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特許出願の際に、発明特定事項を特許請求の範囲に記載し、権利範囲を明確にしなければならない。只、明細書中には、特許請求の範囲に記載されていない発明事項が記載されている場合が多く、公開と伴に周辺の技術内容が漏れる結果となる。 その様な場合は、分割出願の形式をとって権利保全を図る。明細書に複数の発明が記載されており、未だ特許請求の範囲に記載されていない発明事項の保護・権利化を図る上で利用価値の高い制度である。規定を満たせば、優先権主張及び出願時への効力遡及が認められる。 ところで、特許侵害の対抗策を検討する段階になって、禁反言の問題に直面する場合が往々にして出てくる。新規性・進歩性をクリアーできる工夫を加えることが出来れば、分割後の特許請求の範囲に収めて、特許取得による対抗手段をとることもできる。あるいは、優先権主張を一部取り下げ、先願を活かす道も検討できる。要は、明細書に記載しているけれども、特許を得ていない発明について他人の特許侵害を許容しないとの趣旨である。 特許法の中で、特許権を取得するのも難しいが、特許侵害から権利を守るのも難しい。
2005年05月13日
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特許権侵害に関する企業間の争いを、ニュースとして新聞・テレビ等のマスメディアに取り上げられるケースが増えている様だ。特許の価値の一面は、その表された技術を独占的に実施し、その利益をも独占し得るところに在る。それで、特許技術を他社が実施し、特許権を侵害する事実に対しては、企業防衛の見地からも訴訟等の手段を通じて対処するのは当然の行為である。 特許権の侵害を防止する上では、特許出願時の特許請求項の記載に注意が必要である。広い権利を主張できるか否かは、用いる用語次第という側面もある。例えば、先日の記載の際に「熱媒体」と言う用語を用いたが、具体的にはH2Oを指している。前者の表現が上位概念と言われるもので、後者の表現が下位概念と言われるものである。基本的なことであるが、上位概念を用いた方が権利範囲は広く主張できる。只、下位概念を用いた場合に、特許権の新規性・進歩性の主張に有利な場合がある。そこら辺りは難しい問題である。 さて、発明特定事項の構成要件が多ければ、技術的な新規性・進歩性を構成の困難性等の面から主張する上で有利に働く。しかし、それだけ侵害される隙も多くなう。只、住宅に係る特許の場合、色々考慮すべきことが多く複雑にしている。例えば、特許権取得を目指す場合、性能をもっとも発揮し、その効果の大きい構成を図ることとなる。それは、実用化を図る際に、普及の度合い・速度を左右するものとなる。 ところで、住宅は使われる部材が多く、しかも、部材の変更が簡単にでき、そこから特許権に挑戦することも不可能ではない。しかも、部材の変更によって、性能の部分的低下が全体としての不調和に繋がるか否かは、消費者には判断できない。それで、営業努力等の別の要因の手助けにより、住宅を取得した場合に被害にあったかどうかの区別は難しい。つまり、不調和であろうが、それで販売不能に繋がるわけではない。只、特許権を守る立場からは、それで終わるわけではない。 例えば、特許の本質的な部分は同一に、本質的でない部分の構成を変える手法が在る。部材が多いので簡単にできる。この場合、部材を置き換えても同一の作用・効果を奏す場合は、特許侵害又は不法行為として対抗することできる。 又、重要度の低い構成要件の省略により作用・効果は低下するものの、主要な作用・効果を維持できる場合もある。これも、特許侵害として対抗できる。 以上の対抗手段を考慮すると、一見狭い範囲の権利の様に見えても、有効即ち対抗できる特許もあるわけである。又、そこを狙った記載の仕方も在る。結局、その構成によれば最も性能を発揮し、その効果が大きい特許を取得すれば、対抗策はあるということである。只、一方で特許逃れの道筋を提供している様にも解釈され易いので、未然に防止しておくことも重要である。
2005年05月12日
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蓄熱手段は主に暖房の分野で、蓄熱・放熱の効率及び蓄熱の容量の面で性能の向上を図られてきた。目標は、床下輻射暖房に在るので、性能面で落ちる暖房の手段への応用を意図する手段はここでは検討の対象から除外する。 蓄熱の効率の高いのは、電気温水器である。エネルギー消費効率はCOP3に達している。只、通常設置する場所は屋外に想定されているので、熱交換によるエネルギー移転を行なう屋内の配管場所までエネルギーを運搬しなければならない。しかも、運搬中の熱損失も小さくない。 発熱体と蓄熱体とを接するように配置する場合、直接的な熱伝導によるエネルギー移動であるから、熱損失は考慮する必要がない。只、エネルギー消費効率の面での改善は進んでいない。この事情は所謂蓄熱暖房機も同じで、マイコン制御で温度管理等の操作性は向上しているが、肝心のエネルギー消費効率の面での改善は進まず、相変わらず低いままである。 エネルギー消費効率の高い機器といえば、エアコンが筆頭である。最近の性能向上は著しく、COP6に達するものも登場している。しかも、屋内に設置して使用されることから、エネルギー損失を考慮する必要はない。只、エネルギー移動が対流熱の形で行なわれるので、エネルギーの移転・蓄熱には工夫が必要である。 さて、エアコン使用を前提にする場合、暖房のことだけでなく、夏季の冷房・除湿についてもあわせて検討することが賢明である。只、現在までの技術水準では、蓄冷の効率及び容量の面で十分な水準に達していない。それ以前に、課題として認識されていないのが実情である。 夏季の理想的な冷房・除湿の姿は、夜間の放射冷却を利用してエアコンのエネルギー消費効率を高めて、屋内に冷気を取り込み、それを夜間に潜熱・顕熱の形で躯体及び地中に必要量を蓄冷し、昼間の冷房のエネルギーとして利用でき、その上、昼夜を問わず除湿効果を得られ、更に、昼間の遮熱効果を得られるものである。この場合、除湿の際のエアコン使用に伴う凝縮熱の生成を削減することが出来、その分環境への影響を抑制することが出来る。 そして、同じ組み合わせで冬季の暖房時にエネルギー消費効率の高い輻射暖房のシステム及び効果を実現できれば、夏季の輻射冷房のシステム及び効果と併せて、健康エコ住宅の名に恥じないものを提供できる。 この課題を解決する手段を発明特定事項として特許出願を行なった。審査状況を考慮すると、17年5月中にも特許査定を得られる見通しである。
2005年05月11日
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地熱利用に関しては、簡単な仕組みのものから、多額の設備投資を必要とする大掛かりのもの迄、多様な方法が提案されています。その中の幾つかは特許権を取得し、実施されています。それで、自由にその技術を用いることは出来ないものの、それらに共通する地熱利用の作用・課題等を確認したい。 地表下5m位になると、地中温度は年間を通して比較的安定しています。概ね、14度から18度前後である。この温度の安定性からその利用を思いつくのであるが、地表下5mのエネルギーを有効利用するとなれば、必要な機器・装置は大掛かりなものとならざるを得ない。しかも、安定していることと、必要なエネルギー量を満たせることとは同義ではなく、必要なエネルギーの量・質を確保するにはそれぞれ苦労しているようである。 地熱利用でクールチューブと言う方法があります。これは、地中に配管設備を設け、その中に熱媒体を通して熱交換によりエネルギーを取り出そうとするもので、比較的簡単な方法・設備の範囲のものです。只、夏季は地中の冷気を熱交換により利用すれば、それに伴い地中温度は上昇し、利用できる温度差が小さくなると言う難点を抱えています。又、送風機等を用いて冷気を取り出しますが、モーターの加熱も少なからずエネルギー損失という形で影響します。結局は、機器・装置に要する費用と作用効果とを比較すると、その普及は多くは期待できないでしょう。只、冷気を取り出した後に地中の温度が上昇する現象は、逆に冬季に向かっての蓄熱と言う見方も出来ます。それを旨く利用できれば冬季の暖房のエネルギーに転化出来ます。 いずれにしろ、本格的に地熱の冷暖房のエネルギーとしての活用を目標とすれば、機器・装置に多大の費用を要し、費用対効果の面から有利か否かは判断の分かれるところです。 それに対して、地中の保持するエネルギーを含めて、日常人工的に作り出すエネルギーの蓄熱に利用する道があります。現在特許化されている技術では、床下の地表面近辺に発熱体を埋設し、熱伝導によって地中に熱エネルギーを誘導・蓄熱し、その一方で、床面への緩やかな放熱に繋げて、輻射暖房の効果を得ようとするものです。メリットとしては、地中を低コストで大容量の蓄熱体として活用できる点です。難点は、床下に空間が存在せず、建物そのもののメンテナンス上不便であるところで。又、発熱体として電気抵抗加熱パネルを用いて電気を直接熱エネルギーに変換する仕組みであるから、今流行のヒートポンプ式を採用しておらず、エネルギー消費効率が極めて悪いところです。ここを改善して、床下空間を設け、地中とのエネルギーのやり取り(蓄熱・放熱)の効率を向上し、更に、エネルギー消費効率を大幅に改善できれば、面白い考え方だと言えます。 太陽・放射冷却・地熱の各エネルギーの活用を図る上では、その特徴を十分に踏まえ、更に、利用する為の機器・装置との費用対効果を十分に勘案することが重要です。そして、その課題をクリアーするには、利用できるエネルギーの量的・質的な不安定さ・制約を社会的に余剰の深夜電力の利用と連携する方向で、安定した低コストのエネルギーとしての利用の可能性を探ることが重要です。しかも、それは機器・装置の性能の向上のみで達成できるものではなく、建物との連携による新しい作用・効果の創出に繋がるもので無ければなりません。
2005年05月10日
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放射冷却のエネルギー利用について。 放射冷却の効果は、信州などの高地では顕著に現れ易いが、住居地の大部分を占める低地では顕著な効果は確認しずらい。その仕組みを簡単に言えば、宇宙へ放散する熱エネルギーの影響で地表近辺の温度低下をまねく。その具体的な事象としては、霜等がある。そのエネルギーの利用は、夜間に温度低下した外気を直接利用するか、屋根に通気層を設けている場合屋根材の冷却効果で得られた屋根通気層内の冷気を屋内に取り込んで利用する。 その効果を得られる地域であれば、屋根通気層内に生じる冷気を屋内に取り込む仕組みは複雑でもなく、費用も格別にかかる程ではないので、有用と言えるであろう。その他の地域では、費用をかけてまで利用する有用性に乏しい。只、通常昼間の暑い時間帯に稼動・利用するエアコンを夜間に稼動する場合、外気は放射冷却の効果で温度低下しているので、エアコンの稼動エネルギーは少量でも多量の冷気を作り出せる。つまり、放射冷却の効果が加わることで、エネルギー消費効率を大幅に高めることが出来る。しかも、深夜の時間帯に利用する電気料金は、昼間の4分の1程度である。又、この二つの要素を勘案すると、経済的な面では約20分の1の費用で賄える。家計にとっては、大きなプラス要因である。 環境の面・家計の面・社会的な面の何れからも、エアコン稼動に深夜電力を利用するメリットは大きい。しかし、これまで深夜電力を冷房システムに活用するシステム構成は一般住宅については実施されていない。どの様な要因で、開発・実施されるに至っていないのだろうか?単に、システム構成及び効果を得ることの困難さに要因があるのだろうか? その要因としては、昼間の日射取得する太陽熱エネルギー量の大きさと夜間に蓄冷し・昼間に利用出来る蓄冷量及びその機器装置に要する費用の大きさとの兼ね合いと思われる。そこら辺りを新規な手段によって解決できないと、深夜電力を夏季の空調に利用するシステムの開発は進まないであろう。
2005年05月09日
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環境との調和を前提に省エネルギーについて検討するとき、自然エネルギーの活用についても考える必要があります。利用できるエネルギー源としては、太陽・地熱・放射冷却のエネルギーが上げられます。 太陽のエネルギーは、太陽光発電として、あるいは、集熱・蓄熱を経て給湯・暖房として利用されています。何れも、専用の機器・装置を必要とします。その費用は消費者の負担するべきところですが、国の環境・エネルギー政策の上から補助金でその一部を賄える場合があります。消費者の環境意識に訴えるだけでは普及の広がりを望めないので、政策的に後押しするものです。 さて、機器・装置に頼るアクティブソーラーに対して、出来るだけ機器・装置に頼らないパッシブソーラーについて言及します。具体的には、冬季の昼間に日射取得する太陽熱エネルギーを活用するものです。一例を挙げれば、南向きの窓を通じて得られるエネルギーを室内の暖房に活用します。断熱・気密性能が高ければ、温暖地では他の暖房手段なしに昼間は過ごせます。それ程に、冬季でも太陽熱エネルギーの影響は大きいものです。 壁に日射する太陽熱エネルギーは、夏季の遮熱対策の一環で顕熱の形で速やかに排熱するのが最近の住宅造りの流行となっています。例えば、通気層を設けたり、断熱材の外側にアルミ箔を貼設したり、外壁を遮熱塗装で仕上げたりするものがあります。只、冬季は壁の日射取得する太陽熱エネルギーを有効利用することが出来ません。 それに対して、壁が日射取得した結果得られる壁の中の暖気を屋内に取り込み、暖房のエネルギーに利用するものもあります。この様に、単純に排熱するだけでなく、簡単な手段を用いて太陽熱エネルギーを活用する道があれば、費用対効果の面からも採用する意味はあります。 我々の課題は、昼間日射取得される太陽熱エネルギーを利用して、夜間の冷気によって被る屋内の熱損失を緩和できる手段の創出にあります。これは、以前提起した課題の新規性に関して言及すると、「断熱性に背反する伝熱性の制御による新たな断熱性の創出」に繋がるものです。 只、上記の省エネルギー効果は取り立てて大きなものではありません。しかし、省エネルギーで快適な生活を低コストで実現する上では、小さな省エネルギー策の積み重ねが重要です。
2005年05月08日
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高気密高断熱住宅は冬季の寒さ対策として、背反する快適さと省エネルギーを追求した結果、現在のレベルに到達できたものである。しかも、湿気の多い気候風土に適合できるように試行錯誤を経て、様々な改善・工夫が加えられている。それは、今尚進行中である。 ところで、冬季の輻射暖房の効果によって実現できる快適さに比較すると、夏季の実現できる快適さには改善余地が大きい。それは、冬季の場合省エネルギーを追求する技術が快適さをも併せて実現できると言う幸運に恵まれていたからである。しかし、夏季は事情が異なる。高温湿潤の気候風土から、除湿・遮熱と言う従来の技術の延長では十分に対応できない作用・効果に対処しなければならない。しかも、実現すべき目標は輻射冷房効果のもたらす快適さである。更に、省エネルギーに至っては、現在の技術水準では機器・装置の性能の問題と捉えられがちである。つまり、建物側での課題そのものが十分な形で設定されていない。それだけ、実現するのが難しい課題でもある。 輻射冷房を実現するには、現在の技術では空気循環の流路の構成部分である天井裏空間にエアコンを設置し、流路内に冷却エネルギーを供給する。24時間継続して冷却エネルギーを供給すれば、建物全体に顕熱的蓄冷が可能で、その効果で輻射冷房を実現することは可能である。只、エネルギーの消費量が多く、それも、社会的に電力需要の大きい昼間に集中する。それは、屋内外の温度差の大きさを埋める為の冷却機の駆動に大量のエネルギーを消費するのみならず、日射取得する太陽熱の断熱材への蓄熱の結果生じる輻射熱を抑える為にも大量のエネルギーを昼間に消費せざるを得ないからである。その上更に、流路内の相対湿度は著しく高まるので、除湿装置の働きにより調湿の必要が出てくる。その消費エネルギーの増大も大きい。 機器の性能に依存した昼間の冷房・除湿はエネルギーを大量に消費するのみならず、冷房時の排熱及び除湿時の凝縮熱の排熱を通じて、都市のヒートアイランド化を助長する一因となっている。つまり、屋内での快適さを求めれば、それだけ一層環境悪化を助長するものとなっている。快適さの追求と環境との調和は背反する命題と化しているのである。 我々の目標は、快適さを追求し、省エネルギーを追求し、その上で、環境との調和を追求すると言う具合に、互いに背反するものを止揚する技術の確立に設定している。只、従来の技術では、夏季の性能が向上すると冬季の性能の低下が見られた。それで、夏季のみならず冬季においても、背反的性能を止揚できる技術を求めている。しかも、温暖な地域のみならず寒冷地においても利用できる住宅の開発に、技術の研究開発の目標を置いている。
2005年05月07日
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特許要件の一つである進歩性を満たすか否かについては、課題の新規性もしくは有利な効果から検討される。その内の有利な効果の面から進歩性を裏づけできるか否かは、審査官の心証もしくは実験結果による実証データに掛かっている。 審査基準によれば、「引用発明と比較した有利な効果が明細書等の記載から明確に把握される場合には、進歩性の存在を肯定的に推認するに役立つ事象として、これを参酌する。」と記されている。この記載の「明確に把握される」の言葉が曲者である。実験結果による実証データによって裏付けられる場合は、それによることも可能であるが、実証データが無い場合は、「明確に把握される」か否かは審査官の心証に掛かっているのである。 しかも、審査官の処分は国家権力の行使としての側面を担っている。只、権力の行使が伴う場合、権力とその行使に関する古くて新しい課題が日常的に噴出してくる。それでも、審査のガイドラインに示されている迅速性・的確性・公平性が十分担保され、審査基準等審査に関する指針に則り統一のとれた審査が行なわれれば問題は無いのであるが。 偶々、馬の合わない審査官が担当することになった場合は、不利に働く。勿論、仮に拒絶査定に至っても、不服審判請求の道は残されている。これは、三人の合議によって審査を行なうのを特徴とするので、一人で担当する場合に比較すると的確性・公平性は担保され易い。しかし、無駄な費用と時間・労力を費やすことに変わりは無い。 更に、構成の面で発明特定事項に容易に想到できると判断される場合は、事情は複雑になる。この場合、有利な効果が異質の効果もしくは同質であるが際立って優れた効果で技術水準から予測できないものであれば、進歩性が否定されないこともある。只、これも審査官の心証次第という面が強い。その意味では、課題の新規性から進歩性を主張する場合、逆論理づけという反論・立証手段が用意されているので、審査を通す上では有利に働く。 ところで、住宅の工法に関する実験を行なうとすれば、数千万円から億円単位の資金が必要となる。しかも、春夏秋冬ごとの実験データを採取する場合には、その環境を人工的に作り出せる施設を保有しているか否かで、その時期・時間は大きく影響される。この点からも、実験を行なう為に必要とする費用を捻出できる大企業に、審査基準は有利であることを理解できる。 話を元に戻すと、権利行使のメリットの乏しい特許であっても、その進歩性の裏づけの為に多大の費用と労力・時間を必要とするのに変わりは無いのである。そして、如何なる意図からであれ一度特許権が成立すると、それを打ち破って同様の効果を狙った技術の特許取得は格段に難しくなります。具体的には、深夜電力を使って除湿を行い、一日中その効果を継続して得られると言う課題を解決するにしろ、その課題を解決する技術の特許化には、改めて新規な課題を設定できる等の創意・工夫が必要となります。又、技術水準の及ばない新たな概念の創出にも繋がらねばなりません。 参考までに記すと、環境との調和を掲げた健康エコ住宅の特許権取得に当たって重要なものとして、課題の新規性の面では、断熱材の具備する断熱性に背反する伝熱性の創出、断熱性に背反する伝熱性の制御による新たな断熱性の創出、平衡含水率と含水率の乖離に依存しない吸放湿促進手段の創出等が上げられる。
2005年05月06日
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特許権は、実施されることで価値を持ちます。そして、独占権賦与の効果として第三者が業として実施することに対して制約を課している。この意味で、独占的地位は保護される。しかし、業としての実施で無い場合、特許権の保護は及ばない。 具体的に記せば、エアコン等の機器の用い方を特許の発明特定事項とする場合、エアコンを電気店から購入して来て住宅に設置し、その上で特許の技術内容に即して実施したとしても、業として実施するものでない限り特許権の侵害には該当しないのである。この場合、業としての実施であるか否かが味噌である。只、実際問題として、業としての実施に該当する場合は稀である。この様な意味から、特許権を取得しても、権利行使のメリットに乏しい場合が有る。 権利行使のメリットの乏しい特許権を取得することに如何なる価値が有るのだろうか。例えば、他企業が特許取得して権利行使する事態を未然に防止する効果はあるだろう。しかも、発明特定事項の範囲が広く、より強い特許として他社に権利化されると、その用い方の普及に支障が出てくる。 具体的に記すと、空調システムを取り込んだ建物として特許化すると、工法特許としての面から建物を建築したり、譲渡したりする場合に、業としての実施であるか否かが問われてくる。そして、特許権者は権利を侵害された場合、損害賠償の請求等の権利行使が可能で、特許権取得のメリットは大きい。その上、刑事上の責任追及も可能である。 その様なことを考えると、特許の権利が狭く、権利行使のメリットの乏しい特許を取る必要性があるのだろうかとの疑問が改めて浮かんでくる。・・・続く。
2005年05月05日
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遮熱・除湿の面での夏季の空調について。 高温・湿潤な気候風土の影響で、湿気は住む側の人並びに器としての家屋に様々な形で影響を及ぼしてきた。家造りの面では、土壁造りに見られる。昔から家屋には調湿機能と通風性とが求められてきた。開放型の家造りの中で、湿気の滞留を防止し、その上、土壁の吸放湿性を利用して、家屋内の調湿を行なおうとするものである。只、除湿機とエアコンの登場によって、建築的な工夫による調湿から機器・装置の機能による除湿・調湿に移行している。 その進んだものとして、深夜電力利用によりエアコンを駆動して室内の除湿・調湿を行なう方法を次に紹介する。構造上室内の面に設けた壁・天井の仕上げ材を調湿材として、室内に除湿機を設置する簡単なものである。 深夜電力の利用できる時間帯に室内を除湿し、室内の相対湿度を低下させる。それに伴い、平衡含水率と含水率との兼ね合いにより、調湿材からは放湿し、含水率を低下させる方向にすすむ。つまり、除湿機を用いて、室内空間の湿度のみならず室内仕上げ材の含水率をも低下させるものである。 それがどの様な効果を表わすかを見てみたい。昼間、除湿機の駆動を停止すると室内の相対湿度は上昇し、調湿材の平衡含水率と含水率との間に乖離が生じる。その乖離が埋まるまで、調湿材は室内の湿気を吸収することが出来る。それは、結果として、室内の調湿効果の実現に繋がる。只、深夜電力のみに依存する場合、実現できる昼間の湿度環境は必ずしも快適なものとは言えず、快適性を追求するとすれば、昼間も除湿機を駆動せざるを得ない。それで、深夜電力利用の空調方法としては好適とは言えない。 さて、発明は高度に創作性に富むものとの定義からすれば、特許としての内実を備えているか疑問も残るが、上記の調湿方法は特許として権利化されている。特許としての進歩性を満たすか否かの面での判断は、有利な効果もしくは課題の新規性の何れかによって行なわれる。課題の新規性に関して述べると、含水率とか平衡含水率とかの既存の概念を利用することが出来なければ、技術水準から課題に想到することは容易でない。しかし、かかる概念は既に存在し、課題に想到することが容易でないとは判断できない。要するに、課題の新規性から進歩性をクリアーするのは難しく、障壁が高い。それに対し、有利な効果について、これを参酌するか否かの判断は審査官が行なう。それで、最終的には実験データによる検証が求められる。只、この実験は、資金の乏しい個人・小企業には大きな負担となる。そこらあたりで、大企業優位の審査基準と言わざるを得ない。 発明の内容は、除湿機の使い方に関するもので、特許権もその範囲に限定されたものとなっている。具体的にいえば、除湿機を用いた建物に迄その権利が及ぶわけではない。それで、個人は除湿機を建物と別途購入し、除湿機を取り付けて室内の調湿に利用することが出来る。只、特許権が調湿方法を組み込んだ建物に及ぶ場合は簡単ではない。住宅会社はその様な建物を提供することが出来ない。そういう面からすると、この特許権は皆が除湿機を利用する上で支障になるものではない。逆に言えば、特許権の権利行使によるメリットが無いのである。資金の乏しい小企業では、多額の実験費用を負担してまで、特許権を取得するに至らない。 ところで、家屋内を冷房することで、冷房効果のみならず除湿・調湿効果をも得られるとすれば、エアコンと建築的工夫との組み合わせの相乗効果によって異質の効果を実現するものである。こうなれば、エアコンを組み込んだ建物には、特許成立に必要な高い創作性を認められるだけでなく、効果=価値を認められる。つまり、特許として保護されるに値するものとなる。 除湿機による除湿は、駆動エネルギーを必要とした上に、湿気から水と凝縮熱を生成し、屋外に排出する。この凝縮熱の環境に及ぼす影響は大きい。この凝縮熱の生成を伴わないだけでも、先の工夫は特異な技術である。更に、夜間の温度低下した時間帯に深夜電力を使って冷房するので、外気温との差が小さく、省エネルギーに繋がる。又、夜間に建物の躯体自体に閉じ込められた冷却エネルギーを使って、昼間に日射取得する太陽熱エネルギーを吸収し、遮熱効果を高めることが出来る。つまり、深夜電力を使用して、屋内の除湿効果のみならず建物の遮熱効果を得られる。しかも、除湿効果の上がった分、エアコンの生成する凝縮熱は削減される。その上更に、日射取得する太陽熱は潜熱化されて排出される。二重のヒートアイランド化抑止効果があり、その分環境との調和に留意した技術と言える。 キーワードは潜熱的蓄冷であるが、この夢の様な建物は実現できるであろうか。実現できるとすれば、どの様な技術的な課題が横たわっているだろうか。
2005年05月02日
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夏季の遮熱に関して改めて言及すると、先の壁体内二重通気工法は、遮熱対策における先駆的役割を果たしている。具体的には、アウターサーキットを通じて日射取得した太陽熱エネルギーを顕熱の形で排熱し、インナーサーキットを通じて断熱材に蓄積した熱エネルギーを顕熱の形で排熱し、壁体の温度上昇のもたらす室内環境への影響を抑えようとするものである。 これに対し、断熱材の表面への熱エネルギーの直接の伝導を抑えようとするものがある。具体的には、断熱材の表面にアルミ箔を貼設し、アルミ箔の効果で太陽熱を反射し、その結果、断熱材の表面への熱伝導を縮減し、断熱材自体への加熱と蓄熱を抑えることが出来る。それで、居室内の冷房に要するエネルギー量を削減しようとするものである。この方法も、前記の方法と同様に顕熱の形での排熱方法を採用し、アウターサーキットを通じて排熱する。又、屋根部・壁部の何れにも採用できる。 この技術は、インナーサーキットの機能の欠如する場合に、その機能を補完することが出来、夏季の効果に着目する限り、効果を表わす。それで、その技術は特許として権利化されている。 ところで、人は夏と冬とで衣替えを行なうことが出来、暑いときは暑いなりに、寒いときは寒いなりに衣替えによって対応することが出来る。ところが、住宅に用いる断熱材は冬と夏とで衣替え、仕様を変更することは難しい。それで、先のアルミ箔貼設の断熱材は、冬も夏と同様の効果を表わす。具体的には、冬季も太陽熱を反射し、断熱材表面への熱伝導を縮減し、反射された熱エネルギーはアウターサーキットを通じて排熱されることとなる。 断熱材は文字どうり熱を断つ目的で使用されるが、冬であれば、暖かな屋内空間から冷えた屋外空間への熱エネルギーの逃避を抑える趣旨である。通常であれば、冬季でも太陽熱エネルギーの日射取得による断熱材への伝熱・蓄熱の効果によって、屋外の冷気の屋内へ及ぼす影響を縮減する方向に働く。しかし、貼設したアルミ箔の効果で太陽熱は反射され、伝熱・蓄熱による効果は望めない。結論から言えば、冬季の断熱効果を高めるために有効な太陽熱エネルギーを、断熱材に貼設したアルミ箔の効果によってアウターサーキットを通じて無駄に捨てることとなる。これは、形を変えた熱損失に繋がる。 そこで、冬季に捨てられている太陽熱エネルギーを有効利用して、断熱材への伝熱・蓄熱の方向に働き、結果として、断熱性能の向上に繋がる手段の開発が課題となる。しかも、夏季は効率的な排熱を可能として、遮熱効果を表すことが出来なければならない。つまり、夏季は太陽熱エネルギーの効率的な遮熱に繋げられ、冬季は太陽熱エネルギーを利用して断熱効果を高められる手段である。しかも、それが環境に及ぼす影響にまで配慮されたものであれば、エコロジーな住宅としては最適である。その上、夏季は輻射冷房効果、冬季は輻射暖房効果をエコノミーに実現できれば、21世紀の冷暖房システムと言われる輻射冷暖房システムの普及を促し、健康エコ住宅の普及に弾みを付けられる。
2005年04月28日
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エアコン等の住宅の空調に用いる機器・装置の性能を活かす上で、住宅の性能、具体的には、断熱性能・気密性能・遮熱性能の重要性についての認識は高まっている。 只、従来の技術では、自然志向の家造りとエアコン等に頼った家造りとは、用いる資材あるいは構造の面で相容れないところがあった。その相容れないところを建築的工夫によって出来るだけ解消しようとする試みについて紹介したい。 夏季と冬季の気候条件の違いに応じて、夏季は開放型の利点を生かし、冬季は閉鎖型の利点を生かすという具合に、色々な工法の良いとこ取りの工法という側面もある。只、この技術は、実用新案権の権利期間の15年が経過し、現在は誰でも自由に利用できる。その様な事情もあり、特に高性能住宅をメイン商品としてFC展開している住宅会社の多くが採用している。 夏季に開放型を採用するメリットは、二重通気工法の特徴であるインナーサーキット・アウターサーキットの両サーキット内で常時通風を確保できる点にある。その最大の効果は、太陽熱エネルギーの日射取得により壁体内に透過した熱エネルギーをアウターサーキットを通じ顕熱の形で排熱し、しかも、断熱材に蓄熱し、輻射熱の原因となる熱エネルギーの影響を、インナーサーキットを通じて得られる夜間の冷気を含めて排熱し、縮減する方向に働くところにある。但し、この場合も顕熱の利用の範囲を出ない。それで、夜間の冷気の昼間の遮熱への利用に関して、その効果は限定的である。しかも、夜間の湿気の屋外から屋内への流入を制御出来る工夫が見られない。(夜間に流入する冷気を利用する上で、湿気のみを分離することはこれまでの技術では難しいので、当然の結果である。ここから、夜間に流入する冷気と湿気とを制御・分離できれば、新たな可能性に繋がるものを予感できる) さて、夏季でも床下換気口・棟下換気口を閉じると、気密性能は高まる。エアコンを用いる場合は、所謂高気密・高断熱住宅と同様に少ないエネルギー消費で、冷房・除湿の効果を高められる。只、この場合開放型の利点である床下換気口を通じた夜間の冷気の流入は出来なくなっている。それで、夜間の冷気の利用を促せず、インナーサーキットを設けた利点が生かされずに終わる。(その効果は限定的ながらも、夜間の冷気を昼間の遮熱に利用できる仕組みは捨てられてしまった。) 冬季は、閉鎖型の高気密・高断熱住宅として活用でき、エアコン等の暖房器具を用いて通常の全室暖房効果を実現できる。当然、省エネルギー効果も高い。更に、床下にエアコンを設置し、インナーサーキット内の空気循環を好適に保てれば、深夜電力を利用した蓄熱式の床下暖房へとシステムをアップすることも可能である。但し、通常よりも高い気密性能を確保できる施工技術が求められる。C値0.5見当の性能が求められる。 冬季の暖房システムについては、他の高気密高断熱住宅と一線を画すところがあり、取り立てて大きな課題はない。只、夏季の冷房・除湿・遮熱に関しては顕熱による作用・効果の範囲を出られず、深夜電力利用および潜熱利用による作用・効果のもたらす環境への配慮並びに社会的有用性への配慮を具現化する迄に至らない。
2005年04月27日
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土を下地材として用いた瓦葺の屋根(旧来の瓦葺)構造は、空気中の湿気を吸放湿し、あわせて、夜間の放射冷却のエネルギーを利用して昼間に日射取得する太陽熱エネルギーを湿気という形に閉じ込め、潜熱化して排熱し、遮熱の効果をもたらすもので、日本の気候風土に合致した循環型のシステムを備えたものです。長い期間を通じて育まれてきたこの優れた先人の知恵の結晶を、今日の住宅造りに活かすことが出来ないものであろうか。 さて、旧来の開放的な家屋は「夏を旨とすべし」と言う思想の元に考案されてきたもので、湿気の多い気候風土に相応しい構造的特性を備えている。それは、屋根の構造のみならず、土を用いた真壁造りの壁構造にも言えます。只、これらの構造は、開放的な家屋にあって風力を利用しながらその特性を発揮することが出来るものである。 ところで、利用できるエネルギーの種類・量・質に制約の大きかった時代に比較して、現代は技術的にも・生活水準の上からも、制約は極めて小さくなっている。その結果、快適な生活空間を実現する為には、エアコン等の機器・装置の性能に依存し、その性能を活かす上で必要な住宅の性能が追求されてきた。具体的には、断熱性能の向上、更には、気密性能の向上が追及されてきた。その過程で、暖房の方法は、局所的な採暖の方法から室内の空気を暖める方法に変わり、現在では、全室暖房に移行しつつあります。更に、全室暖房は対流熱による暖房が主流であるが、輻射熱による暖房も採用されつつあります。 さて、冬の暖房に関しては、エネルギー供給手段にしろ、暖房のシステムにしろ色々工夫を重ねられてきました。又、紆余曲折を重ねてきたものの、相応しい建築工法の研究・開発も盛んです。ところが、夏季の冷房・除湿に関しては様々な課題を抱えており、これから改善しなければならない段階です。 最近、地球温暖化・ヒートアイランド化の影響で、夏季の暑さは年毎に厳しさを増している。それで、昔ながらの開放的で循環型のシステムでは、快適に過ごせないどころか、我慢できない状況に陥っています。それで、夏の空調にエアコンの利用される割合は高まっている。只、工夫なしにエアコンを用いて冷房・除湿を行い屋内の快適な空間を実現すると言う生活スタイルは、昼間のヒートアイランド化を一層助長するもので、環境面を考慮すると痛し痒しと言った側面を持っている。 今日求められているものは、環境への影響を最小限に抑えながら、しかも、低コストで快適な生活空間を実現できる空調システムです。
2005年04月26日
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地球温暖化の影響でしょうか、近時、都市部において夏季の気温は異常に高い水準を示しがちです。所謂、ヒートアイランド現象といわれるものの影響です。 原因は、幾つか挙げられます。例えば、舗装された道路は雨が降っても、地中に水分を溜めることなく、大半は側溝・河川を通じて海に流れ込んでいきます。地中に保水する割合が減少すると伴に、日射する太陽熱を吸収する容量が小さくなっています。反対に、舗装されていない部分では、太陽の日射によって暖められれば、それに比例して水の気化・蒸発により周囲を冷す効果があります。 又、公園など植物と池および土が確保されている地域は、その周囲より数度気温が低いと言われています。それは、土だけでなく植物から水が盛んに気化・蒸発していくことによります。その際の気化熱によって、周囲の気温低下を誘引するわけです。只、この様な仕組みを備えていない地域では、気温は高くならざるを得ません。 ところで、屋外の気温が高くなれば、屋内だけでも快適な空間を確保したいと思うのは人情です。全体としての生活水準が高くなれば、オフィスのみならず個人の住まいでも同様のことが起こります。具体的には、エアコンを使用しての空調の機会が増えます。 ところが、エアコンを使用する割合が高くなると、屋内を冷すために熱を屋外に排出する仕組みから、屋外の気温は高くなります。その上、屋内の除湿効果を追及すると、エアコンから生成される凝縮熱を多量に屋外に排出することになります。もっとも、冷房時には冷たい空気は一時的に屋内に滞留していますが、いづれ屋外に流出していきます。それで、冷房は環境に対して中立的ともいえます。その意味からは、冷房よりも除湿の際の排熱の方が環境に及ぼす影響は大きいと言えます。 さて、冷房にしろ、除湿にしろ、エアコンを使用するには一般に電気が必要です。それで、気温が高くなればなるほど、昼間の電気使用量は増大します。その結果、一日の内での電気使用量に大きな波が生じやすくなります。波が大きくなればなるほど、深夜の時間帯に使われないエネルギーは廃棄される割合が高くなります。それで、電力消費の平準化という問題が出てきます。そこに、深夜電力利用の促進が謳われる理由が有ります。 只、深夜電力の有効利用は十分に行なわれているとはいえません。電気温水器への利用は進んでいますが、冬季の暖房・夏季の空調への利用の点では十分な効果を上げられるまでに至っていません。唯一、冬季の暖房に蓄熱暖房機の利用が見られる程度です。しかし、夏季の空調に関しては全くと言って良いほどに、深夜電力の利用は進んでいません。(氷蓄熱システムは費用対効果の面から有用性に疑問があり、一般住宅への普及は望めません) エアコンを深夜の時間帯に稼動して蓄冷出来れば、夏季の電力使用の平準化に貢献できます。しかも、昼間に比較すると夜間は、気温は数度低下するので、エアコンのエネルギー消費効率は昼間に比較して格段に向上します。それは、省エネルギーに繋がるのみならず、二重の意味で家計負担の軽減に繋がります。 さて、屋内の湿度調節に深夜電力を活用することは、冷房時に比較して格段に難しくなります。参考までに、深夜電力利用の除湿システムに関しては、特許化された技術が存在します。只、実用性に富むか否かは、議論の余地があります。この件は、後日検討したいと思います。(特許の審査基準とも絡めて、検討します。) 何れにしろ、環境との調和を考慮する場合、エアコン等の機器・装置の性能に依存するだけでは、深夜電力利用で効率の高い空調システムを実現することは困難です。
2005年04月25日
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最近、屋上緑化について話題になる機会が増えている様です。改めて説明するまでもなく、建物の屋上に植栽することで、植物の活動を利用した温度低下のシステムを備えると言うものです。このシステムは、太陽熱の日射量の大きい夏季に効果を表わします。仕組みは簡単で、液体状の水を太陽熱によって気化させ、そのときに周囲から奪われる気化熱によって周囲の温度低下を誘引すると言うものです。気化という相変化を媒介するものは、植物及び土壌です。 上記のシステムは様々な効果をもたらします。日射される太陽熱エネルギーは顕熱のまま排出されるのではなく、一部は湿気という潜熱の形に閉じ込められ、排出されます。それで、湿度は高くなるものの、気温の上昇を抑える効果があります。一方、建物内部では屋上緑化によるシステムの効果で、太陽熱のもたらす輻射熱の影響を抑えることが出来、室温の上昇を抑えることが出来ます。それで、夏季の昼間の気温の高いときでも、エアコンの冷房効果を十分に得ることが出来ます。結局、エアコン使用に伴う電気料を削減し、経済的効果をも得られます。 屋上緑化は、個人的にはエアコン使用に伴う電気料の節約と言う形で貢献するものですが、社会的には顕熱を湿気という形に潜熱化し、ヒートアイランド化抑制の一翼を担う形で貢献するものです。個人的有用性と社会的有用性とが合致するものですが、公的補助金を通じた奨励策は社会的有用性を根拠にしたものです。 ところで、屋上緑化は水の相変化に伴うエネルギー移転を太陽熱エネルギーの吸収に利用し、あわせて、建物の遮熱効果を高めるものです。この仕組みは、古い瓦葺の屋根にも見られます。瓦の下地材として使用されている土の特性を利用したものです。 古い家屋では天井が無く、屋根下地材は屋内側・屋外側の何れからも新鮮な空気に触れることが出来ます。しかも、通風を旨とした家屋の造りから湿気を含んだ空気は屋内側からも絶えず供給されます。夜間になると、放射冷却の効果で土に吸収された湿気は液化を促され、又、液化を促しながら湿気を吸収します。液化の際に生成される凝縮熱は放射冷却のエネルギーによって吸収されます。つまり、瓦の下地材である土は、夜間の放射冷却を利用して空気中の湿気の持つ熱エネルギーの吸収を媒介し、あわせて、屋内の湿度低下に貢献します。 昼間は、太陽熱エネルギーの日射取得によって、下地材である土は液化した水を気化する為に必要なエネルギーを獲得できます。つまり、屋根は自らの備える断熱性能にプラスして、水の相変化によるエネルギー移転によって太陽熱エネルギーを吸収することが出来ます。この遮熱のシステムは、単に太陽熱を断つだけでなく、夜間に湿気を吸収し、屋内の湿度調節という異質の効果を表わし、あわせて、太陽熱の一部を潜熱化し、ヒートアイランド化抑制の一翼を担うことが出来ます。 これは、今日的表現で言えば、循環型のシステムです。日本の気候風土に適応する中で長い時間をかけて形成されてきた、先人の知恵の結晶と言えるものです。しかし、残念なことに、この優れた先人の知恵は今日の住宅造りに活かされていません。
2005年04月24日
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昨日は、特許の件で現状の取り組みを交えながら、特許出願から実体審査について大まかに記載しました。 さて、特許権を取得するには、その発明内容が創造性に富むもので無ければなりません。具体的には、従来の技術に比較して、新規性ならびに進歩性が求められます。 これをマーケティングの立場から見れば、その優れた技術内容は世の中に浸透していません。それは、単に知られていないと言う段階に止まりません。情報として知り得たとしても、その効能等に関して伝わらなければ、その価値を見い出すことも出来ません。しかも、価値はその実現するために要する費用と相対的なものです。これを簡単に記せば、費用対効果を睨みながらも、需要を創出・喚起するだけの価値が有るかという事です。ところが、個人的有用性に止まらず、社会的な有用性に繋がるか否かの問題もあります。そして、個人的・社会的有用性に密接に連携するものとしてのブランド価値の創出に繋げるという課題も重要なものです。 いずれにしろ、技術的に進歩したものは、往々にしてその価値の浸透する過程で膨大な費用と時間と労力を必要としがちです。そこに、特許権を活かして新しい価値を創出することの難しさが有り、資金の乏しいものにとっての課題が有るのです。しかも、それを新たな事業展開に繋げるとなれば、更に膨大なエネルギーを必要とします。 既に、ブログを通じて高性能住宅の啓蒙に努めている方がいらっしゃいます。その様な方の努力が実り、一人でも理解者が増えることを願うばかりです。
2005年04月23日
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始めに。 自ら研究開発した住宅の工法に関する特許を平成16年11月出願し、特許審査請求及び早期審査の請求を同時に行い、現在その審査結果を待っているところです。審査結果が出ましたら、結果のみならず、発明特定事項の内容等についても記載します。 最近は、弁理士に依頼せずに自ら出願される方が増えているようです。特許出願は特別難しいものでは有りません。特許庁のホームページもしくは市販の啓蒙書を参考にすれば、書けます。只、特許として認められる特許査定の処分を得られるには簡単では有りません。発明内容の創造性も重要ですが、実体審査に耐え得る内容に構成されているかが重要です。それで、本人出願に興味をお持ちの方にも参考にして頂けるように、出願の経緯のみならず、その内容についても記載したいと思います。
2005年04月22日
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