長編2時間弱のドキュメンタリーなのですが、生態系破壊、ストリートチルドレン、売春、エイズ、武器輸出等々、どの問題についても何も詳しくは教えてくれないんですね。ではそれらの問題について衝撃的な映像があるか(?)っていうとそれもない。なら映画チラシから引用した解説文以上の何もないのではないかと・・・。

ドキュメンタリーに関してではありませんが、

>アメリカ映画をあまりご覧にならないのは

っていうのは、あまり見ないけれど接するといつも感じるのは、あらかじめ解っていることを映画的感動として描かれることにあまり関心がないということだと思います。 (2007.03.11 18:56:21)

ラッコの映画生活

ラッコの映画生活

PR

Calendar

Comments

Jeraldanact@ Проститутки метро Электросила Брат замминистра инфраструктуры Украины…
SdvillkeS@ ИнтерЛабСервис [url=https://chimmed.ru/ ]brueggemannal…
hydraGes@ Новая ссылка на гидру v3 новый сайт гидры v3 <a href=https://hydraruzpnew4afonion…
間違い@ Re:『沈黙の行方』トム・マクローリン監督(米・加2001)(02/21) 姉ではなく、妹です。 なので、弟ではなく…
RogerEQ@ Это вам будет по вкусу разработка сайтов веб сервис - <a hr…

Profile

racquo

racquo

Favorite Blog

コイケランド koike1970さん
Kabu + Plus エースNo1さん
行きかふ人も又 はる **さん
Nobubuのbu… Nobubuさん

Keyword Search

▼キーワード検索

2007.03.03
XML
カテゴリ: ヨーロッパ映画
DARWIN'S NIGHTMARE
Hubert Sauper
(112min)
那覇・桜坂劇場にて

00.jpg

寸評:テーマ自体はもの凄く大切なもので、社会に広く問題を知らしめ、論議のキッカケを作ったことで役割は果たしたかも知れないが、ドキュメンタリー映画の映画としての質には疑問も多い。

02.jpg

解説:(映画チラシより引用)これは、あなたが生きている世界の物語。淡水湖では世界第2位の大きさを誇るアフリカのヴィクトリア湖は、生物多様性の宝庫であることから「ダーウィンの箱庭」と呼ばれていた。ところが、そこへ巨大な肉食の外来魚ナイルパーチが放たれたことで状況は一変。ナイルパーチはどんどん増え、湖畔の町には、どの魚を加工・輸出する一大産業が誕生し、地域の経済は潤う。しかし、その陰では悪夢のような惨劇が生み出されていった。新しい経済が産み落とす貧困、売春、エイズ、ストリートチルドレン、ドラッグ、湖の環境悪化・・・。まるでドミノ倒しのように連鎖する。さらには、ナイルパーチを積みにやって来る飛行機が、アフリカの紛争のために武器を運んでいるという驚くべき疑惑までも浮上する。『ダーウィンの悪夢』は世界中の映画祭で多数のグランプリを獲得、2006年アカデミー賞では長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。海外メディアも本作をこぞって大絶賛し、そのあまり衝撃的な内容に、社会論争までもが巻き起こった。情け容赦なく暴かれてゆく悪夢のグローバリゼーションは決して遠い世界の出来事ではない!

03.jpg

この映画に関して興味深いことの一つは、米アカデミー賞・長編ドキュメンタリー賞ノミネートだ。映画の中ではなるほどアメリカ批判がほとんど皆無で、悪者的に描かれるのはヨーロッパであり、特にまたロシアであり、そしてちょっぴり日本だ。黒人奴隷問題を除けば、もともとアフリカを食い物にしてきたのはイギリス・フランス・ドイツ・ベルギーといったヨーロッパ諸国であった歴史的事実がある。これが同じような問題でのアメリカ批判の映画だったらアカデミー賞では黙殺されただろう。この映画はフランスではセザール賞・最優秀初監督賞を受賞し、イタリアではヴェネツィア国際映画祭・ヨーロッパ・シネマ・レーベル賞を受賞だ。これが自己反省・自浄作用を備えたヨーロッパ諸国と、傲慢一国主義の米国との社会的・文化的根本的違いだ。

01.jpg

しかしこの映画の主題は、決してただナイルパーチを輸入するヨーロッパ諸国や日本批判でもなければ、輸送するロシア批判でもなければ、アンゴラ等アフリカ紛争地域への武器の輸出や、ヴィクトリア湖の環境破壊の問題や、(映画の中では直接言及されないが)ヨーロッパ諸国による歴史的アフリカ搾取の批判ではない。これは一つの例であって、先進諸国による後進諸国の搾取、南北問題を含む現代の世界のあり方そのものがテーマであり、その意味では米国も同じ穴のムジナであり、むしろ総本山と言ってもよい。そのことに気付かずにアカデミー賞にノミネートさせるという浅薄な見方しかできないのもまたアメリカの社会のレベルでもあるかも知れない。

04.jpg

寸評に書いたように問題を社会に提示した意味は大きいかも知れないし、しかも根底にアメリカ批判をも含む映画を米国でも受け入れさせた効果だってある。しかし実際にフランスか何処かでナイルパーチの不買運動が起きたように、ことの本質がどれだけ広く伝わっているかには疑問がある。もちろんおめでたい映画ではなく現在の世界のあり方自体への批判を含むものであるから、出演者への配慮や公開の可能性等を考えての制約もあって、それでレベルの作り方になったと理解できなくもないが、結果として映画そのものとしてはつまらないと感じられた。内容的には400字原稿用紙2枚程度の要約以上の何物ももたらしてはくれていない。60分に編集してテレビで放映する程度の実質といってよいと思う。

05.jpg



監督別作品リストはここから

アイウエオ順作品リストはここから





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.07.05 03:22:46
コメント(6) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:『ダーウィンの悪夢』フーベルト・ザウパー監督(フランス・オーストリア・ベルギー2004)(03/03)  
こんにちは。
辛口ですね。^^
質感も音もたしかに悪かったです。
無骨な感じではありますが、ナイルパーチから始まって、武器の密輸、紛争に至るまで、背景に感じ取ることはできました。

>自己反省・自浄作用を備えたヨーロッパ諸国と、傲慢一国主義の米国との社会的・文化的根本的違いだ

最近はよくよく思います。
アメリカ映画をあまりご覧にならないのは、そういった理由もあるのですね?
(2007.03.11 15:29:27)

オコ*ジョーさん  
racquo  さん

Re:『ダーウィンの悪夢』フーベルト・ザウパー監督(フランス・オーストリア・ベルギー2004)(03/03)  
aire_rino  さん
お久しぶりです。
この映画は私も観に行きたかったのですが、機会を逃してしまって・・DVD待ちです(出るかな?)
このサイトは読まれたことがありますか?
http://jatatours.intafrica.com/habari49.html
この映画は絶賛する人が多いので、違う観方の出来そうな方の意見も伺いたいです。
って、観てない私が言うのも何ですが・・(笑)
たまたま先日アップした「ナイロビの蜂」とも背景が重なるような重ならないような。 (2007.03.27 22:12:24)

aire_rinoさん、  
racquo  さん
aire_rinoさん、

コメント、ありがとうございます。

ご紹介いただいたサイト、見てきました。2時間の映画の何倍もの情報が詰まっていますね。

この映画を見てボクが感じた気分を書くと、何か気持ち良くなかったということです。それはナイルパーチを日本が輸入しているとか、タンザニア・ムワンザの悲惨が紹介されているからとか、そういう意味での気持ち悪さではありませんでした。無知ゆえに理由ははっきりしないものの、生理的に何か「胡散臭い」ものを感じていたのかも知れません。この監督のことは何も知りませんが、とにかく会って話したらきっとイヤなヤツだろうな、ってそんな感覚を持ちました。そもそもダーウィンという名前をタイトルにしながら生態系の破壊に関する情報をこの映画は提供してくれません。ご紹介のサイトにあったようにアフリカを「自分の庭」と思うヨーロッパ人の「家父長主義」でも「人種主義」でもいいから、それならそれで良いからその視点でしっかり言いたいことを言ってみろ、という感想でしょうか。

フランスでは既にDVD化されていて、日本でもまだ未定ながらアマゾンに商品ページが出来ているのでいずれDVD化されるのではないでしょうか。 (2007.03.28 00:13:30)

Re:aire_rinoさん、(03/03)  
aire_rino  さん
racquoさん、わざわざ長い記事を読んで頂いてありがとうございます。

>「胡散臭い」もの
やはりそうですか…。

映画に込められるプロパガンダ的なメッセージには白とも黒ともつかない作品が多いですね。
でも私もラッコさんのようにある意味直感的な感情を大事にしたいと思っています。

そんなものを感じさせない感性を扱った映画は安心というか本当の感動がありますよね。ヨーロッパの作品は未熟な私には分不相応ですが、徐々に挑戦したいと思います。

DVD出ますか!?では胡散臭さを私も観られますね(笑)
(2007.04.08 01:58:32)

aire_rinoさん、  
racquo  さん
aire_rinoさん、

>わざわざ長い記事を読んで頂いてありがとうございます。

いやぁ面白く読ませていただきました。ご紹介いただいて感謝しています。

>プロパガンダ的なメッセージ

この『ダーウィン』のような映画はドキュメンタリーでもあり批判的目を持って見る人もいるからまだ良いのですが、レビューに書いたように『アメリ』のようなのはもっと胡散臭いです。
http://plaza.rakuten.co.jp/KarolKarol/diary/200701260000/

(2007.04.09 20:22:13)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: