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前回書いたように、我が家では最近食器洗い乾燥機を買い替えた。パナソニックのNP-TS1というやつを通販で買った。価格や購入にあたってのショップの対応には極めて満足していたのだが、送られてきた巨大段ボールに書かれた‘中国製’を発見して途端に萎えた。その事実を知っただけで、樹脂部分の色合いがくすんでいるように見え、金属部分もチープに見えてくるから、人間は勝手だ。やや冷静さを失ったせいか、一番に考えたことは当該ショップの安さの秘密が中国製だからというからくりではないかという疑惑だった。そこで先ずはパナソニックのお客様相談センターに電話した。型番を告げて届いた商品が‘中国製’であることに動揺した旨を伝えると、少し待たされた上で‘えぇ、確かにこちらの製品は中国製です’といとも涼しげに返答された。‘あの~、カタログにもそちらのサイトの製品紹介のどこにも中国製の表示はなかったのですが~’と質しても‘製品や梱包の箱には記載されていると思いますが・・・’と素っ気ない。その後もいくつかの遣り取りがあったが特に深まることもなかったので、翌日その方面に詳しい人から折り返し電話を貰うことを約束して電話を切った。それは電話の向こうの女性に限界を感じただけでは無い。自分自身がこの点についての知識武装が全くできてなかったので時間稼ぎが必要だったのだ。時間稼ぎと言っても今はネット情報が実に容易にゲットできるから大仕事ではない。思いつくままにそれらしい検索ワードを打ち込めば、それらしい答えは簡単に得られる。家電製品の表示に関して仕切っているのは‘全国家庭電気製品公正取引協議会’という社団法人であることが判明した。どうもこの手の団体は業界の権益を守るために結束するとか、‘官’と結託して悪さをしている先入観があるよな・・・(-_-;)そのサイトの規約を読んでみると、確かに原産国の表示義務は製品本体にしか課せられていなかった。一夜明けて、パナソニックからの電話を待つ間に、候補のひとつだった東芝のDWS-600Cの原産国について問い合わせてみた。この製品もカタログやメーカーサイトには表示が無かったが‘タイ製’であることが判明した。結局そこで東芝相手に20分話して、その後パナソニックと30分話したが、どうも合点がいかず、或る意味、自分でも予想していたように‘本尊’である家電公取協に電話してみた。いきなり‘おたくどちら’の無愛想な応対には呆れたが、一般消費者担当の人が不在のため翌日電話させると言われた。翌日の3時過ぎに電話がかかってきたが、前日のオッサンとはえらい違いで愛想も良くしゃべりも達者だった。前日の東芝、パナソニック、そして家電公取協とのやりとりは全部で2時間近かったと思うが、要約するとこんな感じだ。《私の質問》食品だけでなく玩具や食器等にも中国製の問題が及んでいる時代に、自分の買う電化製品がどこの国で作られたか知りたいと思うのは自然なことではないか。ところがその原産国がカタログやメーカーサイトを見てもわからないとなると、購買判断の上で支障をきたすと思うのだが。《彼らの回答》製品本体には必ず表示されているからそれを確かめればよい。製品を確かめられない人は電話で問い合わせてくれれば教える。カタログに一旦記載すると、原産国の変更があったりした時に不都合が生じる。当社はISO14001の認証を受けているから大丈夫だ。消費者はメーカーと性能には拘るが原産国には余り拘らない。どこの工場で作ろうが厳しい社内基準が厳守されて品質管理が行われているから製品の差は生まれない。規約の制定にあたっては公正取引委員会と協議し指導を受けているし、規約は法律で求められている以上の厳しいものを自主的に定めている。私は彼らの説明に対して当然いつもの調子で突っ込みを入れまくったが、論理としては自信があるのにどうも今一歩迫力がない。理由は簡単だ。自分自身が今まで日本メーカーの家電製品の原産国に強く拘ってきた意識がないからだ。それが最近の中国産、中国製に対する不信感の高まり、あとは今回買った商品が食器洗い機というところで,過敏に反応してしまった節はある。‘中国製だと中国製の有害食器にも対応しているメリットがあったりするんですか’という私のブラック・ジョークには担当者も笑っていたが・・・(>_
2008.10.29
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約7年間使っていた東芝の食器洗い機が壊れた。当地に下野する際に妻の負担を減らそうと死んだ親父が用意してくれたものだった。3000円以上払ってやってきた東芝の人間には2~3万かければ修理できるかもと言われたが、買い替えることにした。流石に私はメーカーや機種の選定に関わる気力が無く妻に任せた。彼女が家電量販店を3軒回って先ずはどれを買うか決め、そこから私が登場し安値探しをすることになった。据え置き型の食器洗い乾燥機の選択肢は極めて限られていて実質的にはパナソニックの2機種、東芝の1機種の3択らしい。そこで妻が選んだのはパナソニックのNP-TS1という機種だった。問題は価格で量販店の1度目の値引き価格は8万5千~9万のゾーンと言われたそうだ。私が価格コムで調べると最安値は6万6千円(その時点)で、価格交渉が好きでそれなりに長けている私も店に赴くガソリン代が無駄だと判断するしかなかった。量販店でも物によってはかなり競争力のある価格を引き出すことができるが、逆にやる気のない商品に関してはいくらやっても無駄なことが多い。幸いにも前の東芝で使っていた分岐水栓がそのまま使用できることが確認できたので、取りつけも自分達でできそうだ。ネットで探しまくるとなんと送料込みで6万3千円の店を発見。約8万5千円が家にいながらにして6万3千円で買えるのか・・・(^O^)/差額で浮いた分もあるし妻の希望で5年までの延長保証を付けたがこれも2700円と破格だった。但し、こんなきっと机一つのショップでは、今流行りの‘破綻リスク’があると思ったが、調べてみると保証は外部の専門会社のリスクになるとのこと。‘TWGワランティーInc’というアメリカベースの会社で世界最大の延長保証の実績があるらしい。因みにPCサクセスが倒産した時は、保証サービスを提供していたここが引き継ぎ保証契約は有効になった。まあ、AIGがああなる世の中だから何ひとつ安心はできないが・・・(-_-;)早速発注し確認メールを貰い、直ぐにネットで振り込みを行ったら翌々日には商品が家に届いた。ネットでの情報収集能力さえあれば、地域差による価格差は克服できる場合が多い。消費者には何とも便利な世の中になったと満悦だった。しか~~~~~~~~~~~~し、不必要に大きな段ボールの箱に‘或る文字’を発見して思わず‘ゲェ’と叫んでしまった。古典的なじらし作戦にする気はないが、その‘ゲェ’については次回書くと言うことで・・・(^。^)
2008.10.26
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ヤンキースがプレイオフに進出できなかったことも、すっかり‘過去のこと’になり穏やかな10月を過ごしていた。試合を観るのもその時の気分次第で集中力も欠いていた。弱小球団から大変身したレイズかトーリのドジャースに勝ち上がって欲しいとは思いながらも、それだって別にどうしてもという強い気持ちがあった訳ではない。それがALCSのゲーム5で一変する。レイズが3勝1敗で迎えたこの試合、早々に5点のリードを奪い7回にさらに2点追加し7-0にした時はシリーズの終了を誰もが確信した筈だ。ところがそこからレッドソックスは追いつき、9回にサヨナラ勝ちを決めた。フェンウェイ独特の空気の中で驚異的な強さを見せつけた。ヤンキースファンとしてはあの3連勝、4連敗のALCSのトラウマが蘇る。私にも責任の一端はある。フェンウェイでは8回の表が終わると‘Sweet Caroline’の大合唱があるが、あの曲がいけない。思わず乗せられて♪Sweet Caroline, oh, oh, oh♪の‘oh, oh, oh’に反応してしまったのだ。声は出さないが右手は五木ひろしの亜種のように反応していた。別にいつもやる訳ではないが、何故かあの重要な場面で不覚にもやらかしてしまった。勿論その後の‘So Good, So Good’は自重したが・・・。実は昔からこの癖はあって巨人阪神戦を観に行っても‘かっとばせ~掛布’でメガフォンを叩いていた‘前科’はある。土壇場で7点差を大逆転して延命したボストンは当然のようにゲーム6を物にして、所謂‘逆王手’になった。麻雀ではよく‘早いリーチは追っかけリーチに負ける’と言われるが、LCSの歴史でもこのパターンは7回中6回の高確率で追っかけた方が勝ちあがっているそうだ。おまけにその6回のうち3回がボストンなのだ。あ~ぁ、またしてもボストンが劇的なカムバックで勝つんだろうな。そしてその勢いでワールドシリーズも楽勝か。観たくね~~~~~・・・(-_-;)この世の中の野球ファンには2種類しかいない。ボストン・レッドソックスが好きな奴と嫌いな奴だ。私は勿論後者だが‘ペドロ嫌’とか‘ユー嫌イス’とかもう大嫌い。まあ、それだけ手強い選手だと言うことだが・・・。ファンの喜び方も癪に障る。一般論で言えば他チームだろうが、真のファンには敬意を払う方だが、レッドソックスファンだけはどうしてもだめなのだ。一応フォローしておくと、私を理不尽に苛立たせるほどボストンの存在は大きいと言うことだ。2003年、2004年のALCSほど興奮させたものは無い。そもそも大きな存在でなければ世の中を‘二分’させることなんて出来ない。さて、肝心のゲーム7だが先制されたレイズが逆転し3-1で逃げ切った。直接の‘当事者’でもない私が終始極度の緊張状態だった。8回のBOSのチャンスでは絶対に同点、逆転されると恐怖に慄いていた。ゲームセットの瞬間の歓喜の度合いはレイズファンには及ばないが、安堵の度合いではいい勝負だったと思う。それにしてもナリポンを‘誤作動’させる‘Sweet Caroline’の威力は凄い。映画の中でもよく使われるし、調べてみると各種のスポーツの場で重宝されているらしい。作って歌ったのはNeil Diamondだ。彼についてググっていたら、映画のセリフに使われた‘There are two types of people in the world: those who like Neil Diamond and those who don't’を発見。それをパクって今日のタイトルになった。そう言えば肝心なことを忘れてた。レイズファンのみんな(ドッカニイル?)、どうもおめでとう。こうなったら前年30チーム中30位から一気に頂点に駆け上る離れ業で球史に名を残すのが断然美しい。
2008.10.20
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原巨人が143試合目でリーグ優勝を決め連覇を果たした。2003年の8月まで40年近く熱狂的な巨人ファンだった私としても、この優勝は実に嬉しい。しかし、所詮今は‘現役’の巨人ファンではない分、‘真の現役’巨人ファンに対してどこか遠慮がある。これは全力で巨人の単勝を一点買いしている人への敬意とも言える。私の場合は1位になることを願ってレースは観ているが馬券は買っていない。コミットしていない分、格段に差があるのだ。それにしても今年の巨人の戦いぶりをレースに例えると余りにも劇的だ。いきなりゲートの出に失敗し中団で揉まれ続け、4コーナーを回ってからの驚異的な鬼脚。単勝馬券を握りしめながらも実際は諦めて、取り敢えず6頭立ての3着に入ってくれと思っていた人も多かったに違いない。それだけではないが原監督の突然の解任が私がファンを辞めた直接的なきっかけだ。だから原待望論が起こり、復帰を果たした時は当然視したものだ。選手としては超一流とは言えないが、名監督としての道を確実に歩んでいるのではないか。前にも書いたことがあるが、原辰徳は父であり監督である原貢氏をいつも見て育ってきた。環境的にもDNA的にも監督の素養には極めて恵まれている。神宮球場で阪神戦の結果を待った上での胴上げだったが、選手全員がしっかりと胴上げに参加していたのが好印象だった。近年はカメラを意識して勝手にジャンプして、胴上げに参加しない不埒な選手が増えて嘆いていた。レギュラーメンバーが固定できず、若手を含め数多くの選手達で勝ち取った伝説的勝利だからこそ、その指揮を執った監督を心底持ち上げたかったのだろう。各選手の評価については私の出る幕はないが、ナリポン的には打者で大道、投手で山口に拍手を送りたい。‘現役’巨人ファンのみんな、本当におめでとう。‘Yankee-less October’を過ごす羽目になった‘往年’のファンにも応援させて下さいね。≪関連記事≫原辰徳が解任されたときに吐いた‘生’言葉~原監督復帰待望論渦巻く~
2008.10.10
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普段はあまり行かない蕎麦屋に久々に行ってみた。本山葵をおろして密閉容器に入れて目指すは新蕎麦だ。そうなのだ、この店はいつも新蕎麦の扱いが当地では一番早い。今年は電話で確認することをせずに出かけたのだが、残念ながらまだやっていなかった。新蕎麦は逃したが、ひとつの‘収穫’があった。注文して待っている間に読んだ週刊文春で興味深いコラムを見つけたからだ。読みながら私は快哉を叫んだ。これはまさに正論、普段私が感じていることを見事に代弁してくれている。そう思うと記事をなんとか保存したい衝動に駆られて、妻の携帯で撮影しようと試みたが、何しろ2002年生まれの時代物のうえ店内も暗くて話にならない。やや未練を残しながら店を後にしたが、何のことは無かった。家に戻って早速ググってみたら一発でヒットした。新聞不信(週刊文春2008年9月25日号)新聞はイチローに甘すぎる!前々から思っていたのだが、新聞のイチロー報道は、少し甘すぎるのでないか。日本人選手が増えるのに比例して、大リーグの結果が朝刊紙で報道されるのは当然のことだが、「8年連続200安打まであと何本」とイチローの安打数に一喜一憂するがごとき報道が続くのは、長年の大リーグファンとしてなんとも納得しがたい。たしかに、これは大リーグにあっても大記録なのだろう。それが日本人打者によって達成されるのは喜ばしい。しかし、はたしてイチローは無謬の打者なのか。イチローの所属チームは一位から三十ゲーム以上も離され、哀れなほど弱い。そんなチーム状況をヨソに、イチローは自分の安打を増やすためだけに野球をしているように見える。むしろ、イチローが自分の記録を優先したために、チームの勝ち星が増えないのではないかとさえ思われてくる。日本の新聞にそのような視点での報道はない。しかし、アメリカのメディアは、チームメイトのなかにもそういう批判があることを報じているようだ。実際、九日のゲームでは、第4打席に右足つま先に死球を受けながらも、審判に促されるまで一塁に走らなかったことが報じられている。チームのために出塁するより、安打を稼ぎたかったのだ。ある夕刊紙は、イチローの「セコさ」と揶揄していたが、まさにその通りだ。ところが一般紙ではこうした批判的な報道は見受けられなかった。とにかく最近は、「イチロー4安打 200本へ残り10(11日付け朝日夕刊)とか、毎日もこうした見出しのあとに『8合目』・・・・・大きく前進」といった具合で、イチローのコメントを共同配信で伝えていた。例によって“高邁な安打論”である。レッドソックスの松坂の制球力のなさについては「地元もため息」(10日付け朝日夕刊)と自社の記者の冷静な記事もあるのだから、こうした筆調の記事が、なぜイチローに関しては少ないのか。イチローの巧妙なメディア戦略で、野球の面白さが封じられているように思う。死球を受けたら塁出ろよ、自分のわがままを押し通してはいけない、と忠告するのが記者の務めである。(翼)私はこの翼さんの言っていることが正論だと思うが、世の中には異論を唱えたい人々も多いだろう。別にそれで構わないのだ。松井秀喜の報道を見聞きしてもファンの私が、いやファンであるからこそなおさら辟易する内容のものも多い。最大の問題点はこの手のマスコミやメディアのステレオタイプが受け手の価値観のステレオタイプを招いていることだ。この問題については去年も書いている。スポーツニュースは恐い 刷り込まれる<日本人>(森田浩之 著)~馬鹿マスコミに洗脳されないための一冊になる?~まあ私のような浅薄な男がこれ以上語っても‘高邁なマスコミ論’にはならないし、そもそも今日はこの翼さんのコラムをより多くの人に読んでもらうことが純粋な目的なので、私の妙な‘不純物’はこれぐらいにしておこう。
2008.10.06
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シティのサムライ債については過去2度書いた。シティの個人向けサムライ債(3年3.22%)を買うと‘サブプライム・インフルエンザ’に罹る?~前回発行分(3年2.66%)は大暴落中~シティの既発サムライ債の暴落を1週間遅れで報道した日経新聞のお粗末~市場混乱の記事で読者も混乱?~その後の動きは9月27日の分に‘追記’という形で補足したが、またまた書きたくなる状況になっている。そもそもシティのサムライ債(第25回)が発行時点で‘割高商品’だということを暴露する、もっと生意気に言えば啓蒙する意図で記事にした。少なくともコメントを寄せてくれた一人が購入を見送った。それでも豪気(脳天気)な人達は買ってしまうんだろうなと思っていたら、29日の申し込み最終日の後、アメリカ時間にシティがワコビアを救済買収するというニュースが飛び込んできた。それを受けて払込日の30日に急遽、第25回債の発行延期が決定した。投資判断にかかわる経営状況の変化があったと言うのが理由だ。実際、S&Pとムーディーズが格付けの引き下げを検討するとの報道もあった。私はこの突然の中止を見て‘入籍直前の価値ある破談’だと思った。シティにとっては‘超割安商品’で資金調達ができなかったことが悔やまれるだろうが、連中はどうでもいい。多くの個人が‘割高商品’を買うことから強制的に‘解放’されたことは良かったと感じた。問題は第24回債を買った人達である。この暴落については過去2回の記事でも詳しく触れた。最初の記事では5円の下落を‘大暴落’と大袈裟に書いた。それがこの3日間でさらに下落したのだ。9月26日 97円27銭 3.75% 96円47銭 9月29日 95円79銭 4.37% 94円97銭9月30日 95円08銭 4.68% 90円15銭10月1日 90円90銭 6.57% 90円10銭左から日付、証券業協会発表の気配値(仲値)、利回り、日興コーディアル買取単価週末をはさんだ26日から29日にかけての1円50銭の下落を説明する客観的要因は思い当たらない。そしてその後の5円下落。確かにワコビアの買収といった大きなニュース、それに伴う起債の延期という要因はあったものの5円だよ、5円。利回りにして2%以上だよ。ワコビアの買収はFDICに泣かれてその要請に応じた印象が強い。その代りに、今後何か新たな損が発生しても補填してもらえる条件になっているようだから、それ自体が大きく信用力を棄損するものではないと思う。その証拠に株価は例の金融安定化法案の否決騒ぎの中で上昇している。日興の担当者に電話で訊ねてみたが、どうも要領を得ない。24回債を保有している客でもないのに、しつこく訊くからいい加減うざいと思われている節もある。私のディーラー時代の経験から言うと、買い材料、売り材料がはっきりしていて素直に相場がその方向で動くのは楽だ。時に材料と正反対に動くことがあるが、これもまた材料の織り込み方の問題等で説明できない訳ではない。一番怖いのは理由を見つけられないままに激しく動くマーケットだ。シティの24回サムライ債で言えば、95円までの下落はなんとなく理解できるが、その後の90円までの下落が恐怖だ。同時期に発行されたサムライ債、コモンウェルズやウェストパックは小動きだから、シティ固有の動きと言える。持ってもいないのに恐怖を感じるのも変な話だが、実際に持っている人達はどうなのだろうか。な~に、別に時価評価する必要もないし、利払いがきちんと行われて、2年9カ月後に無事に償還されれば無問題。と考えられるタイプは大丈夫だろうが、銀行の破綻のニュースを聞くたびにドキドキしてストレスを感じる人もいるだろう。今さら断罪してもしょうがないが、このシティの個人向けサムライ債が発行された時は、ほとんどの専門家が低金利に喘ぐ個人投資家には魅力溢れる商品だと‘賛辞’を送っていた。実際、発売4,5日で完売だった。しかし、ほんの3ヶ月の間に連中が予想できない‘惨事’になった。価格は100円→90円と10円下落して、利回りは2.66%→6.57%と4%上昇した。いつも書くことだが自分でコミットしない専門家の言葉は信じるに値しない。別にデフォルトになった訳でもないのにどこが惨事だ、と開き直る奴もいそうだが、倍以上のリターンのチャンスを予想できなかっただけでプロとは言えない。結果責任を問われないプロフェッショナルなんて存在価値ゼロなのだ。シティのサムライ債(25回債)の発行は飽くまでも‘延期’だから、何れ発行される可能性はある。発行できる環境になったとして、どんな条件になるか。そして世の専門家達はどんな顔をしてどんなコメントをするのか。そして、そして最終的に個人投資家はどういう判断を下すのか。
2008.10.01
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