全4件 (4件中 1-4件目)
1

2025年2月28日、私が見た未来(たつき諒/著)読了。副題:完全版奥付を見ると2021年10月8日第1刷発行となっていて、私が手にしたのは2022年5月2日第12刷発行となっている。1999年発行の「私が見た未来」の表紙に「大災害は2011年3月」と書かれていて東日本大震災を予言していたとして話題沸騰したが、絶版で伝説となっていたので復刻改訂し、解説も付けたのがこれだ。最初に「私が見た未来」が刊行されたのは、ノストラダムスの大予言の期日が何事もなく過ぎ去ろうとしていたころ。表紙に「大災害は2011年3月」と書かれていて、作者はこの本の刊行で漫画家を引退した。しかし、出版から12年後に東日本大震災が発生して一躍注目されることとなり、絶版となっていた本は希少価値もあり10万円超で取引されるようになっていた。話題はどんどん膨れ上がり、作者になりすました者がインタビューに答えたり、インフルエンサーが勝手な解釈を付けたり、地上波のゴールデンタイムでも紹介されたりと日本中をざわつかせた。著者が22年の沈黙を破って今回「完全版」として出したのには理由があって、「私が見た未来」は著者の夢日記の抜粋で、新たに「本当の大災害は2025年7月にやって来る」が先の時と同じようにはっきりと見えたから。著者は漫画家。夢は誰でも見るが起床後忘れる。著者は結構憶えていることに気が付いて、それを書き留め始めた。1976頃のことだ。そんなことをしていたら、印刷会社で使う「束見本」と称する表紙だけで中身は白紙の本をもらってそれを使うようになった。それが1985年。著者の場合の予知夢は自分のことに限られているような気がする。1992年8月31日に見た夢:ダイアナと呼ぶ年配の女性の声とDIANNAとの文字。ダイアナ妃が死亡したのは5年後の同日。著者はこの夢の前年に渡英して王宮も訪れていた。1995年1月2日に見た夢:赤い大地に2ヶ所の大きな亀裂が入っていて、天上に人が居て、「連れて行って」と頼んだら、「まだ、今はダメよ。5年後ね、5年たったら迎えに来るわ」と言われた。何のことだか判らなかったが、自分の役目が終わる時で、2025年に日本列島を襲う、地球規模の大災害が見えていて、その警鐘をするのが私の最後の役目だ。漫画の中で書いた大津波は2011年3月のことではない。著者は津波の夢を10代の頃に見ていた。東日本大震災は冬だったが、夢の大津波の時は半袖姿だった。なので、この後の2025年7月のことだろう。日本とフィリピンの間辺りの海がポコンと膨らんで爆発するような巨大なものだ。津波の高さは東日本大震災の3倍はある。その波の衝撃で香港から台湾フィリピンまでが地続きになってしまう。大津波は大変なのだが、著者には物凄く輝かしい未来が見える。作者あとがきに、「夢を見た日が現実化する日ならば、次にくる大災難の日は2025年7月5日、と言うことになる。私の読書記録索引はこちらをクリック。
2025.02.28
コメント(0)

2025年2月24日、許されざる者たち(島田洋一/著)読了。奥付を見ると2024年12月31日第1刷発行となっている。「まえがき」に、日本を正道に戻し、その潜在力を解放するため、呆れ、怒りを覚えざるを得ない実態を実名入りで明らかにし、厳しく批判した。あわせて具体的な処方箋も示したつもりである。と、ある。第1章 国会に巣食う者たち●エリート主導の「日本漂流」:米国でも成立できないLGBT法をバイデンの圧力に屈して成立させた、岸田文雄、稲田朋美。●ひたすら左翼に迎合する政治家:総裁選のさなか何の具体策も明示せずに日米地位協定の改定を強調した石破茂。●誕生すべきでなかった政権:石破茂が総裁選で掲げた「アジア版NATO」だが、対象国を明かさない。以前に鳩山総理も掲げていたが中国は入っているが米国は除かれていた。●増税を異様なまでに偏愛する野党幹部:野田佳彦は「安保法制の違憲部分を正す」としているが、2017年の朝鮮半島危機の時に米軍補給艦の防護を海上自衛隊がおこなったが、何もしなくて米国が安保破棄をして来たらどうするのだ。しかも増税推進だし、幹事長の小川淳也は消費税を25%にするとしている。そして、石破政権には石破共々岩屋毅外相に中谷元防衛相と北朝鮮に寄り添う日朝議連の幹部が並ぶ。拉致被害者奪還は口だけ。●自民党から共産党まで不見識かつ無責任:エネルギー政策では押しなべて太陽光や風力などの変動電源を偶像視する無責任姿勢。太陽光発電では中国に金が流れているし、河野一派などの反原発・脱炭素勢力に引きずられれば日本は終わる。●庶民を痛めつける悪政:歪みの大きいガソリン税制、税に税をかけるなど言語道断。移民問題でも世界のカモ。●核廃絶パフォーマンス:米国の核の傘に守られていながら、非核三原則と叫んでも馬鹿にされている。日本が核武装するのはそう簡単ではないが同盟国の核で抑止力を高める。現実に中国・北朝鮮の核兵器は日本に照準を合わせて準備完了だし、発射されたらすべてを迎撃するのは不可能。●独自の判断基準を持たない首相:ロシア・ウクライナ戦争への無定見な援助。ハマスの援助機関と堕したUNRWAへの資金提供。台湾近辺の安全保障へのあいまいな態度。等々明確な態度表明と行動がない。●「トランプ流」が成り立たない日本:トランプは強気の発言をするが日本の首相はそうはいかない。米国では政府が法案を提出しない。あくまで行政だ。法律は全て議員立法。国会審議を使って大統領を制御できないが、日本では国会が止まると政府が身動きが取れなくなる。第2章 政策を動かしうる危険人物「日本のエネルギー基盤を破壊」して、ことさら国を貧しく弱くしようと動く許されざる「うすら左翼」政治家が跋扈しているが、与党においてその象徴的存在が河野太郎。頑なな脱炭素・反原発イデオロギーで日本社会を滅亡に追い込みかねない。彼が国際再生可能エネルギー機関で演説したが、脱炭素は「世界の趨勢」と言っている。しかし、当時はトランプ大統領で全く逆だった。トランプ大統領は「世界の趨勢」ではないと日本の外相が宣言。国際エネルギー機関の統計でトランプ時代の米国の炭素排出量削減は世界一位。大林ミカ騒ぎの調査を岸田首相は河野太郎にさせている。問題の核心に居て一族の日本端子の疑惑もあるし、本人は「ネトウヨが騒いでいるだけだろう」とうそぶいているのに。河野太郎はあの手この手で原発つぶしをやっている。モスクワでの日ロ外相会談後の共同記者会見では、ラブロフ外相に好きに発言させておいて自分はだんまりでいながら、会見後に日本の記者だけを相手に会見を開きそこで好きに発言すると言う、外相として恥ずかしき姿。河野太郎は部下や自分より下に見た人間には外道のような言葉遣いで接するが、国会内や記者会見では「はい、次の質問」とか、「所管外」を連発して、質問に答えようとすらしない。第3章 日本叩きの武器従軍慰安婦とは、吉田清治の捏造を朝日新聞が大々的に報道したことだが、大きく国益を棄損。朝日は虚偽として謝罪記事を小さく書いたが、河野洋平の官房長官談話及びその後の記者会見での発言を、日本政府がいまだに否定していない。韓国をはじめ外国では単なる売春婦であったと証拠を上げて論文が発表されているが、肝心の日本政府が弱腰なので話にならない。第4章 拉致と議員●めぐみさん「死亡」を楽しげに語る男:生方幸夫、石井一、など。●ワイドショー・タレントの「本音トーク」:テリー伊藤、山本一太、など。●「日朝議連内閣」が発足:金丸信、江藤征四郎、中谷元、岩屋毅、石破茂、二階俊博、辻元清美、福島瑞穂、など。●東アジアを担当する外務官僚の宿痾:江藤征四郎、岩屋毅、平沢勝栄、田中均、藪中三十二、石井一、など。●「国際合同調査委員会」という危ない変化球:河野洋平、江藤征四郎、など。●元外務事務次官の不可解な「証言」:齊木昭隆、など。●北朝鮮と統一教会・左翼政党第5章 戦争を招いた脱炭素原理主義2022年2月25日、米リベラル派の知的牙城であるハーバード大学アメリカ政治研究センターが発表した世論調査結果が話題に。米有権者の62%が「トランプが大統領だったらプーチンのウクライナ侵攻は起きなかった」と答えた。共和党員が85%で自然だが、民主党員でも38%がイエスと答えているのが驚きだ。なぜか? 3月10日にトランプはインタビューで「私が相手にしていたらプーチンはこんなことはしなかったであろう。私はプーチン、習近平、金正恩とうまくやってきた。それは彼らが善人だからではない、私は彼らのことを分かっていたし、彼らも私のことを分かっていた。愚かな行為に出れば、大いなる報いに見舞われることを知っていた。彼らは100%、自己利益しか見ていない。プーチンはロシアのことしか見ていない。今回のことは、彼らが我々のリーダーを尊重していないから起こった。」と語った。続けて3月12日の演説で、不法移民大流入、アフガニスタン撤退作戦の大失敗などを例示した後で「米国史上最悪の大統領5人を合わせてもジョー・バイデンがこの13ヶ月で国にもたらした災厄には及ばない」と語った。特に現地での米軍協力者たちをタリバンの毒牙に委ねる形で置き去りにした、米軍の潰走は、アメリカの信頼性を大いに傷つけた。バイデンには自分の考えは無く、議会民主党の流れに乗っているだけ。米国では議員立法だけなので、民主党は、共和党が否決するのを見越して、国民受けの極端な法案を出してきたりする。2019年、火力発電所廃止や脱航空機などを盛り込んだ脱炭素法案では当時上院議員だったカマラ・ハリスなどが推進していたが、中身があまりに極端なので民主党議員47人中43人が棄権した。第6章 移民無法地帯米国では「移民にやさしい」バイデン政権発足後、2024年11月までの4年弱で1500万人の不法越境者。昔は「文明」の名の下に先進国が後進国を植民地にしてきたが、現在は「人権」の名の下に後進国が先進国を植民地化している。日本の首相岸田文雄はサウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦を歴訪後、これらの国にそれぞれの国民は人口の1割しかいないで移民をうまく活用していると発言。2023年に難民申請は2回までと字面だけは改定されたが、齋藤健法相が日本で生まれて18歳未満の子とその親に特別在留許可した。不法移民にやさしい日本のメディアは「可哀想」として盛んに擁護する。バイデン大統領の悪政例:①国境の壁の建設中止、②キャッチ・アンド・リリース(再放流)復活、③「メキシコに留める」政策廃止。バイデンは国境付近で野宿する移住希望者を可哀想だとして知人宅での待機を認めた。当然彼らはその後行方不明となり社会に溶け込んで分からなくなった。子供に優しい故、越境者に子供を斡旋する輩が出て、入国後は子供は放置されてしまう。さらに、越境出産だ。出生主義の米国ではどんな形でも米国で生んでしまえば米国民だ。子供だけではない、市民権を得た高齢親族が待ち行列を飛び越して米国移住し、福祉を食い物にしている。これら移民は彼らに優しい民主党に投票する。日本でも左翼政党程移民に寛容だが、日本の福祉は食い物にされている。経済界も安い労働力欲しさに移民に寛容。米国には「不法移民聖域市」とテキサス州などの国境で奮闘している所との軋轢が増していて、奮闘している所から聖域に不法移民の移送をして物議を醸している。2021年9月、国境警備にあたる騎馬部隊が「越境者を馬で蹴散らし、鞭で打った」とする写真付きの報道がありバイデン大統領は自国の警備隊を非難したが、その後この写真を撮影した記者が「その事実を否定」し、バイデンもハリスも困惑することになった。テキサス州のアボット知事は不法移民が好むリオグランデ河の渡河地点に球状のブイを連ねた障害物を設置した。球が回転するので超えることが困難で非人道的だとバイデンは裁判を起こしたら、テキサス州を管轄する連邦地裁判事は撤去の判決を出した。しかし、アボット知事は控訴中。大統領がトランプになったから撤去はさせないだろう。第7章 血税と外務省多数の天下り財団を設立している財務省の利権構造には焦点が当たることがあるが、外務省も独自の利権構造を構築している。国際機関に多数加入し、多額の拠出金を出せばそこに席を確保できるしその周りの利権も確保できる。世界食糧計画や国連食糧農業機関などは度々北朝鮮に食糧援助を呼びかけ実行しているが、北朝鮮はそのお金を核開発など軍事に回している。国連パレスチナ難民救済機関はハマスの物資調達部門になっている。国連関連機関には約1000人の日本人が勤務していて幹部職員だけでも91人で、それに見合った拠出金を出しているが、国益に資する訳でもない。2017年日本人女性初の国連事務次長に就任した中満泉が国連の軍縮トップとして2023年にニューヨークで開催された核兵器禁止条約第二回締約国会議を取り仕切った。しかし、日本は米国の核の傘に守られているし、この会議にオブザーバーの派遣すらしなかった。多額の資金を提供して得た事務次長の椅子だが何の役にも立っていない。第8章 中東クライシス2023年10月7日、ハマスがイスラエルで一般人への大規模な攻撃と殺戮及び拉致をしたが、米国人も多数が拉致されたのにバイデンは特殊部隊の派遣をせず救出できていない。日本政府は岸田首相はじめ閣僚も「拉致」との表現を避け、個人の犯罪のような「誘拐」との文言を使い、世界に対して行動の自制を望むと発言。ハマスの後ろにはイランが居る訳で、日本はそのイランと友好関係を築いているつもり。トランプ大統領はイラン核合意から離脱したが、バイデン大統領は復帰し、イランは余裕ができたのでハマスなどのテロ支援ができるようになった。バイデンはスパイ容疑でイランに拘束されていた米国人4人の解放と引き換えに、米国で収監していたイラン人7人の恩赦と指名手配中の14人の免訴に加えて、4億ドルの現金をイランに空輸した。ハマスに金を渡しているようなもの。イランは味を占め、なんでもスパイ容疑にして拘束しバイデンから金をせしめている。バイデンは食料や医薬品を買う為の金だというが金に色は付いていない。バイデンの対応を見てイランにしろロシアにしろ何をしても大丈夫だと思うようになった。日本は、台湾周辺の抑止力強化を軸に外交安保政策を自主的にしないと米国や欧州からATMと思われてしまう。第9章 学術会議学術会議はGHQ統治下に設置された。表向きはどうあれ、二度と米国に歯向かわないようにする為の手段の一つ。期待通りに1950年「戦争を目的とする科学研究には絶対従わない決意の表明」なる文書を発表。その後も、度々この手の表明をして、防衛省や自衛隊に関するあらゆる研究への邪魔をしている。しかし、中国の諸団体との交流は積極的に行っている。2016年に北大が防衛省に応募して採択された、微細な泡で船底を覆うことで船の燃費を飛躍的に向上させるものであったが、学術会議の執拗な攻撃で、北大は研究辞退に追い込まれた。解散が最良だが、最低でも政府との関係を切り税金の投入を中止せねば。第10章 言論抹殺著者はKADOKAWAの編集者から、欧米で大いに議論を呼んだアビゲイル・シュライアーの「不可逆的なダメージ」の翻訳出版に当たっての協力依頼を受け、快諾したが、出版1ヶ月前に出版中止となった。原因はKADOKAWA及び取り扱い書店に対する数多くの脅迫だ。このことは国内より海外で「日本の言論は大丈夫か?」と大きく話題になった。幸い、後に産経新聞出版が乗り出して邦題「トランスジェンダーになりたい少女たち」として無事出版されたので一段落はした。米国政府からの圧力に屈してLGBT理解増進法を大した議論もせずに自民党内に党議拘束までして、無理やり成立させたが、この法律の影響で日本の女性の生活圏が脅かされている。そもそも圧力をかけてきた米国では法律は議会に出されたが多くの反対で未成立だし、今後も成立の見通しはない。近年、北米セラピストの中では「肯定的ケア」として患者の意見を尊重して手術を含む治療が進んでいて、危険だ。医師は商人ではない。商人にとって客は神様だが、医師は時には患者の自己意識や願いを退けなければならない。そもそも性に対する違和感を訴える患者のほとんどが10代の女性というのは奇異。第11章 テレビ人間著者は橋下徹から「陰謀論を振り撒く百田グループ、国際政治の中で中国だけにヒステリックになっている福井大学の学者、恥ずかしい裁判を抱えている元自称ジャーナリストはしっかり指摘してこい!」とポストされた。メガソーラー上海電力がらみのことを指しているらしいが、著者は上海電力のことや具体的な個人のことを詳しく論じたことはない。太陽光パネルは補助電源としての機能はあるが大規模で安定して電気を提供しなければならないベース電源としては不適なのに、彼は前のめりになっている。テレビに盛んに出ている彼は中国がらみの企業が多くのお金を出しているテレビに出るには中国に利する発言が求められるだろう。以前は北朝鮮もテレビに影響力を持っていたが、朝鮮総連を始め昔ほどの影響力はない。欧米の自由主義国は共産中国のようなことはしない。彼の発言には一貫性や根拠がなく簡単に変わる。原発再稼働に猛烈に反発していたのに、2012年の猛暑予想で弦力不足が危ぶまれた時には一転して福井原発を動かせと言ったり、秋に大丈夫だとわかったら、すぐ止めろと言ったり。北京五輪開会式のボイコットの際には大反対で、ロシアのウクライナ侵攻では中国を刺激してはならないから手土産を持って行ってでも対露包囲網にしなくてはならないとか、在日ウクライナ人に対して、抵抗をすれば死傷者が増えるから、政治的妥協をして将来に起こるかもしれない状況の好転に期待すべきだとか、降伏すれば平安に暮らせるとか言っていたが、実際にロシアに占領されたら、ウクライナは市民を丸ごと避難させて街をロシアにわたせだとか、色々ある。彼は米国を全く理解していない。中国が攻めて来て降伏したら、米国が黙って居る訳がない。これは日米安保があるからではない。日本の基地には米軍とその家族が居る。それらを守るためには日本人は二の次だし、地政学上日本列島を手放せないことぐらい分からないのか。私の読書記録索引はこちらをクリック。
2025.02.24
コメント(0)

2025年2月12日、ルネサンスvol18 報道の不自由(本間龍他多数/著)読了。副題:腐ったメディアに誰がした?奥付を見ると2024年8月26日初版発行、2024年10月10日2刷発行となっている。最初に、悲しいかな、現代日本のメディアは腐っている。その経緯をたどれば、GHQ統治時代にまで遡る。その構造的な問題は、根深く、底が知れない。その裾野は、国の中枢にまで広がってしまっている。そしてその事実に、国民の多くが気付いてない。「ここまでくるともう、正すのは不可能かもしてない」・・・と、つい諦めてしまいたくなるのが本音だ。しかしルネサンス編集部は、追及の手を緩めない。執筆陣の先生方には、大手出版社では出せないほど赤裸々かつ大胆な原稿をお寄せいただいた。その甲斐あって、今回の特集は本誌にとっても、これまでにないほど挑戦的な内容になっている。もしあなたが「日本の報道は自由だ」と信じているなら、どうかこの特集を熟読し、その真偽を見極めてほしい。と、ある。①メディアの支配者電通、本間龍2023年は長期に渡って日本の広告・メディア業界を牛耳ってきた2大企業が試練に立たされた年だった。ジャニーズ事務所と電通だ。ジャニーズは英BBCの告発が最初で、大騒ぎとなった。電通は東京五輪談合汚職。東京五輪は金まみれの五輪となり札幌五輪招致も中止となった。逮捕者まで出たが、報道はそれにとどまり、電通への批判はあまりなく、スポンサー離れも起きてない。電通は国内150社、海外650社の企業集団で構成される超巨大企業。21年度売上高は5.2兆円で日本の情報・サービス業で断トツの1位、単体では世界一の広告代理店。政治的には自民党との結び付きが非常に強く、電通出身の国会議員が多数いる。結党以来同党の広告宣伝を担当していて自民党専任部局がある。数多くの自民党議員の子弟が縁故入社している。メディアにニュースを提供する共同通信社と時事通信社の大株主であり、ほとんどの民放テレビ局の株主だ。つまり、日本のメディアは電通を批判するのが難しい構造になっている。電通の主な業務は、●数百社に及ぶ企業のCM・製品プロモーション。●巨大イベント(五輪、W杯、万博、世界陸上等)の企画・運営・招致・開催・放映権ビジネス等々。●原発事故以前の原発広告展開、批判報道の封じ込め。●原発事故後の復興プロパガンダ展開。●自民党選挙スローガン開発、選挙CMの作成放映。●G7サミットなどの政治イベント立案・開催。●中央官庁の施策(持続化給付金、マイナポイントキャンペーン等)、全国市町の大型イベント受注・開催。●テレビ局・出版社とのメディアミックス映画製作・公開。昭和天皇の国葬も電通が取り仕切ったし、2020東京五輪の広告宣伝も電通一社の独占だった。創業は1901年で1907年に日本広告社と日本電報通信社が合併し、通信と広告の兼営会社になった。1947年、第4代社長の時に「鬼十則」が掲げられ、支那大陸などからの大量の引き揚げ者、旧軍人・満鉄関係者を大量に採用。彼らが政界・官界・財界・マスコミ界に人脈を構築し、高度経済成長期の民放テレビ・ラジオの登場で急成長し、1974年に広告取扱量世界一になった。巨大化した理由。1)世界では禁止されている「同業種多社制」が日本では規制がない。例えば、外国ではトヨタとホンダの広告を同じ会社が受注できない、だが日本では許されている。2)広告にまつわるすべての業務を一括して取り扱う。発注する側は楽なのだ。3)メディアの広告枠を購入することとそれを販売することの両方を一社で取り扱っている。メディア側もスポンサー側も電通と博報堂の言いなり。日本の4媒体(新聞・テレビ・ラジオ・出版)全てが電通と博報堂に握られていて、電・博が全ての枠を購入してしまっているから両社を通さないと広告が出せないようになっている。著者が日本で営業している海外資本の広告代理店に取材を申し込んだが軒並み断られた。匿名を条件に一社だけが応じた。電通と博報堂、特に電通がほとんどの広告枠を独占しているから電通に睨まれると日本では営業ができない。サンデー毎日に連載予定だった東京五輪批判記事が一回目掲載後全て没になった。理由は五輪組織委と電通からこのような記事を掲載するのであれば五輪関係の取材はすべて断ると言われた。五輪の無償ボランティア問題の本を出したら「ミヤネ屋」から出演依頼が来たが2日前に突然キャンセルで理由も不明。「あさチャン」から取材があり五輪批判をしたが放送当日に突然キャンセル。このようにメディアの電通忖度は続いている。2023年、「羽鳥慎一モーニングショー」で玉川徹が、安倍晋三国葬での菅義偉の弔辞は電通が書いたと喋ったら、10日の謹慎となり、テレビ朝日の社長が電通に謝罪に赴いた。70~80年代までは電通は現場に直に介入していたがSNSの発達した現在は控えているが、メディア自体が忖度することで同じことが起きている。独占禁止法に違反することでも官僚も政治家も恐れて手を出さないから現在でも影響力は維持されている。②戦後のGHQプレスコードと現在の情報統制、ジェイソン・モーガン米国は自由の国といわれるが、そもそも概念でできた国で、「自由」と言う概念を維持するには情報統制が欠かせない。「自由の国アメリカ」は日本に対して一般国民まで大量に殺戮した容赦のない戦争をしたのに、戦後は「自由のために戦った」と自らの戦争犯罪を隠蔽し正当化しようとした。その上、日本へ自由をもたらすどころか、占領下では徹底した検閲を行った。報道各社に対して「プレスコード」として指示を出し、徹底的に検閲をしてそれに従わせた。それが現在まで忖度として残っている。米国は戦争で犯した犯罪を隠しておきたかった。原爆の放射線被害や東京大空襲のことなど。そして、日本が二度と米国に楯突かないように、戦争責任が全て日本に在るように洗脳することにあった。米国のプレスコードを実現するには占領軍だけではできなかった。日本語ができる人員が不足していたからだし、検閲の範囲が一般国民の書簡にまで及んだからだ。英語もできる日本人がそこで働くこととなった。先日まで敵として戦っていたが必要な人員は確保できるようになった。占領が終わってもその影響は終わっていない。GHQに協力した高野岩三郎がNHK会長になったことでNHK放送がGHQの影響を受けることになったし、読売新聞の正力松太郎はCIAの工作員であったし、読売が親米なのは有名。日本の戦後体制が米国のために犯した罪の実態は今でも闇の中。朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争、アフガニスタン戦争、ウクライナ戦争、ガザでの戦争まで日本の対応はすべて米国べったりなのだ。日本ではスパイ防止法も作れないし、諜報組織も作れない。③コロナ禍があらわにした情報統制の闇、森田洋之政治とメディアの腐敗が囁かれていて、それを最も象徴しているのが「コロナ対策の裏で行われていた情報統制」だ。高齢化の影響もあって、死亡者数自体は毎年増加傾向にあったが、ワクチン接種を開始してからその増加が尋常ではないし、ワクチン接種との正の相関が著しい。楊井人文弁護士が厚労省に情報開示請求をして2700頁のほぼ全てが黒塗りされたものがでてきた。黒塗りで詳細なことは分からないが、少なくとも政府がYouTubeなどSNSインフルエンサーを使ってワクチンのメリットだけを国民にバラ撒いていたことが分かった。だが、報道各社はこのことを全く報道しなかった。しかも、政府がユーチューバーに多額の報酬を支払っていたことも明らかになった。国会で参政党の神谷宗幣議員の質問に政府広報室は「ユーチューバー9人に3200万円の報酬を支払っていた」とあっさり回答した。河野太郎がユーチューブで「アメリカで2億回打って死亡ゼロ」とか「心筋炎になることはあるが大したことはない」と公言したが何の根拠もない発言だし、デマを取り締まると公言していた河野太郎の発言は許されない。心筋炎だけでなく、ワクチンの成分が卵巣に流れ込みそこで見つかっていることをファイザー社自体が認めている。ワクチン接種が開始された2021年から卵巣がん患者が急増してその傾向が続いている。政府は「新型インフルエンザ等対策行動計画」を改正しようとしている。内容は感染症が流行る前の段階から監視して情報統制しようとしている。新たな感染症がいつ始まるのかなんか誰にも判らないので前段階からというのは常時という意味になる。これは検閲で憲法違反だ。この情報統制はコロナ対策と称した「緊急事態宣言」で明確なように、学校始め図書館・公民館など公的なものが閉鎖され、飲食店なども閉店に追い込まれ、国民は家に押し込められてテレビなどの情報に縛られてしまった。こうなると国民を操るのは簡単だ。④しのびよる「メディア・コントロール」の恐怖、西村幸祐2024年7月13日のトランプ大統領候補が選挙集会の衆人監視の下暗殺されかけた。この狙撃事件でトランプは辛うじて助かったが、トランプ以外に死亡1人と負傷が二人出た。世界中が注目する大統領選挙の最中の集会で多くのカメラが撮影している所で起きたので従来のテレビなどを通しての報道とは異なりSNSで多くの情報が飛び交った。テレビなどの好き勝手な編集後の報道から即時性の編集などされていない情報が世界中を駆け巡った報道となった。1960年に始まった大統領選挙でのテレビ討論は9月開催だったが、今回は6月開催で、バイデンの認知症が疑われて大統領選挙から降ろされてしまった。バイデンのこの症状は2020年の選挙の時に既に現れていたが、当選してしまった。しかし、今回は反トランプの急先鋒のCNNが6月に開催してバイデンを下ろしてハリスに時間を与えたような形だった。日本の閉ざされた情報空間に住む日本人をよく表したものとして、安倍晋三が暗殺された翌日の朝刊の見出しは「読売」「朝日」「毎日」「日経」「産経」全てが一面トップの見出しを「安部元首相撃たれ死亡」と全紙が全く同じにしたことで判る。トランプの時は「暗殺未遂」と「暗殺」との表現を用いたが、現在に至るまで安倍晋三の事件には「暗殺」との表現を用いない。日本以外のメディアは全て「暗殺(assassinate)」を使っているのに。日本の大手新聞社が独自の見出しを出せなかったことを日本人は不思議に思って騒いだりしないくらい飼いならされている。日本のテレビ局は新聞社と強いつながりを持っているが、米国では法律で禁止されている。⑤世界情勢を理解するカギ「情報ピラミッド」を使いこなす、北野幸伯「情報ピラミッド」とは著者が考え出した用語で、世界には国の数だけ存在するが影響力の大きなものは次の5個。1.米英情報ピラミッド、2.欧州情報ピラミッド、3.中共情報ピラミッド、4.クレムリン情報ピラミッド、5.イスラム情報ピラミッドで、日本は米英の内。2003年のイラク戦争はイラクが大量破壊兵器を所有と2001年の同時多発テロのアルカイダに肩入れしていることだとなっていたが、現在ではどちらも否定されていて、真の目的は石油利権だと分かっているが日本では全く報道されない。これはただの一例だが、日米で報じられていることとロシアで報じられていることではほとんどが真逆だ。これは今に始まったことではなく為政者が情報操作をするからで、自国内の情報だけを見ていても分かることはほとんどない。複数の「情報ピラミッド」を見ないと分からない。⑥「30年デフレ」と日経新聞の責任、田村秀雄著者は30年以上日経の記者。日経は一貫してデフレを重大視せず、緊縮財政路線をとる財務官僚に賛同し、日銀の金融引き締めに同意。そして、デフレ圧力が去らないのに、消費税増税を勧め、利上げや金融の量的削減を支持してきた。その論調は”デフレ容認”なのだ。平成バブル崩壊の号砲となった「イトマン事件」。ほとんど海外に居てたまたま土曜日に日本に居てデスク担当だった著者のもとに「超弩級」のスクープが持たされた。持ってきた記者は著者がデスクに居たので持ってきた。一面トップ級の内容なのに、記者はそれでは上に行って潰されるから三面にそっと載せてくれと頼むのでそのようにした。他紙はどこも後追いをしてこなかった。日経はその後この件を矮小化するのに躍起となったが、91年12月19日、イトマン事件公判で検察側から小早川被告が90年10月頃、イトマンのマスコミ対策の一環として日経社内の協力者に1000万円を渡したとの冒頭陳述。先の三面記事を見たイトマンを食い物にした闇の勢力は記事を書いた記者を必死になって特定して個人情報を得ようとした。大塚記者の主ニュース元だった住友銀行の国重惇史は「住友銀行秘史」を出版した。大蔵省も日銀も不動産バブル崩壊を黙認した。日経は「イトマン事件の詳細と意味付けを報じてバブル融資の警鐘を鳴らす」ことに背を向けた。日銀はイトマン事件後、激増し始めた銀行の不良資産を知りながらも沈黙した。著者は日銀が持つ銀行の不良資産データを入手して記事にしようとしたが日経上層部はそれを許さなかった。イトマン事件後も日経が、財務省、日銀、メガバンクに忖度する姿勢は今も変わらない。⑦日本に悪影響を与える北海道の左翼マスメディア、小野寺まさる先の衆議院議員補欠選挙東京15区での「つばさの党」の選挙活動は表現の自由を逸脱しているとして警察から注意されたが、それを無視するように他陣営への妨害活動は日増しに過激になり選挙後、逮捕となった。著者の周りで彼らを擁護するのは一人もいなかったが、社民党の福島瑞穂は「公職選挙法改正に反対する」と表明し、赤旗も同じ主張をした。遡ること2017年の都議選で安倍晋三の応援演説に100人を超える反安倍が巨大な横断幕と共に1時間以上にわたって「安部やめろ」「安部帰れ」をがなり立てたが、報道各社は安倍晋三の「この人達に負ける訳にはいかない」だけを取り出して報道した。つばさの党の妨害は10人程度だったが、反安倍は100人を超えていた。演説を妨害する側は「表現の自由」を掲げて正当化するが、演説している側の「表現の自由」を認めないし、演説を聞いている人達の「聞く自由」の妨害もしているが、そんなことにはお構いなしだ。選挙妨害が「表現の自由」としてまかり通るようになったのは2019年札幌での反安倍の二人が演説現場から警察により排除されたことを北海道新聞が北星学園大学教授の主張を中心に「表現の自由」の侵害として報道し始めたことが大きい。この日から「安部首相に野次を叫ぶ側の人間」を「権力暴走と戦う正義」とし、「”表現の自由”を奪った北海道警察と安倍政権を悪」とした、ことに始まる。道内新聞シェア75%の道新はこの姿勢を続けて、北海道だけでなく全国の世論を「選挙妨害」から「表現の自由」へと導き、北海道放送がドキュメンタリーを放映したら日本ジャーナリスト会議の「JCJ賞」、放送批評懇談会の「ギャラクシー賞」など様々な賞を受賞し、書籍にもなり、「ヤジと民主主義」と題する映画となり全国で上映された。当然排除された二人は映画では英雄で、大手新聞もテレビのキー局も大きく取り上げて宣伝した。道警に排除された二人は裁判に訴えて札幌地裁は二人の主張を認め道に88万円の賠償を命じた。札幌高裁は女性の主張を認めたが男性の主張は却下知った。最高裁の判断はまだだ。新聞やテレビの執拗な偏向報道が裁判に影響したことは否めない。しかも、このことがつばさの党の支えとなっている。一般市民のヤジが合法なら立候補して選挙戦を戦っている候補者の表現の自由は保障されなければならないとしている。ただ国民世論はつばさの党の行為を表現の自由とは認識しておらず、選挙妨害と考えているし、つばさの党の三人は東京地検から起訴されたしその後選挙妨害容疑で警視庁に再逮捕された。北新もこの事態を擁護したいが自己矛盾に陥った記事しか書けていない。⑧アメリカ政治をむしばむメディアの真実、藤井厳喜米国大統領選挙でのメディアの予想はインターネット・メディアも含めてx以外は民主党有利だ。多くの世論調査ではトランプ有利なのだが。民主党上院院内総務のチャック・シューマーは違法入国者に市民権を与えろと主張している。少なく見積もっても1100万人、多分1400万人は居るだろうが、これらの票は民主党だ。前回の大統領選挙での不正の手口は電子投票への外部からの操作と郵便投票での複数投票。ペンシルベニア州では有権登録者数より投票数が多かったのに有効となってバイデンになった。そもそも、米国大統領選挙は民主党に有利になっていた。それはニューヨークタイムスにワシントンポスト、それにCNNと三大ネットワーク(ABC,NBC,CBS)が全て民主党寄りだからだ。FOXが保守寄りだったが、そのFOXもトランプ支持ではなかったがトランプが予備選を勝ち抜いた辺りから変わった。しかし、2020年の選挙では反トランプだった。2016年の選挙まではインターネットには言論の自由があったが、2020年の選挙ではツイッターもフェイスブックもユーチューブも軒並み検閲がおこなわれ言論の自由はなくなってしまい、バイデンが勝利した。そして、選挙後トランプはインターネット・メディアからも締め出されて発言の機会を封じられてしまった。2020年の大統領選挙で不正があったことは完全に虚偽とされた。日本のメディアは全てが米国に追随だし、今もそれは変わらない。著者もその被害にあって日本のメディアから締め出されてしまった。この言論統制に風穴を開けたのがイーロン・マスクのツイッター買収だ。マスクは言論統制の実態を第三者に調査をさせて「ツイッター・ファイル」として公開した。そこには「ツイッターが民主党と民主党系の影響力の強い司法省とその傘下のFBIの指示のままに言論の自由を妨害していた」と書かれている。単に反トランプだけではなく、コロナウィルスに対するワクチンの副作用の情報も徹底的に弾圧されていた。マスクが買収してXに言論の自由が戻ったことはトランプが圧勝する一因にもなった。この一件を象徴するのがFOXのニュース・キャスターのタッカー・カールソンだ。彼はFOX内で明確なトランプ支持者だったが、2020年の不正選挙に関して完全に口を封じられてしまって彼は退社。その後Xで発信しているが物凄い人気でFOX時代より有名になっている。トランプへのインタビューは勿論のこと、ロシアのプーチン大統領への単独インタビューはたちまち数億回の再生となった。民放の視聴は無料だがスポンサーがお金を出しているので、スポンサーの不利になる放送はあり得ない。新聞は有料だが、新聞には広告が掲載されていて、購読料を低く抑えているのだ。当然、広告主には逆らわない。テレビにしろ新聞にしろ広告主の都合のいいように運営されているのだから広告主の都合が最優先なのだ。⑨「報道の不自由」を2つの視点から考える、ルネサンス編集部2024年の報道の自由度ランキングで日本はさらに下がって70位。その主な理由:●日本の社会文化的背景から、政府や企業が日常的に主流メディアの経営に圧力をかけており、その結果、汚職、セクハラ、健康問題、環境汚染など、デリケートとみなされる可能性のあるテーマについては厳しい自主検閲が行われている。●日本における記者クラブ制度は、既成の報道機関のみが記者会見や高官へのアクセスを許可されている。これは記者に自己検閲を促すものであり、フリーランスや外国人記者に対するあからさまな差別。報道の不自由は専制国家の専売特許と思いがちだが、民主主義を称する日本でもこの改善は進まない。”圧力””利権””沈黙””忖度”などが常態化している。さらに、世界中で「メディア・コントロール」当たり前のように行われている。日本メディアの特殊性はクロスオーナーシップと記者クラブとだ。1)クロスオーナーシップ:新聞社が国の免許事業であるテレビ・ラジオを資本支配することで、テレビ・ラジオは新聞社の嫌がることができない。新聞の再販や押し紙などは取り上げられない。クロスオーナーシップはメディアの寡占状態を招くので欧米では禁止されている。放送法91条などで制限が掛かっているが2008年に持株会社が許可されて寡占化が進み、新聞社によるテレビ局の支配が進んだ。2)記者クラブ:記者クラブの始まりは、1890年の帝国議会開会での政府による取材制限がおこなわれ、それに反発した報道各社が団結して傍聴を求めたことに始まる。始まりは健全だったが、現在は見る影もない。●記者クラブに入る条件が日本新聞協会加盟社だけなので、外国メディアは勿論のこと国内メディアでも新規参入は難しい。●政府が記者クラブ限定で記者会見を開くから一部のメディアに情報利権が生まれた。●政府の便宜供与として無償か超低額の記者室使用料や光熱費負担など税金が投入されている。●記者クラブは自らの問題については一貫して報道しないので、その”閉鎖性”や”都合の悪い事実を報道しない”といった弊害を国民が知ることがない。これまで、「国境なき記者団」やOECD、欧州議会、ニューヨークタイムスなどが批判を繰り返してきたが、当の記者クラブは恥も外聞もなく自らの既得権益を守ることに汲々としている。次に、「権力によるメディアの情報統制」だ。本来「中立性・公平性」が求められる報道だが、政府や強大な力を持つ企業などが都合の悪い事実を隠蔽して報道させないことが起きている。第2次大戦時の報道やジャニー喜多川問題などを見れば分かるが、メディア側は権力にこびて事実を報道しなかったが、時期が来ると自らが隠ぺいしていたことを棚に上げて、糾弾する。この姿勢は変わっていない。90年代のインターネットの登場で既存メディアに比較して言論の自由があったが、最近はそのインターネット空間へも国家だけでなく巨大IT企業が情報統制をして、人々をコントロールし始めている。このままでは未来が”全体主義””戦争””国民の奴隷化”となってしまう。常に自分の頭で考え、疑問を持ち続けていけば、必ずや本物の情報を見極める目、正しい情報をどう入手するかが見えてくるはずだ。あとで、”知らなかった””気づかなかった”と言っても遅いのだ。私の読書記録索引はこちらをクリック。
2025.02.12
コメント(0)

2025年2月7日、読んでびっくり朝日新聞の太平洋戦争記事(安田将三、石橋孝太郎/著)読了。副題:いま問われる新聞のあり方奥付を見ると1994年8月17日初版発行となっている。著者の2名は現役記者とある。著者が当時の朝日新聞が戦争をどう伝えていたかに疑問を持ったことから当時の新聞記事を調べたもの。大きい事件、真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、東京大空襲、原爆投下、などをまず読んでみた。開戦を伝える記事こそほぼ正確に書いてあるが、ミッドウェー海戦は日本の勝利であり、東京大空襲や原爆投下は数行だ。読めば読むほどその酷さに驚く。当時の国民はこれを見て戦況を知る訳だが、内容が酷すぎる。これを見て意気揚々と戦場へ向かったり送り出したりしていた訳だ。そして、戦後も平気で現在でも新聞を発行している。対象の新聞は昭和16年12月8日から昭和20年8月15日までの朝日新聞の記事。真珠湾攻撃で撃沈した戦艦は4隻で全数が17隻だから大半が残っているし、空母はそこに居なかった。軍の発表はほぼ正確だったから、朝日の「壊滅」報道は過大すぎる。12月10日には主要新聞が合同で「米英撃滅国民大会」の大集会を開いている。朝日の緒方竹虎主筆は昭和19年に、新聞の検閲、統制を担う内閣情報局総裁に就任、国家権力と戦うどころか報道を取り締まる側に身を置いた。開戦直後の朝日の論調には感情的な表現が多いが、同時期のニューヨークタイムスの記事は通常と変わりなく冷静に事実を伝えている。昭和17年初めに2度程、米国本土を爆撃したが、焼夷弾を落としたのと、砲撃した程度で、損害はほとんどなかった。しかし、朝日は具体的内容は全くなしの米本土を爆撃したと大騒ぎの記事。昭和17年4月18日、空母ホーネットから発艦したドーリットル爆撃隊が東京・川崎・名古屋・神戸などを爆撃して支那大陸へ着陸した。朝日の報道は敵機を撃墜したと靖国神社に飾ってあった支那大陸で不時着した関係のない機の写真を新聞で大々的に報道した。撃墜されたのは一機もなかったのに。数百軒が被害を受け死者も出たのにその辺りは記事にされず。昭和17年6月のミッドウェー海戦の敗北を、朝日は大勝利と報道。「今次の一戦において米航空母艦勢力をほとんどゼロにし」、「肉を切らせて骨を断つ捨身先方に出て、これに成功した」、「敵艦隊を補足撃滅したことは、今後の憂いを絶った」と大絶賛。ミッドウェー海戦に続いて、米軍の優勢を決定づけたガダルカナルの戦いの記事も実態とはまるで異なる記事だ。昭和18年10月21日、文部省主催の「出陣学徒壮行会」を褒め称えるだけで、銃剣を手に学生服で参加させられた学生が雨の中でずぶ濡れになっていることなど微塵も伝えない。「B29、130機、咋暁帝都市街を盲爆」と昭和20年3月11日朝刊の見出し。実際は300機が計画的に焼夷弾を落とし目的地を焼いて灰燼に帰した。その様子は伝えず、国民がしかっりしていないからこんなことになったとの記事。8月7日朝刊の原爆被害の朝刊は5行のベタ記事だけ。焼夷弾を投下としか書いてない。9日の長崎原爆投下については、12日の朝刊で7行。「被害は比較的僅少なる見込み」だ。朝日が敗戦を伝えたのは8月15日付朝刊だが、実際には正午の放送後編集して印刷したものだから配達されたのは午後だった。戦争責任を問うことなく、これまでの報道を通じて戦争遂行に対する自らの責任もどこへやら、朝日の戦争報道は終わった。朝日新聞社は戦争を積極的に推進する団体であった。一例は「軍用機献納運動」で社長・会長はじめ全従業員が軍に献金しているのだが、広く国民に呼びかけている。標語を使って戦意高揚を煽ったのも朝日。特に有名なのが「欲しがりません勝つまでは」と「撃ちてし止まむ」で、「欲しがりません勝つまでは」の登場は昭和17年11月。朝日・東京日日(現毎日)・読売の大手三社が共同で全国から募集したもの。朝日への応募数は32万。朝日は「撃ちてし止まむ」のを百畳敷きの写真にして日劇の壁面を飾って話題となった。そこには英米の国旗を踏み越えて戦う日本兵が描かれていた。新聞広告を見ると、戦争に乗じて金儲けをしようとしていた企業が浮き出てくる。現代では見ることができないものに、産院が出す「もらい子」広告。備忘録で書いているがあまりに多くて書切れない。私の読書記録索引はこちらをクリック。
2025.02.07
コメント(0)
全4件 (4件中 1-4件目)
1