ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 13, 2007
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「七五三の法則」

 セス(ピアノ)とルース(チェロ)と一緒に、ブラームスのトリオ3番ハ短調を練習した。

 事前の連絡ミスで、ルースはなぜか2番ハ長調のほうをせっせとさらってきたそうで、いざ音出しの段階で気が付き、発狂なさってた。結局この曲を初見で弾くはめになってしまい、ご機嫌斜め。

*****

1楽章: フォルテでテキパキと激しく始まるなんて、ブラームスにしては珍しいような気もするが、いきなり三拍子ってのはやっぱり彼らしい。実際にはピアニッシモなども出てくるのに、最初から最後までフォルテの曲という印象が残ってしまった。普通、ブラームスの作品の1楽章ってのは、どれもが神秘的で意味ありげな雰囲気なのが魅力だと思ってたけど、この作品、彼のなかで何かがふっ切れたのかも。

こういう2拍子のプレストの曲をミュートを付けて弾くのって、なんか 禁欲的 で萌える(笑)。途中、 ベートーベンの弦楽四重奏曲「ハープ」 のようなピチカート大会が展開されるとこが良い。

3楽章: たぶん音楽学的には非常に興味深い楽章かも。拍子が小節ごとに異なる。「4分の3または4分の2」という強引な譜割り。当時はどう評価されたのだろうか。

brahms101

 僕はこのアンダンテ楽章に ヨハネスの愛した数式 (?)を見出した。冒頭は3+2+2の7つの拍をひとつのまとまりとしてグループ化できて、途中から3+2の5ビートになる。やがて変拍子は終了し、最後は8分の9の3拍子で終わる。名付けて「七五三の法則」。

4楽章: 険しくて厳しい音楽だが、楽しく弾ける。リズムの変化が面白い。短調から長調に変わるところ、どうもうまく弾けなかった。

*****

 この曲、実は作品番号が101。巷に流布する言い伝え、 作品番号100のジンクス(呪いの100番) がふと頭を横切ったが、とりあえずは来月も仲良くこの曲を練習することになった。課題事項が盛りだくさん。





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最終更新日  Apr 17, 2007 08:49:57 AM
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