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今週号のフライデーを本屋さんで立ち読みしていると、 現役眼科医が告発する! 「ワンデーアキュビュートゥルーアイ」の問題 使い捨てコンタクトに「シャンプー成分混入と異常形状」 なる記事が載っていました。 記事の内容は、「トゥルーアイが目にしみるという訴えが多いので、ある現役眼科医が化学分析をしてみたら、製造ライン改修後で問題が無いはずのレンズにシャンプー成分が入っていた!」というものでした。 この「ワンデーアキュビュー・トゥルーアイ」 は 世界初のシリコーンハイドロゲル素材の1日使い捨てコンタクトレンズで、従来型のコンタクトレンズに較べて驚異的に高い酸素透過性を誇る「究極のレンズ」です。私は患者様にもお勧めしていますし、自分自身でも毎日実際に使用してもいます。 競合他社は今のところこの「シリコーンハイドロゲル素材の1日使い捨てタイプ」ではまったく追随することが出来ず、製造元のJ&J社の技術力の高さをまざまざと見せつける形になっています。 ところが、この「ワンデーアキュビュートゥルーアイ」、我々眼科専門医の高い期待を裏切るような商品の自主回収が続き(現在までに2回)、また製造ライン改修のため、今でも度数によっては生産中止の状態が続いています。 安定・安全供給さえされれば、この「ワンデーアキュビュートゥルーアイ」に勝てるコンタクトレンズは現状存在しないと率直に言って思います。だからこそ、J&J社には更なる情報提供の徹底と安全性の向上を望みたいと考えています。
2011.01.29

さて昨年の12月13日の発売以来、今日までで当院でも2000本以上を処方させて頂いた「ドライアイ」の画期的な新薬ジクアス点眼液ですが、 たくさんの患者様からその使用感を教えて頂き、また処方後の目の状態を診せて頂くことによって「ジクアス点眼液の長所と短所」がかなり見えてきました。 まず第一に言えることは、ジクアス点眼液は従来型のヒアルロン酸の点眼薬(商品名で言うとヒアレインやティアバランス)よりも明らかに効果が強い、目の表面の傷を改善する力が高い、ということです。やはり15年振りの待望の新薬だっただけのことはあります。 そして次に言えることは、その高い臨床的効果を背景にして患者様の「自覚症状」が改善する場合が非常に多いと言うことです。それは具体的には、 ジクアス点眼を始めてから、明らかに目の調子が良くなった。 パソコンをするときに目がほとんど疲れなくなった。 本が読みやすくなった。 点眼してしばらくすると目が元気になる。 目が常に潤っている感じで視力が良くなった気がする。 などの患者様からの喜びの声で分かります。従来型のヒアルロン酸の目薬では、ここまではっきりした明白な評価を戴ける事はほとんどなかったので、やはり「ジクアスは凄いな」と思います。 その反面、「ジクアスが合わない」患者様も一定の率で存在することも分かってきました。合わない患者様は、 ジクアスさしたら涙が出っ放しになって仕事にならない。 常に泣いてるみたいで目がウルウルになってしまい、本も読めない、テレビも見れない。 涙が出るので気にして目を触っていたら周りが腫れた。 うまく言えないが良くない。前のヒアルロン酸の目薬の方がサラッとしていて良い。 などと仰います。10人処方させて頂くと1人くらいが合わない、という印象です。 ジクアスはその薬理作用上、目の細胞からの水分とムチンという物質の分泌を促進しますので、点眼して「涙が出る」というのはある意味当然なのですが、どうやら「効きすぎる」患者様がいるようなんですね。 そういった患者様に関しては、点眼回数を絞る、従来型の点眼に戻す、などの対処をしていますが、これからも更に勉強を重ねてより精度の高いドライアイ治療を目指して行きたいと考えています。
2011.01.24

目のかゆーい、花粉症。その代表例が2月上旬に飛び始めるスギ花粉によるものなのですが、 どうもわずかですが、そのスギ花粉がここ愛媛県八幡浜市でも飛び始めているようです。「急に目が痒くなった」という患者様がポツポツ来院されているんですね。 昨年が記録的な猛暑だったので、「夏が暑いと翌年の花粉が多い」の原則通り今年は半端ない量のスギ花粉が飛ぶと考えられます。治療開始が早い方が症状が軽くて済みますので、花粉症の方は早めの受診をお願い致します。 ちなみにこの花粉症、「それまで毎年なんとも無かったのに、ある日突然発症する。」ことがあります。私はこの現象をいつも、 「恋と花粉症はある日突然訪れる」 と患者様に説明しています。(笑) まあいずれにせよ今は良いお薬がたくさんありますので、よほどのことがない限りは来院戴ければ症状は改善します。ご心配なく。
2011.01.22

今日は日曜日。朝少し遅めに起きると外は一面の雪景色でした。 私は現在開業している愛媛県八幡浜市にやって来てちょうど5年になるのですが、こんなに雪が降ったのは初めてのことでした。日本でも有数のみかん産地で普段は非常に温暖なのでびっくりしますね。 明日も道路には雪が残っていると思います。皆様、十分に気を付けて御来院下さいね。
2011.01.16
私が専門としている白内障手術、今や術式は高度に洗練され短時間で安全に受けられる手術として多くの患者様に認識されています。 ところがこの白内障手術、手術医としての立場から見ると一つ一つの手技に様々な落とし穴が潜んでおり、「やればやるほど難しい手術である」というのが実感です。実際、1年に数千例の白内障手術を行うような日本のトップサージャンでも「白内障手術は簡単だ」などという方は聞いたことがありません。 白内障手術は日本で年間に100万例近くが行われそのほとんどが上手くいくのは事実ですが、それは我々白内障手術医の毎日の必死の努力の積み重ねの結晶でもあるのです。 私も今までに2000例以上の白内障手術経験がありますが、常に安全な手術を行うために、「安全な白内障手術施行のための15か条」というものを作っており、毎回それを熟読してから手術室に向かうようにしています。今日はそれがどのようなものなのかちょっと難しいかもしれないですが見て頂きましょう。 1. 手術制御糸は上も下も絶対確実に取る。取れなかった場合は躊躇なく取り直す。 2. サイドポート(角膜の横2ヶ所に開ける手術のための穴)作成時には、眼球位置が緊張で変位している患者様が良くいるので、その場所で本当に良いかどうかもう一度確かめる。 3.ビスコート(目の中を保護するゼリー状の固い物質)はしっかり入れる、ただし入れ過ぎない。 4.CCC(水晶体の表面の皮をめくる、手術で最も大切な手技の1つ)を始める前に、何よりも眼位が正位に保たれているかを確認し偏位していれば指示して修正する。CCCは「初めは大きく後は小さく」を徹底する。中心よりやや右側で穿孔し、切れ方をしっかりと目視しながらある程度大きめを意識して進める。そのとき、常にフラップを確実に作ってそれを持って安全にCCCを進めることを意識するのが大切である。後半の3分の1くらいになったら色気を出すと流れやすいので、そこはもう無理しない。 5.手術切開創は「輪部に近い2面、長すぎない3面」を心がける。そのくらいの創の方が操作性が良い。特に溝堀で有利になる。 6.ハイドロダイセクション(水晶体の皮と中身を水の流れで分離する手技)は最低でも2箇所以上から回す。1箇所だけだと効ききっていないことがある。後、ハイドロ針は十分に奥まで突っ込んで使用する。水流は強すぎるとCBS(水晶体の皮の裏側が裂けてしまう事)のリスクがあるが、かといって弱すぎると回らない。更に大切なことは注水後上からハイドロ針であまり核を押さないこと!(あまり押さえると水が逃げてしまいかえって回らなくなる) 7.溝堀はとにかく「掘って掘って掘って掘って掘って掘って、止めて割る」を徹底する。グレードが高くても逆に低くてもしっかりとした溝さえあれば必ず割れる。全例D&C(ディバイド&コンカー:術式の名前)の私にとっては「溝がすべて」であることを自覚する。 8.4分割時はUStip(超音波を発信する白内障手術器具)を刺す位置が浅くなりすぎないように気をつける。また不完全分割にならないように粘って粘って確実に割る。 9.IA(水晶体の皮質という部分を取る器具)では、皮質を捕まえたら網膜方向(Z軸方向)に少し引いて取っていくようにする。 10.IOL(眼内レンズ)挿入前にはヒーロン(目の中を保護するゼリー状の柔らかめの物質)でバッグ(水晶体の袋)をパンパンにし、更に必ずビスコートブロックをする。 11.プリセットIOL(私が現在使用している眼内レンズは、インジェクターという目の中への挿入機械の中に前もってレンズが装填されている)はたまにおかしなセッティングになることがあるので、懸念を感じるときには迷わず新しいものに交換する。 12.IOL挿入時には動きを良く見て先行ループ(レンズに生えている足)を必ずin(水晶体の袋の中)に入れる。その後左手をしっかりと回外して、IOLをリリースする。 13.ヒーロンをたっぷりと追加してバックを膨らませた上で、「視神経乳頭に向かって押す」 を意識しながらフックでIOLを収める。 14.最後のIA(目の中の最後の仕上げの掃除)は時間をかけて丁寧にやる。眼内炎(術後の怖い感染症)発症阻止に最も大切。 15.wound(傷口)からリーク(水の漏れ)がないことをMQA(スポンジの名前)でしっかりと確認する。リークがあれば確実に止まるまでハイドレーション(漏れを止める手技)する。 この内容は、常に自分自身の手術を厳しく見つめ反省しながら細かく微調整しています。 これからも1つ1つの白内障手術を「自分の両親の手術を手がける気持ちで」丁寧に確実に施行していきたいと思っています。
2011.01.15

さて当院ではさまざまな病気の診断・治療に大きな威力を発揮する、OCT(Optical Coherence Tomography: 光干渉断層計)という新しい検査機械である、日本のトプコン社の「3D OCT-2000」というマシンを導入しているのですが、 この3D OCT-2000を今週バージョンアップして貰いました。 3D OCT-2000は、OCT画像と同時に通常の眼底写真も撮ってくれて、実際の眼底写真とOCT画像を同時に見て戴きながら分かりやすく病状を説明することが出来るので患者様に大好評であること・マシン本体がスタイリッシュで非常にコンパクトなこと・タッチパネルの操作性が抜群なこと・各撮影モードがしっかりと作りこまれていること、と多くの長所があるのですが、その反面、 1. 目の視神経の形状を調べる「サークル」モードでの視神経乳頭のオートでの検出率が非常に悪い。 2. 多機能すぎてマシンに内蔵されているコンピューターに負担がかかり過ぎるためか、ガンガン使っていると突然フリーズすることが良くある。 という欠点も抱えていました。 今回のバージョンアップでは上記の1の欠点が、「視神経を一度見つけるとロックして追いかけて撮影する」という「Disc Lock」機能が新規搭載されたことによりほぼ消失しました。 わざとずらして撮影しても視神経を正確に検出してくれるぐらいにレベルアップしており、これで撮影の成功率は100%にかなり近いところまで来ました。(従来のモードでは成功率はせいぜい70%くらいでした) 今回のバージョンアップは率直に言ってもの凄い進化だったと思います。トプコン開発陣のこの3D OCT-2000に賭ける情熱を感じました。私も機械の進歩に負けないようにOCT読解力を鍛えて行きたいと考えています。
2011.01.12

1月28日(金)~1月30日(日)に京都で開催される、第34回日本眼科手術学界総会 出席のため、1月28日(金)の午後、及び1月29日(土)は臨時休診とさせて頂きます。 私の専門は白内障手術なのですが、白内障手術機械のこの数年の進化には目覚しいものがあります。また細かな手術道具・手技なども技術革新により少しずつ進歩しています。手術学会でしっかり最先端の眼科手術レベルを学んでくるつもりですので、ご了承の程よろしくお願い申し上げます。
2011.01.11

新年明けましておめでとう御座います。今年2011年も進化の激しい眼科医療のスピードに負けないように毎日の勉強を欠かさず、全国レベルの眼科医療をここ八幡浜地域の皆様にお届けできるように頑張ります。 学会出張による臨時休診で皆様に御迷惑をかけることがあるかもしれませんが、常に最先端の臨床・研究を学び続けることは眼科専門医として非常に大切なことですので御了承下さい。 なお、新年は本日1月4日より通常診療を開始しております。(白内障手術は明日1月5日からです) それでは皆様、今年も にしわき眼科クリニック をよろしくお願い申し上げます。
2011.01.04
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