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やすじ2004 @ Re:紫蘇ジュースクレオパトラに招かれてby星子(08/25) こんにちは!! 残暑の厳しさの中でも、朝…
2015.01.21
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(Y男=義経)「そう言ってもみんな楽しそうに
   大坂の陣に参加されているじゃーありませ
   んか。例え時代が古くっても参加させて下
   さいよ」

(マスター)「はい、分かりました。ほんなら義経さ
   んは大坂方という約束で、こっちの仲間に
   入って貰います。いいえいな、今も聞いて
   の通り、こっちはもう分裂状態でっさかい
   に、

   義経さんであろうがなかろうが、一人でも
   多く仲間に入って貰て、何ですがな、今度
   こそ狸親父の鼻あかしてやらんといけませ
   んなぁ。よろしゅう頼ンます」

(石田)「もし、・・・もし、六三郎殿、我々は
   皆武士で御座る。そなたの話しようは町人
   のようで、軽軽しいですぞ。しかも戦の評
   議で御座れば、もう少し重々しく話してい
   ただかねば困るで御座る」

(マスター)「まこと、その通りで御座る。勘弁仕う
   まつる。淀君様、これは軍議で御座れば、
   何事もそれがしにお任せ下さりませ」

(田代)「爺がさほど申すなら、我慢しようぞ」


てな具合で、波瀾に富んだ軍議が再開されました。

(石田)「東方の軍容は如何ほどで御座るや?」

(真田)「某が忍びに探らせた処、秀忠の率いる
   部隊が未だ到着していないようで御座る」

(石田)「それは好都合。幸村殿の言われる夜討
   ちが最良の手だてと存ずる」

(後藤)「いかにも、それが良策で御座ろう」

(義経)「夜討ちとは何のことよ」

(後藤)「義経公は夜討ちを御存知ないか?」

(義経)「我等の時代は白昼堂々と名乗りを挙げ
   て、1対1で腕を競うのが常道なれば」

マスター)「あのねぇ、義経はんの時代と違て、今や
   鉄砲・大砲が戦の主力ですがな。時代錯誤
   も甚だしいじゃありませんか」

(石田)「これっ!六三郎殿、また平成の言葉を
   使っておじゃる。時は慶長の御世なれば、
   文語でお話しあれ」

(マスター)「これは失礼仕った。どうも義経公は仲
   間数には勘定出来かねまするな」

(義経)「今一つこと問わん。鉄砲・大砲とは如
   何なるものに候や?」

(後藤)「軍議が横道に逸れては心もとのう御座
   るによって、略して申せば飛び道具で御座
   る」

(義経)「さすれば何か、弓矢に代わって新しい
   武器が発明されたと申すのじゃな?」

後藤)「いかにも、十五間離れた所から敵を打ち
   崩すことが出来まする」

(義経)「なれば騎兵隊とは趣が違うようじゃな」

(後藤)「ご納得が行けば、会議をとくと進める
   ことに致す。・・・夜討ちの人数じゃが・・・」


 とまぁ、軍議の捗々しくないことったらありゃ
しません。一方、東軍は何事もスマートに運ぶよ
うで、


(福島)「西軍は毛利、島津、長曽我部の残党も
   増えて、大軍になっていると聞き及ぶが、
   各々方、如何致したものであろう」

(藤堂)「大御所様の仰せになる通り事を運べば、
   烏合の衆の西軍など問題では御座らん」

(福島)「いかにも仰せの如く、大砲で天守閣を脅
   かし、太閤の堀を逐一埋めて行けば、裸城
   も同然。故太閤の常套手段、大がかりな土
   木作業を併せて行うのが良策に相違あるま
   いて」

(藤堂)「城方の慌てふためく様が見えるようじ
   ゃ、ワッハッハッハッ!」


 時に家康公は若い時は信長公に義理立てされ、
立派な武将であったンですが、太閤秀吉が「浪花
のことは夢のまた夢」と辞世の歌を遺して亡くな
ってからは智謀の限りを尽くした為に、

人気は陽気な太閤さんの足元にも及びませんな。
血液型で言えば家康はA型、秀吉はO型の典型で
あったンじゃなかろうかと思います。

でぇ~何で御座います。大坂方はいつまで経って
も埒が行かないようで、

(義経)「弓矢隊が必要とあらば、義経直属の部
   隊を遣わせても苦しゅうない」

(マスター)「義経はんは未だ理解できたはらへんよ
   うですな。アンタの時代と違て、世の中回
   転が速おますンや。弓矢なンて、ぎゅーう
   と絞っている間に、ズダーンであの世行き
   ですがな。もおええ加減に時代について来
   て貰わなどもならん!」

(石田)「これっ!六三郎、控えぬか!」

(マスター)「関西弁であろうとなかろうと、そんな
   ン気にしてられまへん。イライラしますが
   な」

(石田)「静かに召されい。・・・時に義経の殿、
   静御前は大層な美人だったと専らの噂で御
   座るが、まことのことに候や?」

(義経)「ふーむ。あれほど綺麗な女子は居らぬ
   わい」

(石田)「色が抜けるように白かったンでしょう
   な?」

(義経)「色が白い上に餅肌であった」

(マスター)「ちょっちょっ一寸待って下さい。その
   辺で何の話、しているンですか。大坂の陣
   はどうなるのですか?」

(後藤)「大坂の陣よりこっちの方が面白い。ねぇ
   皆さんそうですな?」

 もうこうなって来ると話がごちゃごちゃになっ
てしまいます。源平なら源平、大坂の陣なら大坂
の陣とどっちかに纏めなくては、にっちもさっち
も行かなくなります。

(後藤)「義経さん、貴方がジンギス汗だという
   裏話もあるンですが、其処ン処はどっちで
   すか?」

(義経)「はぁーて、そんな話になっていたンで
   すか。とんと身に覚えありませんが」

(後藤)「なら、あの話は嘘ですね?」

(義経)「嘘です。きっと天狗の仕業でしょう」

(後藤)「何でそんなに自信持って言われるンで
   すか?」

(義経)「元はと言えば私ゃ~牛若丸、一緒に暮
   らした天狗のしそうな事ぐらい分かります。」



 この落語は20世紀の終焉近くに庶民的な語り口
で、落語を我らに近づけた桂 枝雀師匠に語って貰
ったらなとの思いで創作した現代落語です。








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Last updated  2015.01.21 08:55:32
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