(Patirck J. Geary, Living with the Dead in the Middle Ages, Cornell University, 1994) ~白水社、1999年~
訳者あとがきによれば、著者のパトリック・ギアリは1948年、アメリカはミシシッピ州生まれ。西洋中世史の研究者で、本書とも密接に関連するテーマを扱った著作に、『聖なる盗み―盛期中世における聖遺物泥棒―』(Furta Sacra : Thefts of Relics in the Central Middle Ages, 1978)があります。 本書は、邦訳の副題にあるように、中世ヨーロッパの死生観の変遷を通史的に追うというよりは(たとえばフィリップ・アリエスが死に対する態度の段階を論じたように)、中世における生者と死者の関係を、特に聖人(聖遺物)の扱いに重点を置きつつ、いくつかのテーマで具体的に考察していく、という構成になっています。 本書の構成は次のとおりです。