ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 13, 2007
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「戦慄の旋律」

 本日のゲスト、ジョアンさんは、ピアノ弾きセスのご近所さんであります。ご自身もピアノ弾き。
 我々三人が定期的にピアノ三重奏を合わせてることを聞きつけ、参加の機会を伺っていたらしく、本日ついに賛助出演としてセス邸にやってきました。で、ピアノ連弾(プリモ:セス、セコンド:ジョアン)、バイオリン(僕)、チェロ(ルース)という四人編成で、誰がどっから見つけてきたのか、 メンデルスゾーンの交響曲1番を作曲家自身が編曲したという版 とやらに挑戦してみました。

 メンデルスゾーンの交響曲って、自分としてはかなり疎いです。弾いたこともないしCDも持ってない。今回の合わせも、事前に楽譜を受け取ることができなかったので、結局僕だけは初見になってしまいました。

 原曲が交響曲だから、オーケストラでバイオリンを弾くみたいな感覚で臨めば、きっと楽しく弾けるだろうと思ってました。初見という不安や緊張感よりも、オケマンシップに血が騒ぎます。

 しかし予想は大きく外れたのでありました。

 四本の手がピアノの鍵盤を叩きまくるので音量的に太刀打ちできません。彼らはいとも楽しそうに連弾してます。面白くてしょうがないらしい。
 我々弦の二人はなんか蚊帳の外にいるっていうか、落ちても間違ってもあんまり音楽的に影響はないみたい(笑)。



 曲を知らないうえに初見で弾いてる自分もいけないのだけれど、どれが主旋律なのかがわかりにくい。自分(バイオリン)なのか、プリモの右手なのか、はたまたセコンドなのか不明。チェロが何をやってるかはそもそも聞こえてこない。軽いいらだちを感じながらも、旋律探しに見切りをつけ、ガーガー弾きまくりました。で、混沌としたまま、相乗効果でテンポはどんどん上がっていきます……。

 ふと我に帰って深呼吸……。大人げなくフォルテで弾きまくってた自分を恥じました。
 曲自体は悪くないのです。ハ短調でかっこいい。

 なお、新たな発見もありました。この曲の3楽章は 彼の弦楽八重奏曲 の3楽章と全く同一でした。
 細かい動きを全部ピアノが弾いてくれるので、バイオリンパートは原曲のメンパチほどには難しくない。これはおいしい!

 終楽章(4楽章)は途中で長調に変わり、爽快感をもって終了します。

 正直言ってこの曲(編成)は期待してたほどには魅力を感じませんでしたが、いちど原曲を聴いてみる価値はありそうです。

 「第四の女」ジョアンは「機会があったらもう一度やりましょうね」とのたまって、ご機嫌のまま夜のしじまへと消えていったのでありました。





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最終更新日  Apr 17, 2007 10:14:20 AM
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Re:メンデルスゾーン: 交響曲第1番 C Op11(室内楽版)(04/13)  
ピアノのお二人はさぞ満足されたことでしょう(笑)

(Apr 16, 2007 09:02:04 PM)

Re[1]:メンデルスゾーン: 交響曲第1番 C Op11(室内楽版)(04/13)  
リスト大好きさん

>連弾は楽しいです。単純に考えてもなにからなにまで2倍ですもん。

踊る阿呆に見る阿呆みたいなもので、おそらく連弾も「聴くものではなく演るもの」という気がします。いつか自分も挑戦してみたいです。 (Apr 17, 2007 06:47:41 AM)

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