ラッコの映画生活

ラッコの映画生活

PR

Calendar

Comments

Jeraldanact@ Проститутки метро Электросила Брат замминистра инфраструктуры Украины…
SdvillkeS@ ИнтерЛабСервис [url=https://chimmed.ru/ ]brueggemannal…
hydraGes@ Новая ссылка на гидру v3 новый сайт гидры v3 <a href=https://hydraruzpnew4afonion…
間違い@ Re:『沈黙の行方』トム・マクローリン監督(米・加2001)(02/21) 姉ではなく、妹です。 なので、弟ではなく…
RogerEQ@ Это вам будет по вкусу разработка сайтов веб сервис - <a hr…

Profile

racquo

racquo

Favorite Blog

コイケランド koike1970さん
Kabu + Plus エースNo1さん
行きかふ人も又 はる **さん
Nobubuのbu… Nobubuさん

Keyword Search

▼キーワード検索

2007.01.17
XML
カテゴリ: フランス映画
LA REPETITION
Catherine Corsini

000.jpg

エマニュエル・べアールとパスカル・ブシェールが幼なじみの2人の女性を演じた映画です。監督は女優・脚本家でもあるカトリーヌ・コルシニ。主演2人は悪くはありませんが、結局のところ何が言いたいかったのかわからない作品でした。ボクは女性監督の作品っていうとちょっと警戒するのですが、やはりダメでしたね。これは何も女性差別をしようというのではない。数え切れないほどの男性映画監督の中でも名監督は数パーセント。女性監督は絶対数が少ないから、その同じパーセントをかけたら女性の名監督なんて数人くらいしかいないかも知れないわけです。(ちなみに女性名監督の筆頭はボクにとってはマルグリット・デュラス。)

057.jpg

この映画は幼なじみで今30代の2人の物語ですが、映画は学生時代の芝居の稽古風景に始まり、後半は舞台女優となったナタリー(べアール)の『ルル』の舞台稽古が描かれます。だから原題は『LA REPETITION』(芝居等の稽古の意)なんですが、このフランス語はもともと「繰り返し」という意味で、2人の屈折した関係のドラマが何度も繰り返されるという含みがあるのでしょう。でも観客にとっては同じことを飽きずに何度も繰り返して見せられるというのがこの映画です。この2人が登場する別の映画があったとして、その映画で10分程度で描かれてしまうだろう2人の屈折した感情関係だけを描くのに繰り返して繰り返して90分使っているといった感じで、他には何もありません。

037.jpg

(以下ネタバレか?)
ストーリーはもちろんあるにはあるけれど、ほとんどないにも等しいです。最初にほんのちょっと子役の演じる2人が11歳だった頃の仲良し風景が映って、それから芝居の勉強をしている学生時代。美貌にも恵まれ、自由奔放に生き、芝居の才もたぶんあって、でもある意味子供っぽいナタリー。そのナタリーに憧れ、彼女になりたいと思っていて、それで彼女を愛し、また嫉妬し憎んでいる地味な、そしてやはり幼いルイーズ(ブシェール)。芝居の上演でナタリーは注目を浴び、自分は無視される。ルイーズのナタリーに対する複雑な感情はもともとルイーズ自身の問題で、その関係に耐えられなくなったルイーズは手首を切って自殺をはかり、死に切れなかったけれどナタリーと絶交する。自己中心の子供であるナタリーは(自殺未遂のことは知らないけれど)絶交をしたルイーズの心情なんてわからない。ここまでが学生時代で、この後10年後くらいに舞台女優となって活躍するナタリーと歯科技工士となり結婚して地方都市で地味に生きるルイーズが再会してからが映画の中心的物語なのだけれど、新しいことは何も出てこない。学生時代の2人はある意味そのままだし、感情関係も同じ。2人の間に生じる同じドラマを「繰り返して」観客は見せられるのみ。結局最後にはまた決裂して別れがあるだけなのだ。憧れと嫉妬から成り立ったナタリーへの愛と独占欲のルイーズの行動が心理的サスペンスとして観客を引きつけるから、ある意味退屈はしないけれど、どうなるのかというサスペンスに対する結果が何もないです。

039.jpg

あえて少し内容分析。「ルイーズはナタリーの奇麗で高そうなシガレットケースを盗むけれど、これはもちろん物が欲しいわけではない。憧れているナタリーの象徴であり、自分をナタリーに同化するためのアイテム。でもそれを知ったナタリーの反応は単なる物取り扱い。」とか、「恋人で劇作家・演出家のマティアスにナタリーは言われる。君は自分に似た役しかやろうとしない、と。精神的にまだとても幼く自己中心的で、だから他の人の心理を理解して役づくりなんてきっとできない。少なくともやりたいと思わない。これはルイーズに対する態度でもあるわけです。そしてそうマティアスに批判されると、彼を抱きしめて愛の行為にもっていくことで話ははぐらかしてしまう。ルイーズに手首の傷痕は絶交した日に切ったと告白されると、やはり(同性愛的に)彼女を抱くことではぐらかしてしまう。」とか、「あるいは冒頭の学生時代の稽古風景。もともと仲良しの2人で競演して演じるはずだった芝居だけれど、やっぱり一人で演じた方がいいと言い出して、2人は別々の芝居を演じることになるのだけれど、これはたぶん既に2人が一緒であることの不可能を象徴している。」とか、でもこんなこと分析してみても不毛ですね。それで結局この映画は何なのさ、って言うと何もないんだから。

048.jpg

この映画、なんとカンヌ映画祭正式出品作品。批評家とかの映画専門家はほとんど厳しい批判ばかりなんですが、こんな作品をなんで正式に出品しようなんて発想が出るんですかね。フランスのある映画サイトの観客評を見てみたら、けっこう高得点つけてる人が多い。一部(あるいは多数?)の観客はこういう映画も好きなんですね。それはそれでいいでしょう。でもフランス映画の悪い側面が強調された作品だと思います。心理的重さだけをそれらしく描けばいい、っていうような。ボクとしては映画の最初と最後での人物の、成長とは言わなくとも、少なくも変化を期待します。しかしそれがありません。むしろどっちかが冒頭で相手を殺してしまって、そこに至る心理的経緯を描くって方がマシかも、なんて感じてみたり。もっと扱いようがあるテーマで、豪華な女優さん使って、お金も労力も使って作られたことを考えると、もったいないな~!って感じです。

058.jpg



監督別作品リストはここから

アイウエオ順作品リストはここから





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.01.17 00:20:20
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: