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「緑内障の目薬で毛が生えるって本当なの?」という質問を患者様から戴きました。今日はこの疑問について少し考えて見ましょう。 現在緑内障の治療では「プロスタグランジン関連薬」という系統のお薬を第一選択薬として使います。下に示すのがその代表的な薬(プロスト系)です。 眼圧(目の血圧)を下げる効果が高く全身への副作用がほとんどないからですが、局所への副作用はかなりあります。充血・目の周りの色素沈着(黒くなる)などですが、その一つに多毛があります。目の周りに目薬がこぼれると、皮膚が黒くなりますし、明らかに毛が生えているのが分かりますね。 この多毛という副作用を避けるため、私は入浴前の点眼をお勧めしています。(この系統のお薬は全て1日1回点眼です)点眼後にお風呂でしっかりと顔を洗えばかなり予防できますからね。 ここからは余談になりますが、ちょうど友人がストレスで円形脱毛症になったのでちょっと上記の点眼薬を脱毛部に使ってみました。 かなり禿げていますが、お薬を使って2ヶ月後には、 かなり生えています!。その後も増毛は続き、現在では脱毛部は消失しています。かなり効果がありそうですね。 このようにお薬の作用というの本当に不思議なものですね。
2009.04.29

「急に目が真っ赤になったので心配して来た」と来院される患者様が良くいらっしゃいます。その中で最も多いのが「結膜下出血」というもので、多くは特発性に出血した血液が結膜(白目)の下に溜まったものです。 見た目が派手なので皆様びっくりされますが、1~2週間で自然吸収されるため様子を見たので構いません。ただ出血量が多い時や繰り返す場合には目薬(軽い坑炎症剤)や内服薬(ビタミンCや血管強化剤)を使う場合もあります。 後、この結膜下出血は下向きの作業を連続でした後(細かい手仕事など)に出やすいです。出血した場合はしばらく下向きの作業を控えることも効果的と思います。
2009.04.28
去年のことなのですが、カ○ラで有名なニュースキャスターの小倉さんの番組で、 「暗いところで本を読むと目が悪くなる」という一般的に信じられている話は迷信である、という話題を取り上げていました。 「焦点が合わせにくく、一時的な目の疲れにつながる可能性はあるが長期的な影響はないということで大多数の眼科医の意見は一致している」と仰っていたのですが、眼科医の中には「暗いところで本を読むと、強膜のリモデリング(再構築)により、眼軸長(目の長さ)の延長が起こり、近視が進む」という学説を唱えている方もいます。 実際の臨床経験でも、最近は30歳前後まで近視が進行する方はまれではありません。目に大きな負担のかかるパソコンなどの機器が急速に日常生活に入り込んできて、もしかしたら多くの方の目に「リモデリング」が起こっているのではないか?という気もしています。 医学の世界にはこのように「分かっているようで分かっていない」ことというのはたくさんあります。私も、少しでも分かりやすく色々な謎にお答えできるように、毎日勉強を重ねています。
2009.04.27

私は白内障手術を専門としており、毎日より安全な手術を目指して努力をしています。当院はもうすぐ開院1年を迎えますが、この一年間でもいくつかの術式の改良点がありました。 1.瞬目麻酔という耳の下への麻酔を全例で追加して、術中のまばたきを抑えて手術の安全性の向上を図った。 2.水晶体の前嚢という皮をめくるCCCという手技があるのですが、この手技の安全性を高めるために「池田式CCCセッシ」という、小さな傷から挿入できる器具を全例に採用した。(この器具は非常に高価なためほとんどの公立病院では保有していても数本であり、全例に採用している施設はまだ稀だと思います。) この器具を使ってどのようにその前嚢をめくるのか、一例を下にお示しします。左側に見えている器具がその池田式CCCセッシです。 丸く、皮がめくれているのがお分かり頂けると思います。 これ以外でも、当院ではより小さな傷口からの手術を目指して更なる機材の変更を検討しています。日々努力を怠らず八幡浜地域の皆様に安全で快適な医療を提供できるようにこれからも頑張っていこうと考えています。
2009.04.27
もうすぐプールの時期が始まりますね。医学の世界というのは変化が激しく、「昨日の常識が今日の非常識」ということが多いのですが、これもそんな一例です。 「プール後洗眼は悪影響」 塩素が角膜損傷 国内研究チーム発表3月1日16時25分配信 産経新聞 プールで泳いだ後に目を洗うのではなく、ゴーグルを-。水道水の消毒に使われている塩素が角膜を傷つけ目に悪影響を及ぼすことを、石岡みさき医師(両国眼科)、慶応大学眼科などの研究チームが実験で明らかにし、米国の眼科学専門誌に発表した。 学校現場で当たり前に行われる水泳後の洗眼は、かえって目にダメージを与える恐れがあり、研究チームは「洗眼はやめてゴーグルで保護した方がいい」としている。 実験は、健康な男女各5人を被験者として実施。250ccの(1)体液と浸透圧が同じ生理食塩水(生食)(2)水道水(3)生食に塩素を加えたもの-で目を洗い、角膜の状態などを複数の方法で調べた。 この結果、(1)~(3)のいずれも目を洗う前と比べて角膜上皮の傷がやや増えたが、塩素入り生食の場合に顕著だった。また、目を保護する粘液の成分が、水道水および塩素入り生食で洗ったときに減少し、生食では減らなかった。 さらに、色素の透過量で角膜上皮のバリアー機能を調べる検査では、塩素入り生食の場合のみ低下が認められた。 これらの結果から、浸透圧ではなく塩素が目に悪影響を与える主な原因と結論付けた。研究班の加藤直子・慶大非常勤講師は「強酸や強アルカリなどが目に入ったとき以外、目を洗う必要はない。プール後の洗眼は、さらに傷を広げる可能性があるのでやめた方がいい」としている。 これは私自身も学生時代に「この洗眼って、なにか眼の中の大事な成分まで洗い流してしまいそうだし、嫌だな」と漠然と思っていたのですが、やはり良くなかったんですね。 いわゆるアイボンなどの眼を洗浄する薬剤も使いすぎると逆効果になります。アカスリのやりすぎが良くないのと同じような話かなと思いますね。
2009.04.24
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