンセに頼んできたのだ。内田センセは多忙ということで、光彦にお鉢を回してきたという訳だ。光彦は、「旅と歴史」の藤田編集長といっしょに、取材もかねて熊野へ向かう。なお、ドラマでの内田センセ役は伊東四朗が演じているが、本人がちょっとだけ出演している場面もあった。○光彦と藤田編集長が泊まった「紀州南部ロイヤルホテル」 ところが、熊野川を川下りしているときに、道成寺で出会った美女が死んでいるのを発見する。その美女は丘野の妻であった。丘野は妻の死にも関わらず補陀落渡海を決行するが、その途中、毒殺される。 南紀は、一度だけ、行ったことがあるが、今回のドラマでは、道成寺、那智の滝や熊野那智大社、熊野速玉大社など、訪れたことのあるところがふんだんに出ており、とても懐かしい思いがした。小説の方もなかなか面白いが、やはり、こうして映像になったほうが、旅情ミステリーらしさがよく出てくると思う。(原作)・内田康夫:「熊野古道殺人事件」(出演)・中村俊介(浅見光彦) ・松本莉緒(池宮果奈)・野際陽子(浅見雪江)・小倉久寛(藤田編集長)・夏八木勲(松岡正史)・とよた真帆(松岡小百合)・塩野谷正幸(岳野春信)・伊東四朗(内田康夫) ほか ○原作「熊野古道殺人事件」の記事はこちら○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 20, 2008
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今日も、うちの子が買ってきた漫画だ。「ひぐらしのなく頃に解 目明し編 3」(方條ゆとり/竜騎士07:スクエア・エニックス)である。以前紹介した「目明し編」の1,2巻の続きである。 帯を見ると、2008年春、実写映画が公開されると書いてある。でも、この漫画、同じような登場人物が、パラレルで複数のシナリオで動いているようなつくりになっているんだけど、映画の方のストーリーはどうなるんだろう。ネットで調べてみると、既に映画の公式サイトはあるが、まだあまり情報は多くないようだ。 この、「目明し編」は、1,2巻の紹介でも書いたように、園崎家次期当主園崎魅音の双子の妹詩音が中心のお話である。詩音は、魅音に成りすまして、悟史の行方をさぐるうち、雛見沢村の恐ろしい姿を知る。そしてたどり着いた、悟史に起こった出来事に関する真実。そして、古手梨花が詩音を襲う。 といったところで、第4巻に続いている。今回は、かなり引っ張るな。はやく結論出してくれ。○ひぐらしのなく頃に解 目明し編1,2の記事はこちら○映画「ひぐらしのなく頃に」の公式サイトはこちら○ブログの内容が気に入ったら応援してね。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「ひぐらしのなく頃に解 目明し編 3」(方條ゆとり/竜騎士07:スクエア・エニックス)&オフィシャルガイドブック 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 19, 2008
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最近、横山秀夫の警察小説をよく読んでいる。今日紹介する「陰の季節」(横山秀夫:文芸春秋社)も、D県警を舞台とする4編の小説を収録した短編集である。しかし通常の警察小説とはちょっと違っている。 そもそも、警察小説と言えば、刑事の活躍を描いたものが中心である。殺人事件が発生し、名刑事が、仕掛けられたトリックをいかに見破り、犯人を追い詰めるかと言うのが、この手の小説の王道であろう。しかし、この「陰の季節」での主役たちは、このような第一線で働いている刑事たちではない。、一般人にはあまりなじみの無い、警察の内政部門で働く者たちがこの小説の中心であり、内容も、警察内部での話なのである。 表題となった「陰の季節」での主人公は警務課調査官で人事を担当する警視の二渡真治。D県警最年少で警視に昇進したと言う切れ者である。人事の季節、大物OBで元刑事部長の尾坂部が、当初約束の任期がきても、天下り先のポストを降りないと言い出す。そのポストには既に後任が決まっており、二渡は、尾坂部の真意を聞き出すよう命じられる。なお、二渡は、この短編集の他の作品にも、人事の担当者として顔を出してくる。 「地の声」では、主人公は、警務部監察課監察官の警視・新堂隆義である。所轄の署長で転出するはずであったが、胃潰瘍で倒れたため、辞令が監察課監察官に書き換えられたという過去を持つ。ちなみに、監察官というのは、普通の会社で言えば、内部監査員にあたると思えば良いであろう。ある時、監察課に、所轄の生活課長がパブのママとできているというタレこみが届く。 「黒い線」での主人公は、警務課の婦警担当係長で警部の七尾友子。描いた似顔絵により犯人がつかまって、手柄をあげたはずの鑑識課婦警・平野瑞穂が行方不明になった。以前紹介した「顔」と言う長編小説のプロローグとも言える作品である。なお、「顔」は、仲間由紀恵主演のテレビドラマになっている。 「鞄」では、警務部秘書課課長補佐で警部の柘植正樹が主役である。彼の役目は、県議会対策である。ある日、大物県議の鵜飼が一般質問で爆弾質問をするとの情報が入る。柘植は、なんとか、質問の内容を探ろうとするが・・・ いずれの作品も、主役たちの心の動きがよく表現されており、すごい存在感で、読み手を引き込む。ただ若干気になる点もある。まず、話の舞台だが、警察にしなくても、他の組織を舞台にしてもそれなりに成り立つような話である。警察を舞台にしたこんな話もありとは思うが、どうしてもというまでの必然性は薄いと思う。 もう一つ、小さなことだが、「陰の季節」で、大物OBの尾坂部が天下り先を退任しないので、県警が、後任者として天下る予定だったものの名詞を回収していた場面があった。これはおかしい。転職前の会社が、転職後の会社の名詞をつくることなど、常識的にはありえないと思うのだが。○「顔」の記事はこちら○応援クリックお願いします。 「陰の季節」(横山秀夫:文芸春秋社)風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 18, 2008
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うちの子が面白そうな漫画を持っていたので、いつものようにちょっと借用して読んでみた。「精霊の守り人1」(藤原カムイ/上橋菜穂子:スクエア・エニックス )である。この題名は、他の人のブログで時折お目にかかるし、書店でも小説版をよく眼にするので、興味を持ったわけだ。 ちょっと調べてみると、この漫画の原作となっているのは、元々は児童文学として書かれた、上橋菜穂子によるファンタジー小説の「守り人シリーズ」の第1作目に当たる同名の小説・「精霊の守り人」ということであった。 内容を簡単に紹介しよう。バルサは用心棒を稼業とする短槍使いの女性である。たまたま、新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムを救ったことから、チャグムの母親の二ノ妃から皇子を守ることを依頼される。チャグムは、建国伝説では初代皇帝トルガルが倒したとされる水妖に取り付かれており、そのために父たる皇帝から命を狙われているというのだ。バルサはチャグムをつれて逃げるが、追っ手がかかる。 女剣士というのは、よく出てくるが、女槍術使いと言うのは珍しい。出だしのテンポもなかなか良く、これからの展開を期待させてくれる。○応援クリックお願いします。 「精霊の守り人1」(藤原カムイ/上橋菜穂子:スクエア・エニックス )風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 17, 2008
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JR宇部線は、山口県の宇部駅から新山口駅を結ぶローカル線路である。全長は、支線を含んで、35.4km。かっては、石炭やセメントの運搬が盛んに行われていたらしい。現在は、ワンマン車両が1時間に1本程度走る寂れた路線であるが、全線、電化はされている。 先般、この宇部線にある床波駅周辺に、所用があって、出かけたので、写真を撮ってきた。床波駅は、いかにもローカル駅らしいたたずまいであるが、一応宇部市の市街地にある。いつも居るのかどうか分からないが、私の行ったときには、駅員さんもいた。「宇部線床波駅」「床波駅の標識」 写真は、宇部線の列車である。2両編成のワンマン列車であった。「宇部線の電車」○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 16, 2008
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京都は、学生のころ6年間住んでいた。私は、京都の裏道を歩くのが好きである。人の多く集まる河原町周辺などは、確かに多くの観光客で溢れているが、あまり京都らしさを感じられない。しかし、裏道を歩いていると、思いがけず京都らしいものを発見して、ちょっとうれしくなることがある。 ところで、京都と言えば、誰でもまず思いつくのが、古き神社仏閣であるが、実は京都は花の街でもあるのだ。「京都花の道を歩く」(松本章男:集英社)は、作者が、京都の隅々を、四季折々の花を訪ね歩く紀行文集である。もっとも、花といっても、ここではちょっと広く捕らえて、松、南天、柳といった、四季を彩る草木も含められている。この本では、ただ歩いた路を描写するだけではなく、花にまつわる和歌や歴史なども織り込まれて紹介されており、とても興味深く読むことが出来る。 この本を参考に、色々な花を尋ねて、また京都の裏道を彷徨って見たい。そんな気にさせる一冊である。○応援クリックお願いします。 「京都花の道を歩く」(松本章男:集英社)風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 15, 2008
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土曜日の夜は、フジテレビ系の土曜プレミアムで「バブルへGO!!タイムマシンはドラム式」という映画を放映していた。調べてみると、2007年2月に公開されているようだが、このような映画があったことは知らなかった。阿部ちゃんが出るので、たぶんハチャメチャな映画だろうと思って観てみると、やっぱりそんな作品であった。 この映画は、いきなり薬師丸演じる田中真理子の葬式のシーンから始まる。もしかして、写真だけの出演かと思ったら、ちゃんと後で重要な役割を演じていた。実は、真理子はバブル崩壊の原因となった行政指導を止めるため、財務官僚の下川路功により、タイムマシンで17年前の世界に送り込まれたまま消息を絶っていたのだ。葬式の席で、下川路と出会った真理子の娘真弓は、真理子を探し出し、バブル崩壊を止めるため、タイムマシンで17年前の世界へ。 タイムマシンが洗濯機というのが面白い。出てきたときに泡だらけになっているのだが、洗剤を入れる必要があるのか? 実は、バブル崩壊の陰には、大きな陰謀が。それを阻止するべく真弓と若きころの下川路が大暴れ。真弓、なぜそんなに強い? このタイムマシンは真理子が偶然発明したようだが、大丈夫か。偶然発明したもので、ちゃんと帰って来られるという根拠はなんだ? それに、真理子たちが帰ってきた元の世界では、歴史が変わって、バブルが途方も無く膨れていたが、大丈夫か日本?(監督)・馬場康夫 (出演)・広末涼子(田中真弓)・阿部寛(下川路功)・薬師丸ひろ子(田中真理子) ほか○「バブルへGO!!タイムマシンはドラム式」の公式HPはこちら○応援クリックお願いします。 DVD「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 スペシャル・エディション」風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 14, 2008
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祗園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理を顕す 奢れる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし たけき者も遂には亡びぬ 偏に風の前の塵に同じ 12日の金曜日から、フジテレビ系列の金曜プレステージ特別企画として、3週連続で 浅見伝説三部作と銘打ったドラマが放映されている。その第一弾は、だいぶ前に当ブログでも紹介した、「耳なし芳一からの手紙」であった。もちろん、内田康夫による浅見光彦シリーズのドラマ化である。 先帝祭の華麗なる上臈参拝で有名な下関市の赤間神宮には、有名な耳なし芳一伝説が残る。ラフカディオ・ハーンの「怪談」でも有名な話である。下関の壇ノ浦で、源義経率いる源氏の軍勢に破れ、海の藻屑と成り果ててしまった平家の怨霊。その怨霊に取り付かれた琵琶法師の芳一は、怨霊よけのための般若心経を体中に書き込んでもらう。しかし、耳の部分だけ経文が書かれていなかったために、怨霊に耳をちぎられてしまう。 光彦が、取材で赤間神宮を訪れると、平家一門を祀った七盛塚の前で琵琶を演奏している女性を、芳一堂のところからじっと見ている老人がいた。 帰りの高速バスで、その老人・永野仁一郎が殺される。ダイイングメッセージは、「あの女にやられた」。そして所持品に、差出人が「耳なし芳一」となっている、「火の山で逢おう」の手紙。奇しくも、長野の妻は、光彦の母・雪江が学生時代にあこがれていた先輩の依江であった。 光彦は、雪江そして、同じ高速バスに乗っていた漫画家志望のお嬢様・池宮果奈とともに下関に再び行き、事件の謎を調べる。そこには、思いもよらぬ、半世紀も前の戦時中の忌まわしい因縁が。 赤間神宮、火の山、功山寺、関門大橋、角島など、この辺りの観光名所が美しく織り込まれ、旅情を誘われる。実は、だいぶ昔、このあたりに、短期間だが住んでいたことがあったので、とても懐かしい。 ところで、原作の方では、事件はバスではなく列車の中で起きている。また、原作では、姉御肌の池宮果奈と自称ヤクザの高山隆伸という凸凹コンビの活躍が、結構面白かったのだが、このドラマでは、高山の出番が最初ちょっとあったものの、その後何の展開も無く、結局何のために出てきたのか分からないようなつくりになっていたのは残念なことであった。(原作)・内田康夫:「耳なし芳一からの手紙」(出演)・中村俊介(浅見光彦) ・松本莉緒(池宮果奈)・野際陽子(浅見雪江)・池内淳子(永野依江)・長山藍子(琵琶奏者・有田稲子) ほか ○原作「耳なし芳一からの手紙」の記事はこちら○下関のホテル ○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 13, 2008
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その昔、平安時代の末、鳥羽上皇の時代のことである。玉藻前という美しい女性が上皇に寵愛されていた。しかし、その正体は、恐ろしい白面金毛九尾の狐であり、退治されて「殺生石」という毒石に変化する。この殺生石は、室町時代に玄翁和尚により破壊され、そのかけらは全国に飛び散っていったという。実は、このブログで以前紹介した真庭市勝山も、このかけらが飛んできた場所と伝えられている。 最近、私が気に入っている漫画の一つで、この殺生石をモチーフにしているのが、「喰霊(GA-REI)」(瀬川はじめ:角川書店)である。角川書店の発行している「月刊少年エース」と言う雑誌に、2005年12月号から連載されている漫画だ。 主人公の弐村剣輔は、霊の見える体質の高校生である。この体質のため、彼女もできない。ある日、剣輔は非常に危険そうな霊に遭遇する。逃げる途中で、土宮神楽というかわいい女の子のバイクにはねられ、それがきっかけで、神楽の所属する環境省秘密機関超自然災害対策室にバイトとして勤めるようになる。 神楽は、古来より、この国の霊的守護を担ってきた帝家の裏で荒事を任される土宮家の当主であり、その身に、霊獣白叡を封印している。この白叡、敵と戦う時の強力な力にもなるのだが、一歩間違うと自らも命取りになるという、まさに諸刃の剣なのだ。 剣輔が遭遇した悪霊は、諌山黄泉。かって神楽が姉と慕っていたが、殺生石の影響で暴走し、多くの人間を殺して悪霊になった。神楽の父の敵でもある。ちなみに、かなりの美女だ。 今回紹介する1~3巻は、東京に封印されている、あるものを復活させようとする黄泉との戦いを描いたものである。絵柄が、きれいで、現代的な感じがするのが良い。 それにしても、自然災害対策室の室長の名前が峰不死子(みねふじこ)とは笑ってしまった。もちろんルパン三世に出てくる美女キャラの名前をパロっていると思われる。でも、あまりの容貌の格差に、ルパンファンの怒りを買わなければよいが。○応援クリックお願いします。 「喰霊(GA-REI)3」(瀬川はじめ:角川書店) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 12, 2008
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十一月にしては暖かい日曜日、河川敷でのどかに遊んでいた母子の前に、いきなりバラバラ死体の一部が流れてくる。「東京下町殺人暮色」(宮部みゆき:光文社)は、そんなショッキングな出だしではじまるミステリーだ。 東京の下町に父と住む柳沢順は、13歳の中学生である。父の道雄は、警視庁捜査一課の刑事。速水という若手の刑事といっしょに、この事件を調べることになる。そのころ、彼らの住む町内では、篠田東吾という画家の住む家で人殺しがあったとの噂が広まっていた。夜、篠田邸の様子を見に行った順が目撃した謎の少女。なかなかいい感じで、物語は展開していく。 この作品が鋭く描き出しているのは、現代社会の制度的矛盾。残忍な殺人を犯しながらも、少年であるというだけで、被害者と加害者の立場が逆転する場合がある。守ろうとした者は咎人となる一方、悪鬼のような連中の名は世間に知られることもない。○応援クリックお願いします。 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 11, 2008
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またまた、「ゾンビ屋れい子」(三家本礼:ぶんか社)こである。これは、本当に病み付きになる。既に雑誌での連載は終了しているので、文庫版は7巻で完結というのが少し寂しい。今回は第5巻の「イーヒン編」である。 副題から分かるように、今回の敵はイーヒンという男。以前、スターコレクターという、他人のゾンビ召還のための紋章(スター)を盗んで、自分のものとする能力を持った者が出てきたが、イーヒンはこれと反対の能力を持っている。すなわち、普通の人間にスターを与え、ゾンビ召還能力を持たせることが出来るのだ。イーヒンは、この能力によりゾンビ召還能力を持った部下を増やして、悪事を重ねている。おまけに、このイーヒン、驚異的な再生能力を持っており、ほとんど不死身なのだ。 イーヒンに目をつけられたれい子は、ジャスミンや豪人、竹露たちとイーヒン一味と戦う。ところで、ゾンビとは死者が蘇ったもののはずであるが、この巻では、糸のゾンビ、ギロチン台のゾンビ、ゼリー状ゾンビといった訳の分からないものも出てくる。これらのゾンビは、特殊能力も持っており、ほとんど、荒木飛呂彦の「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズに出てくるスタンドと変わらない。 ところで、れい子の召還ゾンビの百合川サキは、破壊されても、時間がたてば少しずつ元の姿に戻るようだ。誰が修復してくれているんだろう。ゾンビの世界には修復屋さんのような人がいるのだろうか。また、この巻から、竹露の召還ゾンビとして、姫園リルカが出てくるが、彼女も、火葬されたにも関わらず、肉体を持ったゾンビになって現れている。でも、ここは、あまりつっこんではいけないところなんだろうな。○「ゾンビ屋れい子4(雪女編)」はこちら○応援クリックお願いします。 「ゾンビ屋れい子5」(イーヒン編)(三家本礼:ぶんか社)&「ゾンビ屋れい子」ドラマCD 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 10, 2008
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以前当ブログで、フジテレビ系列の「土曜プレミアム」で放映された「新・美味しんぼ2 」の記事を書いたが、大晦日に地元のテレビで、その前作に当たる「新・美味しんぼ」を再放送していた。こちらもやはり「土曜プレミアム」で、2007年1月20日に放送された。 内容は、ご存知と思うが、東西新聞の「究極のメニュー」対帝都新聞の「至高のメニュー」という料理対決に、山岡士郎と海原雄山の父と息子の対立を組み合わせた、雁屋哲と花咲アキラのコンビによる漫画を原作とするグルメ薀蓄ドラマである。 世界新聞協会の国際文化交流委員会のメンバーへふるまう料理で雄山に一本とられた士郎であるが、「究極のメニュー」と「至高のメニュー」の関係者を集めての新年会でのテーマは「鍋料理」に決まる。果たして対決の行方は・・・。 審査員たちの、料理を食べたときの大げさなリアクションが面白い。そういえば、中華一番という漫画にもこんなシーンがあったと思うが。たかが料理だと思うのだが、されど料理ということか。それにしても煩悩に囚われた審査員たちだ。色即是空、色即是空・・・ ところで、この父子対決、半分以上は、口での薀蓄勝負になっているような気がするのは私だけか。(原作)・雁屋哲/花咲アキラ(監督)・浜本正機 (出演)・松岡昌宏(山岡士郎)・優香(栗田ゆう子)・松平健(海原雄山) ほか○「新・美味しんぼ2 」の記事はこちら○応援クリックお願いします。 「美味しんぼ」( 雁屋哲/花咲アキラ:小学館) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 9, 2008
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「εに誓って」(森博嗣:講談社)を読んだ。Gシリーズというやつの第4作目に当たる作品である。もっとも、読んだのは、第1作目の「Φは壊れたね」に続いて、2冊目である。実はこの間に「θは遊んでくれたよ」と「τになるまで待って」と言う作品が挟まっているのだが、いきなり4作目となったのは別に深い理由はない。単に古本屋に、この2作がなかったというだけだ。(すまん!!) それにしても、相変わらず意味の分からない題名である。φ、θ、τ、εといったギリシャ文字は、理工系の人間には結構なじみがあるのだが、題名の表すものが何かはまったく不明である。作品中には、「εに誓って」は、集団自殺志望のグループの名前、「ε」とは、あるサイトにいる絶対的な存在と、そのグループとの関係であるということが書かれてあるが、やっぱりよく分からない。シリーズ物なので、そのうちどこかで、その意味が明らかにされるのだろうか。現在は、この後に「λに歯がない」と「ηなのに夢のよう」という作品があるので、もしかすると、ギリシャ文字を全部使うまで続けるつもりか? 今回も、主な登場人物は、C大学の学生加部谷恵美、海月及介、山吹早月のトリオとおなじみ西之園萌絵、そしてC大助教授に出世した国枝桃子。そして、犀川創平である。 あらすじを簡単に言うと、山吹と加部谷が、東京から名古屋に帰ろうと乗った高速夜行バスがバスジャックに遭う。犯人は銃を持っている上に、そこかしこに爆弾を仕掛けており、変な動きがあると、爆発させるというのだ。他の乗客の様子もどこか変だ。ということで、この作品は、バスの中の出来事や、それを見守っている西之園たちの様子を延々と描いている。正直なところ、あまり作品の中に入り込めなかった。作者は、ちょっとしたしかけを用意しており、最後にそれが明らかにされるので、一応ミステリーとして体裁を保っているのだが。○「φは壊れたね」の記事はこちら○応援クリックお願いします。 「εに誓って」(森博嗣:講談社) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 8, 2008
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5日の土曜日の夜は、金曜日に引き続いて、フジテレビ系列で、「のだめカンタービレinヨーロッパ 第二夜」である。まさに、今年は、のだめで明けた感がある。(笑) 第一夜が、千秋の話を中心にしていたのに対し、第二夜は、のだめを中心にした物語となっている。どちらの話も、失敗して落ち込んで、そこから立ち直って一段成長するという、基本的なパターンは同じだ。結局似たもの夫婦?ということか。 今回も、二人の夫婦漫才?を中心とした、ギャグの連続。笑える。笑える。特に私が気に入ったのは、千秋とシュトレーゼマンの顔をしたゼウスとプロメテウスの絵と変態の森が千秋を呼ぶところ。また、孫ルイのママのすごい迫力振りにも爆笑。 でも、せっかくいっしょに居られると思った千秋が演奏旅行に行ってしまい、孫ルイとピアノコンチェルト。あせって自分を見失っているのだめはちょっと切ない。 最後の方で、のだめは自分を取り戻し、コンサートですばらしい演奏を聴かせてくれる。このときののだめのモーツアルト姿もなかなかキュートだった。 最後の締めくくりは、千秋のヨーロッパデビュー。これで終わりかと思うとちょっと寂しいな。原作の方はまだまだ続いているので、ドラマの続きもいつか放映して欲しいものだ。 ところで、アナリーゼって、音楽に対する薀蓄のことか?(原作)・二ノ宮知子:「のだめカンタービレ」(出演)・上野樹里(野田 恵) ・玉木宏(千秋 真一)・瑛太(峰 龍太郎)・竹中直人(フランツ・フォン・シュトレーゼマン) ほか○ドラマ「のだめカンタービレ」の公式HPはこちら ○応援クリックお願いします。 「のだめカンタービレ 19」( 二ノ宮知子:講談社) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 7, 2008
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4日金曜日の夜は、フジテレビ系列で、お待ちかねの「のだめカンタービレinヨーロッパ 第一夜」が放映された。「あけまして傑作選SP」も含めて、正月早々、ずっとのだめ漬けの状態である。他のことができずに困ってしまう。(笑) ところで、今回のお話であるが、千秋は飛行機恐怖症を何とか克服し(付き添いは必要なようだが)、のだめと花の都パリへ。千秋は、世界に通用する指揮者を目指し、のだめは、コンセルヴァトワールへの留学である。 第一夜は、二人がパリに留学して、千秋がプラティニ国際指揮コンクールに優勝するまでの物語である。 今回も、笑えるエピソードが一杯である。特に笑ったのは、フランス語の喋れないのだめが、「プリごろ太」のフランス版アニメを観ながら、「おたくパワー」全開で言葉を覚えていくシーン。指の間を飛んでいたのは、電流か、それとも「おたくパワー」か。登場人物が、白目をむいて、変な顔になったり、千秋が落ち込んだときに黒いオーラが出たりと、笑いどころには事欠かない。 正月早々、笑った笑った。しかし、それだけ笑えるにも関わらず、劇中で演奏される美しい音楽や、千秋やのだめの成長していく姿、そして、仲間たちの友情には感動する。これだけ笑わした挙句に感動まで与えてくれるドラマはそうないだろう。(原作)・二ノ宮知子:「のだめカンタービレ」(出演)・上野樹里(野田 恵) ・玉木宏(千秋 真一)・瑛太(峰 龍太郎)・竹中直人(フランツ・フォン・シュトレーゼマン) ほか○ドラマ「のだめカンタービレ」の公式HPはこちら ○応援クリックお願いします。 「のだめカンタービレ 19」( 二ノ宮知子:講談社) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 6, 2008
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最近、テレビで、いわゆるオネエキャラのタレントさん(でいいのかな?)が活躍しているのをよく目にするが、「クレオパトラの夢」(恩田陸:双葉社)の主人公・神原恵弥(めぐみ)も強烈なオネエキャラの人物である。以前「MAZE」という作品を紹介したが、「クレオパトラの夢」は、その続編にあたる。といっても、お話の関連性はほとんどないので、こちらを先に読んでも、まったく問題はない。 今回、恵弥が訪れたのは、北海道のH市である。不倫相手を追いかけて、H市で暮らしている双子の妹和見を連れ戻すためであった。しかし、彼にはもう一つの目的があったのだ。和見の不倫相手若槻慧(わかつきさとし)が研究していたという、「クレオパトラ」とは何かをつきとめるということである。ところが、若槻は死亡しており、ちょうど告別式が行われていた。和見も不審な行動のあげく、置手紙を残して失踪してしまう。恵弥は若槻の死に不審を持ち、「クレオパトラ」の秘密を探り始める。 ところで、天然痘といえば、かっては高い死亡率で恐れられた病気である。しかし、1798年にエドワード・ジェンナーが天然痘ワクチンを開発しておかげで、患者は激減し、1980年にはとうとうWHOによって根絶宣言が出されている。といっても、天然痘ウイルス自体は、まだアメリカとロシアの施設で厳重管理のなかで保存はされているらしい。実は、「クレオパトラ」とは新種の天然痘ウイルスのようであるが、どうして、天然痘とクレオパトラが結びつくのかはよく分からない。案外、恩田陸独特の感性で名づけただけで、たいした意味は無いのかもしれない。 最後に、事件の全貌が明らかになるが、真相は思いがけないものであった。どうも、恵弥は、ハンターとしては一流かもしれないが、探偵としては三流のようだ。迷探偵ぶりを発揮して、事件を色々推理したものの、真相はまったく異なっていたのである。 なお、舞台となった北海道のH市は函館市と思われる。G稜郭というのも出てくることから明らかであろう。○「MAZE」の記事はこちら○応援クリックお願いします。 「クレオパトラの夢」(恩田陸:双葉社) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 5, 2008
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30日の、深夜というよりは、もう大晦日の早朝といっても良い時刻に、地元のテレビ局で、「インストール」という映画を放映していた。通常なら、この時間はとっくに寝ているのだが、正月休み中ということで、眠い目を擦りながら観ていた。 この映画は、綿矢りさの同名小説が原作である。ところで、綿矢りさといえば、2004年に、「蹴りたい背中」で、芥川賞を最年少で受賞した。同じく「蛇にピアス」で最年少受賞した金原ひとみと共に、、その美少女ぶりでも話題になったものだ。その綿谷りさが、なんと高校在学中に書いたのが、この「インストール」という小説で、こちらも、第38回文藝賞を当時最年少で受賞している。 主人公の野沢朝子は、17歳の高校生である。ある日、部屋の中のものを全部捨てて、不登校を始める。朝子の捨てた壊れたパソコンを青木君という10歳の小学生がもらい、OSをインストールしなおして動くようにする。ところが、この小学生、ネットで専業主婦に成りすましていて、風俗で働いているお友達もいるというすごい設定だ。朝子は、青木君に勧められ、青木君の家の押入れの中で、毎日エロチャットのバイトを始める。 こんな小学生、現実にはさすがにいないと思うが、エロの世界にやたら詳しく、朝子もすっかり青木君のエロ哲学に感化され、エロチャットのバイトに没頭する。あっ、でも、さすがに知識のみで、実技面はでてこないので念のため。ただ、青木君が朝子の胸を触るシーン(もちろん服の上からです)があり、結構話題になったらしい。このときの青木君の真剣な顔は、ちょっと怖かった。しかし、小学生にエロの世界に奥深さを教えられてどうする。この青木君、エロの世界に精通しているくせに、時折四文字熟語の読み方を間違って覚えているのは微笑ましい。少しジェネレーションギャップも感じるが、エロにやたら詳しい小学生というのが面白くて、最後まで観てしまった。 (原作)・綿矢りさ:「インストール」 (監督)・片岡K (出演)・上戸彩 (野沢 朝子) ・神木隆之介 (青木 かずよし)・菊川怜(モモコ先生) ほか ○応援クリックお願いします。 ○「インストール」(綿矢りさ:河出書房新社 )&DVD(上戸綾主演) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 4, 2008
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昨日の昼間は、フジテレビ系列でやっていた「のだめカンタービレ・あけまして傑作選SP」をずっと観ていた。2006年10月~2006年12月に放映されたものの再放送である。明日、明後日と二夜連続で、「のだめカンタービレ 新春スペシャル IN ヨーロッパ」が放映されるので、その前哨戦といったところか。 やっぱりのだめは面白い。朝9時30分から夕方4時15分まで笑い放しである。毎週放映されていたとき、最初の方は観ていなかったので、なおさらだ。おかげで、わんこを散歩に連れて行く時間が遅くなってしまった。 のだめの部屋のごみ屋敷ぶりはすごい。ハエの大群には爆笑である。ところで、千秋の部屋に侵食してきた、あの不気味な液体はいったいなんだったのだろう。 コタツの魔力に取り付かれたり、プリごろ太のアニメが出てきたり、マングースの着ぐるみを着てピアニカをオーケストラで演奏したりといった愉快なエピソードが一杯出てきた。ミルヒ・ホルスタインことシュトレーゼマンの胡散臭さも笑える。 上野樹里、のだめを演じているときは、普段の数倍ラブリーに見えるのはどういう訳だろう。(もちろん普段もラブリーだが)それにしても、どうしてマングースなんだろう。(原作)・二ノ宮知子:「のだめカンタービレ」(出演)・上野樹里(野田 恵) ・玉木宏(千秋 真一)・瑛太(峰 龍太郎)・竹中直人(フランツ・フォン・シュトレーゼマン) ほか ○応援クリックお願いします。 「のだめカンタービレ 19」( 二ノ宮知子:講談社) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 3, 2008
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30日の夜は、テレビ朝日系の金曜洋画劇場で「武士の一分」を観ていた。藤沢周平の短編小説集である「隠し剣秋風抄」のなかの一編・「盲目剣谺返し」を原作とする2006年松竹映画である。 あらすじを簡単におさらいしよう。三村新之丞(木村拓哉)は、海坂藩に毒見役として仕える30石取りの下級武士であった。ある日、毒見の際に、赤つぶ貝の貝毒にあたり、命は助かったものの光を失ってしまう。 そんな新之丞をかいがいしく面倒見る妻の加世(檀れい)に不倫の影が。上司の島村に、家名存続の見返りに体を求められたというのだ。新之丞は、「武士の一文」をたてるため、妻を離縁し、島村に果し合いを挑む。 それにしても、昔の武士は、「魂」があったり、「一分」があったりと大変なことだ。果し合いに敗れた島村も、命は取り留めたものの、「武士の一分」をたてるために切腹していまう。なんとも窮屈な時代であった。 ところで、海坂藩の殿様、新之丞が回復し、お目見えした際に、「大儀!」の一言だけで去っていってしまった。てっきり馬鹿殿さまかと思ったら、新之丞に対する扱いで、家老たちの出した結論をひっくり返して、石高を安堵したとは、案外名君なのかもしれない。 最後に、こちらの方でも、原作同様、徳平の粋な計らいにより、最後がきれいに締めくくられている。(原作)・藤沢周平:「盲目剣谺返し」(監督)・山田洋次(出演)・木村拓哉(三村新之丞)・檀れい(三村加世)・笹野高史(徳平) ほか ○原作の「隠し剣秋風抄」の記事はこちら○応援クリックお願いします。 ○DVD「武士の一分」風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら[*** 緊急追記 ***]横浜で広汎性発達障がいのある12歳の男の子が行方不明になっているそうです。 今日たまたま訪れたともるーさんのブログで、協力を呼びかけられていました。特に神奈川県周辺の方々は何かありましたら情報をお願いします。詳しくはともるーさんの「ともるー's ブログ」まで ⇒ こちら[2008.1.8追記]男の子、無事に保護されたそうです。本当に良かったですね。協力していただいた皆様ありがとうございました。
January 2, 2008
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「謹賀新年」 旧年中は、つたない当ブログを訪問していただきありがとうございました。 今月の15日で、なんとか2周年の節目を迎えられそうです。我ながらよく続いたものだと感心しております。 思い起こせば、当ブログも、最初は、学生時代の思い出話や資格試験の話を中心に書き綴っておりました。しかし、そのうち思い出話もネタがつき、資格試験の方は別ブログに引越しし、いつのまにか、読書や旅行の備忘録を中心にしたサイトに変化してしまっていました。アクセス数の方も3歩進んで2歩下がる状態で、なかなか一直線には伸びてくれませんが、それでも開設当初から見れば、比較にならないくらいの多くの方々に訪問していただいています。 これからも、できるだけがんばって更新を続けていきたいと思いますので、引き続き、当ブログをご愛顧のほどよろしくお願いします。○写真は「備北丘陵公園」の菜の花 ところで、新年第1回目の記事は何にしようかと思ったが、新年早々、あまり重いものやグロいものなどは避けたいので、さわやかなお色気で、絵柄も綺麗な「舞-乙HiME(マイオトメ)(2)」である。だいぶ前に、第1巻を紹介したが、この2巻でもオトメたちが活躍している。 今回は、MAID(とても強いアンドロイド)とオトメの試合があったり、お超夫人なるマイスターオトメ(もちろんあの漫画のパロディです)が出てきたりして面白い。それにしても、オトメが極限まで追い込まれたときに見せる神秘の力が「根性」だというのには笑った。○「舞-乙HiME(マイオトメ)(1)」の記事はこちら○応援クリックお願いします。 「【フィギュア】†舞-乙HiME†アリカ・ユメミヤ 」&「舞-乙HiME(2)」(佐藤健悦/矢立肇:秋田書店) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら
January 1, 2008
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