ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 29, 2007
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「もしもピアノが味方なら」

 シューマンのピアノ四重奏曲を合わせてみた(自分はビオラ)。

 この曲は、 彼のピアノ五重奏曲 ほどではないかもしれないけど、やっぱり名曲中の名曲。四つの楽器が見事に共鳴し合い、響きやすく書かれているような印象を受ける。Es durだから?

 ずばり「難曲」。今までに経験したことのないような絶妙な難しさを感じる。アンサンブル特有の難しさと言うか。

 例えば、2楽章のスケルツォ。ピアニストのことはわからないものの、弦を弾いてる僕らとしては、弓の飛ばし具合や音色を合わせるのがすごく大変。

 4楽章も弾き応え充分。いきなりフーガっぽく始まってすごく効果的。ガムシャラに弾くだけで楽しめるけど、これまた音量のバランスに気を遣う。

 シューマンという作曲家は、自分にとっては好きでもなければ嫌いでもない。いわゆる「もしもピアノが弾けたなら」系の作曲家。この曲を弾いてて強く感じたのは、ピアノを敵にするか味方にするかが運命の分かれ道になりうる、ということ。


 実際、ピアノとバイオリンの二人(セスとアリソン)はこの箇所を嬉々として弾いていた。

schumann


 ちなみに、この曲の白眉はやっぱり3楽章か。思い起こせば若かりし頃(二十歳)、この曲のおかげで僕はシューマンの楽曲を積極的に聴こうと心がけるようになったような気がする。

 最初の和音からして打ちのめされてしまう。美しい曲なのに、甘酸っぱくもあり、ほろ苦くもある不思議なバラード。

 チェロのピーターが冒頭のソロの部分をあまりにもゆっくりまったり弾き始めたのには苦笑。そして、この楽章の「理想的なテンポ」をめぐってちょっとだけ口論になってしまった。

 僕だけじゃなく、各人それぞれに「思い入れ」のある楽章らしい。





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最終更新日  May 2, 2007 01:09:19 PM
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