薔薇色のつぶやき

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2018年11月19日
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こちらもすっかり遅くなった「累」14巻(完結)の感想です。
劇場版の評判はどうだったんでしょうね。
これまでの感想は こちら


他者の顔を奪う口紅とともに、舞台の上で輝き続けた累。
累はその口紅の力を捨て、真実(ほんとう)の姿のまま舞台に
立つ願いを羽生田に告げる。
その提案を一笑に付した羽生田だったが、誘の手紙から己への
想いを知り、素顔の累を演出することを決意する。
再び始動する「宵暁の姫」、累が舞台の上で見せる演技とはーー。
美醜に翻弄されし“累”の物語ーー、最終巻。


ついに全てが明かされましたね。

やはり累は自らの顔で舞台に立つことを選んだようです。
でも、それは宵の方が理解できるという安易なことではなかった
ようで。

宵を演じるということは これまでの自らと向き合う
それは演技を越え自分自身を 晒す ことだったんですね。

それは累には辛い作業だったようです。
台詞は入っているのに自分がどう観客に映るのかがわからなくて
演じることができない累。

今まで自分の顔を鏡でじっくり見ることも、怒りの表情を客観的
にみることもなかったわけですからね・・・
それを羽生田は 強要

累なら当然 完璧 に演じるだろうと思っていたのに、全く演技の出来


が、累の演技は及第点、前よりは良くなったと言うだけで咲朱の
時のような絶賛されるようなものではなく・・・

“美”への執念 が累に迫真の演技をさせていたのだとしたら、今の
それを棄てた累の演技が 本来 のものだったのかと思う羽生田。


たが、かつて愛した雨野が見に来ていることに気づいた累は自分の
姿がどう映っているのか不安を感じ 萎縮
自分を制御することが出来ないまま演技は散々。

うう・・・
私も本番になったら累が 迫真の演技 を見せてくれるだろうと思って
いたのですけど(><)
あまりのボロボロ状態に驚愕。

どうすんのよ?

っと思ったら累は舞台衣装のまま雨野を追いかけて・・・
今の累を見てもかつて自分が愛した女性の面影はあっても同一
だとは思ってもらえないのに。

雨野も累と話して何か感じたようではありますが・・・

が、雨野に無様な演技しか見せられなかったことで累は 覚醒

これまでどれだけ醜貌を嘲笑され見下されようとも感じることの
なかった 悔しさ を累は味わったようです。

累は雨野の よりも彼からの 賞賛 の方が欲しかったんですね。

羽生田も累と誘は同じ顔をしていても全くの別人であったことを
ようやく受け止めたようで。
誘は に生きたけれど、累は に生きるのだと。

彼は誘の物語ではなく、 累の物語 として1場面をラストに追加。

美しいものに光を 醜いものに闇を
美しいものに光を 醜いものに それでもどうか・・・
どうか  光を

空へ手を伸ばし、 美への執念、憎悪、深い哀しみ を表現する累。
渾身の演技 にこれまでにないほどの 喝采 が。

やっと累のままで められ、 賞賛 を得たってことですよね。
これが累が欲しかったものだったんですよね。

でも、ここに至るまでの 代償 が大きかった。

累は野菊にニナの母親にニナの日記を見せ、舞台に連れてくるよう
依頼していたようです。
ニナの母親はやはり自分の娘と累が入れ替わっていたのだと確信。

ニナの母親は野菊にケガを負わせ、累を殺害・・・ (ノД`)

ああ・・・
やはり累は表の世界で幸せになることはできなかったんだ・・・
人の幸せを奪った代償を払わなくてはいけなかったんだ・・・
累には幸せに生きて欲しかったけど、やっぱり叶わなかったんだ

そう思ったのに、ニナの母親はなんと 永久交換 の方法を知っていて
累と自分の姿を入れ替え、自らが 淵かさね として自害!

これには きましたわ。
永久交換っていうのは 全身の入れ替え であることにもびっくり。

最終話でわかったことですが、累は野菊にも自分がニナの母親と
入れ替わったことは話さなかったんですね。
ただもう全て封印するかのように。

なんとも切ないです。( p_q)

累がしてきたことを思えば償わなくてはならないでしょうが、誘の
生き様を知ったり、野菊や羽生田との関わりの中で、ありのままの
自分をさらけ出す 勇気 覚悟 を持った累にはなんとか幸せになって
欲しかったです。

でも、ラストで羽生田が丹沢の家を訪れてますね。
累への 執着 から もしや、ニナの母親と累は永久交換したのではと
考えるに至ったのでしょうか。

羽生田の執念も まじいものがあります。
ではありますが、もし彼の存在が累を幸せにすることが出来たら
と望まずにはいられません。

もう舞台に立つことは叶わなくても、忘れ去られてしまう存在には
ならないで欲しいと・・・

野菊と天ヶ崎も関係が続いてるようですね。

はぁ・・・完結してしまいましたね。
この作品、 重厚 でしたわ。
一言では表現できない 魅力 があります。
グイグイ引き込まれます。

理解できないような行動や難解な関係があったりで、複雑な思いを
持たざるを得ませんでした。
累には共感しがたいと感じたり・・・。
だけど、突き放せないんですよね。

最後の方では累には幸せになって欲しいと願う自分がいました。
一言では感想を書き表せない 衝撃 の強い作品です。
お腹に ズン と来ます。

最後にある一同集合のイラストで累が花束を持っているのですが、
微笑む表情に 安堵 です。
まるで終幕かのようです。





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Last updated  2018年11月19日 00時44分45秒
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