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金曜日に村上春樹さんの新作↓が届きました。 まだ、100頁しか読んでいませんが、出だしは『ダンス・ダンス・ダンス』のそれに似ているかなぁ~という印象を受けました。 春樹ファンなら「もう、イキナリはじまっちゃってますぅ~」って感じです。 初めて春樹作品を読まれる方でも、つかみはOK状態なのですんなりと春樹ワールドに入りこめると思います。金曜に発売されましたが、すでに4刷が決定。 発行部数は68万部だそうです。 ファンとしては嬉しいかぎりですが、女性たちの間で首都高速の路側帯に設けられた非常階段を降りるのがブームになるのではないかと危惧しています。 さて、そんな感じで5月の書籍代です。6冊 1,600円今月の当り 読書メーターで、この人の本って読む度に胸くそ悪くなるのですが、ついつい買ってしまう。。。。。という感想を拝見しましたが、それは桐野作品の正しい楽しみ方だと思います。
2009.05.31
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「このガイジン野郎!」。悪態と共に食らった顔面パンチをきっかけに、米国人学徒が東京の裏町山谷へ入った。ドヤに住み、日雇いで働きながら、寄せ場の人びとの貴重な肉声を得た労作。 <感想> ★★★☆☆山谷といえば泪橋。 泪橋といえば「あしたのジョー」 「あしたのジョー」といえばドヤ街。 ドヤ街といえば山谷。 しかし、日雇い労働者の街として知られる山谷の正確な位置を地図で指し示すことの出来る人はどれくらいいるでしょうか? 私自身もこの街から半径10キロ以内の場所で産まれていますが、正確な位置はかなり曖昧です。 イメージだけが先行していて実態はよくわからない。 それがこの街の印象です。さて、本書は山谷に関わりのある人たちへのインタビューを中心に構成されています。 街の住人である労働者。 ホームレス。 福祉施設の職員。 手配師。 市民運動の活動家。 ドヤの経営者。 マンモス交番の警官・・・。 様々な人たちから話を聴くことで、山谷のありのままの姿を客観的にレポートしています。 また、なぜこの街に労働者が集まるようになったのか? 高度成長期この街がどのような役割を担っていたのか? 歴史的な側面についても詳しく書かれています。本書が上梓されたのは91年。 経済に若干の翳りは見えていましたが、今ほどの不景気ではありません。 それを踏まえるならそこに描かれているのは現在の山谷ではありません。 かつてドヤと呼ばれた山谷の労働者の住処だった安宿ですが、現在は低予算で日本にやってくる外国人観光客で賑わっていると聞きます。 では、最底辺で調整弁の役割を担っていた労働者たちはどこに行ったのでしょうか? そして、新たに彼らの役割を引き継いでいるのはどんな人たちなのでしょうか? イメージだけが先行していて実態はよくわからない。 かつて、この街の印象でしたが、現在それがこの国全体の印象になりつつあると言うのは飛躍しすぎでしょうか?
2009.05.30
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小説界をなぎ倒す嵐(テンペスト)襲来!ノンストップ王朝ロマン。美と教養と見栄と意地が溢れる珊瑚礁の五百年王国は悩んでいた。少女まづるは憧れの王府を救おうと宦官と偽り行政官になって大活躍。しかし待ち受けていたのは島流しの刑だった--。見せ場満載、桁外れの面白さ!<感想> ★★★☆☆あらすじに「桁外れの面白さ!」とありますが、とにかく面白い作品です。ただ、それ以上でもなくそれ以下でもないというのが正直な感想です。この作品をコミックにすれば『日出処の天子』ぐらい面白いし、ドラマ化すれば『大奥』並の絢爛豪華な映像が見られるはずです。 しかし、小説として読むと深みに欠けて、ノべライズ作品を読んでいるような気分にさせられました。 こういう作品に出会うと「著者の力量が・・」とか「稚拙な文章が・・」などと口にする方がいらっしゃいますが、それはまた別の次元の話です。 なにせ本書は二段組の上下巻です。おそらく文庫になれば4冊組になると思います。 この長さの作品を3ヶ月で12万部売るというのは並大抵のことではありません。 読者を飽きさせない工夫が随所にちりばめられています。 池上永一さんはデビュー作の『バガージマヌパナス』がすごく面白かった記憶がありますが、商業的にはイマイチだったようです。 この作品はベストセラーになりましたが、個人的にはイマイチでした。 まぁ~そういうことは、しばしばあるものです。
2009.05.29
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二冊で4,000円だしどうしようかな・・でも、『ねじまき鳥・・・』の時は重版待ちくらってなかなか読めなかったしな・・・でも、一万円おこずかい減らされちゃったし、ボーナスもアテにできないし・・でも、でも・・・・・ここ一ヶ月悩んでいましたが、発売一週間前で我慢できなくて予約しちまいました。 来週末に届くとなると、少しわくわくしちゃいますな♪
2009.05.23
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第139回芥川賞受賞作 日本語以外の言語を母語とする作家は史上初!梁浩遠と謝志強。二人の中国人大学生の成長を通して、現代中国と日本を描ききった力作。『ワンちゃん』に次ぐ期待の新鋭の第二作!<感想> ★★★★☆本書は前作が芥川賞候補になった時、日本語以外の言語を母国語とする作家としてメディアで盛んに取り上げられた楊逸さんの芥川賞受賞作です。 それを踏まえて、あちこちのレビューサイトで日本語表現が未熟であるというニュアンスのコメントを見かけます。 同じ条件で芥川賞候補になったデビット・ゾペティさんの作品を読んでも言えることですが、その正体は作家の未熟さではなく、我々日本人が抱く違和感だと思います。 さらに言うならその違和感は作家の確信犯的なもので、それを含めて作品を楽しんだほうが読者としては「お得」です。 さて、本書は外国人作家の芥川賞。 天安門事件。 北京オリンピック。 様々なキーワードで語られる事が多いわけですが、 楊逸さんが描きたいのは、ご自身も含めた日本で暮らす中国人のプロフィールやその立ち位置ではないかと思います。 文革の嵐に翻弄された父。 テレサ・テンをおおっぴらに聴くことのできない政治体制からの脱却を目指した民主化運動。 そして天安門事件。 夢破れて日本にやってきてからも民主化運動に取り組むものの・・・。かつては特定のコミュニティーの中でしか聞かれなかった中国語ですが、現在はファミレスや電車の中で当たり前に聞かれるようになりました。 この作品の主人公は70年生まれです。 個人的には、隣の国で生まれ同世代の人達がどのように生きてきたのか?という点に注目して読みましたが、彼らのカラオケでの十八番が尾崎豊なのには笑ってしまいました。
2009.05.22
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「人生って、何歳ぐらいまで迷っていていいのかな?」山口あおば、24歳。イラストレーターになる夢を追いかけて、派遣社員をしながらイラストを勉強しているけれど、自分の居場所と将来に自信がもてない…。ほっとして、じんわり元気が出る「あおばの物語」第一弾。 <感想> ★★★★☆最近、やられたぁ~と感じたのは綾瀬はるかさん主演の映画「おっぱいバレー」(略称OPV)です。 どこにやられたかといえばタイトルです。 「巨乳バレー」では企画モノのAVっぽくになってしまうわけで、ギリギリのラインで、えっ!それなによ?と思わせるインパクト。 なかなか秀逸です。 私は映画を観ていないので何とも言えませんが、そこそこ感動できる内容のようで「おっぱいさぁ~すごく泣けたよ」などと独身OLに言わせることができれば、そこそこの興行収入も当てこめるというものです。 つまりは、本書のタイトルに関しても同じようなことが言えるということです。さて、前置きが長くなりました。 本書の主人公は24歳のジミな派遣社員。 どれくらいジミかといえば、それを象徴するのがタイトルということになると思います。 仕事も恋愛もムリに頑張らない天然系。 派遣先と自宅の往復を繰り返す日々ですが、自分の居場所や将来に漠然とした不安を抱いています。 なんとかしなきゃいけないと思いつつも、その一歩を踏み出すことができない。 そんな主人公が一人称で語る毎日は平凡ですが、物の見方がとても素直でホッとするエピソードに満ちていて、読んでいてなんとなく元気が出てきます。時代にスポイルされて大人になったバブル世代の私から見ると、厳しい社会を生き抜かなくてはならない若い世代の人たちはギラギラしているなぁ~と感じることがありますが、まぁ~そんなに頑張らなくても若いんだからなんとかなるよ。 そんなメッセージが込められているような気がします。 若い世代の方々におススメです。
2009.05.16
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2010年秋に公開が予定されている『ノルウェイの森』のキャスティングが決定しました。ワタナベ 松山ケンイチさん。直子 菊地凛子さん。みどり 水原希子さん。水原希子さんはモデルさんだそうです。詳細はこちら
2009.05.16
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警視庁捜査二課・島崎洋平は震えていた。自分と長男を脅していた銀行員の富岡を殺したのは、次男の英次ではないか、という疑惑を抱いたからだ。ダンスに熱中し、家族と折り合いの悪い息子ではあったが、富岡と接触していたのは事実だ。捜査本部で共にこの事件を追っていた樋口顕は、やがて島崎の覗く深淵に気付く。捜査官と家庭人の狭間で苦悩する男たちを描いた、本格警察小説。 <感想> ★★★★☆本書は、数多くのシリーズ物を擁している今野敏さんの樋口顕シリーズ第三弾です。 このシリーズの特徴は、体育会系の警察組織にイマイチ馴染めないながらも順応しようと努力する警察官を主人公として、彼の仕事と家庭の両面を描いている点にあります。 いくら忙しい警察官といえども家庭を持っている以上は24時間犯人を追いかけているわけではありません。 一方で、競争が激化するサラリーマン社会の一員でもある警察官に家庭問題ばかりに気を配っている余裕も時間もありません。 この類の作品はいくつもありますが、そのバランス感覚がとてもリアルで家庭を持つサラリーマンとしては感情移入のしやすいキャラクター設定です。 さて、シリーズ三作目において主人公の樋口顕は脇に回っています。 体育会系バリバリの同僚刑事が家庭問題を端として捜査情報の漏洩に絡んでしまい窮地の追い込まれていくという設定です。 読みやすい造りになっていますがストーリーは易きに流れず、それなりの読み応えがあります。 いわゆる中年男性を主人公にした作品といえば重松清さんの名が浮かびますが、やはり読者層は女性が多いわけで、中年男性の一人としては説教を食らっているような気分にさせられます。 それと比較するなら、このシリーズを手がける今野敏さんとはいっしょに美味しいお酒が飲めそうな気がします。
2009.05.14
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不倫相手と夏休み、キューバに旅立った女性教師を待ち受けていたのは非難の嵐だった。表題作の他、女同士の旅で始まった生々しい性体験告白大会、若い女の登場に翻弄されるホームレスの男達、など七つの短篇を収録。女性の奥底に潜む毒を描き、直木賞受賞以降の刺激的かつ挑戦的な桐野文学の方向性を示す。 <感想> ★★★★☆あくまで個人的な意見ですが、桐野夏生さんの作品は長ければ長いほど面白いように思います。 じんわり。そして確実に登場人物を追い込んでいくには、それなりの分量を必要とするからではないでしょうか。さて、本書はそんな桐野さんの短編集です。 正直言ってあまり期待していませんでしたが、一作目の『植林』でガツンとやられて、残り6作はイッキ読みでした。 いずれの作品も女性の心の底にある毒を描いています。 角田光代さんもお得意のジャンルですが、やっぱ桐野夏生はスゴいっす!!ただ、あえて難を言うなら素材自体が短編小説に適していないせいか、読了後に消化不良を起こしてしまう作品が多いように感じました。 この作品はぜひ長編で・・と思う読者は多いはずです。 私は好きですが、ありえないぐらい濃いコーヒーを飲んでいる気分にさせられるので、胃の弱い方にはおススメしかねます。(笑)余談ですが、作品の中にグリコ・森永事件の脅迫電話で使われた子供の声のエピソードが出てきます。 この子供はいったい誰だったんでしょうね?
2009.05.13
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今日は久しぶりに晴れたので、早朝より洗濯祭りを開催しています。 ちなみにカビキラー祭りも同時開催中です。晴れたらお出かけするのもいいけど、個人的にはこれが最高のストレス解消。 というわけで4月の書籍代です。3冊 2100円仕事が内勤に変わり、通勤時間も延びたので読書タイムが確保できません。 その一方で、残業が減ったのでおこずかいもへらされちまったとさ・・・4月の読書メーター読んだ本の数:3冊読んだページ数:734ページイキガミ 5―魂揺さぶる究極極限ドラマ (5) (ヤングサンデーコミックス)読了日:04月26日 著者:間瀬 元朗さよなら、愛しい人読了日:04月26日 著者:レイモンド・チャンドラー銀の砂読了日:04月18日 著者:柴田 よしき読書メーター
2009.05.09
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