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第3四半期の決算発表のラッシュですが、大幅な下方修正が相次いでいます。今期の事業環境は、比較的好調だった上半期までと、第3四半期以降では急変していますので、従来の決算チェックとは違った観点を重視する必要があると思っています。私が今、通常時よりも重視しているのは、以下のようなポイントです。そろそろ来期の業績予想が気になる季節ですが、現状の厳しい状況が当面続くことを前提にせざるを得ないと思います。その場合、決算発表数値は累計ではなく、第3四半期実績と第4四半期予想を、四半期単位で見る必要性が高まります。上半期の貯金は、とりあえず忘れた方が無難です。例えば第3四半期累計や通期予想で利益が出ていても、第3四半期(10-12月)実績や第4四半期予想では、赤字になっているケースが多く見受けられます。この場合には、来期の業績予想も赤字になる危険性があることを、覚悟する必要があります。また従来ですと、通期予想に対する進捗率に注目し、進捗率が高い事を好材料視するのですが、今回の場合は 進捗率が高い=第4四半期の業績予想が悪い→来期の業績も期待できないという見方もできます。したがって今は、進捗率にはあまりこだわらないほうが良いと思います。事業環境が好転しそうなのか悪化傾向なのか、その方向がより重要です。なおこの見方は、10月以降に業績が急激に悪化した企業についてであり、景気低迷の悪影響を受けていない企業にはあてはまりません。現在も業績好調な企業は、従来通りの分析方法をすれば良いと思います。次に内容に目を向けます。上半期の事業環境を一言でまとめると、原材料価格の高騰を、如何に販売価格に転嫁できるかがポイントでした。したがって、利益率に注目していました。それに対して下半期では、売上が急激に減少していることが、最大の問題です。したがって、売上高と受注高の動向を重要視しています。(今は将来の見通しが立たないでしょうけどね)また、売り上げ減少の利益への影響を把握するために、固定費の割合にも着目したほうが良いと思います。在庫が急増していないかも、注意点です。資金繰りは当然、要チェックポイントですね。(経験者は語る)株価等の下落により、多額の有価証券評価損を計上するケースが多発しています。しかしこれは一過性のものなので、私はあまり気にしていません。(洗い替え法であれば、3月期末の株価が上がれば、第3四半期までの評価損もなくなるかもしれないし。)繰延税金資産の取り崩しも発生するかもしれませんが、まとめて今期中にうみを出し切ってください。来期の予想がすべてだと思っています。第3四半期/第4四半期が黒字を維持している会社は、そろそろ投資チャンス、赤字の会社は来期業績を見てから検討、というふうに考えています。買うチャンスは何度もありますので、あわてて追っかけ買いをすることだけは、避けましょう。
2009.01.31
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経済の各成長段階での特徴を、マルチプレイヤーズゲームの展開に当てはめて、考えてみます。前回のブログ とあわせてお読みください。前回はゲーム展開を、序盤戦/中盤戦/終盤戦 に分けて、記述しました。これを経済の成長段階にあてはめると、高度成長期/安定成長期/成熟期 となります。1.高度成長期(ゲームの序盤戦)高度成長期には、国民の生活水準が急速に向上し、中流階級が急増します。需要は急拡大し、作れば作るだけ売れていきます。ゲーム展開で書いた ”無人地帯”がたくさんある状態です。各企業にとっては、いかに供給能力を高められるかが、最重要事項になります。大量生産の時代です。市場が拡大するためには、消費者が手を出せる価格にする必要がありますので、安価であることも大切な要素です。消費者の要求は、これ以降の発展段階と比較すると厳しくありませんので、質よりも価格が重視されます。一般的にあらゆる意味で、質(製品の品質、企業統治の質、環境対応等)は高くありません。成長性が最大の魅力です。この段階での成功は、拡大/展開スピードの速さによって、もたらされます。”無人地帯”の陣取り合戦ですので、利益率よりもシェアが重視されます。シェアさえとってしまえば、利益はあとから上げられると目論みます。2.安定成長期(ゲームの中盤戦)高度成長を続けるうちに、公害など社会にもひずみが出てきますし、消費者の要求も多様化し、質を求めるようになってきます。その結果、イケイケでやってきた高度成長期もいずれ終わり、安定成長期に入ります。いろいろな特徴を持った、様々な製品が出てきます。高度成長期の大量生産時代から、多品種少量生産に移り変わります。高品質な製品も出てきますが、一方廉価な製品もあり、2極化が進みます。同じ廉価とはいっても、高度成長時代とは理由が若干異なります。高度成長時代には、市場拡大のために消費者が買える価格に抑えることが目的でしたが、安定成長時代の消費者は、購買能力の問題というよりは、価値観によりお金をかける対象とかけない対象を選択するようになっています。安価な価格設定の目的は、購買可能層(市場)の拡大ではなく、製品の特徴のひとつの要素となります。企業のとりうるアプローチは千差万別になり、ポジショニングなど戦略の重要性が高まります。急成長企業が現れる一方、消えていく企業も多くあります。これは自然な淘汰の過程だと思います。3.成熟期(ゲームの終盤戦)(1)”強力な3カ国”のパターン数社の勝ち組企業による、総力戦の様相を呈してきます。この段階では、単に安いだけでは売れません。品質と値頃感の両立が求められます。安くて品質の良いものを、消費者の好みの移り変わりに合わせたデザインで、適時適所で提供する必要があります。競争は熾烈を極め、低利益率の消耗戦に陥る場合も珍しくありません。多くの弱小企業が消えていく一方、安定成長期までと比べて急成長企業は現れにくくなります。総力戦とはいえ、たとえ勝ち組企業であっても、1社ですべての要素を高いレベルで維持しながら、安価に保つことは困難です。そのため必然的に得意分野に焦点を絞り、それ以外は他社と提携を進めることになります。このあたりは、先日のゲーム展開の話とは、異なるかもしれませんね。市場全体での成長性は高くありませんので、コストコントロールが重要です。しかしそれと同時に、消費者には既に必需品は行き渡っているため、新たな価値を提供できるような斬新さも求められます。国民の要求はあらゆる面で厳しくなり、社会的責任も果たす必要が出てきます。合併による規模の拡大を目指すことも多くなります。これはゲーム展開で説明した、2位3位連合に相当します。(2)”超大国の出現”のパターン独占禁止法があるので、完全に1社による独占というパターンは現れないかもしれませんが、少数企業により市場を占有されてしまうと、その他の弱小企業は販路の確保もままならず、逆転は困難になります。(1),(2)どちらのパターンにもいえる事ですが、他の多くの企業は総合力では超大国企業に適いませんので、ニッチ戦略を取ることになります。特定の分野で高い技術力を有して、超大国企業に部品として採用してもらうか、超大国企業が参入しないようなニッチ分野で、高収益を保つことを目指します。これらの企業は一般的に、高成長よりも利益率を優先すべきだと思います。そうこうしているうちに、超大国企業は大企業病に侵されて衰退していくか、技術革新が起き、ベンチャー企業の中から新しい分野の急成長企業が現れ、新たな産業での新たなゲームが始まります。ただし国民の生活水準は、かつての高度成長期とは異なりますので、ゲーム展開も異なるかもしれません。このように考えてみると、マルチプレイヤーズゲームのゲーム展開と、似ていると思いませんか?
2009.01.23
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人間社会には、マルチプレイヤーズゲームに似ていると感じる事象が、たくさんあります。ゲームは、実社会のある一面に焦点をあててモデル化したものですから、実社会がゲームに似ているのではなく、ゲームの方が実社会に似せて作られていると言った方が、正しい表現なんでしょうけどね。ゲームではありませんが、孫子の兵法など、戦争に関する古来からの知恵を、ビジネスに活かそうとする試みもよくなされます。戦争とビジネスの違いはあれど、多数の人間通しの競い合いという観点では同じですので、共通点があるのは当然だと思います。戦争ゲームも、ビジネスに通じるところがあると感じています。そこで、経済の成長段階ごとの特徴を、マルチプレイヤーズゲームのゲーム展開に照らして、考えてみました。マルチプレイヤーズゲームであれば、どのようなルールのゲームでも構わないのですが、イメージしやすくするために、以下のようなゲームを想像してください。<ゲームのルール概要>多数のプレイヤーが各々自分の国を担当し、領土を拡張していくゲームです。各国はコストを払い戦闘部隊を作成し、戦闘部隊を各地に展開することにより、支配地域を広げていきます。支配地域が広がると、生産力(=国力)も上がります。戦闘部隊には様々な特徴を持つ多数の種類があり、能力の高い部隊の製造はコストが高く、能力の低い部隊は低コストで製造できます。各プレイヤーは、同盟したり裏切ることが、自由にできます。このようなゲームの場合、典型的には以下のようなゲーム展開になります。1.序盤戦:(量と展開スピードの勝負)当初各国の支配地域は小さく、未だどのプレイヤーにも支配されていない”無人の地”が、たくさんあります。序盤戦においては、如何に無人地帯を広く獲得するのかを、競うことになります。そのためには、部隊をできるだけ早期に多数作成し、すばやく各地に展開することが重要になってきます。プレイヤー間で戦争を始めると、その間に他の国々に無人地帯を支配されて、出遅れてしまうため、プレイヤー間での戦争はめったに発生しません。したがって、戦闘力などの部隊の質には、あまりこだわりません。コストの安い部隊を大量生産することに、注力することになります。2.中盤戦:(質も重視。多彩な戦略)無人地帯の取り合いが一巡すると、更に領土を拡大するためには、他国の領土を奪う必要があります。この段階でいよいよ、プレイヤー間での戦争が開始されます。戦争に勝って急拡大する国家が現れると共に、その裏では多くの国々が滅亡していきます。戦闘に勝つためには、部隊の質も重要になってきます。雑魚ばかりの軍隊では、敵の強い戦闘部隊には歯が立たないかもしれません。中盤戦では、様々な戦略が考えられます。多少部隊の質は劣っても、物量作戦で敵軍を消耗させてしまうという戦い方もありえます。戦闘力/射程距離/防御力/機動力など、部隊編成にも工夫が必要です。また、西の敵国と戦争しているときに、東の隣国に背後を攻められたら、ひとたまりもありません。同盟関係を結ぶなどの外交も、非常に重要になってきます。中盤戦は戦略や展開がバラエティに富んでいて、もっとも面白いと感じます。3.終盤戦:(質と量の総合力)ゲーム展開によって、2つのパターンに分かれます。(1)強力な三カ国の争い3カ国程度の強国が出現します。1番手の国に独走されないように、2位3位連合ができやくすなります。最強国であっても、2位3位連合には適いませんので、徐々に勢力は衰えていき、新たな1位国が2位3位連合の中から現れます。そうなると、かつての2位3位連合は分裂し、新たな2位3位連合が形成されて、新1位国に対抗します。このような展開になると膠着し、勝負はなかなかつかなくなります。一度戦端が開かれると大軍同士の大戦闘となり、消耗戦に陥りがちです。小国は大国に徐々に滅ぼされていき、新たな大国は現れにくくなります。3カ国はすべて強国ですので、総合力の勝負になります。戦闘部隊には、質量ともに要求されます。どんなに戦闘力が高くてもコストが高く少数しか作れなかったり、逆に数だけは大軍だが戦闘力が弱いようでは、勝負になりません。また、戦闘力と機動力のバランスなども重要です。(2)超大国の出現圧倒的に強い、超大国が1カ国出現します。こうなると、ほぼ勝負はついてしまいます。他の小国は、超大国に逆らっても歯が立ちませんので、生き残ることだけを考えるようになります。超大国の役に立つような特殊能力を持って同盟関係を結ぶか(属国とも言う)、超大国が侵略してもメリットを感じないようにするしかありません。特殊能力とは、例えば強力な水軍を持つとか、山岳地帯での機動力があるなどです。超大国が他国を攻めるときに、それら特徴のある部隊を援軍として送ることにより、超大国との同盟関係を築きます。また超大国が侵略してもメリットが低いと判断するのは、国土があまり肥沃ではなく、防御力がそれなりに強力な場合です。手間がかかる割りには、実入りが少ないので、侵略するのは後回しになります。こうして小国は生き永らえながら、イベントが発生して超大国が内部崩壊するか、画期的新兵器の発明によって軍事バランスが変わるのを待つことになります。以上が、マルチプレイヤーズゲームの典型的な展開だと思います。次回はこれを、経済の成長段階による特徴に、あてはめてみたいと思います。
2009.01.19
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