ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Dec 22, 2006
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「ホの字」

 ぶっ続けでいろんな室内楽曲を練習しまくるというトンデモナイ企画、一泊二日の強化合宿がいよいよスタートした。ピアニストのセス氏の提案によるもので、彼の邸宅に泊まりこみ、二重奏から五重奏まで、過去に弾いたものから新曲まで、弾きたい人が弾きたいときに集って弾くという、36時間に及ぶ娯楽行事。弾いてない時間は、 呑むか、喰うか、仮眠 (ヒッピー暮らしのよう)。隠れてさらっている真面目な人もいたりして。
 題して、「 誰も寝てはならぬ、弾き納めの儀、2006 」、ついに開幕!

 セス(ピアノ)、ルース(チェロ)、僕(バイオリン)の三人組は、律儀に事前の打ち合わせどおり、新曲に二曲取り組んだ。まずはモーツァルトのK542から。

 ずばり名曲だと思う。
 しかし、セスは「それほどでもない」と否定的。そこまで批判する意味がわからなかったけど、モーツァルトはただでさえピアノの名曲が多いから、とりたてて絶賛するほどではなかったのか。

 確かに、2楽章はイマイチだし、終楽章(3楽章)は長すぎて全体のバランスの悪さを感じずにはいられない。でも、モーツァルト後期らしい適度な重量感があって、ワタシとしたことがあっさりと惚れてしまった。


 あと、案の定チェロの出番が少なすぎる。これに関してチェロのルースお姉さまは、「貴方たちが楽しければ私はそれで幸せヨ」と、これまた泣かせる発言。うーむ、淑女は言うことが違う。

 ところで、僕はこの曲をもって、モーツァルトのピアノ三重奏をたぶん全曲制覇したことになる。K442とかいうニ短調の曲が存在するとの噂もあるけど、ヘンレ版には収録されていなかった。短調とのことで気にはなる。

 というわけで、自分なりに勝手にモーツァルトのトリオに順位をつけてみた。
 1位は文句なしで 変ロ長調K502 。2位はこのホ長調K542。3位以下はどれもだいたい同じ、というのが僕の超個人的な意見。
 たぶん、ピアニストやチェリストは全然違う意見を持ってるかもしれない。





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最終更新日  Dec 24, 2006 12:39:49 PM
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