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黒目と白目の境目がどんどん白くなってきたのですが大丈夫ですか? と言う質問を患者様から受けることが良くあります。そうですね、大体1ヶ月に数回は聞かれます。今日はこの問題について考えて見ましょう。 まず結論から言うと、これは 老人環(ろうじんかん senile ring) というものです。「お年のせい」ということですね。加齢によって脂質が沈着して黒目の周りが白っぽくなったものですが、通常は視力低下に繋がったりはしないので気にしなくて大丈夫です。 それではこの老人環が一体どのようなものなのかを具体的に一緒に見ておきましょう。 上の写真で水色の矢印で示したのが老人環です。ちょっと分かりにくいので色を塗ってみましょう。 緑色に塗った所が老人環です。黒目(角膜)の隅っこなので視力などには影響はないので心配しなくてもいいんですね。 そしてこの老人環、70歳以上だと大体80%くらいの方に存在します。なので、 目の白髪 くらいに思って頂いて良いと思いますね。
2016.06.21
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目の中に入った異物や汚れを洗い流すために使う、洗眼薬という市販薬があります。小林製薬の「アイボン」がその代表的な商品です。 私も使ったことがありますが、アイボンで目を洗うとすっきりして気持ちがいいんですね。目にゴミが入ったとき・花粉症で眼が痒くてどうしようもない時などに大変重宝する良い薬だと思います。 ところがこのアイボン、使っているうちにその爽快感・スッキリ感が癖になってしまい、1日に何十回も使用している 「アイボン中毒、略してボン中」 とでも言えるような状態の方がいるんですね。 先日、「目の調子が悪くてアイボンを1日に20~30回くらいしていたのに、治らないので来た」という患者様が来院されました。目を拝見すると、 黒目(角膜)にたくさんの傷(上の写真で水色に濃く染まっている部分)が入ってしまっています。 これはアイボンのしすぎで、ムチン層という黒目の表面を守って涙の状態を安定させる大事な物質が洗い流されてしまったことによるものです。例えて言うなら、 アカスリし過ぎて皮膚がズル剥けて真っ赤っ赤 というような状態ですね。 また、我々の涙には「ばい菌をやっつける天然成分」が元々入っています。アイボンをしすぎるとこの大切な天然成分も流れてしまい、逆にばい菌への抵抗力が減ってしまうこともあるので注意が必要です。 さて、この患者様にはアイボンを中止し点眼薬を処方したところ、1週間後には、 症状はほぼ改善しました。 アイボンは良いお薬ですが、使いすぎるとこのようにかえって逆効果になることもあります。なので、アイボンを使うときには用法・用量(1日3~6回)を必ず守るようにして下さいね。
2010.05.08
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さて今日も「名薬、ムコスタ点眼液の悲劇」シリーズの続きです。 ムコスタ点眼液の作用を専門的に言うと、まずは結膜(白目)の杯細胞を増加させます。そしてこの杯細胞は「分泌型ムチン」というものを出すので、結果として分泌型ムチンが増加するということになります。これによって、涙の質と量が劇的に改善されるのです。更にドライアイには炎症が深く関与しているのですが、ムコスタには炎症を抑える作用もあります。 つまり、 杯細胞の増加&抗炎症作用の2つの力 があるので、ムコスタ点眼液はドライアイに抜群に効くのです。 今日はここでムコスタ点眼液がどれほど眼の表面の炎症を取り、ツルツル綺麗にしてくれるのかの実例を1つ見ていただきましょう。 色々な原因で角膜(黒目)に糸状の付着物が付着してしまい、強い異物感や痛み、充血などを引き起こす「糸状角膜炎」という病気があります。 これはなかなか難治性の病気で目薬で治す事が難しく、治療は、 ピンセットや綿棒で糸状の付着物を取るくらいしかありませんでした。当然すぐに再発もしますし、痛みなどの自覚症状が強いために多くの患者様が苦しんできました。 さて、上の写真の患者様はこれまでも強力に炎症を抑えるステロイドを筆頭に様々な目薬を処方した上で2週間おきに糸状物を取り除く治療をしていたのですが、ある時試しにムコスタ点眼液を処方したところ、 2週間後の再診時には、長年苦しんでいた糸状角膜炎(filamentosa)が嘘のように全て消えてしまっていました。! 患者様も「今まで目がしょぼしょぼし過ぎてほとんど新聞が読めなかったのに、ある日読めそうな気がしてそれから日毎に紙面が読みやすくなりました。感動しています。」と大喜びでした。 私も大変驚きましたが、その後他の同じ病気の患者様にもムコスタ点眼液を処方してみたところ、ほとんどの方が劇的に症状が改善しました。 これがムコ点のパワー なんですね。「効く人には劇的に効く。患者様自身が症状の改善をダイレクトにはっきりと実感できる」、ムコスタ点眼液は本当に素晴らしいクスリだと感じています。(続く)
2013.03.18
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さて日本人では40歳以上の20人に1人(5%)、70歳以上では7人に1人(14%)の有病率ということで、非常にありふれた病気であると同時に、「失明に直結する!」という「とても怖いイメージ」があるために、多くの方から「恐れられている」病気である緑内障。 当ブログでもこれまでに様々な角度から取り上げてきましたが、この緑内障は「超慢性疾患」で進行がとてもゆっくりな病気なので、実際には発病から失明に至るまでには30年以上という時間的な猶予が与えられた、真面目に治療に取り組む患者様にとってはある意味で「優しい病気」でもあります。 そして治療の基本は、眼圧を下げるための点眼治療です。何故かというと、眼圧を下げることによって緑内障の進行を遅らせて目の健康寿命を延ばすことが出来ることは、既に質の高い多くの論文から明らかになっているからです。治療法としては他に手術も色々とありますが、結局はどれも眼圧を下げるためだけの物なので、目薬の治療だけで病気がコントロールできるのであればそれに越したことはありません。何も好き好んで痛い思いをする必要はないですからね。 そして実際全国にはとてもたくさんの緑内障点眼薬を使用していらっしゃる患者様がいます。緑内障は決して「良くなる」ことはない病気なので、世界最高レベルの高齢化がこれからも類を見ないスピードで進展するここ日本では緑内障患者様の数はこれからも増える一方です。もしかすると、このブログに辿り着いた方の中には既に緑内障の治療中の患者様もいるかもしれませんね。 そこで今日はこれまでと視点を変えて、緑内障点眼薬の世界を広く見渡してみることにしましょう。これはとても大切な視点です。何故かというと、この数年緑内障の分野では新薬ラッシュが続き、使えるお薬が爆発的に増え、その結果として以前とは比べ物にならないくらいに処方パターンが増えているからです。 それではまずはその全体像をお示ししましょう。 す、すごい量ですね。20年前には「僅かに数種類」しかなかった緑内障点眼薬は、いつの間にかこのような「爆発的な進化」を遂げているのです。そして私達眼科専門医は、これらの全てのお薬の長所・短所・有効な組合せ方を学び続けながら、毎日の診療に当たっているんですね。(続く)
2019.03.09
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お料理、特に揚げ物などをしていて天ぷら油が眼に入りかけたことはありませんか?高温の油が眼に入ったらどうなってしまうのかちょっと心配ですよね。 ところが人間というのは良く出来たもので、現実にはなかなか油が眼に入ることはありません。危険を察知して瞬間的に眼を閉じるので、「眼に入った!」と思っても実際はまぶたに油が当たっただけということが多いんですね。 先日もある患者様が「天ぷら作っていたら揚げ油が目に入った。滅茶苦茶痛いので飛んできた」といって来院されました。私が「意外と本当に眼に油が入ることはないんですけどね。良く診せて頂きましょう」と拝見すると、、、、、、 油、本当に眼に入っていました。ちょっと珍しいですね。上の写真で緑色に丸く変色している部分がそうなのですが、高温の油が当たって黒目(角膜)に炎症・点状の細かな密度の高い傷に加えて一部上皮欠損を起こしています。黒目は非常に敏感な部分なので、このくらいの傷でもかなり強い痛みが出ることがあります。 目薬と眼軟膏を処方して本日再診して頂いたのですが、 ほとんど治っていて私もホッとしました。 このくらいの傷だったらすぐ治るには治る訳ですが、かなり強い痛みが出るのは事実なので、皆様も料理中には油が目に入らないように十分注意してくださいね。
2009.10.19
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さて本日11月25日、日本を代表する点眼薬メーカーの参天製薬から、アレルギー性結膜炎の大型新薬であるアレジオン点眼液が発売されました。未確認情報では、このお薬、実は以前は他の会社が点眼薬にしようと思って頑張っていたのですが、どうしてもうまく溶けず目薬に仕立て上げることが出来ずに投げ出し、それを引き取った参天製薬が無事に開発完了したという話です。「クスリを溶かして目薬に仕立て上げる」技術では世界一と言われる、参天製薬ならではの目薬ですね。 ところで、アレルギー性結膜炎の治療では副作用が少ない「抗アレルギー点眼薬」が第一選択なのですが、その中には実はたくさんの目薬があります。 ただ、実際の臨床の現場では、かゆみに即効性を持つ抗ヒスタミン作用のある「ヒスタミンH1受容体拮抗薬」の中で最強のパワーを持ち、現在アレルギー点眼剤で売上ダントツナンバーワンのパタノール点眼液(日本アルコン社)がpHが中性で点眼しやすく、また実際の効果も図抜けており、 実際には1人勝ちでライバル不在の状況でした。 そんな中、今回発売になったアレジオン点眼液は、その現役最強のアレルギー点眼薬「パタノール点眼液」と肩を並べる薬効を持っています。更に目に様々なダメージを与える防腐剤の濃度もパタノールが0.01%(これでも十分に低くて安全)なのに対し、アレジオンはその3分の1の0.003%と極限の低さを誇っており、日本のメーカーらしい細やかな配慮が行き届いた目薬となっています。また内服薬のアレジオンは効き目が長いことで知られており、もしかすると点眼でもその長所が受け継がれているかもしれません。 アレジオン点眼とパタノール点眼では実際にはどちらがより優れているのか、「アレルギー性結膜炎点眼薬、頂上決戦」がいよいよ始まります。楽しみですね。
2013.11.25
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緑内障患者様の基本的な検査として、「見える範囲を調べる」視野検査というものがあるのですが、当院ではその検査装置の3代目として最新鋭のマシンとなる日本のコーワ社のAP-7700を導入しました。 前回は、 2015年に当時の最新マシンである同じコーワ社のAP-7000を入れていた のですが、ちょっとあまりにも休みなく酷使し過ぎたせいかボロボロになってしまって不具合があったのと、AP-7700をデモで使わせて貰ったら滅茶苦茶パワーアップしていてびっくりするくらいに最高だったので、思い切って買い換える形となりました。 このAP-7700は実際には数年前に発売されていたのですが、今回 「スマートストラテジー」という画期的かつ革新的なプログラムの新規追加 があり、それが購入の決め手となりました。 簡単に言うと、 検査時間の短縮と検査精度の飛躍的な向上が、ダブルで達成 されています。 正直に言って「今までのAP-7000とは何だったのか?」という根源的な疑問を感じるほどの良い出来です。もちろん私はコーワ社の回し者などではありません。1ユーザーとして使ってみての、率直かつ正直な感想です。(笑) 当院では、これからも必要な設備投資を決して欠かすことなく、常に「新しくて、かつ安全で快適」な眼科医療を提供し続けて行くことを皆様に誓います。
2021.01.29
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義眼の方の目の中はどうなっているんですか? と言う質問を患者様から頂きました。 義眼は怪我や病気などで眼球を摘出せざるを得なかったり眼球の中身を取る手術をした場合に、 眼球があるように見せるために入れる扁平な楕円形のもの で合成樹脂で作られています。ほとんどは反対側の元気な目に合わせて色や形を整えて1つ1つオーダーメイドで作ります。 それでは実際に見てみましょう。 非常に綺麗に義眼が入っていますね。 これを外すと、、、、、 中は空洞 になっています。この空洞(結膜嚢:けつまくのう)の状態に合わせて1人1人の患者様にぴったりの義眼を作っているので、パッと見では義眼と分からないことも多いくらいなんですね。
2016.07.15
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先日のことですが、「農作業中に右目をぶつけて真っ赤になった。」との訴えである患者様が来院されました。早速拝見すると、右目は結膜下出血といって表面の血管が切れて少し血が出ているだけで特に問題の無い状態でした。 「ついでに反対の目も診せて下さいね。」と言って左目を拝見すると、顕微鏡の視界に一瞬「黒い影」がよぎって消えました。 「うん!?、今、確かに何か黒いものが見えたぞ!」と思って下のまぶたを引っ張って調べてみると、、、、、、、 これは?、太いまつげ?、、、、、、 ところがじっと見ていると、、、、、、 なんとその「まつげ」がもぞもぞと視界から逃げていきます! 動いている! 良く見ると、、、、、、、 なんと「ヒル」が結膜(白目)に喰いついて血を吸いながら逃げ回っていたのです。ピンセットで逃げるヒルを追い掛け回し、必死の思いでやっつけて剥がしました。私は眼科医をもう10年以上していますが初めての経験でびっくりしました。「これは大変珍しいです。私は初めて見ました。ヒルが入って目の血を吸ってましたよ。」とお伝えすると、「そんなに珍しいものが入っていたんですかー。いやあ、取れて良かった。」と、患者様は大変喜ばれていました。 後で患者様に伺ってみると、「そういえば数日前に田んぼで作業をしていて何か左目にゴミが入った。」とのことでした。ヒルは目の中で血を吸いながら数日間も過ごしていたんですね。このように暑い季節になると、目の中には様々な異物が入り込みます。皆様も目にゴミが入って症状が改善しないときには、是非お近くの眼科専門医を気軽に早めに受診されて下さいね。
2011.06.23
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我々人間は外界からの情報の80%を目から手に入れていると言われており、だからこそ目はとても大切なわけですが、その目の真ん中に開いているのが瞳孔です。この瞳孔なんですが、動物によって形が違うことは割りと知られていません。 (眼科セカンドオピニオン 銀海舎 P53より) 我々人間が真ん丸なのは皆様ご存知でしょうが、ヒキガエルはなんとハート型なんですね。 ネットを巡回していると、なんと 「ハート型の瞳孔を持つ猫」 もいました!。 ただ残念ながらこの猫は「エイプリルフール用の合成写真」だったようなのですが(私は本物かと思ってかなり驚いていたのですが)、 実は 人間でも「ハート型の瞳孔」を持つ方が存在する のです。 これはある患者様に検査のために散瞳薬という目薬を入れたところなのですが、上方の虹彩(茶目)の一部がその後ろの水晶体とくっついている関係で、偶然「ハート型」になっています。 患者様に「目がハート型になっていますよ」とこの写真をお見せしたら大変喜んで頂いたのですが、とっても珍しいものが見れて私も嬉しかったです。こういった様々な楽しいことがあるので私は外来診療が大好き なんですね。
2009.08.04
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さてここからはセミナーで印象に残った話、勉強になったことを自分のメモ代わりに書いていきます。 患者様の多くは「目には癌は出来ない」と思われているのですが、実は目にも癌は発生します。もちろんその頻度は高くはないのですが0ではないんですね。セミナーではその「眼腫瘍」の講義があったので、具体的にそのポイントを見ておきましょう。 一番良くあるのは、 この脂腺癌(しせんがん)です。まぶたにあるマイボーム腺の出口が詰まって慢性的な炎症が起き、その結果肉芽腫という塊ができる霰粒腫(さんりゅうしゅ)と非常に良く似ているので要注意なんですね。 私も実際数年前のことですが、「何度も何度もめいぼができて、色々な眼科で切ってもらったけど治らない。」という患者様が来院され、念のために外科的に切った後で病理検査に回した所やはりこの脂腺癌だったということがありました。高齢の方で何度もめいぼが再発する、と言う場合は常に悪性腫瘍の可能性を念頭に置かないといけないんですね。 それ以外でも、体のどこかに癌がありそれが目に転移してきた、眼底(がんてい)に茶褐色や薄い黄色の淡いさりげない病変が広がる「転移性脈絡膜(みゃくらくまく)悪性腫瘍」や 治りにくい結膜炎と区別が付きにくい、サーモンピンク色の鮮やかな腫瘤が広がる「結膜悪性リンパ腫」などもたまにあります。 これらの眼の悪性腫瘍はなかなか発見しにくいのですが、早期であれば局所の腫瘍摘出や放射線療法、化学療法で済む場合も多いので、眼科専門医として幅の広い豊富な知識を保ち、これらを決して見逃さないように努力していかなくてはならないと決意を新たにしました。(続く)
2012.06.10
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さて次に勉強になったのは、「細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう:皆様が眼科の外来を受診して顔を乗せる顕微鏡のことです)所見から考えるぶどう炎の鑑別診断」というプログラムでした。 このぶどう膜炎というのは、 「目の中に炎症を起こす病気」の総称で、皆様にはあまり馴染みがない名前でしょうが、実はその患者様の総数は膨大です。 そして「ぶどう膜炎」と一括りにはしているものの、実際にはその中に細かく言うと数百もの病気があると言われており、このぶどう膜炎の診断・治療は良く「推理小説」に例えられるほど難しく複雑です。 今回のプログラムでは、このぶどう膜炎の中でどの病気が多いかの最新のランキングが示されました。それによると、1位のサルコイドーシス、2位の原田病は不変ですが、3位には急性前部ぶどう膜炎(AAU)が入りました。以前にはベーチェット病がトップ3の常連だったのですが、この数年で減り今回も6位という結果になりました。画期的な新薬が開発されたこともありますが、どうも患者様自体が減っているような印象もあります。その理由は良く分かりませんが。 今回のプログラムは日本のぶどう膜炎治療の第一人者の先生によるものでしたが、本当に素晴らしい内容でした。というのは、 外来で診てすぐ分かる顕微鏡所見だけに絞って、良くある病気に付いて「分かりやすくかつ深く」教えて頂けたからです。その内のいくつかを見ておきましょう。 ぶどう膜炎では角膜後面沈着物(KP)というものが出てくるのですが、病気によってその性状には差があります。 原因疾患1位のサルコイドーシスでは、 このように豚の脂のようなベトッとしたKPが出ます。 5位のヘルペス性虹彩炎では、 KPが「整然とした配列」をしているのが特徴です。 9位のポスナー・シュロスマン症候群では、 サルコイドーシスに似ているものの、ちょっと「少なくて薄い」のが特徴です。 25位のフックスでは、 小さくて範囲が広いのが特徴です。 また炎症細胞が眼の表面の下側に貯まる、前房蓄膿(ぜんぼうちくのう)というものがあるのですが、 3位の急性前部ぶどう膜炎ではそれが「山盛り」になり、6位のベーチェット病では「サラサラで水平」になるなど、日常良く出会うぶどう膜炎について非常に良い勉強になりました。 そして、 ぶどう膜炎ではすぐに鑑別のための血液検査に進みがちだが、そうではなくスリット(外来顕微鏡)所見で病気を絞っていくことがまず大切、という講師の先生のメッセージが深く心に残りました。(続く)
2013.02.07
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さて2月4日(土)、初日に非常に勉強になったのは「強膜炎の薬物療法」、「強膜炎の外科的治療」という2つのプログラムでした。 強膜というのは、眼球そのものを形作っている丈夫で文字通り「強い膜」で、普段は白い色をしています。そして、この膜に炎症が起きている状態を強膜炎といいます。 症状としては、強い充血と痛みです。強膜炎の充血は比較的深いところで発生してるので、黒っぽい赤色に見えるのが特徴です。充血している部分は押すと痛みを感じます。この「痛い」というのが強膜炎の最大の特色であり、しかもその痛みは患者様によっては「鉛筆を目に刺されたよりも痛い」と言うほど激烈です。具体的に実際の患者様の状態を見て頂きましょう。 この強膜炎はリウマチなどの自分で自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患に合併することが多いですが、色々調べても結局原因が分からないことも良くあります。 そして、これだけ医学が進歩した現在でも治療に難渋することが多く、最悪の場合は強膜が溶けて(壊死して)穴が開いてしまうことさえあるのです。そのためこの強膜炎と言うのは、我々眼科専門医にとってはその知識量・経験・状況判断力・決断力を問われる非常に厳しい病気なのです。 今回のプログラムではこの強膜炎について様々な角度から勉強することが出来ました。 ↑ このように強膜炎の原因疾患というのは無数にあり、それがこの病気の治療を難しくしています。 ↑ そして、上のスライドにあるとおり、「とにかく痛い」こと、これが困るんですね。 ↑ そして、目薬だけであっさり治る症例から、内科的・外科的治療を総動員して何とか治った症例、どうしても治せない症例まで、その予後は本当に千差万別です。 ↑ 治療法は一応のフローチャートはありますが、これがまた一筋縄ではいかないのです。 ↑ これは重症例の写真ですが、激烈な炎症で強膜が溶けてしまい、その奥のぶどう膜という茶色い組織が出てきてしまっています。 ↑ こうなると、強膜パッチ術といって、他の方の献眼された目を持ってきて弱いところに貼るという外科的な治療をするというのが教科書に書いてある定説なのですが、 ↑ うかつにこのパッチ術に手を出すと、パッチをしても次から次へと溶けてしまってまた穴が開き、「合計したら数個分の目をパッチに使ってしまった!」というような凄まじい状況におちいることがあるので、「うかつに外科的治療に踏み切らないことが大切である」ことが解説されました。 重症例の治療法の実際を聞くことが出来て、本当に勉強になりました。(続く)
2012.03.23
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さて白内障手術をするときには、開瞼器(かいけんき)という目を開く器械を使うのですが、私が開業をしているエリアは、目が奥に窪んでいたり(奥目)、目が細くて物理的に開きにくい(狭瞼裂:きょうけんれつ)患者様が多いんですね。 そのため手術の時に術野に水が貯まって見えづらくて苦労すると言うことが以前からありました。それに対しては吸引開瞼器という、術野の水を吸い取る器械で対応してきたのですが、最近新型の、 この「秦/三好氏 調節式開瞼器 吸引孔付」という器械を買って使ってみたところ、べらぼうに使い勝手が良く手術の安全性が上がることが分かったので、たくさん買い増しして白内障手術全症例に導入しました。 一般的な吸引開瞼器は、水を吸い取る吸引孔が大きすぎて結膜(白目)を吸いつけてしまって水が吸えないというトラブルが割りと頻繁に起こって使いにくいものが多いのですが、この「秦/三好氏 調節式開瞼器」はちびっこい孔がたくさん開いていてその弱点が劇的に緩和されています。また開瞼器自体も元々奥目・狭瞼裂(きょうけんれつ)様のものなのでその意味でも最高です。 奥目の患者様が多いエリアで白内障手術を手掛けていらっしゃる先生方には是非お勧めしたい素晴らしいアイテムだと思います。
2013.06.23
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先日のことですが、「飼い犬が急に前足を出してきて、爪が左目に入った。ごろごろして痛い」という訴えで患者様が来院されました。早速目を拝見すると、 白目(結膜)が切れて、犬の爪の跡もくっきりとついています。症状としては軽く大したことはなかったのですが、患者様は「グラちゃん(仮名)は普段はとってもいい子なのに、どうして急にこんなことをしたのかしら?」と大変ショックを受けておられます。 私は「でもまあ、怪我したのが黒目(角膜)じゃなくて不幸中の幸いでしたよ。」と慰めて、「せっかく来て頂いたので目の奥(視神経や網膜)もついでに診せて頂きましょう」と拝見すると、 パッと見ただけで両目とも目の神経が減っており、緑内障が非常に疑わしい状態です。 精密検査で視神経の周りの神経繊維層を分析してみると、 やはり両目とも神経の量が減っています。(上記の写真の赤色で示された部分) 視野検査上でも、 やはり両目ともすでに視野が欠けています。でもラッキーなことにまだ緑内障としては初期でした。今から治療を開始すれば失明まで至ることはまずありません。 ただこのくらい初期の緑内障だと、自分自身で気づくことはまずありません。今回は愛犬のグラちゃんのおかげで偶然眼科に来てそれで緑内障を初期で発見することが出来たのでした。 私が患者様に「グラちゃんは、もしかしたら不思議なパワーで飼い主の目のピンチを知らせてくれたのかもしれないですよ。忠犬グラちゃんですね。」と説明すると、患者様も「はい、うちの犬は本当に最高の子なので絶対そうだと思います。」と大喜びで帰宅されました。きっとグラちゃんは御馳走を貰えただろうと思っています。
2010.07.06
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さて白内障手術時には、目の中への器具の出し入れと眼内レンズ挿入のために一般的に2.2~2.8ミリ程度の切開創を作ります。私自身は色々と試行錯誤の末に今は余裕を持って2.5ミリで手術を行っています。以前は2.3~2.4ミリでやっていたのですが、器具の出し入れ時にやや狭くて負担がかかり逆に創の強度が落ちることがあったために、安全性を重視して少し広げました。 そしてこの切開を作るためには スリットナイフ というものを使うのですが、私が開業しているエリアは非常に目が窪んで(奥目)いて更に瞼の幅(瞼裂)が狭い人が多いので、理想通りの切開を作るのに非常に苦労する場合がありました。 この苦労について以前に日記に書いてボヤいていたのを、眼科ナイフメーカーのマニー社(純国産メーカーです) の方が見ていて、「奥目用の新製品が出たので使ってみて下さい。」とディーラーの吉田メディカルさんを通して連絡をしてくれました。ちなみに眼科ナイフメーカーは数社あるのですが、その技術力と切れ味はこのマニー社がダントツのトップで、私は手術でマニーのナイフ以外は一切使いません。そのくらい他社のナイフとは差があり、私はマニーが世界一の眼科ナイフメーカーであると確信しています。 そしてこれがその新製品 ショートヘッドナイフ となります。 アングルから先が従来品よりも2ミリ短くなっていて、飛躍的に操作性が上がっています。またナイフの先端から1.5ミリと2.0ミリのところにラインが入ったことによって更に使いやすくなっています。本物を見てみましょう。 小さすぎて何だかよく分かりませんね。それでは実際に手術時の画像を御覧戴きましょう。 切開が狙い通りに超クールに決まります。滅茶苦茶使いやすくて感動しました。また、奥目の患者様以外でも全然いけます。これは素晴らしいナイフですね。 この新製品のショートヘッドナイフが最高だったので、即日全ての手術で使用するように変更しました。マニーの担当者の方、またディーラーの吉田メディカルさん、素晴らしい情報を教えて頂いて有難う御座いました。
2016.06.02
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コンタクトレンズにはソフトタイプとハードタイプがあるのですが、現在ではソフトタイプが主流となっています。ただ、今から20年程前にはソフトタイプは角膜(黒目)への酸素透過性が十分ではなかったこともあって、ハードコンタクトレンズを処方されることが多くありました。 そのため、その頃からずっとハードコンタクトレンズを使用されている患者様が一定数今でもいらっしゃるのですが、実はこのハードコンタクトレンズ、長期間装用をし続けると目に色々なトラブルを起こすのです。 この写真の患者様は現在30歳代後半なのですが、10歳代半ばから25年近くハードコンタクトレンズを使用し続けたことにより、まぶたを上げる筋肉(挙筋腱膜)が機械的な損傷を受けて、まぶたが上がらなくなる眼瞼下垂という状態になってしまいました。写真だけでは分かりにくいので下に図解してみますね。 また、ハードコンタクトレンズは常に目の中で動き回り特に左右に動くのでそれが慢性的な刺激となり、黒目の横に盛り上がりを伴う瞼裂班(けんれつはん)という病気を発生することも多くあります。 こういったことがあるため、よほど近視や乱視が強くてハードコンタクトレンズでないと視力が出ない方を除き、最近ではハードコンタクトレンズを処方することは極めて稀になってきています。 長年ハードコンタクトレンズを使用している方で上記のような症状が出てきている方は、可能ならばソフトコンタクトレンズ・眼鏡への変更をした方が安全なので、近くの眼科専門医で是非相談されてみてください。
2009.08.07
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現在緑内障の治療では「プロスタグランジン関連薬」という系統のお薬を第一選択薬として使います。眼圧(眼の血圧)を下げる効果が一番強いからですが下に示すのがその代表的な薬(プロスト系)です。 上の写真の中で、左端の 「キサラタン点眼液」 が発売されたのが1999年、この薬の登場が緑内障治療を劇的に変えたといわれる、当時まさに画期的な新薬でした。ちなみに私が眼科医になったのも1999年のことで、それで我々は「キサラタン世代」と呼ばれています。 キサラタンはあまりに画期的なお薬だったためにその後何年もライバルが現れませんでした。数年前からようやく「トラバタンズ点眼液」、「タプロス点眼液」という同系統の薬が発売されたのですが、その薬の効果はキサラタンとほぼ同等で、「もっと眼圧の下がる」キレの良い薬の発売が望まれていました。 10月第一週に 「ルミガン点眼液」 という新薬が発売になるのですが、 この薬は前述の「キサラタン」に対して有意差を付けて眼圧が下がるというデータが出ています。 簡単にいえば 「過去最高の効き目の薬」 ということです。その理由を下の図に示していますが、分かりやすく言えば 「患部に直接ガツンと効く」 ということになります。 ただ、良いお薬には当然副作用もあります。このルミガンは今までの薬よりも 強烈に目が充血する と言われています。早速当院のスタッフにお願いして実験してみました。 右目だけにさしたのですが、 明らかに左目 より強く充血していますね。ただ、肝心の眼圧の方は、 13.7→8.7と確かに良く下がっています。これは期待できそうですね。! この期待の新薬、ルミガン点眼液、発売と同時に当院でも採用します。少しでも緑内障患者様の不安が減ってくれたらと思いますし、私も発売を心待ちにしています。
2009.08.21
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さてシリーズでお送りしている 緑内障点眼薬の世界。 今日は前回のチモプトール点眼液に続いて、緑内障治療の第2選択剤である、 ベータ遮断薬 の世界を引き続き見ていきましょう。 ベータ遮断薬2回目となるとなる今回は、ミケラン点眼液 (一般名 カルテオロール塩酸塩) です。 ただ実際には製剤的な工夫で1日1回点眼で済むように工夫されたミケランLA点眼液がそのほとんどのシェアを占めています。 なので以下はこのミケランLAについての説明です。 さてこのミケランLA点眼液は、ベータ遮断薬の中でのシェアは前回紹介した チモプトール点眼液 よりも低いのですが、個人的には圧倒的に優れていると考えています。その理由は、1. チモプトール(XE)よりも角膜障害が少ない。2. 点し心地が良くて使いやすい。3. 長期使用でも効果が減弱しにくい。 という大きな長所があるからです。 そのため当院では以前からこのベータ遮断薬では圧倒的にミケランLA点眼液を多く処方していますが、全国的に見るとチモプトール点眼液の方がシェアは上です。 いい薬が必ずしも売れるとは限らないのが、我々医療業界の7不思議の1つ なんですね。(続く)
2019.09.10
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さて当院では日本のトプコン社のOCT(3次元眼底撮影装置)である、 DRI OCT Triton(トリトン)2 を先日四国初導入しました。全国発売が今まさに開始されたばかりの超ホットな新型機となります。 当院では元々トリトン1を2017年に導入していたので、9年ぶりに最新型に買い替えたということになります。 このOCTと言うのは現代の眼科医療においては無くてはならない必須機械であり、日常診療の「大黒柱」とも言える最重要の存在です。買い替えた理由ですが、一番は緑内障と言う病気の検出力が圧倒的に進化したことです。 スキャンエリアが12×9ミリと広くなったことによって、ごく早期の緑内障性変化も見逃すことが無くなりました。デモで機械を持って来て貰って数日で、「これは凄まじい進化だ。新型機だからべらぼうに高価だけど、これは買うしかないな。」と強制的に納得させられた感じでした。 なぜかトプコン社の営業の方はこの「緑内障の検出力の強化」については全然ちっともプレゼンされず違うことばかりアピールされていたのですが、絶対最初にこれをイチオシで言うべきだと思います。というか、自分が営業の立場だったら絶対にそうします。 またそれ以外でも、画像の撮影スピードも凄く早くなりました。これは患者様の検査負担がとても軽くなることに直結します。 当院は「身近でコンビニ的な、気さくな開業医」として、「とにかくお待たせすることなく、スピーディーで快適、そして同時に高品質な医療サービスを提供する」ことを強く意識しており、これからもその目的達成のためにスタッフ一同全力で努力していきます。
2026.03.02
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この日記でも何度か取り上げている期待の緑内障の新薬、ザラカム配合点眼液ですが、ようやくサンプルを戴けました。 黄色いキャップで可愛い点眼瓶ですね。さて、さし心地はどうか、効き目はどうか、気になりますね。そこで早速試してみました。まずは点眼します。 くー、しみる!! これはしみます。他の緑内障薬に較べてかなりきますね。まあ1日1回点眼で便利なのでこれは我慢するしかないか、、、 さて、効き目のほうはどうだったでしょうか?今回は期待の大型新薬ということもあり、院長の私とスタッフ2名の合計3人がチャレンジです。 まずは私から、、、 眼圧15.5→11.0です。良く効いてますね。 次はスタッフのきみちゃんです。眼圧15.3→12.0です。まずまずですね。 最後は同じくスタッフのゴンちゃんです。 眼圧13.0→9.7でした。 ザラカム配合点眼液は4月発売予定です。実際の発売が楽しみですね。
2010.03.18
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さて先日うさぎの島に出かけた時のことですが、「ウサギの目は本当に赤いのか、良く観察して来よう。」と眼科専門医として思っていました。 その結果は、 ↑ 上の写真のように目が赤いウサギはもちろんいましたが、 ↑ このように目の黒いウサギもいました。 つまり結論としては、「ウサギの目は赤いことも黒いこともある。」ということになります。 この理由ですが、目が赤いウサギはアルビノといってメラニン色素を持っていないせいで体の全体もしくは一部が白いんですね。それで虹彩(茶目)にメラニン色素がないので、目の奥の網膜の血管の色が太陽光で透けて見えているわけです。目が赤いのは血管の色ということですね。逆に目が黒いウサギはメラニン色素があるので、太陽の光が目の奥まで届かなくて赤くならないわけです。 今回のうさぎ島では、眼科専門医としてたくさんのうさぎの目をじっくりと観察できたのも勉強になって良かったですね。
2011.05.04
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「緑内障の目薬で毛が生えるって本当なの?」という質問を患者様から戴きました。今日はこの疑問について少し考えて見ましょう。 現在緑内障の治療では「プロスタグランジン関連薬」という系統のお薬を第一選択薬として使います。下に示すのがその代表的な薬(プロスト系)です。 眼圧(目の血圧)を下げる効果が高く全身への副作用がほとんどないからですが、局所への副作用はかなりあります。充血・目の周りの色素沈着(黒くなる)などですが、その一つに多毛があります。目の周りに目薬がこぼれると、皮膚が黒くなりますし、明らかに毛が生えているのが分かりますね。 この多毛という副作用を避けるため、私は入浴前の点眼をお勧めしています。(この系統のお薬は全て1日1回点眼です)点眼後にお風呂でしっかりと顔を洗えばかなり予防できますからね。 ここからは余談になりますが、ちょうど友人がストレスで円形脱毛症になったのでちょっと上記の点眼薬を脱毛部に使ってみました。 かなり禿げていますが、お薬を使って2ヶ月後には、 かなり生えています!。その後も増毛は続き、現在では脱毛部は消失しています。かなり効果がありそうですね。 このようにお薬の作用というの本当に不思議なものですね。
2009.04.29
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「眼が真っ赤になって市販の目薬さしても治らないし、なんだか眼がズキズキして痛いので来たんだけど。」という訴えで本日女性の患者様が来院されました。早速眼を拝見すると、 確かに眼が強く充血していますね。ただその充血の先を追っていくと、、、、 充血の仕方が普通の結膜炎とは違います。なんというか、「赤黒い」感じがあるんですね。実はこの方は、、、、、 強膜炎という病気でした。 これは 充血と強い眼の痛み が特徴で、悪化すると目の一部が壊死してしまうこともある怖い病気 です。治療には強力なステロイド薬の目薬や飲み薬を使います。 このように「タダの充血だろう」と思っていても、実は結構重い病気のこともありますので、「なんだか結膜炎が治らないなあ」というときは、是非お近くの眼科専門医を受診されてくださいね。
2009.09.07
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さて当院では新型白内障手術機械のインフィニティを購入したところですが、今日は製造販売元の日本アルコン社のサージカル担当の方にお願いして、A-Vit(エービット:前部硝子体切除)の勉強会をしました。 このA-Vitというのは、白内障手術時に後嚢破損(こうのうはそん)という合併症が起こった場合にトラブル処理に使う機械です。登場頻度は極めて低いのですが、だからこそ事前の入念な準備が必要なんですね。 本物のセットを開けて、インフィニティに接続して使用してみます。 このインフィニティには、アキュラスという硝子体(しょうしたい:目の奥のドロドロした物質)切除用の本格的で切れ味の良いカッターをつなぐことが出来ます。しかも25Gという極めて細い最新型の物が使えます。傷口を拡大せずに小さな切開創から使用できるので患者様の負担も軽いんですね。 ただ、インフィニティで唯一問題なのは、A-Vit使用時に毎回「Vitrectomy Cut I/A」モードを選び直さなくてはならないことです。元々の設定が「Vitrectomy I/A Cut」モードになっており、これを修正できないんですね。 A-Vit時には、必ずCut→I/Aモードを最初に使用する必要があります。I/A→Cutモードを先に使うと網膜はく離などの重い合併症に繋がることがあるので要注意なんですね。 素晴らしいマシンであるインフィニティがこんな単純なおかしな設定を修正できないというのは不思議な気がするのですが、サージカル担当の方によると「アメリカでは専門が別れているので、白内障手術専門医は本当に白内障しかしない。トラブルが発生して追加のA-Vitが必要になるとそのまま硝子体手術専門医に送るシステムになっておりあまりA-Vitを使わないので、多分そのせいで細かい設定に大らかで気にならないのでしょう。」ということでした。 うーんなるほど、機械を通してその国の医療システムが透けて見えると言うことなんですね。とっても勉強になりました。
2011.10.13
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このところ、「まつげエクステ」による眼のトラブルが急増しています。以下に最近見つけたニュースを引用します。 まつげエクステ、摘発増加=無資格で営業、トラブル相次ぐ-注意呼び掛け・警察庁 時事通信 9月3日(月)14時31分配信 目元のおしゃれとして幅広い年代の女性に人気がある「まつげエクステンション(エクステ)」をめぐり、視力が低下したり、角膜が傷ついたりするトラブルが後を絶たない。警察による美容師法違反(無免許営業)容疑での摘発は今年上半期だけで4件あり、2010年と11年の2年分に並んだ。 東京都内に住む30代の女性は、まつげエクステをした日の夜から目が痛くなった。救急車で病院に運ばれ、「角膜全体に傷が付いている」と診断された。 国民生活センターなどによると、まつげエクステをめぐる健康被害の相談は、店舗の増加に伴い、07年ごろから目立つようになった。09年以降は「目が痛い」「充血が治らない」といった相談が毎年90件前後寄せられている。 業界団体「日本まつげエクステンション協会」は「人気が先行し、技術が未熟なままサロンを経営するケースはある」と指摘。技能検定を実施するなど、技術力の底上げに力を入れる。 厚生労働省も9月以降、全国の眼科や皮膚科の医師約3500人を対象に健康被害の実態調査に乗り出す方針だ。 警察庁によると、今年上半期に摘発したのは埼玉、千葉、京都、兵庫の各府県警で計4件。いずれも施術に必要な美容師免許を持たずに、顧客にまつげエクステをしていた。 同庁幹部は「無免許営業は、健康被害に遭った顧客の訴えで発覚するケースが多い」と指摘。発覚した分は氷山の一角にすぎないとして「トラブルがあれば積極的に警察に届けてほしい」と呼び掛けている。(引用終わり) まつげエクステは簡単に女性の「目力」を上げてくれるので大人気ですが、 接着剤が目に入ってしまい、角膜(黒目)の上皮ごと剥がさざるを得なかった患者様や、まぶたの裏に接着剤が入り込み重いアレルギーを起こした患者様など、当院でも様々なトラブルを抱えた症例を経験しています。 皆様も「まつげエクステ」後に目の異常を感じたら、すぐにお近くの眼科専門医で診て貰う様にしてくださいね。
2012.09.17
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さて今日は新型の眼圧測定装置である二デック社のNT-530P のどこが凄いのかを御説明申し上げましょう。一言でいえば、眼圧と角膜厚(かくまくこう:黒目の厚さの事)を同時に測定できて、測った角膜厚によって正しい眼圧を補正して算出してくれるのが凄いのです。 はい、何言っているのかチンプンカンプンですね。(笑) 分かりやすく解説しましょう。我々人間の角膜の分厚さと言うのは平均すると545マイクロメートル(1ミリの約半分)なのですが、実際にはかなりの個人差があります。つまり分厚い方も薄い方もいるのです。そして従来型の角膜厚を測定しないタイプの眼圧計だと、角膜が厚い方は実際よりも眼圧が高く、そして薄い方は低く表示されてしまうことが分かっていました。 このNT-530Pでは瞬時の測定でそれを補正して表示してくれるのです。具体的に見てみましょう。 この患者様で言うと測定値(AVG)は右が14左が15ですが、角膜厚が右548マイクロメートル、左599マイクロメートルと左目が平均よりはやや分厚い目をされています。なのでそれを補正した眼圧値(COR)は右14、左13となります。 そしてこのNT-530Pがその真価を発揮するのが近視矯正手術のレーシック術後の患者様です。レーシックと言うのは角膜を薄く削って近視を治す術式なので、従来型の眼圧計だと極端に低く測定されてしまうからです。実例を見てみましょう。 この患者様は都会のチェーン店展開をしているレーシッククリニックで両眼の手術を受けられています。眼圧の測定値(AVG)は右が6、左が5と非常に低い(正常値は10~19です)ですが、これはレーシックで角膜をかなり削っていて右が390マイクロメートル、左に至っては320マイクロメートルしかないため、それで非常に低く測定されてしまったのです。角膜厚で補正をかけるとその真実の姿(COR)は右が13、左が15となります。物凄い差ですね。もしもこの患者様が将来緑内障を発症し、そして従来型のマシンで眼圧を測定されるとすると本当の眼圧よりも大幅に低い数値が出ることになり、それで的確な治療が行えないという可能性すらあるんですね。 このNT-530Pを導入して私には1つ衝撃的だったことがありました。以前から「眼圧は非常に低いところで安定しているのにも関わらずどんどんと緑内障が進行してしまう患者様」というのが一定数いらっしゃったのですが、そういった方の多くは実際には角膜厚がかなり薄くてそれで従来型のマシンでは測定値が低く出ていたのです。つまり、実際には眼圧が十分には下がっておらず本当はもう少し強力な治療が必要だったかもしれない、ということなんですね。 このようにNT-530Pは驚異の能力を持ったマシンなのです。この3代目のお利口な眼圧計と共に私はご機嫌な診察の日々を過ごしています。
2015.07.29
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さて今日からは、緑内障治療の第一選択剤である、プロスタグランジン関連薬の世界を見ていきましょう。 初回となる今回はキサラタン(一般名 ラタノプロスト)点眼液です。その強力な眼圧下降効果で1999年の発売と同時に爆発的な大ヒットとなり、「日本の緑内障治療を変えた」と言われる歴史的名薬ですね。 ちなみに私は1999年に眼科医になったのですが、ちょうどこのキサラタン発売と時期が重なったために、緑内障の点眼治療が飛躍的に進歩したことと掛け合わせて「キサラタン世代」と呼ばれていました。今から考えると特に意味はないのですが、当時は何だか最先端の様に感じていましたね。(笑) ところでこのキサラタンが出るまでは、上の一覧表の中のレスキュラ点眼液 が同じプロスタグランジン系統(厳密にはちょっと違う)唯一のお薬としてバカ売れしていたのですが、このキサラタンが発売になるやいなや、見る見るうちにそのシェアを落として、当時販売していた製薬会社のMR(営業マン)の方が真っ青な顔をして夜遅くまで大学医局の廊下に立っていたのを思い出します。多分会社で売り上げ減を怒られて必死だったんでしょうね。 さてこのキサラタン点眼液の特徴を一言で言うと、 眼圧が良く下がる上に副作用が少なくてバランスが良い ということになるかと思います。 前回紹介したPAPという副作用が少なめで、かつ眼圧下降のキレが良い、いいお薬なんですね。 ちなみにこのキサラタンが発売されて20年が経過した今では同じ系統にも色々な薬が出ているのですが、緑内障専門医の先生たちと飲んでいると、「ぶっちゃけていうと、やっぱりキサラタンがトータルで見たら今でも一番いいよね。」というお話になったりもします。(ちょっと秘密) そして私も、「キサラタンはやっぱりいい薬だなあ。」とこの記事を書いていても改めてしみじみと思います。キサラタンに救われた患者様の数というのは莫大と思いますし、もしもこの薬が登場していなかったらと思うと、ちょっとゾッとしますね。 ところで、キサラタンは発売後20年が経過しているので当然ジェネリック(後発)医薬品が存在します。「ラタノプロスト点眼液」というのがそれですが、今だとこの後発品の方が処方されるケースが多いだろうと思いますね。(続く)
2019.03.19
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さて今日からは、緑内障治療の第二選択剤(セカンドライン)である、ベータ遮断薬の世界を見ていきましょう。 初回となる今回はチモプトール(一般名 チモロールマレイン酸塩)点眼液です。ベータ遮断薬の中ではシェアトップの歴史的な名薬ですね。現在では製剤的な工夫で一日一回点眼で済むように改良したチモプトールXE点眼液の方がメジャーな存在となっています。 尚、下記のリズモンTG点眼液も成分は全く同じです。 このチモプトール点眼液はその効き目の強さは折り紙付きですし、副作用に関してもそのすべてが既に出尽くしている状態で、我々眼科専門医にとっては「知り尽くした、とても使いやすいお薬」です。 欠点としては、点眼時にしみる、長期使用で角膜(黒目)障害が出やすい、同じく長期使用で効き目が悪くなる、などがありますが、まあ、総合的に見て緑内障点眼薬の中でいい薬であることに間違いはないですね。(続く)
2019.07.23
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血管に富んだ組織が角膜(黒目)の真ん中に向かって侵入してくる、翼状片(よくじょうへん)という病気があります。 はっきりとした病因は不明なのですが、紫外線(太陽の光)や慢性的な機械刺激などが原因になると言われており、「みかんと魚の街」で、紫外線にさらされることの多い八幡浜市では非常にたくさんの方がこの翼状片になっています。 この翼状片、進行した場合は手術しか治療法がないのですが、単純に切除しただけでは50%!という高率で再発することが知られており、なおかつ悪いことに再発した場合は「より凶悪にパワーアップして進行」します。 そのため初回手術が非常に大切で、私は「有茎結膜弁移植」という手法で極力再発しないような丁寧な手術を手がけています。上の写真の患者様の術後はこのようになります。 ただ、どんなに丁寧に手術をしても再発する方はします。そのためずいぶん昔には再発予防のために切った後、そこに抗がん剤を塗って再発を抑える手術法が多く取られていました。ところが、この術式を受けられた方のなかに10年以上経って、 その抗がん剤を塗った部位が弱くなってしまう合併症が頻繁に見られるようになりました。 なので、私は現在では初回手術ではこの抗がん剤を使用しないことにしています。(再発した場合は使用することはあります) 手術というのは、した後もずっと患者様の状態に責任を持たなくてはならないものなので、「長い眼で見て一番有利」という術式を常に追い求めていこうと考えています。
2009.09.11
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まだまだ蒸し暑い時期が続きますね。草刈り等の農作業も多く、「目にゴミが入った」などの訴えで受診される患者様が多い季節です。 さて、この目の中なのですが、実に様々な異物が入り込みます。今日はどのようなものが入るのか、いくつかその内の珍しい事例を見て頂きましょう。 ↑ この患者様は以前も紹介したことがありますが、農作業中に田んぼで転んでその時に目にヒルが食い付いてしまいました。非常にすばしっこく逃げるので摘出するのが大変でした。 ↑ この患者様はみかんの摘果作業中に目にゴミが入り「洗っても何してもどうしても取れない」との訴えで受診されました。それもそのはず、蟻が目から振り落とされないように結膜(白目)に足を深く刺してしがみついたまま絶命していました。このありんこも引っぺがすのが大変でした。 ↑ この患者様は、「まぶたの裏で何かがもぞもぞ動いている!」との訴えで来院されました。上まぶたをめくって調べて見ると、ショウジョウバエと思われる2ミリ大の虫が目の中で既に絶命していました。 このように、目の中と言うのは様々な異物が入り込みます。自力ではなかなか取れないもの、取るのが危険なものもあります。ですので、「あれ?何か目にゴミが入ったぞ。」という時には、是非気軽にお近くの眼科専門医を受診するようにしてくださいね。
2012.09.01
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さて続いては、「ぶどう膜炎」のセッションで印象に残った話題です。 ぶどう膜炎という言葉に聞き覚えが無い方も多いでしょうから最初に説明しておきます。これは、「目の中に炎症を起こす病気」の総称で、皆様にはあまり馴染みがない名前でしょうが、実はその患者様の総数は膨大です。 そしてこのぶどう膜炎の診断と治療は良く「推理小説と同じ」と例えられます。なぜかというと、ひとくくりにぶどう膜炎といっても実はその中には、 200近い別の病気があり、その中でメジャーなものだけでも50くらいはあるからです。つまり、ぶどう膜炎の原因は多岐にわたり、当然治療法もそれぞれに異なるわけです。しかも、これだけ医学が進んだ現在でも確定診断に至るぶどう膜炎はせいぜい全体の50%に過ぎず、未だにこのぶどう膜炎は 眼科界の巨大なミステリー であり続けているのです。 このように神秘的で深遠なぶどう膜炎の世界ですが、「良くあるぶどう膜炎」というのは決まってもいます。 そしてぶどう膜炎の診断には、 角膜後面沈着物(KP)というものの性状をじーっと良く見ることが役立ちます。 現在ぶどう膜炎の原因疾患1位のサルコイドーシスでは、 このように大きめで豚の脂のような、大小不同のKPが特徴ですし、 原因疾患5位のヘルペス性虹彩炎では、 同じ「豚脂様」でも、それが整然と配列しているのが特徴です。 講師の先生がこの2つの違いを、 ヘルペス性虹彩炎は少しスカスカしている。例えるならば「少ししょうゆの入った東京のとんこつラーメン」である。 一方のサルコイドーシスはギトギトに脂ぎっている。例えるならば「本場九州のとんこつラーメン」である。 と表現されていたのが、抜群に分かりやすく、かつ面白くて深く印象に残りました。
2013.10.14
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さて当院では本日、画像鮮明化ソフトウェアの「ミエル フォー クライオ」を導入しました。 「ミエル」はもちろん「見える」の意味なので、ネーミングがオヤジっぽいですが、多分名前を付けたのが開発元の会社の偉いオジさんなんだと思います。自分もおじさんになったから良く分かるのですが、なんか年を取ると無性に「オヤジギャク」を言いたくなるものなんですね。(汗) このソフトウェアは、検査で撮影した様々な画像を特殊な処理で鮮明化することによって、診断能力の向上の側面支援となるものです。私は学会場の機械展示ブースでデモを見て、「これは間違いなく役立つ。患者様のためになる。」と確信し、すぐに購入したのでした。 このように撮った画像が非常に精細にクリアになります。↓ 使い方はとても簡単で、電子カルテに追加された「鮮明化」ボタンをポチっと押して、 鮮明化レベルを選ぶだけです。 このソフトウェアですが、糖尿病網膜症の重症度判定に特に劇的に効くという印象です。出血がはっきりしない眼底画像をこれにかけると、嘘みたいにはっきりと出血があるかないかが分かります。 当院ではこれからも、常に最新の検査機械やソフトウェアで武装しながら、大切な患者様にベストの眼科医療を提供できるように努力を重ねて参ります。
2025.06.13
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今日の日記は「第65回日本臨床眼科学会」参戦記の続きです。 さて本屋さんで思わぬ時間を取られた私はようやく器械展示場へたどり着きました。 臨眼の最大の楽しみの一つは実はこの広大な器械展示場かもしれません。1年で最も参加者の多い学会なので、それに対応して各検査・手術器械メーカー、製薬会社などが大量のブースを出店しているんですね。 会場にはこのように巨大な目薬のボトルが飾ってあったりして、歩いているだけでも楽しいです。ちなみにこの「ネバナック点眼液」というのは最近発売された白内障術後用の炎症を取る目薬なのですが、効果抜群の名薬です。ただし名前の通り、「点し心地がネバい」という弱点があり、患者様によっては点眼を継続できないこともあります。「いい薬にはそれなりに欠点もある」ことが多い、それが「目薬の法則」なんですね。 さて、器械展示場では日本の二デック社の「OPD-Scan III」という、角膜(黒目)の形や屈折力を調べる装置を見るのが目的でした。今年は新しい白内障手術器械を買ってしまったのでもう予算が厳しいのですが、来年以降で何らかの角膜形状解析装置のクリニックへの導入を目指しているんですね。 会場をウロウロしていると、私と同じようにランチョンセミナーの整理券を取れず失意に沈んでいる先生に偶然出会いました。お昼御飯は銀座の街に食べに行こうと約束して、ようやく本来の学会の目的であるシンポジウムに向かいます。(続く)
2011.10.24
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かなり進行しないと自分自身では気づくことができず、「なんだかおかしい」と眼科に来たときには手遅れで失明寸前だった!という悲劇が今でも後を絶たない恐ろしい病気、緑内障。 この緑内障が「なぜ早期発見できないのか?」については以前の日記で書いているので良かったらご覧になって下さい。↓ http://plaza.rakuten.co.jp/nishiwakiganka/diary/200906090000/ さて、この困りものの病気緑内障なんですが、「自分自身では絶対に自覚できない初期のうちに簡単に発見できる患者様用のチェックシート」をファイザー製薬のMRさん(営業の方)が持ってきてくれました。 くるくる回して4つの生き物の内の1つでも消えると緑内障の疑いがあります。 早速スタッフと私で試してみたのですが、 やり方も簡単ですし、しかもゲームっぽくて楽しい、非常に良く出来たチェックシートでした。スタッフのみんなへの受けが良かったので味をしめた私は、 近くの馴染みのごはん屋さんにこのシートを持って行き、お店にいた常連のおいちゃんたちにもやって貰いました。 おいちゃんたちも「おぉ、これは面白い。やばい動物が消えた! あっ、また見えた。大丈夫だー」と大盛り上がりです。 なかなか使えるシートですがくるくる回すのがなかなか難しいです。そこで当院のスタッフが簡単に回せるように加工してくれました。 これを待合室の壁に掛けて置いておきますので、皆様も御来院時にはぜひ一度チェックして見てくださいね。
2009.10.31
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さて「ためしてガッテン」で「動体視力改善効果がある」として紹介されたムチン分泌促進薬ですが、現在2種類が発売されています。 まずは先行発売された ジクアス点眼液 についてです。 このジクアス点眼液は画期的な効き目があると同時に、世界一新薬の承認が厳しいと言われるこの日本で、眼科専門の製薬会社の参天製薬が全世界に先駆けて先行発売に成功した薬です。また新薬の開発には製薬会社だけではなく、大学病院を中心とした研究・臨床の協力が不可欠であり、「日本発世界初」の効果抜群な目薬が誕生したと言うこの事実は、日本の眼科医療が総合的に見て世界最高水準であることの何よりの証明となりました。 ちなみに最近ではiPS細胞の臨床応用で加齢性黄班変性症が良くニュースでも取り上げられますが、これも日本の眼科医療が世界トップレベルであることが前提としてあると思います。 少し逸れてしまいましたが話をムチン分泌促進薬に戻します。まずは、ジクアス点眼液発売前夜の状況からです。 ドライアイの画期的新薬、ジクアス点眼液、もうすぐ登場です。 続いて、実際のサンプル品を使って見た時の感想です。 ジクアス点眼液、実際に体験して見ました。 発売後の患者様の感想です。 ドライアイ新薬 ジクアス点眼液、やっぱり大好評です。 発売1ヶ月が経過し、たくさんの患者様に実際に使用して頂いたことによって、ジクアスの長所と短所が見え始めて来た頃の日記です。 ジクアス点眼液発売1ヶ月が経過して思う。 このジクアス点眼液の登場によって日本のドライアイ治療は大きく飛躍しました。それには眼科一筋の頑固な製薬会社の参天製薬の力が何よりも大きかったと思います。参天製薬は薬の成分を溶かして目薬にする技術力が世界一で、それが今回の画期的な新薬発売に繋がったと思っています。私もドライアイ治療医として新薬の恩恵をしっかりと患者様にお届けできるように、参天製薬に負けないくらい日々精進していきたいと考えています。
2012.10.28
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進行すると最後は失明してしまうことのある怖い病気緑内障、治療は主に目薬で眼圧を下げることですが、目薬ではどうしても目標とする眼圧まで下がらない場合に外科的な手術を選択することも当然あります。 手術は、大多数の場合は目の中の水の出口(線維柱帯:せんいちゅうたい)の一部を切り取って眼圧を下げる、「線維柱帯切除術」が行われます。 上の写真で水色の部分の奥に線維柱帯があり、それを切除したことによって房水(ぼうすい)という目の中の水が外に流れ出し、濾過胞(ろかほう)という水ぶくれ(上の写真でblebと書いている所)を目の上の部分に造ることによって眼圧を下げています。 ところがこの緑内障の手術というのは、術後に一定の確率で感染症を起こすことがあるのです。文献によって多少差はありますが、平均で2~3%の頻度でこの濾過胞(=bleb)感染が起こると言われています。 そのため当院でも年に1人くらいはこの濾過胞感染症(=blebitisと言います)の方の治療をすることがあります。つい先日、このblebitisを発症された患者様が来院されたので、それがどのような状態のものなのかを実際に見て頂きましょう。 この患者様は「4、5日前から左目がかゆい、おかしい」と言って来院されたのですが、上の写真で真ん中にある濾過胞が黄白色に混濁し周りも強く充血しています。 この炎症が目の中にまで及ぶと最悪の場合失明してしまうこともあるため、速やかに強力な治療を開始する必要があります。この方に関してはニューキノロン系+セフェム系という2種類の広い範囲のばい菌に効く目薬を1時間ごとに点眼するという治療を開始し、 次の日には症状はかなり改善しましたが、まだ油断できない状態が続いています。 このように緑内障の外科的手術を受けた患者様には、常に術後の感染症発症のリスクが付きまといます。なので、強い目の痛みや充血などを感じたときには、すぐに我々眼科専門医を受診するようにして下さいね。
2010.03.19
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さて前回の日記の続きですが、最終的には日本アルコン社の「インフィニティ」というマシンを購入しました。 このインフィニティは、白内障手術機械の歴史上最も多く売れ、現在世界で最も多く使用されているマシンです。発売は2003年と古く既にモデル末期なのですが、この8年間続々と新機能が搭載され、絶え間なくアップグレードされてきたことにより未だに高い戦闘力を誇っています。その最大の特徴は、 通常の白内障手術機械が、水晶体を削るための超音波が縦にしか出ないのに対して、このインフィニティは横にも出るということです。 そして横に出る超音波というのは、縦に較べて効率が良い上に目へのダメージが少ないのです。ただ、横発振だけでは機械が詰まったりすることもあったのですが、 数年前にOzil IP(オジールアイピー)と言って、横発振だけでは無理な場合に必要な時のみに縦発振を入れることが出来るようになり、その欠点もほぼ解消しました。 ここで何故私が最終的にインフィニティを選んだのかをまとめておきます。 1. どのマシンもそれぞれに特色があり選択は困難だったが、発想を変えて「もしも値段が全部一緒だったら自分はどれを買うだろう?」と考えたときに、インフィニティが一番だった。総合力で他社を上回った。 2. インフィニティは発売後8年が経過し、その間に欠点・弱点を一つずつ潰してきておりとにかく完成度が高い。良く「輸入車買うなら、熟成度の高いモデル末期を買え!」みたいな話があるが、まさにそれと同じ状況だった。 3. 私の開業しているエリアは高齢化率が極めて高く、そのために白内障が非常に進行した患者様が多い。そういった進行した「固い核」に対して、やはりインフィニティが他社に対して相対的に優れていた。 ということでした。ただ、他社のマシンにもそれぞれに良い所はありました。ボシュロム社のステラリスは通常の核の固さの症例であればその前房(目の中の手術スペース)の安定性は驚異的でインフィニティを全く寄せ付けないレベルでしたし、アボット社のシグネイチャーもスペックが高くダブルポンプ搭載で本当に良いマシンでした。また唯一の国産ニデック社のフォルタスも基本性能に磨きをかけ実力のあるマシンでした。 最終的にはボシュロム社のステラリスと日本アルコン社のインフィニティの2つが残り、最後の最後まで悩みました。率直に言えば、通常レベルの白内障であれば、手術の快適度・ストレスの少なさはステラリスに軍配が上がると感じました。ステラリス、本当に驚異的に良いマシンと思いました。ただ進行した白内障になるとインフィニティに軍配が上がることと、ステラリスはデモさせていただいた期間が短くて自分用のセッティングを煮詰めきれないまま最終判断せざるを得なかったこともあり、今回はインフィニティを選びました。 ディーラーの吉田メディカル様、アーガス様、また機械メーカーの日本アルコン社様、アボット社様、ボシュロム社様、ニデック社様、本当に有難う御座いました。私はこれからニューマシンを得て、今まで以上に安全な白内障手術を提供できるように頑張って行きたいと思っています。
2011.09.29
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開院2年目を迎え外来問診票を見直しました。項目を減らし、文字を大きくして見やすく記入しやすくしました。もちろん診察にどうしても必要な情報は全て入れてあります。 患者様の訴え・既往歴を見逃さないようにするためには、この問診票というものは極めて大切なものです。これからもより記入しやすい問診票になるように努力を重ねて行きたいと考えています。
2009.05.26
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欧米ではすでに2年前に発売され大評判となっている、次世代型1日使い捨てソフトコンタクトレンズのワンデーアキュビュー・トゥルーアイが、 いよいよ日本でも4月27日に発売となります。 このトゥルーアイどこが凄いのか、それは、 酸素透過性に極めて優れた素材である、シリコーンハイドロゲルを世界で初めて1日使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズに採用したことです。 このワンデーアキュビュー・トゥルーアイは目に十分な酸素を供給できるので、従来型のコンタクトレンズに較べてはるかに安全です。 上の表のDk/L値というのがその酸素透過率なのですが、トゥルーアイは118、従来型のワンデーアキュビュー・モイストは33.3でしたから、酸素透過率はなんと3.5倍、まさに異次元の安全性 です。 当院でも、もちろん全国発売と同時にこのトゥルーアイの処方を開始します。より多くの方にこの「世界で最も安全なコンタクトレンズ」を体験して頂きたいと考えています。
2010.03.26
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さて昼ごはんを食べ終わった私ですが、松山へ戻る飛行機は最終便を予約しているためまだ時間がたっぷりあります。そこで街をブラブラ散歩していると、 良さそうな中古CD屋さんを偶然見つけました。思わず中に吸い込まれて数枚のCDを買います。私は1970年代~現在までのソウル、R&Bなどのブラックミュージックを中心に約4000枚のCDを収集しており、中古レコード屋さんが大好物なのです。そのため眼科医を引退したら私も中古CD屋さんになる予定です。ただ、もちろん地元の八幡浜地域の皆様に必要とされる限りはまだまだ眼科医として頑張りますが。(笑) さて小雨の振る中、街の探検を続けていると、 全身ブラックのクールでお洒落なビルを発見します。良く見ると都会で大人気と聞くファッションブランド、「アバクロ」のお店です。私も早速潜入します。 店内に一歩足を踏み入れると、大音量の音楽、落とした照明、立ち込める香水の香り、まるでナイトクラブそのものの空間が広がっています。入り口には何故か上半身裸のマッチョマンのイケメンがいて、ポラロイドで一緒に記念写真まで撮ってくれます。 「うーん、これは新しい。でも、店が薄暗くて商品を選びにくいし、眼精疲労(がんせいひろう)になりそうだな。」と思いながらも、せっかく来たので何点かの商品を買い求めます。 お店を出た後で、「あっ、この店は商品ではなく、哲学を、そしてブランドそのものを売っているんだな」と気付きました。そして、「医者の世界も一緒だな。絶え間ない努力と全国レベルの医療水準を前提として、そこに自分のクリニックならではの考え方を反映させていかなくてはいけないんだな」と感じました。(続く)
2011.07.25
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目の表面の角膜(黒目)にエキシマレーザーを照射して、角膜の一部を削る(蒸発させる)ことにより視力を矯正する手術、レーシックがこの数年で爆発的に広まっています。今年1年で50万人以上が手術を受けられるだろうという予測もあります。ここまでレーシックが普及したのには、 1.手術の安全性が極めて高いこと。 2.ほとんどの症例で術後すぐからすぐれた裸眼視力が出て患者様自身が手術の効果を実感しやすいこと。 3.格安料金を売りにする大手レーシッククリニックの急成長に伴う手術数の爆発的な増加。 の3つの要因があると思うのですが(特に3番目の理由が大きい)、それに伴って 「レーシック手術の負の側面」 も目立つようになってきています。 今週号の週刊文春に、 「レーシック手術が危ない」という記事がちょうど出ていたのですが、 この記事はレーシック手術の問題点を鋭く指摘しています。 しばらく前に銀座眼科でのレーシック術後の集団感染症の発生が大きな話題となりましたが、この感染症というのはしっかりしたクリニックならば発生頻度は非常に低く通常それほど恐れる必要はないと思います。 ただレーシック手術というのは角膜の知覚神経を切ってしまう手術なので、術後にはドライアイがほぼ必発します。ほとんどの方は点眼薬治療で3カ月もすれば自覚症状は改善しますが、中には症状が残ったり、強い頭痛や肩こり、集中力低下などの自立神経失調症状が出ることもあるので、決してこのドライアイを甘く見ることはできません。 また意外と知られていないのですが、レーシック治療は保険のきかない自由診療なので、術後の治療も自費になり保険は効きません。 私のクリニックにも大阪などの大都市圏のレーシック専門クリニックで手術を受けられ、簡単な紹介状を持たれて術後の診察を受けに来られる方が増えていますが、その診察が自費となることを説明されていない方がほとんどです。大手のクリニックは術後のフォローアップに関して、悪い言い方をすると「手を抜いている」ために格安料金を設定できている部分があることは皆様にも知っておいて欲しいと思います。 もちろん当院では他院でのレーシック術後に関しても丁寧に全力でフォローさせて頂きますが、手術後もずっと診てもらえる施設で手術を受けるのが原則(仮に手術代金が高くても、それは術後のフォロー代金も入っているわけで、単純に手術代金のみではクリニックの良し悪しは決められない) であることは強調しておきたいと思います。
2009.08.01
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さて、いよいよその発売が迫ってきたドライアイの大型新薬、ムコスタ点眼液ですが、先日ようやくサンプルを戴けたので実際に試してみました。 ユニットドーズ製剤と言って、使いきりタイプの点眼剤です。早速開けてみましょう! おぉ、白色の濁り液です。うーん、これは溶けにくくてお薬の成分を目薬に仕上げるのに苦労したでしょうね。。。大塚製薬の開発者の方、お疲れ様でした。では早速点眼してみます。大型新薬ですので、院長の私はもちろんスタッフの皆も挑戦してくれました。その感想は、、、、 点眼した後、1分くらい目がかすんで見えない。 鼻から口にかけてかなりの苦味が来る。 あたりの、ネガティブな意見が最初に多く出ました。 添付文書にも苦味が多いということは書いてありましたし、ホリエモンではないですが、まあ「想定の範囲内」ですね。(笑) ただ、点眼後しばらく経つと、 なんだか目がスッキリした。 目がしっとりと潤ってきた。 目が暖かい感じで調子が良くなった。 など、やはりムコスタ点眼液のパワーを実感させるポジティブな感想が多く出ました。ムコスタ点眼液は、対照薬となった参天製薬の歴史的名薬の0.1%ヒアレイン点眼液に対して有意差を持ってドライアイ症状を改善するというデータが出ていますし、やはり力はありますね。 私の個人的な感想を言うと、「点眼直後のかすみや苦味は確かに弱点だが、それを上回る効果は間違いなくある! 少なくとも重症のドライアイに苦しむ患者様はトライする価値のある目薬である。」というものでした。 またこのムコスタ点眼液は、先行して発売されている同じ「ムチン産生促進薬」のジクアス点眼液とは作用の仕方が違うとの事なんですね。 添付文書には色々と難しいことが書いてあるのですが、ムコスタ点眼液が実際にどういう理屈で効くのかはまだ分かっていないとの事です。 ただ、ムコスタはジクアスの作用点であるP2Y2受容体には影響を及ぼさないことは分かっており、もしかすると、ジクアス点眼液とこのムコスタ点眼液を併用すると1+1=2のように、ドライアイにもっと効くのではないか?という期待も膨らんでしまいます。 いずれにしても、近い将来のムコスタ点眼液の登場が本当に待ち遠しいですね。
2011.11.09
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さて今日は「眼科臨床実践講座2013参戦記の」続きです。 いよいよ初日の勉強会が始まりました。 最初のセッションは角結膜感染症をオーバービューするものでしたが、この中で特に勉強になったのは「アメーバ・真菌感染」のお話でした。今日は自分用のメモ書きとして印象深かったところをピックアップしておきます。以下、眼科専門医向けのやや特殊な内容となることを御了承下さい。 最近「粗悪なカラコン」の大流行により激増しているコンタクトレンズ関連の角膜炎ですが、その原因として約3分の1がアカントアメーバによるものとのことでした。これはアメーバの一種であるアカントアメーバが角膜に感染して起こる病気で、角膜の感染症のなかでは極めて重篤なものです。以前は稀な病気と言われていましたが、女子中高生の「3種の神器」が「カラコン、つけま(付けまつ毛)、スマホ」と言われる現在、恐ろしいことに増えているんですね。 このアカントアメーバ角膜炎の恐ろしさは、まずは診断が非常に難しくて治療が後手に回りやすいこと、次に診断がついても通常の抗生物質の目薬が効かないのでなかなか退治することが出来ずその間に重症化しやすいことです。 今回の勉強会ではそんな恐ろしいアカントアメーバについて、最新の診断と治療法について学ぶことが出来ました。具体的に見て行きましょう。 まずアカントアメーバを疑うきっかけとしては、 治療しても良くならないコンタクトレンズ関連の角膜炎が怪しいということでした。ただ、普通の外来顕微鏡で見ただけでは診断は難しく、アメーバの検出には蛍光試薬と蛍光顕微鏡が必要になります。そしてこれらのアイテムは実は、 ネットで安くで買えることが紹介され、勉強になりました。そしてこれを実際に使うと、 一発で判定できるとの事でした。(続く)
2013.10.03
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角膜に潰瘍が出来てしまいなかなか治らない患者様がいらっしゃいました。 目の状態は上の写真の様な状況で、見ただけで大きな潰瘍(写真で緑色に染まっている部分)があるのが分かりますね。 これは「周辺部角膜潰瘍」という病気で、自分で自分の目を攻撃してしまっている状態です。ステロイドの目薬を使えばすぐに治ることが多く、私達眼科専門医にとっては一般的にはそれほど難しい病気ではありません。 ところが、この患者様、とにかく全然良くならないのです。目薬を変えてみたり色々と作戦を練るのですが、全然潰瘍が小さくならず改善しません。 「潰瘍部に凶悪なばい菌が住み着いていてそれで治らないのかな? それとも自分の見立てと違う何か違う病気なのかな? これは困ったな。」私も段々と焦りの色が強くなっていきます。 そんなある日、患者様を診察していると、かなり強く目を閉じる癖があることに気付きました。「もしや?」と思って患者様に自分で目薬を点してもらうと、 点眼した瞬間に目を強く閉じてしまっており、実際には目薬が全く目に入っていませんでした。 つまり、この患者様はちゃんと目薬を点せていなかったせいで、それで全く治らなかったのです。 そこで、この日からは奥様に代わりに目薬を点してもらうようにしたところ、 潰瘍はほんの数日で見る見る良くなりました。 大変勉強になる、そして印象に残る出来事でしたね。
2017.01.15
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当院では、先週末からOCTという新しい検査機械をデモ中です。このOCTというのは正式には、Optical Coherence Tomography: 光干渉断層計といいます。 ではこのOCTで何が分かるのかというと、カメラで言うとフィルムにあたる部分である網膜の状態を立体的に3次元的に見ることが出来るのです。具体的には糖尿病網膜症、黄班円孔、網膜はく離、加齢性黄班変性、緑内障などの病気で威力を発揮します。 では、そのデモ中の機械を実際に見て戴きましょう。 色々なメーカーから発売されているのですが、今回デモ中の機械は非常にコンパクトかつスタイリッシュに仕上がっていますね。 ↑ これが網膜の黄班部という視力に一番大切な部分の実際の画像です。このように中心が少し凹んでいるのが正常な状態です。 ↑ これは視神経乳頭という部分を解析したものです。色が赤い部分は視神経繊維層が減っていることを示しています。 このようにOCTという機械は、目の奥の網膜の状態を非常に分かりやすく表現してくれるんですね。 機械の先っぽに器具を取り付けると、角膜という目の表面の状態を解析することもできます。 このOCT、当院でも1年以内に実際に導入予定です。検査時間が早くて患者さまに負担をかけない、検査精度が高い、そして価格が納得できる、などの観点から、ベストの機種を選定していこうと考えています。
2010.05.25
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さて2010年12月の発売以来、今や日本人の国民病とまで言われる「ドライアイ」の治療を革命的に進歩させた参天製薬の名薬、ジクアス点眼液。 このジクアス点眼液は従来型のヒアルロン酸の点眼薬(商品名で言うとヒアレインやティアバランス)よりも明らかに効果が強い、目の表面の傷を改善する力が高い、ドライアイ分野では15年振りの待望の大型新薬だったわけですが、発売後の売上高の順調な伸長(現在年間75億円)がジクアスが非凡なお薬であったことを明白に証明しています。 ところで ジクアス はその薬理作用上、目の細胞からの水分とムチンという物質の分泌を促進するので、点眼後に目を潤す効果が強いお薬です。そのため多くの方が苦しんでいる [ソフトコンタクトレンズ装用中の目の渇き] に抜群な効果を発揮する のですが、残念ながら今まではソフトコンタクトレンズの上からは「原則として」点眼することが出来ませんでした。 それはジクアスが防腐剤としてベンザルコニウム塩化物というものを使用していたからです。このベンザルコニウム塩化物(我々の業界では「塩ベコ(えんべこ)」と略す)は非常に防腐剤としての効力が強い反面、角膜(くろめ)の表面を荒らしたり、ソフトコンタクトレンズを劣化させたりするという副作用があったのです。ただこの塩ベコを使わずに目薬を作るのには非常に高い技術力と費用が必要なので、特に安いジェネリック医薬品には大量で高濃度の塩ベコがべっとりと含まれているのが実情です。 さて今回ジクアス点眼液は製品改良により、 この悪の元凶である「塩ベコ」を取り除くことに成功 しました。 それによって、 ソフトコンタクトレンズの上からも安全に点眼が出来るようになりました。 ジクアス×ソフトコンタクトレンズのコラボレーションは非常に目が潤いますので、コンタクトレンズ使用中のドライアイ患者様にとっての大きな福音と思います。 素晴らしい製品改良 ですね。 我々眼科専門医が世界トップレベルの眼科医療を提供できているのは、この参天製薬に代表される日本の点眼薬メーカーの高い技術力に負うところが大きい のです。本当に感謝・感謝ですね。
2015.12.21
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どうして人間の瞳は丸いのですか? という質問を患者様から戴きました。今日はこの問題について考えて見ましょう。 まずここで言う瞳と言うのは目の真ん中に開いている「瞳孔」のことですね。私達人間は 「外界からの情報の80%を目から手に入れている」 と言われており、その入り口となるとても重要な部分となります。 さてこの瞳孔、我々人間はたまたま丸いわけですが、 実は動物によって異なる のです。! (眼科セカンドオピニオン 銀海舎 P53より引用) 猫が縦型なのは割と皆さんも御存知かと思うのですが、 ヒキガエルはなんとハート型 なんですね。 また我々人間でも、たまにこのハート型の瞳を見ることもあります。 これはある患者様に検査のために散瞳薬という目薬を入れたところなのですが、上方の虹彩(茶目)の一部がその後ろの水晶体とくっついている関係で、偶然「ハート型」になっています。 患者様に「目がハート型になっていますよ。」とこの写真をお見せしたら大変喜んで頂いたのですが、とっても珍しいものが見れて私も嬉しかったです。こういった様々な楽しいことがあるので、私は毎日の外来診療が大好き なんですね。
2016.06.06
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患者様から、「あくびをするとどうして涙が出るの?」という質問を受けました。今日はこの問題について考えて見ましょう。 涙は、下の図の目尻の上のほうにある涙腺(るいせん)というところで作られています。 そしてあくびをすると、顔の筋肉が持ち上げられて涙腺が圧迫されることにより、「搾り出される」ように機械的に涙が出てくるのです。これが「あくびをすると涙が出る理由」です。とても単純な仕組みなんですね。(笑)
2018.08.21
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シリーズでお送りしている「緑内障点眼薬の世界」。 今日も緑内障治療の第一選択剤である、プロスタグランジン関連薬の世界を見ていきましょう。 6回目となる今回はエイベリス点眼液(一般名 オミデネパグイソプロピル)です。一般名がえらく難解ですね。そういえば、しばらく前に学会に行った時に、緑内障の世界では有名な某大学教授が、名前を言い間違えて舌を噛んでいました。 このエイベリス点眼液は以前にも当ブログで紹介したことがあるのですが、プロスタグランジン受容体のサブタイプのひとつであるEP2受容体作動薬です。今日は復習として改めて詳しく見ていきましょう。 これは今までに全くなかったブランニューの効き方をする画期的な新しいお薬となります。具体的には、目の中を流れている「房水(ぼうすい)」を2種類の経路を使ってその流出を促進することで眼圧を下げてくれます。 一番気になるのはその効き目ですが、 現在緑内障治療でファーストラインとして使用されている名薬 キサラタン点眼液(一般名:ラタノプロスト) に比べて「非劣性」 であるというデータが出ています。つまり、 滅茶苦茶良く効く ということですね。 またキサラタンに代表される プロスタグランジン製剤(他にはトラバタンズ、タプロス、ルミガンなどのお薬があります。) には、点眼によって目の周りが落ち窪んだり、黒くなったり、毛が生えたりという、患者様に非常に嫌がられている、 PAP(眼窩周囲症状 Prostaglandin associated periorbitopathy)と呼ばれている副作用 があるのですが、エイベリスはこのPAPが少ないと言われています。 ただその一方で、 結膜(白目)の充血や黄斑浮腫(目の奥の網膜の視力に関係する大切な部分の腫れ)などの副作用がやや多い という欠点があります。そのため、 白内障術後で目の中に眼内レンズが入っている患者様や、タプロス(一般名:タフルプロスト)という点眼液を使っている方への使用は禁忌 となっています。 さて眼科専門医として正直に言うと、このエイベリス点眼液はやや副作用が多そうで、「ちょっと気難しそうな薬」という印象はあります。ただその一方で現在緑内障治療のファーストライン(第一選択薬)である前述の プロスタグランジン製剤のPAPという副作用をものすごく、死ぬほど嫌がっている患者様というのは実にたくさんいらっしゃるので、そういった方々へのオプション的な選択肢としての魅力は凄くある と思います。 後、これはあくまでも個人的な意見なのですが、このエイベリスは副作用として角膜肥厚(点眼によって黒目が分厚くなる)が報告されているのですが、これは逆に色々な感染症や炎症性疾患で角膜が薄くなってしまった患者様に治療薬として使える可能性があるんじゃないかな?と以前から思っています。薬の作用というのは不思議なところがありますからね。 いずれにせよ、「日本発&世界初」のこの新しい機序を持ったエイベリスの今後の活躍が楽しみです。
2019.07.05
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