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2025年9月16日、大統領に告ぐ(門田隆将/著)読了。副題:硫黄島からルーズベルトに与ふる書奥付を見ると令和7年8月5日第1刷発行となっている。昭和20年3月、硫黄島で玉砕寸前の日本海軍司令官・市丸利之助少将が米国大統領フランクリン・ルーズベルトに宛てて書いた一通の手紙とその翻訳文は実在していて米国海軍兵学校博物館に現存している。書いたのは海軍少将市丸利之助で翻訳したのはハワイ生まれの日系二世の三上弘文二等兵曹。海軍最後の突撃の時に村上治重通信参謀が腹にまいて突撃した。米軍は戦闘の後色々な情報を得るために確認をしていて本文と訳文も突撃後に米軍に確保されている。4月4日にはニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙従軍記者エメット・クロージャ―が本社に打電しているが記事になったのは3ヶ月後の7月11日のヘラルド・トリビューン紙。約1万文字にも上る膨大な記事となった。しかし、この手紙が日本で知られるには長い年月を要した。GHQの情報統制と洗脳政策にも依るところが大きい。手紙の内容はとても冷静で世界情勢の把握も確かなもので戦後の米ソ冷戦迄危惧している素晴らしいもの。著者は伝聞などではなく、現物の確認や多くの人への取材や現地訪問などによりこの本を書いている。敗戦により歴史で消し去られてしまった部分がこの本により少しだが呼び起こされている。原文と英訳及び現代語訳は下記。https://ja.wikisource.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%8B%E4%B8%8E%E3%83%95%E3%83%AB%E6%9B%B8私の読書記録索引はこちらをクリック。
2025.09.17
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