JINさんの陽蜂農遠日記

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2025.08.28
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カテゴリ: 海外旅行
そしてこの日の最後に、 St Mary’s Cathedral・カトリック大聖堂 を訪ねた。
所在地 : Killarney, County Kerry, Ireland
    アイルランド・ケリー州の都市キラーニー(Killarney)に位置。
宗派 : カトリック教会(Roman Catholic)
設計者 : Augustus Welby Northmore Pugin(ゴシック・リバイバル建築の代表的建築家)
建設期間 : 1842年着工(19世紀中盤)
外観の主塔(スパイア)が空に突き出るように聳えており、 典型的な尖塔型ゴシック建築 のデザイン。
大きな縦長のランセット窓(細長い尖頭アーチの窓) が前面に並ぶ。
左側に写る巨大な針葉樹(恐らくセコイア類)がランドマークのように寄り添っている。
St Mary's Killarney © Pam Brophy :: Geograph Ireland

ファサードのバラ窓(ローズウィンドウ) が確認でき、バットレス(控え壁)も含めて
縦方向の強調が印象的。
両脇のミニスパイア付きの塔や縦長窓の反復性から、ゴシック・リバイバルの典型スタイルを
継承している。
教会堂の両翼(側廊)と後方のトランセプト(翼廊)もはっきり見える構図で、ラテン十字型
平面(クロス型)の構成がわかる。
St Mary's Cathedral, Killarney | Religiana

St. Mary's Cathedral(聖マリア大聖堂)を北西側(または北側)から仰ぎ見るアングルで。



高くそびえる尖塔は高さ約86メートルで、キラーニーのランドマークとなっている。
塔基部には4連の鐘楼窓(louvered belfry openings)がある と。



ゴシック建築を象徴する縦長の尖頭アーチ窓・ランセット窓で、内部のステンドグラスが
ここに設置されているのだ。

Killarney

上空からの写真をネットから。
建物全体が十字架型(クルシフォーム)の平面構造になっていることも、垂直性と対称性の


'Make or break' moment for Diocese of Kerry as wave of priests due to retire

Mary's Cathedral(聖マリア大聖堂 の内陣(chancel)東側にあるステンドグラス群。



上部 バラ窓(Rose Window)
 ・形式 :放射状に花びらのように開いた「円形のステンドグラス」。
 ・象徴
  ・中央の光を放つ様子は 神の栄光 や 天上のエルサレム を象徴。
      ・バラは 聖母マリアの象徴 ともされます(「Mystical Rose」=神秘の薔薇)。
 ・様式 :このバラ窓は、フランスのゴシック様式に倣いながらも、19世紀末のアイルランド的な
     装飾(鮮やかな色調と幾何学的花弁)を備えています。
 ・ 図像 :中央に描かれているのは、旗を持つ子羊(Agnus Dei)。
 ・ 意味
  ・ 中央:神の子羊(Agnus Dei)
    ・中央に描かれているのは、旗を持つ子羊(Agnus Dei)。
    ・「神の子羊」は、イエス・キリストの犠牲と贖いの象徴。
    ・白い子羊が十字旗を掲げている姿は、「世の罪を取り除く神の子羊」としての
     キリストを示す。
    ・この図像はヨハネの黙示録(Rev. 5:6)や洗礼者ヨハネの言葉(ヨハネ1:29)に
           基づいている。
  ・ 放射状の12枚の細長いパネル:天使(Seraphim)たち
    ・各パネルには、赤い翼と白い衣をまとった天使たちが描かれています。
    ・各天使は祈りや楽器、巻物などを持ち、神への賛美や祈願を表現しているように
     見えます。
    ・12という数は、新約の12使徒や旧約のイスラエル12部族に対応し、教会の普遍性と
     完全性を象徴しています。
   ・ 外周:装飾的なフローラル型のパネル(8枚)
            ・これらのパネルは、幾何学的な花模様(quatrefoil)や星形で構成されており、
               抽象的な天上の秩序を示しています。
    ・青・赤・金の配色は、聖性(青)、犠牲(赤)、神の栄光(金)を表しています。
    ・8という数は復活や永遠を象徴し、バプテスマ(洗礼)後の新生とも関係しています。


下部 縦長の3連ステンドグラス
   ・典型的なランセット窓(lancet windows)と呼ばれる、ゴシック建築の象徴的な
        尖頭アーチ型窓。
   ・中央の窓が最も大きく、キリストの姿が確認できます。
   ・各窓は3層に区切られており、次のような内容が描かれている可能性があります

窓位置 推定される図像 主な意味
    左側預言者や聖人                        旧約の預言、教会の基礎
    中央イエス・キリストの受難・復活救いの中心
    右側使徒や聖母マリア                教会の創設、信仰の模範



St Mary’s Cathedral(キラーニー)の内陣にある 三連ランセット窓の中央パネルの
下部に位置する場面
・上方の人物:白い衣をまとい、右手を挙げ、左手には十字の旗(復活の象徴)を持つ人物
 → これは復活のキリストです。
・下方の人物:膝をついて、キリストの傷に触れている
 → これは「トマスの不信(Incredulity of Thomas)」の場面です。
トマスの不信」とは?
新約聖書『ヨハネによる福音書 20章24〜29節』
トマスは、復活したイエスに会えなかったため、「私はその手に釘の跡を見、この指をその
釘跡に入れてみなければ、決して信じない」と言った。
八日後、イエスは現れ、トマスに「あなたの指をここに当てて、私の手を見なさい」と言い、
トマスは信じて跪いた。
この場面は、信仰とは「見ずに信じること」を示す象徴的なエピソードです。



窓は ゴシック様式の三連窓で、上部に三つの円形装飾(ローズウィンドウ様) を持ち、
下部に碑文と紋章が見えます。
中央2枚のランセット(縦長)部分に人物が描かれ、左右のランセットには天使のような姿 が。
・上部円形パネル
 最上部の丸窓には3人の人物が描かれています。
 左右に白衣の人物、中央に冠を戴いた人物(キリストまたは天の父)と思われ、
 聖三位一体を象徴している可能性があります。
   下に見える2つの小さな円形パネルは、六芒星または花模様で装飾的意匠に見えます。


・中央ランセット2面(人物が描かれていた)

St. Mary's Cathedral in Killarney | Expedia.co.uk

この写真はネットから。
左の中央パネル
  ・青と赤の衣をまとった人物が、ひざまずいて礼拝しています(おそらく 聖母マリア
   大天使ガブリエル )。
  ・ 「受胎告知」の場面 と考えられます。
右の中央パネル
  ・赤い衣と巻物を持った人物(おそらく預言者イザヤまたは聖ヨセフ)。
  ・靴を脱いで立っているようにも見え、神殿での啓示または聖家族の一場面かもしれません。

Stained Glass Window; Cathedral Church; Killarney; County Kerry; Ireland  Stock Photo - Alamy

この窓は、2つのランセット(縦長パネル)と、上部に四葉型の小窓(クアトレフォイル)を
持つ構成。
上部小窓(クアトレフォイル)
 花模様と星を組み合わせたような幾何学的装飾で、象徴的・装飾的意味合いが強いです。
左側パネル
 上部には白と青の衣をまとう女性が座して幼児を抱いています。
 → 聖母マリアと幼子イエスを示す伝統的な描写です。
 下部には緑の衣をまとう人物(跪いている)が祈りを捧げている様子。
 → 女性聖人、または寄進者(ドナー)として描かれた信徒の可能性もあります。
解釈
  これは「 玉座の聖母子(The Virgin and Child Enthroned) 」という図像です。
聖母子の慈愛と、信仰を捧げる人間の姿 が対照的に描かれています。
・右側パネル
  頭に司教冠(ミトラ)を戴いた人物が立っています。
  手に司牧の杖(クロシエ)を持ち、足元に白い塔状の建築物が描かれています。
解釈
アイルランドの聖人(聖ブレンダン) 、地元ケリー州の守護聖人として、土地と信仰の
  結びつきを象徴



東端の内陣(sanctuary)

キラーニー大聖堂には教会または大聖堂、宗教的な要素、内部の景色が含まれています

東端の内陣(sanctuary)にある三連ランセット窓の全体像

それぞれの窓に複数の場面が縦に積み重なるように配置されており、全体で 9段×3列=27場面
から構成されていた。
この窓は、キリスト教の聖餐(ユーカリスト)と復活信仰を主題として、旧約と新約の物語を
対応づけながら展開している と。



伝統的にステンドグラスの物語順は:左→右(西洋の読字方向)、下→上(地から天へ=
人間から神へ)の順に構成されることが多いとのことです。
よって、以下も物語の順に従って書きます。

このステンドグラスは、アイルランドの守護聖人・聖パトリックの霊的使命と信仰の勇気、

物語は、まず左側下段において、聖パトリックが神の導きを夢で受ける場面から始まり、
その使命に従って火を灯す決意と行動(右下)、続いて王たちの前での宣教(左上)、
そしてキリストの降誕(右上)という順に、人間の応答と神の救いの交差が強調されています。

①左下:聖パトリック、捕囚中に神の幻視を受ける
◉場面:
・夢の中で神からの使命を受ける聖パトリック
  ◉図像:
・聖パトリックがベッドに横たわって眠る。
 ・上空に天使が現れ、巻物(啓示の象徴)を持って指し示す。
 ・もう一人の天使が伴っており、霊的世界の使者として描かれる。
◉意味:
・捕囚中の聖パトリックが神から幻視を通じて「アイルランドへ戻り、布教せよ」との召命を
  受けた瞬間。
 ・福音宣教の根本動機としての「神の呼びかけ」を象徴。
 ・修道的ヴィジョン、祈りのうちに聞く神の声。
  ◉銘文:
 ST. PATRICK DURING HIS CAPTIVITY SAW IN A DREAM
  (聖パトリックは捕囚中に夢を見た)

②右下:聖パトリック、タラの丘で火を灯す
 ◉場面:
 ・復活祭の火を灯すことで信仰を宣言する聖パトリック
◉図像:
・聖パトリックが祭壇のような場所に火を灯す。
・炎が赤々と燃え上がり、巻物や器、壺がそばに置かれている。
・背後は青い装飾と建築的な背景(神殿・聖域)を思わせる。
◉意味:
・キリスト教の信仰の光を象徴する「復活祭の火」を、異教の権威下にあるタラの丘で
  あえて灯した象徴的行為。
・キリスト教がアイルランドに根付く決定的瞬間を示す。
・聖パトリックの大胆な信仰告白と実践。
◉銘文:  

③左上:聖パトリック、王たちに福音を語る
 ◉場面:   
   ・ 聖パトリックによる王族層への宣教
◉図像:
   ・聖パトリックが2人の男性(王族や貴族)に向かって語る。
   ・彼らは落ち着いた表情で話を聞いており、受容的な姿勢。
   ・背景には赤と金を基調とした意匠があり、王権の象徴。
 ◉意味:
   ・聖パトリックがキリスト教を王たちに説いた象徴的場面。
   ・支配層の改宗を通じて信仰が国土に広がっていく重要な局面。
   ・キリスト教の普遍性と統治との結びつきを強調。
 ◉銘文:
  (この場面自体には銘文は明示されていません)

④右上:キリストの誕生(降誕)
 ◉場面:
   ・イエス・キリストの誕生の場面
 ◉図像:
 ・聖母マリアが青衣でひざまずき、幼子イエスを見守る。
   ・イエスは飼い葉桶の中に眠り、背景にはヨセフと天使または羊飼い。
   ・上部には十字と光に彩られた神聖な空間が広がる。
◉意味:   
   ・神の救いの計画の始まり、イエスの誕生。
   ・神が人間の世界に来られた出来事としてのインカルネーション(受肉)。
   ・他の3場面で描かれる宣教の根源的な意味を担保する中心的出来事。
◉銘文:
   GLORIA IN EXCELSIS DEO
  (天のいと高きところには神に栄光)



このステンドグラスは、聖パトリックの召命、殉教者への祈り、布教活動、信仰の継承という
4つの場面で構成され、アイルランドにおけるキリスト教の始まりと、その信仰を伝え守る
人々の姿を描いています。
捕囚中に夢で神の啓示を受けるパトリック(左下)に始まり、殉教者にひざまずく祈り(右下)、
王たちへの布教(左上)、そして子どもたちへの教導(右上)と続くこの窓は、
「信仰の使命 → 殉教の継承 → 福音の宣言 → 教えの伝播」という、信仰の流れと霊的成長の
物語を体現しています。

①左下:捕囚中の聖パトリック、神からの召命を夢で受ける
 ◉場面:
    聖パトリック、捕囚中の幻視
 ◉図像:
  ・ベッドに横たわるパトリック。
  ・上空に2人の天使が現れ、一人は巻物を指差す。
  ・天使たちは白と金の衣をまとい、神からの使者を象徴。
 ◉意味:
  ・神が聖パトリックにアイルランド布教の使命を与えた象徴的瞬間。
  ・捕囚という苦しみの中で召命を受ける「逆境の中の啓示」。
  ・彼の生涯と布教活動の出発点。
◉銘文:
 ST. PATRICK DURING HIS CAPTIVITY SAW IN A DREAM
(聖パトリックは捕囚中に夢を見た)

②右下:殉教者たちの血の上にひざまずく聖パトリック
 ◉場面:
   信仰のために倒れた者たちへの祈り
 ◉図像:
  ・殉教者の亡骸にひざまずき、手を当てて祈る聖パトリック。
  ・背後に暗い装束の兵士たちが無言で立つ。
  ・地には血を流した殉教者の遺体。
 ◉意味:
  ・キリスト教信仰の広がりは、殉教者たちの犠牲のうえにあるという認識。
  ・パトリックの使命が彼らの霊に支えられていることの象徴。
  ・信仰とは「受け継がれた犠牲の記憶の上に立つもの」であることを表現。
 ◉銘文:
  SHED FOR HIS MASTER
 (主のために流された)

③左上:聖パトリック、王族に宣教する
 ◉場面:
   支配層へのキリスト教布教
◉図像:
  ・聖パトリックが巻物を手にして語りかけている。
  ・向かって右には王族風の人物2人が、深く聞き入っている。
  ・落ち着いた尊敬の態度でパトリックの言葉を受け入れている。
 ◉意味:
  ・キリスト教が社会の中枢、王族階層にも届いた歴史的展開。
  ・パトリックの雄弁と人格が王の心を動かす。
  ・支配者たちの改宗が人々に大きな影響を与えた象徴的場面。
 ◉銘文:
 (銘文なし)

④右上:パトリック、子どもたちへ信仰を教え導く
◉場面:
 信仰の継承と教育
◉図像:
 ・赤い服の少年がパトリックの前に立ち、導きを受ける。
 ・白い衣の女性や子どもが傍らで見守る。
 ・背景には自然と草地、教えを受ける場としての平穏な空気が漂う。
◉意味:
 ・若い世代に信仰を伝えることの重要性。
 ・教育と福音宣教の融合。
 ・次の時代に信仰が絶えず継がれていく希望の場面。
◉銘文:
 (銘文なし)



この2連のステンドグラスは、日々の労働・奉仕・家庭・信仰の営みの尊さを主題にしており、
神の御子イエスが家庭内で働く姿や、修道士たちの労働と祈り、死に臨む者への慈しみが
描かれています
物語は、左下の修道士たちの共同作業に始まり、右下での終末期への奉仕と祈りへと続き、
上段では幼子イエスの家庭生活(左上)、そして成長したイエスの大工としての姿(右上)
へと展開し、日常と信仰、労働と祈りの一致を示しています。

①左下:修道士たちの労働
 ◉場面:
   修道士たちが木工などの作業を行っている場面
 ◉図像:
  ・3人の修道士が協力して木槌や道具を使って作業。
  ・背景にはアーチ状の装飾と教会建築風の意匠。
  ・互いに声を掛け合っている様子から、協働の精神がうかがえる。 
 ◉意味:
  ・「祈り、働け(Ora et Labora)」という修道会のモットーを具現化。
  ・労働は神への奉仕であり、共同生活の重要な一部。
  ・地道な手仕事もまた神聖な務めであることの象徴。
◉銘文:
   SI HIC ESSET ADIUVARET(もし彼がここにいたなら、助けてくれただろう)
   ※少し意訳的な銘文で、「神の助けがあれば…」という文脈の可能性もあります。
◉寄進銘文:
   ERECTED BY ANDREW & MARIA SHEEHAN IN MEMORIAM
  (アンドリューとマリア・シーハンが記念に建立)

②右下:死に臨む者の手を取る修道士
 ◉場面:
   修道士が病者または死者に聖油などを授ける場面
 ◉図像:
  ・座っている人物(病者または臨終者)に、もう一人の修道士が両手で触れて祈っている。
  ・周囲の背景は静かな礼拝堂を思わせ、儀式的な場面。
  ・頭には輪(聖性の象徴)があり、魂の準備が行われている印象。
◉意味:
  ・臨終者への終油または霊的交わりを象徴する場面。
  ・修道士の奉仕が、死の瞬間にも寄り添うものであることを示す。
 ・肉体の終わりに際し、魂のために祈る行為としての「慈愛の業」。
◉銘文:
 DE MORTE ORATIO(死に際しての祈り)
◉寄進銘文:
 ERECTED BY DANIEL & MARGARET SHEEHAN IN LOVING MEMORY
 (ダニエルとマーガレット・シーハンが愛を込めて建立)

③左上:幼子イエスと聖母マリア、家庭での労働
◉場面:
  聖母マリアとイエスが家庭で働く場面
◉図像:
 ・リアが糸車を扱い、幼子イエスが木工作業をしている。
 ・家庭内での労働に集中する様子。
 ・足元には子羊もおり、犠牲や純潔を象徴。
◉意味:
 ・イエスも人間の家庭に育ち、労働に親しんだという人間性の強調。
 ・家庭の中に神聖が宿るという思想。
・労働と日常における聖性の表現。
◉銘文:
 ET ERAT SUBDITUS ILLIS(彼は彼らに従っていた)
 → ルカ2:51、イエスが両親に従順であったことを示す

④右上:成長したイエスの労働
◉場面:
  若きイエスが大工として働く姿
◉図像:
 ・イエスが木材を削る姿。
 ・木片や道具が足元にあり、職人としての生活を送っていたことを示す。
 ・周囲の色合いは素朴ながらも神聖さを醸し出している。
◉意味:
 ・キリストが人として働いたという事実に込められた謙遜と尊厳。
 ・労働そのものが神に仕える手段であることの象徴。
 ・地上的労働と霊的使命が調和していたイエスの人生を映す。
◉銘文:
 ET LABORAVIT(そして彼は働いた)



このステンドグラスは、キリスト教における洗礼の重要性とその始まり・継承・拡がりを
主題としています。
物語は、左下に描かれる王の洗礼(アイルランドの指導者層の改宗)から始まり、
右下では聖パトリックによる布教と洗礼の儀式、続く右上ではイエス・キリスト自身が洗礼を
受けた場面(ヨルダン川)、そして左上では天使たちがこの神秘の出来事を礼拝する様子が描かれ、
「洗礼」という行為が神から始まり、人々へと伝えられていく過程が視覚的に展開されています。

①左下:王の洗礼(アイルランドの支配者層の改宗)
◉場面:
  アイルランド王または貴族の洗礼を受ける場面
◉図像:
 ・白い衣をまとった人物がひざまずき、聖職者から洗礼を受けている。
 ・背後には立会人たちと馬を連れた従者が控えており、王的身分を暗示。
 ・洗礼者は器から水を注ぎ、典礼的な所作。
◉意味:
 ・支配層の改宗によりキリスト教がアイルランド全体に広がるきっかけを示す。
 ・聖パトリックの布教の成果の象徴。
 ・信仰が社会的階層を超えて根付くプロセス。
◉銘文:
  THE BAPTISM OF THE KING
 (王の洗礼)

②右下:聖パトリック、Armagh(アーマー)で洗礼を施す
◉場面:
   聖パトリックによる洗礼の実施
◉図像:
 ・聖パトリックが緑の外套をまとい、ひざまずく人物に水を注いでいる。
 ・洗礼を受ける人物は白い衣で清められた魂を象徴。
 ・背景は教会的空間を思わせる意匠。
◉意味:
 ・聖パトリックがアイルランドにおけるキリスト教の洗礼儀式を確立したことを示す。
 ・Armagh(アーマー)はアイルランド教会の中心地としての象徴性を持つ。
 ・伝道者としての聖パトリックの中心的役割。
◉銘文:
 BY ST. PATRICK AT ARMAGH
  (アーマーにおける聖パトリックによる)

③右上:主イエスの洗礼(ヨルダン川)
◉場面:
   イエス・キリストがヨハネから洗礼を受ける場面
◉図像:
 ・洗礼者ヨハネが赤い衣をまとい、イエスに水を注いでいる。
 ・イエスは白い布をまとい、両手を組んで受洗の姿勢。
 ・頭上には聖霊の象徴である鳩が描かれ、天の光が差し込む。
◉意味:
 ・洗礼という儀式の起源を示す中心的場面。
 ・神の子が人間として神に従ったことを象徴。
 ・洗礼が信仰生活の出発点であることを示す。
◉銘文:
  OF OUR LORD
 (主の洗礼)

④左上:天使たちが洗礼を礼拝する
◉場面:
  イエスの洗礼を見守り、崇める天使たち
◉図像:
 ・左に金と赤の衣をまとう天使、右に白とピンクの天使。
 ・祈りの姿勢、巻物または花を持つ。
 ・背景はブルーの意匠で天上の雰囲気を表現。
◉意味:
 ・イエスの洗礼が天上界でも重要な出来事であることを示す。
 ・神の救済計画の始まりとして、天使が敬意を表している。
 ・洗礼の神秘性と祝福の象徴。
◉銘文:
 GOD’S BAPTISM
  (神の洗礼)



この2連のステンドグラスは、聖パトリックの布教と奇跡、そして王たちとの対話と宣言という
4場面で構成されています。
物語は、下段左で聖パトリックが異教の儀式を打ち破る祈りを行い、続いて下段右で王たちの
前に立ち、キリスト教の真理を語る場面へと進みます。
上段右では、王たちや群衆がその教えを受け入れる様子が描かれ、最後に上段左で、
聖パトリックが癒しと祝福を与える奇跡的な場面が示され、アイルランドにおけるキリスト教の
確立と、聖パトリックの霊的権威が強調されています。

①下段左:聖パトリック、異教の儀式に立ち向かう
◉場面:
   聖パトリックが異教の火を祈りによって打ち砕く場面
◉図像:
 ・聖パトリックが赤と白の祭服をまとい、祈りの手を掲げている。
 ・左には火を焚く異教の儀式が描かれ、背を向けた人物(ドルイド司祭)が見える。
 ・青衣の人物が見守る中、信仰と儀式の衝突を象徴する構図。
◉意味:
 ・聖パトリックが異教の慣習に公然と挑み、キリスト教の真理と力を示した場面。
 ・信仰の力による「闇に対する光」の象徴。
・アイルランドにおける宗教的転換の始まり。
◉銘文:
 ST. PATRICK PRAYING
  (祈る聖パトリック)

②下段右:王たちの前で語る聖パトリック
◉場面:
   王族にキリスト教を宣言する聖パトリック
◉図像:
・聖パトリックが緑のマントをまとい、2人の王(または長官)に向かって語っている。
・王たちは座して聞き入っており、背後に従者の姿も見える。
・パトリックの手には巻物や十字架はなく、言葉による説得の場面。
◉意味:
・キリスト教が支配者層に対して宣言された決定的瞬間。
・言葉の力、信仰の確信による布教の核心。
・権威と霊的指導の対話の象徴。
◉銘文:
 BEFORE THE KINGS
  (王たちの前で)

③上段右:王たちと群衆が福音に耳を傾ける
◉場面:
   聖パトリックの教えを受け入れる王と民衆
◉図像:
 ・群衆が前方に押し寄せ、複数の王(王冠付き)がパトリックを中心に向かって立つ。
 ・人々は手を伸ばし、言葉を受け止めようとしている。
 ・祭服の赤が中央人物の視線を集め、パトリックの霊的中心性を強調。
◉意味:
 ・キリスト教が王と民に広く受け入れられていく段階。
 ・信仰が個人から共同体へと広がる。
 ・群衆の表情や姿勢により、教えの威力が視覚的に表現される。
◉銘文:
   TO THE KINGS AND PEOPLE
  (王と民に)

④上段左:聖パトリック、祝福と癒しを与える
◉場面:
   聖パトリックが癒しの奇跡を行う場面
◉図像:
 ・聖パトリックが片手を上げ、祝福を与えている。
 ・足元にひざまずく人物(病人または改宗者)が癒し      を求める姿。
 ・背後の青と赤の装飾が霊的力と神秘を強調。
◉意味:
 ・聖パトリックが神の力によって癒しと救いを人々にもたらしたことの象徴。
 ・宣教の言葉だけでなく、行動・奇跡によって信仰が裏打ちされたことを示す。
 ・アイルランドの聖人としての力と慈愛の象徴的場面。
◉銘文:
 LAY HANDS ON THE SICK AND THEY SHALL RECOVER
  (病人に手を置けば彼らは癒される)


このステンドグラスは、聖パトリックによる王族や貴族への教化と洗礼の物語が展開されています。
信仰と権力の交差点における劇的な布教の瞬間が4場面に分けて描かれ、異教の王が跪いて洗礼を
受け、キリスト教への改宗が社会的に拡大していく過程が視覚化されています。

①下段左:聖パトリック、王を前に福音を語る
◉場面:
   異教の王に福音を説く聖パトリック
◉図像:
 ・パトリックは白衣に赤いマント、司教帽を被り、右手に福音書を持ち、語りかける。
 ・王は王冠をかぶり、玉座に座し、剣を持つ従者たちと共にいる。
 ・白衣の人物が跪いている(求道者か洗礼志願者)。
◉意味:
 ・聖パトリックが王権の前で信仰を明確に語る決定的瞬間。
 ・信仰と世俗権力の対峙と交渉の象徴。
 ・アイルランド社会における宗教的転換点。
◉銘文:
 HE PREACHED TO THE HIGH KING OF TARA
②下段右:異教からの転向・洗礼の前段階
◉場面:
   高位聖職者たちの前で洗礼を受ける改宗者
◉図像:
 ・聖パトリック(中央)と2人の司教が赤い帽子をかぶって立ち、聖油または水の器を持つ。
 ・白衣の人物(改宗者)がひざまずき、頭を垂れる。
 ・背後には神殿風の建築モチーフ。
◉意味:
 ・洗礼前の儀礼、または赦しと受け入れの場面。
 ・教会制度が整えられた布教の段階。
 ・異教からの霊的転向の完成。
◉銘文:
 BAPTIZED BY ST. PATRICK WITH MANY OTHERS INTO THE CHRISTIAN FAITH
  (聖パトリックにより他の者たちと共にキリスト教へと洗礼された)

③上段右:異教の神殿に背を向ける者たち
◉場面:
   改宗者が異教の偶像を離れ、キリストへと向かう
◉図像:
 ・中央の人物(おそらく王子か貴族)は背後に異教の像や偶像を背にして、前方へ歩き出す。
 ・その背中を支えるように従者が付き添う。
 ・奥には石像や神殿のようなものが見える。
◉意味:
 ・異教との決別、キリスト教への回心を象徴。
 ・改宗の内面の選択と、社会的転換の表現。
 ・光に向かって進む構図は信仰の希望を象徴。
◉銘文:
 THE KING WENT OUT TO WORSHIP
  (王は外へ出て礼拝へと向かった)

④上段左:王の洗礼
◉場面:
   跪く王に洗礼を授ける聖パトリック
◉図像:
・聖パトリックは赤の祭服をまとい、片手で水を注ぐ仕草。
・王冠を脱いだ人物(王)がひざまずき、謙虚に洗礼を受ける。
・背景は天と聖霊の輝きで満たされる神秘的構図。
◉意味:
・社会秩序の頂点にある人物がキリスト教に従う劇的瞬間。
・謙遜と信仰の象徴的融合。
・パトリックの布教の頂点を示す場面。
◉銘文:
 KING LAOGHAIRE'S SUBMISSION TO FAITH
  (ロイリー王の信仰への服従)
  (彼はタラの高王に説教した)



この新しいステンドグラスは、聖パトリックの昇天(または栄光)と彼を記念する祈りを中心と
した三連窓です。聖パトリックの崇拝・顕彰・永遠の平和を象徴する宗教的ビジョンの場面と
理解されます。
この三連ステンドグラスは、聖パトリックの死後の栄光・天上での勝利・記念祈祷を主題と
しています。
中央には聖パトリックが白衣で輝く姿として表され、彼の使命が天に受け入れられたことを
象徴します。
両脇には、祈り・感謝・悔い改めの姿勢で跪く人々が描かれており、アイルランドの民衆が
彼の遺産を敬い続ける構成になっています。

中央パネル:聖パトリックの栄光または昇天
◉図像:
 ・聖パトリックは白いローブをまとい、手を広げて天に向かって立つ。
 ・足元には跪く男性(悔悛者または信者)、天使の顔、赤い天上の背景。
◉意味:
 ・聖パトリックの聖性と天上での永遠の命を象徴。
 ・彼が「アイルランドの守護聖人」として受け入れられていることの可視的表現。
 ・足元に跪く人物は、後世の信者の悔い改めまたは祈りを代表する可能性。

左パネル:信徒たちの祈りと悔い改め
◉図像:
 ・女性を含む複数の人物が、苦悩・祈り・悔い改めの姿勢で跪く。
 ・頭に手を置く、手を合わせる、深く頭を下げるなどのジェスチャー。
◉意味:
 ・聖人に対する嘆願と感謝。
 ・罪の赦しを願う悔い改めの場面。
 ・社会全体がパトリックの功績を称え、平和を祈る構図。
◉銘文(一部):
 PRAY FOR THE SOULS OF THOSE WHO...
 (以下省略)

右パネル:感謝と平安を求める信徒たち
◉図像:
・若い女性と天使、または女性信者が穏やかに祈る姿。
・柔らかな赤と緑の色調が用いられ、平安と信仰の静けさを演出。
◉意味:
・聖パトリックへの感謝の祈り。
・個人レベルでの信仰の継承と、心の平和の象徴。
◉銘文(一部):
 OF KERRY, 1899–1904...
  (これは記念献納者の情報。キラーニー司教 Henry の名が見られます)

この2連窓は、聖パトリックの晩年の祈り・最後の瞬間・天への召しを描いています。
左側は群衆に見守られた祈りと説教、右側は天の使者に迎えられての永眠が中心的なテーマです。
①下段左:聖パトリック、民衆に最後の祈りを捧げる
◉場面:
 人々に囲まれて祈る聖パトリック
◉図像:
 ・緑のローブをまとった聖パトリックが座り、両手を広げて祈りを捧げている。
 ・背後には複数の聖職者と民衆が集まり、涙や崇敬の表情で見守っている。
 ・背景のアーチと赤い意匠が、教会空間であることを示す。
◉意味:
 ・パトリックの最後の説教や祈りを象徴。
 ・教えを弟子たちや民衆に遺し、信仰共同体を託す場面。
 ・彼の生涯が「祈りで始まり祈りで終わる」ことを示す。
◉銘文:
 ST. PATRICK SPEAKS TO HIS PEOPLE BEFORE HIS DEATH
  (死の前に民に語る聖パトリック)

②下段右:聖パトリックの永眠と天使たち
◉場面:
   聖パトリックの死(永眠)
◉図像:
 ・白い衣をまとった聖パトリックが床に横たわり、天使が彼の魂を天に迎えている。
 ・一人の天使が手を取り、もう一人が天を指し示している。
 ・周囲は赤い祭服の聖職者たちが祈りを捧げる姿。
◉意味:
 ・天国への召しと、聖人としての完成。
 ・人々の祈りの中で穏やかに息を引き取ったことを示唆。
 ・死が終わりではなく、神の懐に迎えられる新たな始まりであるという信仰表現。
◉銘文:
 SAINT PATRICK ENTERS ETERNAL REST
  (聖パトリック、永遠の安息に入る)

③上段右:晩年の祈りと天の幻視
◉場面:
   聖パトリックが晩年に神の啓示を受ける
◉図像:
 ・赤いマントをまとい、岩場でひざまずき祈るパトリック。
 ・天には光が差し込み、神の象徴として天使や聖霊が現れる。
 ・背景の青が深い霊的静寂を表す。
◉意味:
 ・死を前にした深い祈りと、天国の幻視。
 ・神との最後の交わり。
 ・苦悩と希望の融合。
◉銘文:
 ST. PATRICK'S FINAL PRAYER
  (聖パトリックの最後の祈り)

④上段左:天国の喜びに迎えられる魂
◉場面:
   天使たちが聖パトリックを迎える
◉図像:
 ・天使たちが空から降り、パトリックの魂を抱き上げるようにして天に向かう。
 ・下では弟子たちが涙を流し、祈る姿。
 ・背景には光に満ちた青空が描かれる。
◉意味:
 ・死の瞬間、聖人の魂が天使に導かれるという伝統的な象徴。
 ・残された人々の悲しみと、天上での喜びの対比。
 ・聖人が「天国の仲間入り」をする教会的理解の表現。
◉銘文:
 (この場面には明示的な銘文は見られません)



St. Mary’s Cathedral(聖マリア大聖堂)の 内陣(chancel)から身廊(nave)方向 を。
主祭壇前(内陣)から西面の入口側に向けて撮影。
側壁にはステンドグラスが多くはめ込まれており、本体よりも信徒席寄り(中廊の左右)に
連続配置されているのであった。



左側上段
・図像: 半裸の人物(イエスと思しき人物)が鞭打たれている場面。周囲に赤衣の司祭や
    衛兵らしき人物。
・主題 :「鞭打ちの刑」(The Scourging at the Pillar)
・意味 :キリストの受難の始まり、彼の苦しみによる贖罪。

右側上段。
・図像: 白衣姿のキリストが手に器を持ち、弟子たちの足を洗っている場面。
・主題: 「弟子の足を洗う」(The Washing of the Disciples' Feet)
・意味: 謙遜と奉仕の象徴。最後の晩餐の直前、イエスが自ら弟子の足を洗うことで、
    愛と仕え合う教えを体現。

左側下段
図像: 捕らえられ、屈服させられる人物。兵士に囲まれた様子。
・主題: 「イエスの逮捕」(The Arrest of Jesus)
・意味: ゲツセマネの園での裏切りと捕縛の場面。人類の罪を背負う決意の瞬間。

右側下段
・図像: 白衣の女性(聖母マリア?)に向かって語る男性と、もう一人の証人。
・主題: 「ピラトの前のイエス」(Jesus Before Pilate)あるいは「ユダの裏切りの報告」
・意味: 無実のイエスが裁判にかけられ、不正と誤解の中で処刑へ導かれていく様子。



左窓 上段
 キリストが祭司の前で尋問を受けている。
  →「Our Lord before Pilate」(ピラトの前に立つ主)と関係。
左窓下段
 キリストがローマの法廷で裁きを受ける様子。
  → ピラトによる尋問・裁判を受けている描写。

右窓上段
 キリストが手を縛られ、ローマ兵に引かれている。

  →「Condemned to death」(死刑判決)に至る場面。

右窓下段
 キリストが正式に死刑宣告を受けた場面。衛兵に囲まれた裁きの瞬間。



左窓
上段 :イエス・キリストのゲッセマネの祈り
   キリストが岩にひざまずき祈る姿。天使が現れ励ます(ルカ22:41-43)。
   ラテン語枠:“God strengthened him.”
下段: 聖パトリックの遺体を運ぶ場面(St. Brigid brings the Bishop’s Staff)
   女性たち(中央の人物は聖ブリジット)が、司教の杖を携えて移送する様子。
   「St. Brigid bringing the Bishop’s Staff」
右窓
上段: キリストの復活(Resurrection)
   輝く白い衣の復活のキリストが現れる。
   ラテン語枠:“He showed himself alive.”
下段: 聖パトリックの死後の場面(The Dead Body of St. Patrick)
   人々が聖パトリックの亡骸を丁寧に扱っている。
   → アイルランドの守護聖人としての崇敬が示される場面。

このステンドグラスは、キリストの救済史(祈り〜復活)と、アイルランドにおける
キリスト教布教の完成(パトリックの死とブリジットの継承)という、二重の物語構造に
なっています。
ステンドグラスの典型的な「物語順(左上→左下→右上→右下)」の型を保っていますが、
左右を通じて時系列が交差して進むため、教会内での位置や意味合いによって観客が読み解く
形になります と。



左窓
上段 :エマオの食事(The Supper at Emmaus)
   復活したキリストが、エマオの村で弟子たちと食事をする場面。
   弟子たちは彼を識別できなかったが、パンを裂く姿を見て気づく(ルカ24:30–31)。
下段 :聖者(プリンス)たちが聖体拝領を受ける場面(Prince and retainers Holy Communion)
   この場面はアイルランドの王または貴族とその随行者が聖体拝領を受けている様子であり、
   初期のキリスト教受容を示しています。

右窓
上段: 復活のキリストと弟子たちの夕食(同上・エマオの場面の続き)
   左窓の続きと考えられる構成。パンを裂く動作の直前または直後を描写。
下段: St. Columba(聖コルンバ)が子どもに教えを授ける場面
   アイルランドにキリスト教を広めた重要な聖人の一人。
   St. Columba and a boy from St. Columba’s School(聖コルンバと弟子)と
   考えられます。



St Mary’s Cathedral(セント・メアリーズ大聖堂)内の側廊に面した一角。
この空間は、 洗礼式(Baptism)が行われる神聖な場所。
・構造
 ・アーチ状の石組みの出入口。
 ・両脇に装飾鉄製の扉(Wrought Iron Gates)。
 ・床面は美しい幾何学模様のタイル張り。
 ・中央に洗礼盤(Baptismal Font)が据えられ、後方に椅子が並ぶ。
 ・背後には三連窓のステンドグラス。


洗礼堂のステンドグラス
中央場面(主パネル)
主題: イエスの洗礼(Baptism of Christ)
 ・中央に立つ人物はヨハネ(洗礼者ヨハネ)、その左に跪いて水を受けているのが
  イエス・キリスト。
 ・頭上には聖霊の象徴である白い鳩と、光輪の放射、天からの光が描かれている。
 ・周囲に弟子たちや群衆が見守っている様子。
左パネル
 ・祈る人物:青い衣をまとった人物(おそらくマリア)、あるいは洗礼の証人。・
 ・複数の人物がイエスの洗礼を見守る場面の一部として描かれているようです。
右パネル
 ・群衆の中で跪く人物や、祈りを捧げる姿。
 ・イエスが神の子であることを見出した瞬間を称える描写か。
丸窓(上部3つ)
 ・天上の天使たち(Cherubs or Seraphs)がラッパやハープなどの楽器を奏でている。
 ・最上部の丸窓には、神の目や栄光の象徴(十字架と王冠)が描かれている可能性があります。

このステンドグラスは、おそらく 1931年に逝去したケリー司教アンドリュー・ヒギンズ
(Andrew Higgins)師の追悼として奉納されたもの である と。



ステンドグラス窓(2連)で、 復活後のイエスと弟子たちへの教えの場面 が描かれていた。
左パネル上段:復活後のイエスが現れる場面
 ・白い衣のキリストが弟子たちの前に現れ、一人が膝をついてひれ伏している。
 ・背後に天使2人が控える。
 ・キリストの手には磔刑の傷跡が見える。
右パネル上段:キリストの昇天直前、最後の教え
 ・白いローブ姿のイエスが右手を挙げ、弟子たちに語っている。
 ・場面としては「最後の命令(大宣教命令)」の一部か、あるいは昇天直前。

左パネル下段:イエスの言葉を聴く群衆
 ・多くの弟子たち(または聴衆)が立ち並び、話に耳を傾けている。
 ・背後の赤い背景と建築は、教会内や天国的空間の象徴。
右パネル下段:バプテスマ(洗礼)を授ける場面
 ・司教の装束を纏った人物が手前の若者に洗礼を授けている。
 ・「あなたがたはキリストの体の一部である」という教えと一致。



左パネル上段:聖パトリック、少年に教えを授ける
 ・赤い衣の聖パトリックが立ち、巻物(または書物)を持って説いている。
 ・少年が足元に跪いており、聴衆が周囲にいる。
左パネル下段:聖パトリックが病人を癒やす
 ・聖パトリックが白衣をまとい、病人に手をかざしている。
 ・傍らには看護する者たちの姿。
右パネル上段:聖パトリック、弟子と共に旅をする
 ・2人の人物(パトリックと弟子)がローブ姿で前を向いて歩いている。
 ・巻物と杖を持つ、宣教の象徴。
右パネル下段:パトリック、少女に洗礼を授ける
 ・若い女性が白い衣を纏い、前に立つ司教姿のパトリックが手をかざしている。
 ・後方に修道女のような姿の人物。



左パネル上段:聖パトリックが説教する
 ・パトリックが聴衆に向かって説教している場面
 ・傍らには聖書を持つ人物も見られる
左パネル下段:聖パトリックが聖水を授ける
 ・パトリックが白衣の人物に聖水を注いでいる様子(洗礼)
 ・背後に見守る人々
右パネル上段:旅するパトリックと同行者たち
 ・2人の人物が並んで歩いており、杖と巻物を所持
 ・宣教の旅を表す典型的構図
右パネル下段:若き修道女を導く聖パトリック
 ・聖パトリックが修道服を着た少女を導いている
 ・背後に教会らしき建物、司教杖などが見える



左パネル上段:聖パトリック、病者に祝福(または癒し)を与える
 ・横たわる人物に手を差し伸べるパトリック
 ・周囲には心配そうに見守る家族や従者
左パネル下段:聖パトリック、弟子たちと共に教えを説く
 ・複数人の弟子たちに囲まれ、座って語るパトリック
 ・落ち着いた学びの場面
右パネル上段:聖パトリック、復活または霊的啓示を受ける姿
 ・輝く白衣姿、腕を広げて立つ
 ・背後には十字架、足元には蛇(悪の象徴)
右パネル下段:聖パトリック、書物を記す晩年の姿
 ・老年のパトリックが杖を持ち、書を記している
 ・静かな時間の中で黙想している印象



祭壇周辺を再び。



西端(入口側)から 東の祭壇方向 を振り返って。



ズームして。

キラーニー大聖堂は、歴史的建築物、教会、大聖堂、内部の景色を展示しています。

さらに。
中央のパネル解説(上から下へ)
1.最上部: 神を象徴する存在(白髭の御父またはキリスト昇天後のイコン)
2.中段最下部: 立像の聖人(緑・紫のローブ、巻物または剣を持つ)
 ・この人物はおそらく 聖パウロ(St. Paul)
  ・剣は彼の殉教(斬首)の象徴
  ・巻物は彼の手紙(新約聖書の使徒書簡)を示す
3.背景装飾: 花紋、蔦模様、ラテン十字

左右のパネルの意味
・天使、聖人、預言者などの象徴的図像
・赤系の衣装やハープ、書物、リュートのようなものを持つ姿も見える
・時系列の物語というよりは「永遠の賛美」「聖人列伝」など象徴的な配置の可能性



祈祷用の小礼拝堂(Chapel of Repose)。

キラーニー大聖堂には、教会または大聖堂、歴史的建築物、歴史的要素が含まれます。

ズームして。



St Mary’s Cathedral(キラーニー)の 南側側廊の南端部(左側通路の一番奥)。



St Mary’s Cathedral の南側礼拝堂)にある ステンドグラスのクローズアップ(ズーム)
左パネル(向かって左)
・登場人物: 聖母マリアと幼子イエス
・主題:聖母子像(The Madonna and Child)
 ・マリアがイエスを抱きかかえ、母性的なまなざしを向けている。
 ・背景の鮮やかな赤と青の装飾が神聖さを際立たせています。
🔹 右パネル(向かって右)
・登場人物:
 ・上部の司教冠をかぶった人物: 聖パトリック と思われます(白い尖塔と緑のマント、
  アイルランドの守護聖人に典型的)。
 ・下部の人物が跪き祈る姿も見えます。
・主題:アイルランドの守護聖人・聖パトリックの加護
 ・マリアと子イエスの隣に配置されていることから、信仰とアイルランドの守護という
  二重の意味を持つと思われます。



St Mary’s Cathedral(キラーニー)東端の高窓部をズームして。
聖ヤコブ(St. James the Greater)
  ・新約聖書の使徒の一人で、ゼベダイの子、ヨハネの兄弟。
  ・巡礼者の守護聖人(例:スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ)。
  ・よく「貝殻(ホタテ)」や「巡礼杖」「書物」を持って描かれます。
  ・赤い衣装は殉教の象徴でもあります。



St Mary’s Cathedral(キラーニー)の 内陣(高窓部)の右側パネル群の一つをズーム して。
聖シモン・ゼロテス(Simon the Zealot)
聖シモン・ゼロテス(Simon the Zealot)は、イエスの十二使徒の一人で、「熱心党のシモン」
とも呼ばれます。伝承ではペルシャやエジプトなどで布教し、のこぎりで殉教したとされ、
その道具が象徴として描かれます。記念日は10月28日で、信仰と情熱の象徴的存在です。



                                  ・・・​ もどる ​・・・




                 ・・・​ つづく ​・・・







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Last updated  2025.08.28 14:50:09
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